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イー・ガーディアンとは

イー・ガーディアンは、動画・SNS・掲示板などインターネット上の投稿監視やユーザーサポートを主力とする、Webリスクマネジメント企業である。東京都港区に本社を置き、現在はチェンジホールディングスのグループ会社として位置付けられている。ネット炎上や誹謗中傷、不適切投稿といったデジタル時代特有のリスクに対し、企業や自治体、ITサービス事業者を裏側から支える存在である。
同社の祖業は、ブログや掲示板、SNSなどに投稿される書き込みを対象としたネット風評監視サービスであり、リアルタイムでの投稿チェックや削除判断、運営側への通知などを行ってきた。現在では、投稿監視にとどまらず、ユーザーサポート業務、オンラインゲームのカスタマーサポート、コンプライアンス対策、広告審査代行、コミュニティサイトの企画・運営代行など、ユーザー参加型サービス全般を支える業務へと事業領域を広げている。
イー・ガーディアンの大きな強みは、人の目によるオペレーションとテクノロジーを組み合わせた運用体制にある。東京大学との産学連携による画像認識技術や、独自に開発した監視システム、ディープラーニングを活用した判定技術を導入することで、品質向上とコスト効率化を両立している。また、RPAを活用した業務自動化にも積極的で、広告審査や監視業務の効率化を進め、人手不足が深刻なIT業界の課題に対応している。
運用体制面では、1,000名を超える専門オペレーターを抱え、24時間365日体制で柔軟な対応が可能である点が特徴である。月間2,000万件以上という膨大な投稿監視実績を通じて蓄積されたビッグデータとノウハウは、同社の競争力の源泉となっている。特にオンラインゲーム分野では、ゲームに精通した人材を多数抱え、eスポーツチームを社内に持つなど、専門性の高いサポートを提供している。
さらに、近年はサイバーセキュリティ分野にも注力しており、Webセキュリティの専門家やベテランエンジニアを擁し、脆弱性診断やセキュリティコンサルティング、IoT分野におけるセキュリティ検証なども手掛けている。IoTデバイスの普及を背景に、セキュリティ対策を含めたトータルソリューションを提供できる点は、今後の成長余地として位置付けられる。
グループ会社には、セキュリティやテスト業務を担うEGセキュアソリューションズ、EGテスティングサービス、海外拠点としてフィリピンやベトナムの現地法人、東北拠点などがあり、投稿監視、カスタマーサポート、デバッグ、サイバーセキュリティまでを一気通貫で対応できる体制を構築している。
総合すると、イー・ガーディアンは、ネット社会の健全性を支えるインフラ的な役割を担う企業であり、投稿監視というニッチだが不可欠な分野で実績を積み上げてきた。現在はチェンジHDグループの一員として、BPRやセキュリティ領域も含めた総合的なデジタルリスクマネジメント企業へと進化している企業だと言える。
イー・ガーディアン 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益 (円) |
一株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 21.9 | 9,933 | 1,968 | 2,040 | 1,086 | 107.4 | 14 |
| 22.9 | 11,752 | 2,272 | 2,314 | 1,689 | 168.4 | 24 |
| 23.9 | 11,909 | 1,778 | 1,806 | 1,229 | 122.7 | 26 |
| 24.9 | 11,391 | 1,705 | 1,708 | 1,057 | 92.1 | 31 |
| 25.9 | 11,321 | 1,504 | 1,530 | 943 | 81.5 | 35 |
| 26.9予 | 12,000 | 1,600 | 1,630 | 1,030 | 88.8 | 38 |
| 27.9予 | 13,000 | 1,730 | 1,760 | 1,110 | 95.7 | 38〜40 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 23.9 | 14.9% | 13.4% | 16.6% | – | – |
| 24.9 | 14.9% | 7.9% | 9.2% | – | – |
| 25.9 | 13.2% | 6.8% | 7.8% | 16.8〜27.3倍 | 1.63倍 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 23.9 | 14.9% | 13.4% | 16.6% | – | – |
| 24.9 | 14.9% | 7.9% | 9.2% | – | – |
| 25.9 | 13.2% | 6.8% | 7.8% | 16.8〜27.3倍 | 1.63倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績規模を見ると、24.9期は売上高113億円、営業利益17億円、経常利益17億円、純利益10億円である。25.9期は売上高113億円、営業利益15億円、経常利益15億円、純利益9億円と、売上は横ばいながら利益はやや減少している。26.9期予想では売上高120億円、営業利益16億円、経常利益16億円、純利益10億円と、売上・利益ともに緩やかな回復を見込む計画になっている。全体として、事業規模は中堅クラスで、急成長というよりは安定推移型の業績である。
収益性を見ると、営業利益率は23.9期14.9%、24.9期14.9%、25.9期13.2%と、やや低下傾向にあるものの、投稿監視やサポートといった労働集約型ビジネスとしては比較的高水準を維持している。価格競争や人件費上昇の影響を受けつつも、一定の利益率を確保できている点は評価できる。
資本効率では、ROEが16.6%から9.2%、7.8%へと低下しており、ROAも13.4%から7.9%、6.8%へと下がっている。これは利益水準の低下と自己資本の積み上がりによるもので、稼ぐ力自体が急激に悪化しているわけではないが、成長性が落ち着き、成熟局面に入りつつあることを示している。
市場評価を見ると、25.9期の実績PERは16.8倍から27.3倍のレンジで、利益の安定性を考えれば極端な割高感はない。一方、PBRは1.6倍で、ROEが1桁台に低下している現状を踏まえると、割安とも言い切れないが、過度に買われている水準でもない。
これらを総合すると、イー・ガーディアンは高成長を狙う銘柄ではなく、安定した需要を背景に一定の利益を積み上げる、堅実運営型の企業である。営業利益率は安定しており、26.9期予想では業績の持ち直しも見込まれているため、事業基盤の弱さは感じにくい。一方で、ROE・ROAの低下が示す通り、資本効率の改善余地は限定的で、大きな評価拡大を期待する局面ではない。
この数値だけで判断するなら、イー・ガーディアンはディフェンシブ性と安定収益を重視する投資家向けの中庸な銘柄であり、割安狙いでも高成長狙いでもなく、適正水準で保有するタイプの投資対象という位置付けになる。配当や業績の安定性を重視しつつ、緩やかな回復を見守るスタンスに向いた銘柄だと言える。
配当目的とかどうなの?
イー・ガーディアンを配当目的で見ると、結論から言えば「配当は安定しているが、高配当株として積極的に選ぶ水準ではない」という評価になる。まず予想配当利回りは、26.9期・27.9期ともに2.24%と、配当株としては中間的な水準にある。低すぎるわけではないが、明確に高配当と呼べる水準でもなく、インカムゲインを最優先にする投資家にとって強い魅力がある数字とは言いにくい。
一方で、同社の配当の特徴は「安定性」にある。売上や利益が急変しにくい投稿監視・サポート事業を主力としており、営業利益率も13〜15%前後と比較的安定している。純利益も毎期黒字を維持しており、26.9期以降も増益基調が見込まれていることから、現行配当が急に削減されるリスクは高くない。
ただし、ROEは7〜8%台まで低下しており、資本効率は高くない。この水準では、配当を大きく引き上げる余地は限定的で、今後も配当利回りは2%前後で安定推移する可能性が高い。成長投資による大幅な増配や、配当利回りの急上昇を期待する銘柄ではない。
また、PERは16〜27倍、PBRは1.6倍前後と、株価はすでに「安定企業」として一定の評価を受けている。配当利回りが2%台にとどまるのは、株価水準自体がそれなりに評価されていることの裏返しでもある。配当が株価の下値を強く支えるタイプではなく、あくまで業績の安定感が評価軸になる。
総合すると、イー・ガーディアンは高配当を狙って積極的に買う銘柄ではないが、業績と配当の安定性を重視する中長期保有には向いた銘柄という位置付けになる。2%台の配当を受け取りながら、事業の安定性を評価して持ち続ける投資スタイルに合うが、配当利回りそのものを主目的にする投資家には物足りなさが残る銘柄だと言える。
今後の値動き予想!!(5年間)
イー・ガーディアンは、SNSや掲示板、動画サービス、ECサイトなどの投稿監視・サポートを主力とする、ネット社会の裏側を支えるインフラ型企業である。炎上対策や誹謗中傷対応、不正対策といった需要は景気に左右されにくく、売上・利益は大きく崩れにくい。一方で、爆発的な成長を遂げる業態ではなく、安定収益を積み上げる成熟型ビジネスという性格が強い。営業利益率は13〜15%前後と安定しているが、ROE・ROAは低下傾向にあり、成長スピードは緩やかである。現在値1,696.0円は安定企業として一定の評価を受けた水準といえる。この水準を起点に、今後5年間の値動きを考える。
良い場合は、SNS・EC・ゲーム分野での投稿監視需要が底堅く推移し、AI活用や業務効率化によって利益率が再び改善するシナリオである。売上は年率数%の成長を続け、営業利益率は15%前後を維持、ROEも10%近辺まで持ち直す。市場はイー・ガーディアンを「安定成長型のディフェンシブIT銘柄」として評価し、PERは20〜25倍程度で落ち着く。この場合、5年後の株価は2,100円〜2,400円程度が視野に入る。
中間の場合は、事業環境に大きな変化はなく、売上・利益ともに横ばいから緩やかな増加にとどまるケースである。営業利益率は13%前後、ROEは7〜8%台で推移し、市場評価も現状水準を大きく超えない。配当が下値を支える一方で、成長期待も限定的となり、PERは17〜20倍程度に収れんする。この場合、5年後の株価は1,700円〜2,000円程度となり、現在値近辺を中心とした緩やかなレンジ相場が想定される。
悪い場合は、人件費の上昇や価格競争の激化により利益率が低下し、成長性の乏しさが強く意識されるシナリオである。営業利益率は10%台前半まで下がり、ROEも6%前後にとどまる。市場は評価を引き下げ、PERは13〜15倍程度まで低下する可能性がある。この場合、5年後の株価は1,200円〜1,500円程度まで調整するリスクが考えられる。
総合すると、イー・ガーディアンは急成長を狙う銘柄ではなく、安定収益と一定の配当を軸にしたディフェンシブ寄りの銘柄である。5年間では中間シナリオが最も現実的で、配当を受け取りつつ緩やかな値動きを期待する投資スタイルに向く。一方で、業務効率化や付加価値向上が進めば上振れ余地もあり、逆にコスト上昇が続けば評価が切り下がる可能性もある、安定だが大きな値幅は出にくいタイプの銘柄だと言える。
この記事の最終更新日:2026年1月12日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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