株価
CKサンエツとは

CKサンエツグループは、黄銅を中心とする伸銅品と配管機器を軸に事業を展開する非鉄金属グループであり、素材から部品・製品までを一貫して手がける点に強みを持つ。持株会社であるCKサンエツ株式会社を中心に、サンエツ金属株式会社、シーケー金属株式会社、日本伸銅株式会社などの事業会社で構成されている。
グループの中核をなすサンエツ金属株式会社は、日本最大の黄銅棒・黄銅線メーカーであり、伸銅品分野で国内首位、世界でも上位に位置する企業である。黄銅は銅と亜鉛の合金で、加工性、耐食性、熱伝導性に優れ、水栓金具、ガス機器、自動車部品、電子部品、電池、精密機械部品など幅広い用途に使用されている。サンエツ金属は黄銅棒・線を素材として供給するだけでなく、自社内に切削・熱間鍛造工程を持ち、部品としての供給まで行っている点が特徴である。特に一眼レフカメラのレンズ着脱用リングでは世界シェア約90%を占めるなど、精密部品分野で圧倒的な競争力を持つ。鉛を一切使用しない鉛レス合金の開発にも注力しており、環境対応型素材として次世代合金の普及を進めている。
日本伸銅株式会社は、明治期に創業した長い歴史を持つ伸銅品メーカーで、黄銅棒・線分野でトップクラスの技術力を有している。2015年にCKサンエツグループの一員となり、設備投資と技術力を背景に、低コスト・高品質な製品をジャストインタイムで供給する体制を構築している。近年は特殊品や鍛造品など高付加価値製品の拡充にも力を入れている。さらに2025年には三井金属鉱業から三谷伸銅を子会社化し、伸銅品事業の基盤を一段と強化している。
シーケー金属株式会社は、配管機器分野で国内生産量首位クラスのメーカーであり、CKブランドとして全国に製品を供給している。環境配慮型の配管機器を強みとし、業界初のグッドデザイン賞を受賞した実績を持つほか、日本海側最大の溶融亜鉛めっきメーカーでもある。世界初となるカドミウムレス・鉛レスの環境めっきを実用化し、フランチャイズ展開も行っている。これらの技術力は高く評価され、「ものづくり日本大賞」優秀賞の受賞や国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)への登録につながっている。ライフラインを支えるインフラ分野で、見えない部分から社会を支える存在である。
CKサンエツグループ全体としては、黄銅棒・線という生活インフラや産業を支える基礎素材で安定した需要を確保しつつ、精密部品や環境配慮型配管機器といった高付加価値分野を組み合わせる事業構造となっている。素材市況の影響を受ける側面はあるものの、用途分散と一貫生産体制により、比較的安定した収益基盤を持つ非鉄金属グループといえる。
CKサンエツ 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益 EPS(円) | 一株配当 DPS(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 69,130 | 5,392 | 422 | 174 | 21.2 | 60 |
| 連22.3 | 115,343 | 10,771 | 6,571 | 4,313 | 517.2 | 70 |
| 連23.3 | 123,838 | 8,279 | 8,655 | 5,318 | 644.4 | 70 |
| 連24.3 | 111,433 | 7,929 | 6,094 | 3,815 | 458.2 | 70 |
| 連25.3 | 125,108 | 10,263 | 8,383 | 5,207 | 616.1 | 90 |
| 連26.3予 | 140,000 | 8,000 | 7,000 | 4,500 | 525.6 | 90 |
| 連27.3予 | 140,000 | 8,000 | 8,000 | 4,800 | 560.6 | 90〜100 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 連23.3 | 3,243 | -2,539 | -553 |
| 連24.3 | 3,698 | -2,680 | -1,071 |
| 連25.3 | 5,312 | -2,321 | -279 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率(%) | ROE(%) | ROA(%) | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 6.6 | 12.2 | 7.0 | – | – |
| 2024 | 7.1 | 8.0 | 4.9 | – | – |
| 2025 | 8.2 | 9.9 | 5.9 |
高値平均 7.9 安値平均 6.0 |
0.65 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績規模を見ると、2024年3月期は売上高1,114億円、営業利益79億円、経常利益60億円、純利益38億円である。素材メーカーとしては中堅規模だが、利益はしっかり確保できている。2025年3月期には売上高1,251億円、営業利益102億円、経常利益83億円、純利益52億円と、売上・利益ともに一段階伸びており、事業環境が良かったことが数字にはっきり表れている。
2026年3月期予想では売上高1,400億円まで拡大する一方、営業利益80億円、経常利益70億円、純利益45億円と、利益は2025年からやや減少する見通しになっている。ただし、急落というほどではなく、好調だった2025年の反動を見込んだ保守的な前提と受け取れる水準である。売上は伸び続けているため、事業規模そのものが縮小する局面ではない。
収益性を見ると、営業利益率は2023年6.6%、2024年7.1%、2025年8.2%と、3年連続で着実に改善している。非鉄金属・素材系としては比較的高い水準で、単なる市況頼みではなく、高付加価値品や加工・部品領域の強みが効いていることがうかがえる。少なくとも構造的に稼げない会社ではない。
資本効率の面では、ROEは2023年12.2%から2024年8.0%に一度下がり、2025年は9.9%まで戻している。ROAも7.0%、4.9%、5.9%と、安定した水準で推移している。ピーク時ほどではないにせよ、自己資本や資産を使ってきちんと利益を生み出せている会社であり、低効率企業という印象はない。
それにもかかわらず、株式市場での評価は低い。2025年の実績PERは高値平均で7.9倍、安値平均で6.0倍、PBRは0.6倍にとどまっている。ROEが約10%ある企業としてはかなり抑えられた評価で、将来の市況悪化や業績変動リスクを相当強く織り込まれている状態といえる。
これらを総合すると、CKサンエツは急成長株ではないが、売上規模を拡大しながら営業利益率を着実に高め、ROE・ROAも素材メーカーとして十分な水準を維持している。一方で、PER・PBRは明らかに低く、収益力に対して株価評価は控えめである。2026年は減益予想ではあるものの、それでも営業利益80億円、純利益45億円を稼ぐ前提であり、事業の土台が揺らぐような内容ではない。
数字だけで判断するなら、この銘柄は成長期待で買われるタイプではなく、収益力と資産価値に比べて株価が低く置かれている実質割安型の銘柄である。市況悪化時のブレには注意が必要だが、業績が大きく崩れなければ、現在の評価は慎重すぎる可能性があり、中長期での評価修正余地を持つ会社、という印象になる。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りは2026年3月期、2027年3月期ともに2.13%とされている。この水準は、配当狙い銘柄として見るとやや物足りない。一般的に配当目的で選ばれる企業は、安定的に3%前後、場合によっては4%超を期待されることが多く、それと比べるとインカムゲインの魅力は強くない。
一方で、CKサンエツは無理に高配当を出している企業ではなく、利益水準に見合った配当を安定的に出す姿勢がうかがえる。営業利益率は6%台から8%台へ改善し、ROEも一時的なブレはあるものの10%前後を確保している。キャッシュフローも営業CFが安定してプラスであり、配当の原資自体は比較的健全である。そのため、配当がすぐに維持不能になるような不安は小さい。
ただし、非鉄金属・素材系という事業特性上、業績は市況の影響を受けやすく、利益がピークアウトすると増配余地は限定的になりやすい。実際、2026年予想では減益前提となっており、配当利回りも2%強にとどまっている。高配当を積極的に引き上げていく局面には見えない。
また、PERは6〜8倍、PBRは0.6倍と株価は割安水準にあるため、会社側としては配当を大きく積み増すより、業績変動に備えた内部留保や安定経営を優先していると考える方が自然である。結果として、配当は「低くはないが、決して高くもない」位置づけになる。
総合すると、CKサンエツは純粋な配当目的には向いていない。2%台前半の利回りを安定して受け取りつつ、業績や市況次第で株価の見直しを期待するタイプの銘柄であり、高配当株として長期保有するよりも、割安評価と事業の安定性を評価して保有する銘柄、という位置づけになる。
今後の値動き予想!!(5年間)
CKサンエツの現在値4,215.0円を基準に今後5年間の値動きを考えると、同社は伸銅品(黄銅・銅)と精密部品を柱に、配管機器や環境配慮型めっきなど周辺事業も持つ非鉄金属素材メーカーである。業績は素材市況や産業需給の影響を受ける一方、営業利益率やROEは改善傾向にあり、株価は収益力に対して割安評価の傾向がある。
良い場合は、世界的なインフラ投資や自動車・電機需要が堅調に推移し、伸銅品の需要が拡大するシナリオである。配管機器や環境めっき事業の優位性が評価され、営業利益率は8%台以上、ROEも10%前後で安定すると投資家が判断する。この場合、PERが市場平均に近い8倍台後半〜10倍台前半まで拡大し、PBRも0.8倍〜1倍程度まで評価される可能性がある。これらが実現すれば、5年後の株価は5,500円〜6,800円程度まで上昇する展開が想定される。特に高付加価値製品や前工程・後工程の需要が急伸する局面では、7,500円付近までの上振れ余地もある。
中間の場合は、世界的な素材需要が大きく崩れることはないものの、急回復にも至らないケースである。アルミ・非鉄素材全般の需要は堅調だが、価格競争や原材料コストの変動が利益を圧迫しやすい。営業利益率は6%台〜7%台で推移し、ROEは8%前後で落ち着く。PERは7倍前後、PBRは0.6〜0.7倍程度の評価で、株価は業績水準に連動しながら緩やかに推移する。この場合、5年後の株価は4,000円〜5,000円程度のレンジで推移し、現在値付近からやや上方向の動きとなる可能性が高い。
悪い場合は、世界景気の減速や資本財需要の低迷が続き、伸銅品・精密部品の需要が大きく落ち込むケースである。営業利益率は5%を下回ることがあり、ROE・ROAも低迷し、収益改善の先行きが不透明となる。この場合、PERが5倍台前半まで縮小し、PBRも0.5倍を割れ込む可能性がある。こうした評価低迷が続けば、株価は3,000円〜3,800円のレンジで低迷し、最悪では2,500円台まで下押しされるリスクも考えられる。
総合すると、CKサンエツは素材市況に左右されやすい循環株の性格を持ちつつ、営業利益率・ROEが改善し割安評価で放置されやすい銘柄である。5年間では中間シナリオを基本に考えつつ、需要回復や高付加価値製品の伸長が進めば株価は上振れ余地を持つが、市況悪化や需要低迷が長引けば下押しリスクも併せ持つ。そのため、景気動向や需給動向を見極めながら投資判断を行う必要がある。
この記事の最終更新日:2026年1月8日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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