株価
ユニプレスとは

ユニプレス株式会社は、自動車用プレス部品を主力とする国内最大手クラスの自動車部品メーカーであり、特に日産自動車との結び付きが非常に強い企業である。売上の約7割を日産向けが占めており、日産のグローバル戦略と歩調を合わせる形で事業を拡大してきた歴史を持つ。事業拠点は日本、北米、欧州を中心とした世界3極体制を構築しており、日本国内にとどまらず、海外売上比率が高い点も特徴となっている。
主力製品は自動車の車体骨格部品であり、衝突安全性や剛性を左右する重要部位を数多く手掛けている。これに加えて、トランスミッション部品などの精密プレス部品、さらには樹脂成形部品まで事業領域を広げており、金属プレスに依存しすぎない製品構成を持つ。近年は車体の軽量化要求が強まる中で、高張力鋼板や超ハイテン材を用いた大型・高精度プレス加工技術が強みとなっている。
ユニプレスの大きな特徴は、単なる部品メーカーではなく、製品設計段階から量産までを一貫して担える点にある。顧客の要求性能を満たす製品構造を提案する製品技術、部品を作るための金型や生産設備を設計・開発する生産技術、そして実際に安定した品質で量産するための量産技術、この3つをすべて社内で完結できる「トータルプレスエンジニアリング」を確立している。車体プレス、精密プレス、樹脂プレスの3事業すべてでこの体制を持っている点は、同社の競争力の源泉となっている。
また、金型や治工具の設計・製作、溶接機器の製作、さらにはプレス機械の検査・保全業務まで手掛けており、生産設備を内製化できる体制を構築している。これにより、品質の安定化やコスト低減だけでなく、新車立ち上げ時のスピード対応にも強みを発揮している。独自の生産改善活動であるUPS活動を通じて、生産性向上や品質改善を長年にわたり積み重ねてきた点も、同社の現場力を支える要素となっている。
車体骨格部品は、車両の軽量化による燃費や電費の向上に直結するだけでなく、衝突時に乗員を守る安全性能にも大きく関わる分野である。ユニプレスはこの領域を中核とし、安全性と環境性能の両立という自動車産業の根幹課題に技術面から貢献してきた。電動化の進展によってパワートレイン構造は変化していくものの、車体骨格の重要性は変わらないため、同社の技術基盤は中長期的にも一定の需要が見込まれる。
国内では神奈川県横浜市に本社を置き、静岡県富士市、神奈川県大和市、栃木県真岡市などに主要な生産・技術拠点を展開している。物流やサービス分野の子会社も擁し、グループとして自動車メーカーの生産を幅広く支える体制を構築している。日産依存度の高さはリスク要因として意識されやすい一方で、長年にわたる取引関係の中で培われた信頼と技術の深さは、簡単には代替されにくい強みでもある。
総じてユニプレスは、自動車用プレス部品という成熟分野に属しながらも、高度な加工技術と一貫生産体制、グローバル展開力を武器に、自動車の安全性・軽量化・環境対応を下支えする存在であり、安定性と技術力を併せ持つ自動車部品メーカーと位置付けられる。
ユニプレス 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株当り配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 234,545 | -11,330 | -9,167 | -17,642 | -392.3 | 37.5 |
| 連22.3 | 254,450 | -7,593 | -4,718 | -7,955 | -176.9 | 10 |
| 連23.3 | 304,442 | 3,738 | 5,029 | 2,483 | 55.8 | 20 |
| 連24.3 | 335,079 | 10,927 | 12,553 | 5,256 | 118.1 | 35 |
| 連25.3 | 330,045 | 12,198 | 13,657 | -21,053 | -472.6 | 60 |
| 連26.3予 | 295,000 | 9,000 | 9,000 | -4,500 | -100.9 | 60 |
| 連27.3予 | 310,000 | 10,500 | 10,500 | 4,800 | 107.6 | 60 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023.3 | 35,269 | -8,570 | -13,225 |
| 2024.3 | 28,705 | -12,393 | -18,534 |
| 2025.3 | 28,619 | -12,577 | -18,261 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 1.2% | 1.8% | 0.7% | – | – |
| 2024 | 3.2% | 3.4% | 1.5% | – | – |
| 2025 | 3.6% | -15.9% | -7.1% | 9.8~14.7倍 | 0.45倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
ユニプレスは、2024年3月期時点では売上高3,350億円規模に対して営業利益109億円、経常利益125億円、純利益52億円を確保しており、営業利益率は約3.2%と、自動車部品メーカーとしては低めながらも黒字水準を回復している。ROEは3.4%、ROAは1.5%と資本効率は高いとは言えないが、少なくとも通常利益は出ている状態だった。
一方、2025年3月期は営業利益121億円、経常利益136億円と本業自体は改善しているにもかかわらず、純利益が-210億円と大幅な赤字に転落している。この結果、ROEは-15.9%、ROAは-7.1%まで急低下しており、株主資本効率という点では明確に悪化した年である。ただし、営業利益率は約3.6%とむしろ改善しており、赤字の主因は本業ではなく一過性要因であることが数値上は読み取れる。
2026年3月期予想では、営業利益90億円、経常利益90億円、純利益-45億円と、依然として最終赤字予想ではあるものの、赤字幅は大きく縮小する見通しになっている。営業利益率は約3.0%と、極端に悪化する水準ではなく、本業は継続して利益を生む前提に立っている。
バリュエーション面では、利益が出ている年で見た実績PERは高値平均14.7倍、安値平均9.8倍と、成長企業とは言えないが割高感も強くない水準にある。一方で実績PBRは0.45倍と、明確な解散価値割れ水準に放置されており、市場は資本効率の低さと業績の不安定さを強く織り込んでいる。
以上を踏まえると、この銘柄は高収益・高成長を狙う投資対象ではなく、営業利益が安定して出ることを前提にした「業績正常化待ち・低PBR是正期待型」の投資判断になる。2025年の大幅赤字によってROE・ROAは大きく毀損しているが、営業利益・経常利益が維持されている点から、本業崩壊型ではない。最終損益が正常化すれば、PBR0.5倍未満という評価は是正される余地がある一方、最終赤字が長期化する場合は低評価が固定化されるリスクも高い。結論としては、短期の値幅狙いや成長投資には不向きだが、最終利益の回復を前提にした割安修正狙いの中長期投資向き銘柄、という位置付けになる。
配当目的とかどうなの?
配当目的で見ると、ユニプレスは数字だけを見れば一見かなり魅力的に映る銘柄である。連26.3、連27.3ともに予想配当利回りは4.45%と高く、現在の株価水準がいかに低く評価されているかが分かる。PBRが0.45倍と解散価値割れの水準にあり、株価が上がらなくても配当利回りだけは高く出やすい構造になっている点は、配当投資の観点では確かに目を引く。
ただし、配当の安全性という視点で見ると、手放しで安心できる状況ではない。2025年3月期は純利益が-210億円と大幅な赤字で、2026年3月期予想でも純利益は-45億円と赤字が続く見通しになっている。つまり、現在の60円配当は利益から出ている配当ではなく、本業が生み出すキャッシュフローや過去に積み上げた内部留保を取り崩して支払われる配当である。この点は、配当狙いの投資家にとって最も重要なリスク要因になる。
一方で、本業そのものが崩れているかというと、数字はそうは示していない。営業利益は2024年に109億円、2025年に121億円とむしろ増加しており、2026年予想でも90億円を確保する前提になっている。営業キャッシュフローも直近3年間で年280〜350億円規模と安定しており、短期的には配当を支払うだけの現金創出力は十分にある。配当がすぐに維持できなくなるほど切迫した状態ではない、というのが数字から読み取れる現実である。
ただ、設備投資も継続的に重く、投資キャッシュフローは年120億円前後のマイナスが続いている。自動車部品メーカーとして競争力を維持するためには投資を止めることはできず、その中で赤字配当を続けるという構図は、長期的に見れば健全とは言い難い。業績が正常化せず、最終利益が回復しないままの状態が続けば、いずれ配当の見直しが行われる可能性は十分にある。
総合的に見ると、この銘柄は安定配当株というよりも、業績の回復を前提にした高利回り銘柄という位置付けになる。今の4.45%という利回りは魅力的だが、それは株価が低迷していることの裏返しでもある。配当を最優先で、長期にわたり減配を避けたい投資家には向きにくい一方で、業績がいずれ正常化すると考え、減配リスクを理解した上で利回りを取りに行く投資家にとっては、検討余地のある銘柄と言える。
結論として、ユニプレスは、安心して放置できる配当株ではないが、現時点の高い利回りを享受しつつ、業績回復を待つスタンスであれば成り立つ配当目的投資先である、という評価になる。
今後の値動き予想!!(5年間)
ユニプレスは、自動車用プレス部品を主力とする国内最大手クラスの自動車部品メーカーであり、特に日産自動車向け比率が高い点が事業構造の大きな特徴である。主力の車体骨格部品は自動車の安全性や軽量化に直結する重要分野で、EV化が進んでも一定の需要が残りやすい領域に位置している。一方で、自動車生産台数や主要取引先の動向に業績が左右されやすく、景気循環の影響を強く受ける体質でもある。
直近の業績を見ると、売上規模は3,000億円前後と大きいが、営業利益率は3%台と低く、収益性は高いとは言えない水準にある。2024年は営業利益・経常利益ともに回復し、本業の立て直しが進んだが、2025年には一過性要因により純利益が大幅赤字となり、ROE・ROAが大きく悪化した。この点から、市場では「本業は黒字だが、最終利益が安定しない企業」という評価を受けやすく、PBRは0.5倍を下回る水準にまで押し下げられている。現在価格である1,347.0円から今後5年間の値動きについて考えます。
良い場合は、一過性要因が解消され、2026年以降に最終利益が安定して黒字化するシナリオである。営業利益は年100億円前後を維持し、営業利益率も3〜4%台で定着する。ROEが5〜7%程度まで回復すれば、市場は過度なディスカウントを見直し、PBRは0.8倍前後まで修正される可能性がある。この場合、現在の株価水準からは評価是正余地が生まれ、5年後には2,000円前後までの回復が視野に入る。配当も維持されれば、インカムと値上がり益の両立が期待できる展開となる。
中間の場合は、本業は黒字を維持するものの、大きな成長は見込めず、最終利益も年によって振れが残るケースである。営業利益率は3%台にとどまり、ROEも5%未満で低位安定する。この場合、市場評価は大きく変わらず、PBRは0.5〜0.7倍程度で推移しやすい。株価は配当利回りに下支えされながらも、明確な上昇トレンドにはならず、5年後の株価は1,300〜1,600円程度でのレンジ推移となる可能性が高い。値上がり益よりも、高配当を受け取りながら保有する投資スタイル向けの動きになる。
悪い場合は、自動車市場の減速や主要顧客の生産調整が長期化し、営業利益が大きく縮小するシナリオである。営業利益率が2%台まで低下し、最終赤字が続くようであれば、配当維持も難しくなり、減配リスクが現実味を帯びる。この場合、高配当という下支え要因が失われ、PBRは0.3〜0.4倍水準まで低下する可能性がある。株価は1,000円割れ、場合によっては800円前後まで下落し、5年後も低迷が続く展開が想定される。
総合すると、ユニプレスは高成長や高収益を狙う銘柄ではなく、自動車産業の回復と業績正常化を前提にした低PBR是正期待型の銘柄である。5年間で最も現実的なのは中間シナリオで、高い配当利回りを受け取りながら、評価が大きく崩れないことを期待する投資スタイルに向く。一方で、最終利益が安定して回復すれば上振れ余地はあるが、自動車市況悪化時には下振れも大きくなりやすいという、リスクとリターンがはっきりした銘柄と言える。
この記事の最終更新日:2026年1月10日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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