株価
ホッカンホールディングスとは

ホッカンホールディングス株式会社は、食缶業界で国内3位のポジションを持つ、製缶および飲料・食品の受託充填を主力とする企業グループの持株会社である。本社は東京都千代田区に置き、飲料缶や食品缶、PETボトルなどの容器製造と、大手飲料メーカー向けの飲料充填を収益の柱としている。派手な成長産業ではないものの、日常消費に直結する分野を事業基盤としており、景気変動の影響を比較的受けにくい安定型の事業構造を持つ企業である。
ホッカングループは、容器事業を担う北海製罐株式会社、充填事業を担う株式会社日本キャンパックおよび西日本キャンパック、機械製作事業のオーエスマシナリー株式会社を中核に構成されている。ホッカンホールディングスは、これら3事業の本部機能を担い、経営戦略の策定、資源配分、事業間連携を通じてグループ全体の競争力向上を図る持株会社である。なお、札幌市に本社を置く製海苔会社の株式会社ホッカンとは、社名は似ているものの、資本・人的関係は一切存在しない。
容器事業では、食品用缶を中心とした金属容器に加え、PETボトルなどのプラスチック容器、美術缶やスプレー缶といった一般容器まで幅広く製造している。特に北海製罐株式会社はグループの中核企業として、高い製造技術と長年の取引実績を背景に、食品・飲料メーカーから安定した受注を獲得している。容器の軽量化や環境配慮型素材への対応など、成熟市場で求められる改良・改善を積み重ねることで、価格競争力と品質の両立を図っている点が特徴である。
充填事業は、ホッカングループのもう一つの大きな収益源であり、特に日本キャンパックは国内でも有数の受託充填企業として知られている。最新鋭の充填設備を積極的に導入し、缶やPETボトルなど多様な容器・サイズに対応可能な生産ラインを複数保有している。大手飲料メーカーから委託を受け、メーカー自社工場と同等の厳しい規定スペックで製造を行える点が強みであり、風味や色合いを均一に保つ高度な品質管理体制を構築している。
中でも、内容液、容器、充填環境、包装のすべてを無菌状態で行うアセプ充填については、毎分1,200本という世界最高速クラスの生産能力を実現しており、高い生産性と徹底した衛生管理を両立している。この分野は設備投資額が大きく、新規参入が難しいため、ホッカングループにとっては参入障壁の高い強固な収益基盤となっている。大手飲料メーカーのベストパートナーとして、長期的な取引関係を築いている点も事業の安定性を支えている。
また、ホッカンホールディングスの特徴として、原材料や包材の調達から、商品開発、ラインテスト、調合、充填、包装、発送までを一貫して行う「トータルパッケージングシステム」を業界に先駆けて確立している点が挙げられる。国内飲料市場が成熟期を迎え、需要拡大が見込みにくい中で、いかに短期間で魅力的な商品を市場に投入し、トータルコストを抑えられるかが競争力の源泉となっており、この一貫体制は顧客にとって大きなメリットとなっている。
海外展開については、日本国内で培った品質管理力や生産技術を武器に、ベトナムやインドネシアといった人口増加と経済成長が見込まれる地域へ進出している。国内市場が成熟する一方で、海外では中長期的な需要拡大が期待されるため、将来の成長余地として位置付けられている。ただし、現時点では国内事業が収益の中心であり、海外事業は中長期的な育成フェーズにあるといえる。
さらに、オーエスマシナリー株式会社やKE・OSマシナリー株式会社による産業機械・金型製作事業、株式会社ワーク・サービスによる工場内運搬業務など、製造現場を支える周辺事業も展開している。これにより、グループ各社の生産活動を内製的に支援し、効率化やコスト削減につなげている点も特徴である。
全体としてホッカンホールディングスは、高成長を狙う企業というよりも、生活必需品向けの安定需要と高い参入障壁を持つ製造・充填事業を基盤に、着実な収益を積み上げる堅実型の企業グループである。派手さはないが、設備力、品質管理力、長期取引関係を強みに、成熟市場の中で確固たるポジションを維持している企業と位置付けられる。
ホッカンホールディングス 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益 (円) |
一株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 109,367 | 759 | 2,112 | -368 | -30.2 | 32.25 |
| 連22.3 | 86,329 | 1,324 | 1,488 | -1,234 | -101.2 | 45 |
| 連23.3 | 93,660 | -456 | 332 | -2,007 | -164.3 | 45 |
| 連24.3 | 90,933 | 4,390 | 5,061 | 2,719 | 222.2 | 78 |
| 連25.3 | 92,419 | 4,503 | 5,196 | 3,262 | 265.6 | 93 |
| 連26.3予 | 99,000 | 4,700 | 4,800 | 3,200 | 259.9 | 93〜99 |
| 連27.3予 | 101,000 | 4,900 | 5,000 | 3,300 | 268.0 | 100 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業キャッシュフロー (百万円) |
投資キャッシュフロー (百万円) |
財務キャッシュフロー (百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023.3 | 9,295 | 4,093 | -13,433 |
| 2024.3 | 7,359 | -3,846 | -1,226 |
| 2025.3 | 12,500 | -10,150 | -1,760 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023.3 | -0.5% | -4.0% | -1.6% | – | – |
| 2024.3 | 4.8% | 4.8% | 2.0% | – | – |
| 2025.3 | 4.8% | 5.6% | 2.4% | 5.6〜8.3倍 | 0.49倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
ホッカンホールディングスの直近業績を見ると、2024.3時点で売上高は909億、営業利益は43億、経常利益は50億、純利益は27億となっており、2025.3では売上高924億、営業利益45億、経常利益51億、純利益32億と、売上・利益ともに緩やかな増加基調にある。2026.3予想では売上高990億、営業利益47億、経常利益48億、純利益32億と、売上は伸びる一方で利益は横ばい圏を想定しており、急成長よりも安定性を重視した計画であることが読み取れる。
収益性の推移を見ると、営業利益率は2023年の-0.5%から2024年に4.8%、2025年も4.8%と明確に改善しており、赤字水準から安定黒字水準へ回復した点は評価できる。ただし4%台後半という水準は、製造業としては平均的であり、高収益体質とまでは言えない。
資本効率については、ROEが-4.0%から4.8%、5.6%へと改善し、ROAも-1.6%から2.0%、2.4%へと回復している。利益回復が数値としてはっきり確認できる一方、2025年時点でもROE5.6%、ROA2.4%と水準自体は低く、資本を高効率で活用している企業とは評価しにくい。
バリュエーション面では、2025年の実績PERは安値平均5.6倍、高値平均8.3倍と低水準にあり、市場が高い成長を織り込んでいないことが分かる。実績PBRも0.4倍と1倍を大きく下回っており、純資産面では明確な割安圏にある。これは将来成長期待が限定的である一方、業績が安定している限り下値余地も限定されやすい評価水準といえる。
以上を総合すると、ホッカンホールディングスは、営業利益率・ROE・ROAの改善によって「赤字企業」から「安定黒字企業」へと転換した局面にある。数値上は回復基調がはっきりしている一方、収益性や資本効率は依然として低く、高い成長や大幅な評価見直しを期待する銘柄ではない。
数値だけで判断する限り、ホッカンホールディングスは割安性と業績安定性を重視する投資には向くが、成長性や高ROEを重視する投資スタイルには不向きである。結論としては、「割安だが低成長、安定収益型」の企業であり、短期的な値上がり益よりも、中長期での安定保有を前提とした投資判断が妥当な銘柄といえる。
配当目的とかどうなの?
ホッカンホールディングスを配当目的で見ると、2026.3予想の配当利回りは3.85%、2027.3予想では4.14%と、東証プライムの平均と比べてもやや高めの水準にある。高配当株とまでは言えないが、安定配当銘柄としては十分に魅力のある水準である。
配当の裏付けとなる利益水準を見ると、2024.3で純利益27億、2025.3で32億、2026.3予想でも32億と、利益は安定しており、急減する前提にはなっていない。営業利益率も2024年以降は4.8%で安定しており、本業が赤字に転落するリスクは直近数値からは高くない。
キャッシュフローの観点では、営業キャッシュフローは2023年から2025年にかけていずれもプラスで推移しており、配当原資を本業で稼げている状態である。一方で投資キャッシュフローはマイナスが続いており、設備投資は継続しているが、それでも配当が維持されている点から、無理な借入依存で配当を出している状況ではないと判断できる。
注意点としては、ROEが2025年でも5.6%と低く、資本効率は高くない点である。これは、利益成長によって配当を増やすタイプではなく、あくまで安定利益を前提にした配当が中心になることを意味する。したがって、将来的に配当が大きく伸びていく期待は持ちにくい。
以上を踏まえると、ホッカンホールディングスは「配当を大きく増やしていく銘柄」ではないが、「業績が急変しにくく、配当利回り4%前後を安定的に受け取りたい投資家」には適した銘柄である。減配リスクは低めだが、増配余地は限定的という性格のため、インカムゲイン重視で中長期保有する目的には向いているという判断になる。一言でまとめると、配当目的としては「合格」、ただし高成長・連続増配を狙うタイプではなく、安定重視型の配当銘柄という位置付けになる。
今後の値動き予想!!(5年間)
ホッカンホールディングス株式会社の現在値2,415.0円を基準に、今後5年間の値動きを考える。同社は食缶業界で国内上位の地位を持ち、飲料缶・食品缶・PETボトルなどの容器製造と、大手飲料メーカー向けの受託充填を収益の柱とする企業である。食品・飲料という生活必需分野に深く関わる事業構造から、需要の変動は比較的小さく、業績の振れ幅は限定的になりやすい。一方で、事業の成熟度が高いため、急成長は期待しにくく、株式市場では「安定しているが地味」「資本効率は低め」という評価を受けやすい企業でもある。
近年は原材料価格やエネルギーコスト上昇の影響で利益が圧迫された時期があったが、直近では営業利益率が4%台後半まで回復し、赤字局面を脱して安定黒字に戻っている。ROE・ROAもマイナス水準からプラスに転じており、業績の底打ちと回復は数値上はっきり確認できる。ただし、ROEは5%台、ROAは2%台と依然として低水準であり、高い資本効率を評価される段階には至っていない。
良い場合は、原材料価格が安定し、価格転嫁とコスト管理が想定以上に進むことで営業利益率が5%前後まで改善するシナリオである。受託充填事業は参入障壁が高く、設備投資の効果が利益に反映されれば、利益の安定性がさらに強まる可能性がある。この場合、ROEも6〜7%程度まで改善し、市場では「低成長だが着実に改善する安定株」として評価が見直される。PBRは0.8倍〜1.0倍、PERは10倍前後が許容され、配当利回り4%前後の魅力も相まって長期資金が流入する。5年後の株価は3,800円〜4,500円程度まで上昇する展開が想定される。
中間の場合は、業績が現在の延長線上で推移し、売上・利益は緩やかに増加するものの、利益率や資本効率の改善は限定的にとどまるケースである。営業利益率は4%台後半で安定し、ROEも5%台にとどまる。市場の評価は大きく変わらず、PBRは0.6〜0.7倍、PERは7〜9倍程度で推移する。この場合、株価は配当利回りを意識しながらじり高基調となり、5年後の水準は2,800円〜3,300円程度に収まると考えられる。値上がり益よりも、配当を受け取りながら保有する投資家向けの値動きである。
悪い場合は、原材料価格の再上昇やコスト転嫁の遅れにより、利益率改善が頓挫するシナリオである。営業利益率が再び4%を下回り、利益が横ばいもしくは減少に転じると、低いROE・ROAが改めて強く意識される。市場の評価は慎重になり、PBRは0.4〜0.5倍程度まで低下する可能性がある。配当は維持される公算が大きいものの、株価の上値は重く、5年後には2,000円〜2,300円程度で低迷し、環境次第では1,800円台まで調整するリスクも否定できない。
総合すると、ホッカンホールディングスは急成長を狙う銘柄ではなく、生活必需分野に支えられた安定収益と比較的高い配当利回りを評価する企業である。5年間では中間シナリオが最も現実的で、配当を受け取りながら緩やかな値動きを期待する投資スタイルに向く。一方で、利益率改善が進めば上振れ余地はあり、逆に外部環境の悪化時には現在値を下回る調整リスクも併せ持つ銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年1月10日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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