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東京製綱(5981)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-01-09)
4,950.00
前日比 +30.00(+0.61%)

東京製綱とは

東京製綱は、東京都江東区に本社を置くワイヤロープ・スチールコードの専業メーカーであり、ワイヤロープ分野では国内最大手の地位を確立している企業である。創業は1918年と非常に古く、日本におけるワイヤロープ産業の草創期から事業を展開してきた歴史を持つ。つり橋や超高層ビルのエレベーターといった、人命や社会機能に直結する分野を主戦場としており、安全性と信頼性を最優先にしたものづくりが企業文化として根付いている。

主力事業はワイヤロープ、ワイヤー、スチールコードの製造である。橋梁用ケーブル、建設・土木用ワイヤロープ、クレーン用ロープ、エレベーター用ロープなどが中心で、特に長大橋やインフラ向けでは高い技術力と実績を有する。橋梁分野では新設だけでなく、老朽化したインフラの補修・補強需要にも対応しており、インフラ更新という中長期テーマとの結び付きが強い事業構造となっている。

また、自動車向けのタイヤコード、道路安全施設関連製品も重要な事業領域である。スチールコードはタイヤの補強材として不可欠な素材であり、自動車生産や交通インフラと密接に関わる分野である。道路安全施設分野では、防護柵や関連部材などを手がけ、交通安全という社会的役割を担っている点も特徴的である。これらの事業はワイヤロープ事業ほど目立たないものの、収益の安定性を支える役割を果たしている。

近年、東京製綱が特に力を入れているのが炭素繊維ケーブル、いわゆるCFCC事業である。CFCCは従来の鋼製ケーブルに比べて軽量で高強度、かつ耐腐食性に優れる次世代素材であり、橋梁の新設や補強、インフラの長寿命化といった分野での活用が期待されている。鋼材価格の変動や腐食リスクといった従来素材の課題に対する解決策となり得るため、公共投資やインフラ維持管理の高度化が進む中で、中長期的な成長分野と位置付けられている。

東京製綱は単なる素材メーカーにとどまらず、エンジニアリング事業も展開している。ワイヤー製品に関連する機械の販売や、ワイヤロープを用いた工法提案、施工支援などを行い、顧客の課題解決まで含めたビジネスを構築している点が特徴である。素材供給だけでは価格競争に陥りやすいが、技術提案や工法を含めたエンジニアリング力を持つことで、付加価値の高い事業展開を可能にしている。

事業拠点は全国に広がっており、関西、名古屋、九州、北海道、東北などに支店を構えることで、地域密着型の営業・サポート体制を築いている。鋼索鋼線事業部とエンジニアリング事業部を軸に、インフラ事業者や建設会社、自治体などとの長期的な取引関係を維持している点も、同社の安定性を支える要因である。

総合的に見ると、東京製綱は派手な成長を遂げるタイプの企業ではないが、ワイヤロープ国内最大手としての確固たる地位を持ち、社会インフラを支える必需性の高い製品を提供している。成熟した鋼索事業による安定収益を基盤としつつ、CFCCといった次世代材料を育成することで、中長期的な事業の持続性と成長余地を確保しようとしている企業である。インフラ更新や防災・減災といったテーマと親和性が高く、堅実さと将来性を併せ持つインフラ関連メーカーと位置付けられる。

東京製綱 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益 EPS(円) 一株配当(円)
連21.3 59,183 700 209 408 25.3 0
連22.3 63,780 1,621 2,021 1,306 81.1 20
連23.3 67,135 3,305 3,653 3,783 234.9 35
連24.3 64,231 3,901 4,753 2,040 128.1 40
連25.3 62,867 3,585 3,875 3,247 205.8 64
連26.3予 64,000 4,000 3,900 3,200 206.5 65
連27.3予 68,000 4,500 4,400 3,200 206.5 65

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023年3月期 3,126 -1,693 -405
2024年3月期 3,432 -301 -3,966
2025年3月期 2,416 -1,645 -31

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率(%) ROE(%) ROA(%) PER(倍) PBR(倍)
2023年3月期 4.9 12.1 4.2
2024年3月期 6.0 5.9 2.3
2025年3月期 5.7 8.8 3.7 高値平均9.9
安値平均6.4
0.69

出典元:四季報オンライン

投資判断

2024年3月期から2026年3月期予想までの数字を見ると、まず売上高は642億、628億、640億と600億台前半で推移しており、大きな成長はないものの、事業規模は安定していることが分かる。インフラ向け製品を主力とする企業らしく、景気の波で売上が大きく崩れるような構造ではない。

利益面を見ると、営業利益は2024年39億、2025年35億、2026年予想40億と30〜40億台を安定して確保している。経常利益も40億前後、純利益は2025年に32億まで回復しており、直近数年で収益体質が明らかに改善している印象を受ける。2024年は純利益が20億と一時的に落ち込んでいるが、2025年には持ち直しており、構造的な悪化というよりは一過性の要因と見るのが自然である。

収益性を見ると、営業利益率は2023年4.9%、2024年6.0%、2025年5.7%と、5〜6%台で推移している。素材・インフラ関連メーカーとしては決して低い水準ではなく、価格転嫁や採算改善が一定程度進んでいることがうかがえる。ROEは12.1%から5.9%に低下した後、8.8%まで回復しており、年ごとの振れはあるものの、直近では資本効率が改善している。ROAも2%台まで落ちた後に3.7%まで戻しており、利益改善が資産効率にも反映され始めている。

株価指標を見ると、2025年の実績PERは高値平均9.9倍、安値平均6.4倍とかなり低い水準にある。利益が30億前後で安定していることを考えると、市場は成長性に対して非常に慎重な評価をしているといえる。PBRも0.6倍台と1倍を大きく下回っており、資産価値や足元の収益改善が十分に株価へ反映されていない状態である。

これらを総合すると、東京製綱は売上の伸びこそ限定的だが、営業利益率は5%台、ROEも8%前後まで回復しており、事業の稼ぐ力は明らかに改善している。一方で、市場評価はPER一桁、PBR0.6倍台とかなり低く、成長性の乏しさや業績の振れやすさが強く意識されていると考えられる。

提示された数値だけで判断するなら、東京製綱は高成長株ではないが、業績改善後の水準に対して評価が抑えられている割安寄りの銘柄といえる。大きな成長ストーリーを前提にする投資には向かないものの、利益がこの水準で安定する限り、下値リスクは比較的限定的で、評価修正の余地を残したバリュー寄りの投資対象と判断できる。

配当目的とかどうなの?

予想配当利回りは2026年3月期、2027年3月期ともに3.87%とされており、水準としては明確に高配当寄りに入る。東証全体の平均と比べても高く、インカム目的の投資家から見れば数字そのものには十分な魅力がある。

配当の裏付けとなる利益水準を見ると、純利益は2025年で約32億、2026年予想でも約32億と、利益は一時的な振れはありつつも30億円前後で安定してきている。EPSも200円前後を維持しており、配当65円水準であれば配当性向は30%前後に収まる計算になる。無理に利益を超えて配当を出している状態ではなく、数字上は十分に持続可能な水準である。

キャッシュフロー面でも、営業CFは毎年安定して黒字を確保しており、投資CFは過度に膨らんでいない。財務CFも大きな資金流出が続いているわけではなく、配当を賄う余力は確保できている構造といえる。インフラ向け事業を主力とする企業らしく、本業での資金創出力は堅実である。

一方で注意点もある。東京製綱は高成長企業ではなく、売上規模は600億円前後で横ばいに近い。配当が今後も増えていくかという点では、業績が急拡大する前提は置きにくく、基本的には「維持型配当」が中心になると考えるのが自然である。増配余地はあるが、毎年大きく引き上げられるタイプではない。

また、ROEやROAは改善してきているとはいえ、安定的に二桁ROEを維持する企業ではない。そのため、市場評価はPER一桁台、PBR0.6倍台にとどまっており、株価の値上がり益を強く期待するよりは、配当を主目的に構えるスタンスが合いやすい。

以上を踏まえると、東京製綱は配当目的として「かなり相性が良い」銘柄といえる。高配当でありながら、利益・キャッシュフローの裏付けがあり、減配リスクも現時点では大きくない。一方で、成長による株価上昇を強く期待する銘柄ではなく、業績が大きく悪化しない限り、配当を受け取りながらじっくり保有するタイプの投資に向いた企業である。高配当を重視するポートフォリオの中核や補完としては、十分に検討価値のある銘柄と評価できる。

今後の値動き予想!!(5年間)

東京製綱は、ワイヤロープ国内最大手として橋梁・建設・インフラ分野を支える必需性の高いメーカーである。東京製綱は、橋梁用ケーブルや建設・土木向けワイヤロープ、エレベーター用ロープなど、人命や社会インフラの安全性に直結する分野を主戦場としている。売上規模は600億円前後で、急成長するタイプの企業ではないが、インフラ更新や保守需要に支えられ、需要が急減しにくい事業構造を持つ点が大きな特徴である。近年は業績改善が進み、営業利益は30〜40億円台、純利益も30億円前後を安定して確保できる水準まで回復してきている。現在値は1,678.0円であり、この水準を起点に今後5年間の値動きを考える。

良い場合は、炭素繊維ケーブル(CFCC)などの高付加価値分野が着実に拡大し、橋梁補修・更新需要を取り込みながら、売上と利益が緩やかに成長するシナリオである。営業利益率は6%台で安定し、ROEも8〜10%程度まで改善する。市場は東京製綱を「成熟インフラ分野で稼ぐ、改善型バリュー株」として再評価し、PERは10倍台、PBRも0.8〜1.0倍近辺まで切り上がる可能性がある。高配当水準を維持しつつ評価修正が進めば、5年後の株価は2,200円〜2,800円程度が視野に入る。

中間の場合は、主力のワイヤロープ事業が安定的に推移し、CFCCの拡大も限定的ながら進むものの、大きな成長ドライバーにはならないケースである。売上は600億円前後、営業利益率は5〜6%台、ROEは7〜9%程度で落ち着き、市場評価も現状の延長線上となる。PERは7〜9倍、PBRは0.6〜0.7倍程度で推移し、高配当が下値を支える一方で、上値も限定される。この場合、5年後の株価は1,600円〜1,900円程度となり、配当を受け取りながらの横ばいから緩やかな値動きが想定される。

悪い場合は、公共投資の減速や建設需要の弱含み、原材料コストの上昇などにより、利益改善が頓挫するシナリオである。営業利益率は5%を割り込み、ROEも再び低下する。業績の伸び悩みが続くと、低PER・低PBRが正当化され、評価修正の余地が失われる可能性がある。この場合、PERは6倍前後、PBRは0.5倍台まで低下し、5年後の株価は1,200円〜1,500円程度まで調整するリスクが考えられる。

総合すると、東京製綱は急成長を狙う銘柄ではなく、インフラ必需分野に支えられた安定収益と高配当を軸に評価される企業である。5年間では中間シナリオが最も現実的で、配当を受け取りながら業績改善の定着を待つ投資スタイルに向く。一方で、CFCCの拡大や利益率の底上げが進めば上振れ余地もあり、逆に景気や公共投資環境が悪化すれば下押しリスクも併せ持つ、典型的な改善型バリュー・高配当銘柄といえる。

この記事の最終更新日:2026年1月11日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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