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パイオラックス(5988)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-01-09)
1,765.00
前日比 +14.00(+0.80%)

パイオラックスとは

パイオラックスは、横浜市に本社を置く金属製品メーカーで、自動車向けの精密ばねと工業用ファスナーを事業の両輪とする部品メーカーである。旧社名は加藤発条株式会社で、ばね技術を中核に事業を発展させてきた。現在は自動車部品を主力としながら、生活機器、医療機器、セキュリティ製品などへも事業領域を広げている。東証プライム上場企業であり、長年にわたり国内外の自動車メーカーと安定した取引関係を築いている。

事業の中心は自動車関連部品で、燃料配管部品、トランスミッション部品、開閉機構部品、車体用の金属・樹脂ファスナー、クランプ部品などを幅広く手がけている。自動車一台あたりの部品単価は高くないものの、組立性、安全性、耐久性に直結する重要部品が多く、品質要求の厳しい分野で国内トップクラスのシェアを持つ。国内の全ての乗用車メーカーやトラックメーカーと取引実績があり、部品サプライヤーとして強固な地位を築いている点が特徴である。売上構成では日産グループ向けが3割強を占めており、特定顧客との結びつきが比較的強い企業でもある。

技術面では、コイルばね、薄板ばね、ワイヤフォームといったばね加工技術に加え、金属および合成樹脂ファスナーの成形技術、ユニット機構部品の設計力を強みとしている。弾性微細加工技術や形状記憶合金応用技術などを駆使し、軽量化、省スペース化、静音化といった自動車業界の高度な要求に対応している。電気自動車の普及に伴い、従来とは異なる部品ニーズにも対応できる技術基盤を持つ点は今後の重要な競争力となる。

近年は医療機器分野の育成にも注力しており、スパイラルカテーテルやステントなどの医療関連製品を展開している。医療分野は自動車とは異なる規制や品質管理が求められるが、ばね加工や微細加工で培った技術を応用できる分野であり、中長期的な成長領域として位置付けられている。また、セキュリティ封印具や形状記憶合金を用いた生活機器向け製品など、自動車以外の分野にも製品展開を行っている。

生産・開発体制としては、本社のほか横浜テクニカルセンターを研究開発拠点とし、真岡工場や富士工場など国内に主要生産拠点を持つ。グループ会社には、自動車部品、医療機器、販売、九州生産拠点などを担う複数の連結子会社があり、分野別・地域別に役割分担した体制を構築している。

また、パイオラックスは健康経営にも力を入れており、経済産業省から健康経営優良法人に複数年連続で認定されている。グループ会社を含めた認定実績があり、人材の定着や働きやすさを重視した経営姿勢も特徴の一つである。

総合すると、パイオラックスは自動車向け精密ばねとファスナーというニッチだが不可欠な分野で国内トップクラスの地位を持ち、安定した需要を基盤とする企業である。日産グループ向け比率が高い点は特徴でもありリスク要因でもあるが、医療機器など非自動車分野の育成やEV対応製品の開発によって、事業の多角化と持続的成長を目指す堅実型の部品メーカーと位置付けられる。

パイオラックス 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益 EPS(円) 一株配当(円)
連21.3 50,152 4,018 5,446 3,962 113.5 35
連22.3 55,144 5,216 5,776 4,224 121.7 45
連23.3 58,422 3,949 4,868 3,375 99.2 100
連24.3 64,551 4,756 5,650 4,013 117.9 128
連25.3 63,351 2,382 3,402 1,792 52.7 92
連26.3予 62,000 2,100 2,000 1,200 49.1 92
連27.3予 63,000 2,300 2,200 1,300 53.2 92

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023年3月期 6,068 -5,001 -2,443
2024年3月期 8,365 -8,573 -4,695
2025年3月期 8,124 3,340 -6,469

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率(%) ROE(%) ROA(%) PER(倍) PBR(倍)
2023年3月期 6.7 3.2 2.9
2024年3月期 7.3 3.7 3.3
2025年3月期 3.7 1.9 1.6 高値平均32.2
安値平均22.0
0.68

出典元:四季報オンライン

投資判断

2024年3月期から2026年3月期予想までの数字を見ると、まず売上高は645億、633億、620億と600億円台前半で推移しており、事業規模自体は大きく崩れていないことが分かる。自動車向け部品を主力とする企業らしく、需要の急減はなく、売上面では一定の安定感がある。

一方で利益面は明確に悪化している。営業利益は2024年に47億あったものが、2025年には23億まで落ち込み、2026年予想でも21億と回復が見込まれていない。経常利益、純利益も同様の動きで、純利益は40億から17億、さらに12億へと急減している。これは一時的な要因というより、足元では採算が大きく崩れている局面と見るのが自然である。

収益性を見ると、営業利益率は2023年6.7%、2024年7.3%と比較的良好だったが、2025年には3.7%まで急低下している。これは自動車部品メーカーとしても低い水準であり、コスト増や価格転嫁の遅れ、数量減などが重なった結果と考えられる。ROEも3%台から1.9%まで低下し、ROAも1.6%と低水準に沈んでいる。資本や資産を使って利益を生み出す力が、直近ではかなり弱まっていることが数字からはっきり読み取れる。

株価指標を見ると、2025年の実績PERは高値平均32.2倍、安値平均22.0倍とかなり高く見えるが、これは業績が悪化した結果として利益が縮小し、見かけ上PERが跳ね上がっている状態である。一方、PBRは0.6倍台と低く、資産価値に対して市場は慎重な評価を続けている。つまり、利益水準は低下しているが、将来成長に対する期待も高くはなく、評価は中途半端な位置にある。

これらを総合すると、パイオラックスは売上は安定しているものの、直近は明確な減益局面にあり、収益性と資本効率が大きく低下している企業である。過去の実績だけを見ると優良部品メーカーだが、足元の数字だけで判断すれば、現状は調整局面にあるといえる。PBRが低い点は下値余地を限定する要因になり得るが、利益率やROEが改善しない限り、積極的に評価が切り上がる局面は想定しにくい。

提示された数値だけで判断するなら、現時点のパイオラックスは割安株として飛びつく段階ではなく、業績の底打ちや回復の兆しを待つ局面にある銘柄である。利益率が再び5%台に戻り、ROEが3%台後半以上に回復してくるようであれば見直し余地が出てくるが、現状では慎重に様子を見る姿勢が妥当だと考えられる。

配当目的とかどうなの?

予想配当利回りは2026年3月期、2027年3月期ともに5.21%とされており、水準だけを見ると明確に高配当銘柄に分類される。東証全体で見てもかなり高い利回りであり、インカム目的の投資家にとっては数字そのものの魅力は大きい。

一方で、配当の裏付けとなる利益水準を見ると注意が必要になる。純利益は2024年に40億あったものが、2025年には17億、2026年予想では12億まで減少している。EPSも118円から53円、49円へと大きく低下しており、配当92円に対して利益が十分に余裕を持っている状態ではない。直近と予想ベースでは、配当性向はかなり高い水準になっており、利益成長を伴わないまま高配当を維持している構図が見える。

キャッシュフローを見ると、営業CFは安定して6,000〜8,000百万円規模を確保しており、本業で現金を生み出す力自体はまだ強い。2025年には投資CFがプラスに転じており、短期的には配当原資を確保できる余地はある。ただし、財務CFは大きなマイナスが続いており、配当支払いが資金流出の主因になっていると考えられる。つまり、現状の配当は「余裕のある増配」というより、「高水準を維持している状態」に近い。

収益性の観点では、営業利益率は直近で3.7%まで低下し、ROEも1.9%とかなり低い。企業が稼ぐ力自体が弱まっている中での高配当であるため、長期的に見た配当の持続性には不安が残る。PBRが0.6倍台と低いのは、こうした収益性低下と配当の持続性に対する市場の警戒感を反映しているとも解釈できる。

以上を総合すると、パイオラックスは配当目的として「利回り重視の短中期投資」には向いているが、「長期で安心して持ち続ける高配当株」としてはやや注意が必要な銘柄である。現時点の5%超という利回りは魅力的だが、利益水準が回復しなければ、将来的に減配や配当方針見直しが起きるリスクも無視できない。

結論として、提示された数値だけで判断するなら、パイオラックスは高配当を享受したい投資家にとって短期的な魅力は大きい一方で、配当の安全性は決して高いとは言えない銘柄である。配当を主目的にする場合は、業績回復の兆しが見えるか、あるいは減配リスクを織り込んだ上で保有する姿勢が求められる。

今後の値動き予想!!(5年間)

パイオラックスは、自動車向けの精密ばねと工業用ファスナーを両輪とする部品メーカーであり、車体・内装・機構部品など目立たないが不可欠な分野を主戦場としている。国内自動車メーカー全社と取引実績を持ち、特に日産グループ向け比率が3割強と高い点が特徴である。売上規模は600億円前後と中堅クラスで、急成長型ではないものの、自動車生産に連動した安定需要を背景に事業基盤は比較的堅い。

一方で、直近はコスト上昇や数量減の影響を受け、営業利益率やROE・ROAが大きく低下しており、市場からは「収益性が落ち込んでいる部品メーカー」という見方をされやすい局面にある。パイオラックスの現在値1,765.0円を基準に、今後5年間の値動きを考えます。

良い場合は、自動車生産が想定以上に底堅く推移し、価格転嫁やコスト改善が進むことで、営業利益率が再び5%前後まで回復するシナリオである。ROE・ROAも3%台後半まで持ち直し、収益悪化局面を脱したことが市場に認識される。さらに、医療機器分野や非自動車向け製品が徐々に利益貢献するようになれば、事業の安定性と分散が評価されやすくなる。この場合、市場はパイオラックスを「一時的に落ち込んだが回復基調にある高配当バリュー株」と見直し、PERは15〜18倍程度、PBRも0.8〜1.0倍近辺まで許容される可能性がある。高配当を維持しながら評価修正が進めば、5年後の株価は2,300円〜2,800円程度まで上昇する展開が想定される。

中間の場合は、業績が徐々に安定するものの、利益率の回復は限定的にとどまるケースである。営業利益率は4%前後、ROEは2〜3%台にとどまり、収益性の低さが完全には解消されない。売上は600億円前後で横ばい推移となり、市場評価も現状の延長線上となる。PBRは0.6〜0.7倍、PERは12〜15倍程度で推移し、高配当が下値を支える一方で、上値も限定される。この場合、株価は大きなトレンドを描きにくく、5年後の水準は1,600円〜2,000円程度に落ち着くイメージとなる。値上がり益よりも配当収入を重視する投資家向けの値動きである。

悪い場合は、自動車需要の減速や原材料価格の再上昇により、利益率の回復が進まず、低収益状態が長期化するシナリオである。営業利益率は3%を下回り、ROE・ROAも1%台に低迷する。高配当の持続性に対する不安が強まると、市場は慎重姿勢を強め、PBRは0.5倍台、PERも10倍前後まで切り下げられる可能性がある。この場合、株価は配当維持期待が後退し、5年後には1,100円〜1,400円程度で低迷し、環境次第では1,000円台前半まで調整するリスクも考えられる。

総合すると、パイオラックスは急成長を狙う銘柄ではなく、自動車部品という成熟分野で安定需要と高配当を軸に評価される企業である。5年間では中間シナリオが最も現実的で、配当を受け取りながら業績回復を待つ投資スタイルに向く。一方で、利益率が改善すれば評価修正による上振れ余地もあり、逆に業績低迷が続けば高配当期待の剥落による下押しリスクも併せ持つ、回復待ち色の強い高配当バリュー銘柄といえる。

この記事の最終更新日:2026年1月11日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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