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東邦亜鉛(5707)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-01-08)
995.00
前日比 -55.00(-5.24%)

東邦亜鉛とは

東邦亜鉛株式会社は、鉛・亜鉛・銀の製錬を中心とする非鉄金属メーカーであり、特に鉛製錬では国内トップ、亜鉛および銀についても国内トップクラスのシェアを持つ老舗企業である。日本の非鉄金属産業の中でも製錬技術に強みを持つ企業であり、鉄鋼の防錆用途や電子部品、インフラ分野など、日本の基幹産業と深く関わってきた。

同社はもともと国内製錬事業に加え、オーストラリアでの鉱山開発を行う資源事業も展開していたが、鉱山事業は市況変動リスクや巨額投資負担が大きく、業績の不安定要因となっていた。そのため近年は豪州鉱山を売却し、資源開発事業からは事実上撤退している。これにより経営リスクの高い上流事業を切り離し、製錬・リサイクル・環境対応分野に経営資源を集中させることで、経営再建と収益構造の安定化を進めている段階にある。

現在の事業の中核は、鉛・銀製錬を中心とした金属事業であり、群馬県の安中製錬所がその中心拠点となっている。安中製錬所では電気鉛、電気銀、電気亜鉛、カドミウム、ビスマスなどの非鉄金属に加え、副産物として硫酸や石膏も生産しており、製錬工程を通じて複数の収益源を確保する構造を持っている。鉛は自動車用バッテリーや建材用途などで安定需要があり、同社の事業基盤を支える存在となっている。

亜鉛については、従来型の鉱石由来製錬から、電炉メーカーから発生するダストや使用済み電池などを原料とする金属リサイクル事業へと重点を移している。福島県の小名浜製錬所は、亜鉛焼鉱の生産に加え、こうしたリサイクル事業の拠点として機能しており、環境負荷低減と資源循環を意識した事業モデルを構築している点が特徴である。これは、脱炭素や資源循環が重視される時代において、中長期的な競争力につながる分野と位置付けられている。

また、同社は非鉄金属製錬だけでなく、電子部品・電子材料分野にも展開している。群馬県藤岡市の藤岡事業所では、電子部品や機能材料を生産しており、素材系企業でありながら、比較的付加価値の高い分野への足がかりを持っている点は特徴的である。さらに、電解鉄事業や、金・銀・ニッケルなどのめっきを行うプレーティング事業、焼結合金加工品やタイヤホイール用バランスウェイトを扱う機器部品事業など、製錬技術を応用した周辺事業も幅広く手がけている。

本社は東京都港区虎ノ門に置かれ、大阪、名古屋にも支店を構えている。東証プライム市場に上場しており、国内製錬を担う基幹企業として一定の社会的役割を果たしている一方、非鉄金属市況やエネルギー価格の変動、設備の老朽化対応など、経営課題も多い企業である。特に製錬業は電力コストの影響を強く受けるため、外部環境によって収益が大きく振れやすい構造を持つ。

総合すると、東邦亜鉛は、鉛・銀製錬という国内有数のポジションを持ちながら、リスクの高い資源事業から撤退し、製錬・リサイクル・環境対応型事業へと事業構造を転換している過渡期の非鉄金属メーカーである。市況変動の影響を受けやすい体質は変わらないものの、リサイクル比率の拡大や事業の選択と集中が進めば、収益の安定性が徐々に高まる可能性を秘めた企業といえる。

東邦亜鉛 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益 EPS(円) 一株配当 DPS(円)
連21.3 103,469 5,894 5,419 5,508 405.7 50
連22.3 124,279 10,509 9,353 7,922 583.5 75
連23.3 145,764 4,049 3,137 794 58.5 75
連24.3 130,803 -690 -10,727 -46,452 -3,421 0
連25.3 126,267 5,625 3,689 -1,458 -101.2 0
連26.3予 118,400 2,600 1,800 1,300 41.8 0
連27.3予 100,000 5,600 4,800 3,500 112.5 0

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(百万円) 営業CF 投資CF 財務CF
連23.3 11,009 -8,128 -1,373
連24.3 3,749 -7,612 7,694
連25.3 2,896 -370 5,028

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率(%) ROA(%) ROE(%) PER(倍) PBR(倍)
連23.3 2.7 0.5 1.5
連24.3 -0.6 -42.9 -1717.3
連25.3 4.4 -1.5 -14.5 54.9(高値)/33.5(安値) 6.05

出典元:四季報オンライン

投資判断

東邦亜鉛の直近実績と予想を見ると、売上高は連24.3で1,308億、連25.3で1,262億、連26.3予で1,184億と、3期連続で減少傾向にある。トップラインは縮小局面にあり、事業規模そのものが小さくなっている点がまず確認できる。

営業利益は連24.3で-6億と赤字、連25.3で56億と黒字転換したものの、連26.3予では26億まで再び低下する見通しである。営業利益率は2023年2.7%から2024年-0.6%へ悪化し、2025年は4.4%まで回復しているが、これは赤字からの反動によるものであり、安定した高収益水準とは言えない。製錬業という事業特性を考えても、収益構造は依然として不安定である。

経常利益は連24.3で-107億と大幅赤字に転落し、連25.3で36億、連26.3予で18億と黒字は回復するものの、利益水準は低い。純利益については、連24.3で-464億という極めて大きな赤字を計上しており、これは資本構成や評価指標に深刻な歪みを残している。連25.3も-14億と赤字が続き、連26.3予でようやく13億の黒字転換見通しとなっているが、回復力は限定的である。

資本効率を見ると、ROEは2023年1.5%から2024年-1,717.3%へ急落し、2025年も-14.5%と依然として大幅なマイナスである。ROAも2023年0.5%、2024年-42.9%、2025年-1.5%と、資産を使って利益を生み出せていない状態が続いている。これは一過性の悪化というより、巨額損失の影響が強く残っていることを示しており、企業体質として非常に弱い数字である。

株価指標を見ると、2025年の実績PERは高値平均54.9倍、安値平均33.5倍と極めて高水準であり、利益水準に対して株価が割高に評価されていることが分かる。PBRも6.0倍と異常に高く、これは資本が大きく毀損した結果、分母である自己資本が小さくなっていることによるもので、企業価値が高いことを意味する数字ではない。

以上を踏まえると、東邦亜鉛は業績回復途上というより、巨額損失後の再建初期段階にある企業と位置付けられる。売上は縮小傾向、利益は黒字化しても水準が低く、ROE・ROAは依然としてマイナス、にもかかわらずPER・PBRは非常に高いという、投資指標としては極めて歪んだ状態にある。

投資判断としては、安定投資や配当目的には全く向かず、割安株とも言えない。現状で評価できるのは、最悪期を脱しつつあるという一点のみであり、これは投機的な再建期待の領域に属する。少なくとも、数値面だけで判断する限り、リスクが非常に高く、慎重姿勢が妥当な銘柄といえる。

配当目的とかどうなの?

東邦亜鉛を配当目的で見ると、現時点では対象外と判断せざるを得ない。まず前提として、予想配当利回りは連26.3、連27.3ともに0.00%であり、少なくとも今後2年間は無配が前提となっている。配当を受け取るという目的そのものが成立しないため、インカム投資の観点ではスタートラインに立っていない。

業績面を見ても、連24.3では純利益が-464億と巨額の赤字を計上し、連25.3も-14億と赤字が続いている。連26.3予でようやく13億の黒字転換見通しではあるが、これは過去の損失規模と比較すると非常に小さく、配当原資として余裕がある水準ではない。営業利益率は2025年に4.4%まで回復しているものの、ROEは-14.5%、ROAは-1.5%と依然としてマイナスであり、資本効率は極めて低い状態にある。

また、自己資本が大きく毀損している影響で、PBRは6.0倍と異常に高い数値になっている。これは企業価値が高いことを示すものではなく、むしろ過去の損失によって株主資本が減少していることの裏返しであり、株主還元よりもまず財務体質の立て直しを優先すべき局面にあることを示している。

このような状況では、仮に短期的に黒字化したとしても、配当再開は相当後ろ倒しになる可能性が高い。利益は内部留保や債務返済、設備維持に回されると考えるのが自然であり、株主還元としての配当が復活するには、安定した黒字と自己資本の回復が複数年続く必要がある。

総合すると、東邦亜鉛は配当目的では完全に不向きな銘柄であり、今後数年で配当を期待する投資スタンスには合わない。仮に検討するとしても、それは配当狙いではなく、再建が想定以上に進むかどうかを見込んだ高リスクの値動き狙いに限られる。安定したインカムを求める投資家にとっては、現時点で選択肢に入れる合理性はほぼないといえる。

今後の値動き予想!!(5年間)

東邦亜鉛の現在値1,050.0円を基準に今後5年間の値動きを考えると、同社は非鉄金属の鉛・亜鉛・銀製錬を中心とする事業基盤を持つ一方で、近年は巨額損失と資源事業からの撤退を経て、再建フェーズにある企業である。業績は不安定な波が大きく、収益性・資本効率も低い状態が続いているため、株価も業績や市況の影響を強く受けやすい銘柄である。

良い場合は、世界的な金属市況が堅調に推移し、特に鉛・銀といった製錬製品の需要が底堅く、リサイクルや環境対応製品も収益に貢献するケースである。また、製錬プロセスの効率化やコスト低減策が奏功し、赤字期からの回復が加速する状況が想定される。この場合、営業利益率は5%台後半以上、ROEもプラス圏で一桁台後半まで改善し、純利益が持続的に黒字となることで、投資家の評価が強まる。PER・PBRの歪みが解消され、市場評価が株価に反映されるようになると考えられる。これらが実現すれば、5年後の株価は1,500円〜2,000円程度まで上昇する展開が想定される。なお、環境関連・リサイクルに対する期待が高まるシナリオでは2,200円近辺まで上振れする可能性もある。

中間の場合は、世界的な金属市況が大きく崩れることはないものの、急回復にも至らないケースである。営業利益は黒字に戻るものの利益水準は低めで、収益性・資本効率の改善も緩やかにとどまる。ROE・ROAはプラスにはなるものの、投資家が積極的に評価する水準には達しない。この場合、PER・PBRの歪みは徐々に是正されるものの、依然として割高感や不透明感が残る可能性がある。株価は1,000円〜1,300円程度のレンジで推移し、5年後も1,100円前後から1,300円程度に落ち着くイメージとなる。配当は復活しないか、黒字回復後のわずかな復配にとどまる可能性が高い。

悪い場合は、世界・国内の金属需要が大きく減速し、鉛・銀・亜鉛の市況が長期低迷するケースである。原材料価格・エネルギーコストの重荷が続き、収益改善が進まないまま、再建シナリオが頓挫する可能性もある。この場合、営業利益率は低迷が続き、再び赤字転落リスクが顕在化する。ROE・ROAが再び大きくマイナスとなり、投資家の期待が冷え込む展開となる。PER・PBRの歪みも是正されず、投資評価が低迷すると、株価は800円〜1,000円のレンジで低迷し、最悪では700円台まで下落するリスクも考えられる。

総合すると、東邦亜鉛は大きな成長株ではなく、再建途上の収益改善期待が株価を左右する銘柄である。5年間では中間シナリオを基本に考えつつ、金属市況や製錬・リサイクル部門の収益改善の度合いが想定以上であれば1,500円超へ上振れする余地もあるが、市況悪化が長引くと700円台までの下押しリスクも抱えている。現時点では市況依存色が強く、業績安定化状況を見極めながらの投資判断が求められる。

この記事の最終更新日:2026年1月7日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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