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文化シヤッターとは

文化シヤッター株式会社は、シャッターおよびアルミニウム建材を中心とする総合建材メーカーであり、三和シヤッター工業に次ぐ業界第2位の地位を持つ企業である。本社は東京都文京区に置かれており、社名の正式表記は「シヤッター」だが、一般的な呼称や発音は「シャッター」として広く認知されている。住宅、商業施設、工場、倉庫、公共施設など、建築物の開口部に関わる分野を事業の中核としており、日本の建築インフラを支える存在の一つといえる。
同社の最大の特徴は、軽量シャッターから重量シャッターまで幅広い製品ラインアップを持ち、防火、防煙、防犯、遮熱、静音といった多様な機能を組み合わせた高付加価値製品の開発に積極的である点にある。特に防災分野への取り組みは強く、耐火クロス製の防火防煙スクリーンや、大開口部対応の防火・防煙シャッター、可動式防煙たれ壁など、災害時の安全性を高める製品群を数多く展開している。近年では遮熱シートや静音性を高めた電動シャッターなど、環境配慮や居住快適性を意識した製品開発にも力を入れている。
シャッター事業では、工場や倉庫向けの重量シャッター、店舗や住宅向けの軽量シャッター、防犯性能を高めたBAシリーズ、高速開閉を可能にした高速シャッター、防爆シャッターなど、用途別・性能別に細分化された製品を提供している。また、オーバースライディングドア、シートシャッター、パネルシャッター、窓シャッターといった関連分野にも展開しており、開口部全体をトータルでカバーできる体制を構築している。
シャッター以外の分野では、エクステリア製品、アルミバルコニー、手すり、外階段、ドア、パーティション、ステンレスフロントなど、建築物の内外装に関わる製品群も幅広く手掛けている。住宅向けから業務用まで対応できる点が強みであり、単一製品に依存しない事業構造を形成している。
事業構造の面で注目されるのが、保守・リフォーム事業の強化である。新設需要は建設市況の影響を受けやすい一方、既設シャッターや建材の点検、修理、更新、リフォームといった需要は比較的安定している。文化シヤッターは、修理・点検を専門に行うグループ会社を通じて、ストック型収益の拡大を進めており、業績の安定化に寄与している。
また、事業戦略の一環として、不二サッシへの出資を行うなど、他社との資本関係を通じたシナジー創出にも取り組んでいる。これにより、アルミ建材分野や関連製品分野での競争力強化を図り、事業領域の拡張を進めている。
グループ会社には、シャッターの修理・点検を担う文化シヤッターサービス、電動開閉機や制御機器を手掛ける製造会社、オーニングやテント、可動間仕切、住宅リフォームを担う会社などがあり、製造から施工、保守、リフォームまでを一貫して対応できる体制を整えている。これにより、顧客との長期的な関係構築が可能となり、価格競争に巻き込まれにくいビジネスモデルを形成している。
全体として文化シヤッターは、業界第2位という安定したポジションを背景に、幅広い製品ラインアップと防災・安全分野への技術力、そして保守・リフォームを軸としたストック型収益を組み合わせた事業構造を持つ企業である。派手な成長企業ではないものの、日本の建築・防災インフラを下支えする存在として、安定性と実用性を重視した経営を続けている点が特徴といえる。
文化シヤッター 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益 (円) |
一株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 173,143 | 10,514 | 11,910 | 8,399 | 117.2 | 40 |
| 連22.3 | 182,313 | 9,105 | 9,081 | 6,706 | 98.0 | 40 |
| 連23.3 | 199,179 | 9,685 | 9,992 | 7,899 | 121.7 | 42 |
| 連24.3 | 221,076 | 14,472 | 15,941 | 10,582 | 157.1 | 55 |
| 連25.3 | 228,419 | 14,726 | 14,777 | 13,158 | 185.0 | 74 |
| 連26.3予 | 238,000 | 16,000 | 16,500 | 11,500 | 163.5 | 74〜76 |
| 連27.3予 | 245,000 | 17,300 | 17,000 | 12,000 | 170.6 | 74〜78 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業キャッシュフロー (百万円) |
投資キャッシュフロー (百万円) |
財務キャッシュフロー (百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023.3 | 7,515 | -1,569 | -10,964 |
| 2024.3 | 15,642 | -16,894 | 9,513 |
| 2025.3 | 10,975 | -3,745 | -6,795 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023.3 | 4.8% | 9.5% | 4.4% | – | – |
| 2024.3 | 6.5% | 10.1% | 5.1% | – | – |
| 2025.3 | 6.4% | 11.6% | 6.4% | 7.3〜10.6倍 | 1.33倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
文化シヤッターの直近業績を見ると、2024.3では売上高2210億、営業利益144億、経常利益159億、純利益105億である。2025.3では売上高2284億、営業利益147億、経常利益147億、純利益131億と、売上は着実に増加し、純利益は大きく伸びている。一方、2026.3予想では売上高2380億、営業利益160億、経常利益165億、純利益115億と、売上と営業利益は拡大するものの、純利益はやや減少する計画となっており、利益成長はいったん踊り場に入る想定である。
収益性を見ると、営業利益率は2023年4.8%、2024年6.5%、2025年6.4%と、2023年から大きく改善し、その後は6%台で安定している。水準としては高収益企業とは言えないが、改善トレンドが明確であり、収益体質は着実に強化されてきている。
資本効率の面では、ROEが9.5%から10.1%、11.6%へと上昇しており、2桁水準に定着しつつある。ROAも4.4%から5.1%、6.4%へと改善しており、資産を使った利益創出力は年々高まっている。極端に高い数値ではないが、安定的に改善している点は評価できる。
バリュエーションを見ると、2025年の実績PERは安値平均7.3倍、高値平均10.6倍と1桁から10倍前後の水準であり、過度な割高感はない。実績PBRは1.3倍で、資産価値に対してはやや上の評価だが、収益改善を考慮すると妥当な範囲に収まっている。
以上を総合すると、文化シヤッターは営業利益率6%台、ROE10%超、ROA6%台という「中程度だが着実に改善した収益性」を持つ企業である。PERは低め、PBRも極端に高くなく、数値面では割高感は小さい。一方で、2026年予想では純利益が減少する見通しとなっており、高い成長を前提にした評価はしづらい。
数値だけで判断する限り、文化シヤッターは「急成長株」ではなく、「収益改善が一巡しつつある安定株」に分類される。割安さを強く狙う局面ではないが、利益水準が維持される前提であれば、適正価格帯での中長期保有を検討できる銘柄という判断になる。
配当目的とかどうなの?
文化シヤッターの予想配当利回りは、2026.3・2027.3ともに3.53%と、東証全体の平均と比べるとやや高めの水準にある。高配当株とまでは言えないものの、配当目的の投資対象としては十分に検討対象に入る利回り水準である。
配当の裏付けとなる利益水準を見ると、2024.3で純利益105億、2025.3で131億と増加しており、2026.3予想では115億とやや減少するものの、依然として安定した黒字水準を維持する想定となっている。営業利益率も6%台、ROEは11.6%、ROAは6.4%と、収益性・資本効率は中堅製造業としては堅実な水準にある。
キャッシュフロー面では、営業キャッシュフローは3年連続でプラスを確保しており、本業からの現金創出力は安定している。投資CFや財務CFの振れはあるものの、配当が営業CFを大きく上回って無理に支払われている状況ではなく、配当の継続性には一定の安心感がある。
一方で、配当利回りが4%を大きく超える水準ではなく、今後も急激な増配を前提とした配当株ではないことは意識しておく必要がある。収益改善が一巡しつつある局面であるため、配当は「高成長型」ではなく「安定維持型」に近い性格といえる。
以上を総合すると、文化シヤッターは「高配当を最優先で狙う銘柄」ではないが、「3.5%前後の利回りを安定的に受け取りたい投資家」にとっては十分に合格点の銘柄である。
結論として、配当目的としては可。値上がり益を強く期待するよりも、業績と配当の安定性を重視しながら中長期で保有する投資スタイルに向いた銘柄といえる。
今後の値動き予想!!(5年間)
文化シヤッター株式会社の現在値2,094.0円を基準に、今後5年間の値動きを考えます。同社はシャッター業界で三和シヤッター工業に次ぐ国内第2位の地位を持ち、住宅、商業施設、工場、倉庫、公共施設など幅広い建築物向けに製品を供給している総合建材メーカーである。シャッターは防犯・防災・安全と直結する分野であり、更新・保守需要も含めて一定の安定性を持つ事業構造となっている。
近年は営業利益率が4%台から6%台へ改善し、ROE・ROAも着実に上昇しており、収益体質は底上げされてきている。一方で、収益性は業界トップ企業と比べると中位水準にとどまり、株式市場では「安定しているが突出した成長力はない企業」として評価されやすい。
良い場合は、防災・防犯・遮熱といった高付加価値製品の需要拡大と、保守・リフォーム事業の伸長によって、利益水準が安定的に向上するシナリオである。営業利益率が6%台後半から7%程度まで改善し、ROEも12%前後で定着すれば、市場は同社を「収益改善が定着した安定成長株」として評価し直す可能性がある。この場合、PERは10倍前後、PBRは1.5倍近辺まで許容され、配当利回り3.5%前後の魅力も相まって中長期資金が流入する。5年後の株価は3,200円〜3,800円程度まで上昇する展開が想定される。
中間の場合は、業績が現在の水準を概ね維持し、利益率の改善は一巡するものの、大きな悪化もないケースである。営業利益率は6%台で安定し、ROEは10%前後で推移する。市場評価は現状の延長線上となり、PERは8〜10倍、PBRは1.2〜1.4倍程度で落ち着く。この場合、株価は大きなトレンドを描きにくく、上下を繰り返しながらも、5年後の水準は2,300円〜2,700円程度にとどまるイメージとなる。値上がり益よりも、安定配当を重視する投資家向けの推移である。
悪い場合は、建設・リフォーム需要の鈍化やコスト上昇により、利益率改善が頓挫するシナリオである。営業利益率が再び5%台前半まで低下し、ROEの改善も止まると、市場は収益性の頭打ちを意識する。評価は慎重になり、PERは6〜7倍、PBRは1倍前後まで低下する可能性がある。配当は維持される公算が大きいものの、株価の上値は抑えられ、5年後には1,600円〜1,900円程度で低迷し、環境次第では1,500円台まで調整するリスクも考えられる。
総合すると、文化シヤッターは急成長を狙う銘柄ではなく、防災・安全分野に支えられた安定収益と、3%台半ばの配当利回りを評価する企業である。5年間では中間シナリオが最も現実的で、配当を受け取りながら緩やかな値動きを期待する投資スタイルに向く。一方で、収益性の改善が定着すれば上振れ余地もあり、逆に外部環境悪化時には2,000円を下回る調整リスクも併せ持つ銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年1月10日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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