株価
ジャパンマテリアルとは

ジャパンマテリアルは、半導体・液晶工場といった最先端製造拠点に不可欠なライフラインを支える技術・サービスを提供する企業である。三重県三重郡菰野町に本社を置き、1997年に半導体関連部品や材料の販売を目的として設立された。その後、事業領域を拡大し、現在は特殊ガス供給システムを中核とするエレクトロニクス関連事業を主力としている。
同社の中核事業は、半導体工場や液晶工場向けの特殊ガス供給装置の開発・製造・販売、およびガス供給に関わる保守管理サービスである。半導体製造では、超高純度の特殊ガスを安定かつ安全に供給することが不可欠であり、ジャパンマテリアルはこの分野で高い技術力と実績を持つ。装置の納入だけでなく、運用・保守・管理まで一貫して対応することで、工場の安定稼働を支えるビジネスモデルを構築している。また、特殊ガスそのものの販売や関連サービスも行っており、設備投資と保守サービスを組み合わせた継続性のある収益構造が特徴である。
グループ会社には、半導体関連部品や材料を扱う東和商工、設備・保守を担うJMテックやJMエンジニアリングサービス、化学関連のクスノキケミコなどがあり、設計・施工・保守・材料供給まで幅広く対応できる体制を整えている。ジャパンマテリアルグループは、半導体・液晶工場という高度で専門性の高い分野において、インフラ全体を支える技術者集団として位置付けられている。
同社はエレクトロニクス事業に加えて、グラフィックスソリューション事業も展開している。カナダのMatrox社製グラフィックボードなどの販売を中心に、医療、交通、防災、航空管制といった社会インフラ分野や、証券・銀行向けのマルチディスプレイ端末、デジタルサイネージ、テレビ放送・報道を支える映像システムなど、幅広い用途に対応している。この事業は半導体設備とは異なる収益源として成長しており、事業ポートフォリオの多角化に寄与している。
さらに、再生可能エネルギー分野にも取り組んでおり、三重県内で合計約3.9メガワットの太陽光発電所を運営している。エネルギーの安定供給や環境負荷低減を目的とした事業であり、規模は限定的ながらも、安定収益と社会的意義を兼ね備えた取り組みとなっている。
総合すると、ジャパンマテリアルは、半導体・液晶工場向けの特殊ガス供給システムを中核に、装置・材料・保守サービスを一体で提供するインフラ型企業である。加えて、グラフィックスソリューションや太陽光発電といった複数の事業を持ち、半導体投資動向の影響を受けつつも、最先端産業と社会インフラを支える技術企業として独自のポジションを築いている。
ジャパンマテリアル 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益 (円) |
一株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 21.3 | 35,247 | 8,758 | 8,896 | 6,140 | 59.8 | 16 |
| 22.3 | 37,988 | 9,330 | 9,712 | 6,735 | 65.6 | 18 |
| 23.3 | 46,534 | 11,097 | 11,307 | 7,904 | 77.0 | 20 |
| 24.3 | 48,592 | 7,759 | 8,230 | 5,681 | 55.3 | 20 |
| 25.3 | 52,678 | 11,188 | 11,340 | 7,872 | 76.6 | 24 |
| 26.3予 | 58,000 | 14,000 | 14,000 | 9,500 | 92.4 | 27 |
| 27.3予 | 60,000 | 15,000 | 15,000 | 10,000 | 97.3 | 27〜30 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 23.3 | 4,741 | -3,413 | -2,078 |
| 24.3 | 4,227 | -5,099 | -2,133 |
| 25.3 | 14,195 | -2,737 | -2,145 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 23.3 | 23.8% | 15.0% | 18.1% | – | – |
| 24.3 | 15.9% | 10.0% | 11.9% | – | – |
| 25.3 | 21.2% | 11.9% | 14.5% | 22.7〜38.8倍 | 2.79倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績規模を見ると、2024年3月期の売上高は約485億円、営業利益は約77億円、経常利益は約82億円、純利益は約56億円である。2025年3月期には売上高が約526億円、営業利益は約111億円、経常利益は約113億円、純利益は約78億円まで拡大している。2026年3月期の会社予想では、売上高約580億円、営業利益・経常利益ともに約140億円、純利益約95億円とされており、増収増益が継続する前提になっている。売上の伸びに対して利益の伸びが大きく、収益力の強さが数字に表れている。
収益性を見ると、営業利益率は2023年23.8%、2024年15.9%、2025年21.2%である。2024年に一時的に低下しているものの、直近では再び20%を超えており、製造業や設備系企業としてはかなり高い水準である。価格競争にさらされる事業というより、技術力やインフラとしての重要性を背景に、しっかり利益を取れる事業構造だと読み取れる。
資本効率の面では、ROEが2023年18.1%、2024年11.9%、2025年14.5%、ROAが2023年15.0%、2024年10.0%、2025年11.9%となっている。ピーク時よりは低下しているが、いずれも2桁水準を維持しており、設備投資を伴うビジネスとしては効率は良好である。利益を生み出す力そのものが弱っている印象はない。
一方で、株価の評価面を見ると、2025年実績ベースのPERは22.7倍から38.8倍と幅があり、低い水準でも20倍台後半である。PBRも2.7倍程度と高く、市場はすでにこの企業を高収益・成長企業として評価している。割安感はなく、今後の成長が前提条件になっている株価水準だと言える。
これらを総合すると、ジャパンマテリアルは、売上・利益ともに拡大基調で、営業利益率、ROE、ROAはいずれも高水準という、事業の質が非常に高い企業である。一方で、その分だけ株価評価も高く、成長が想定どおり続かなかった場合には評価調整が起きやすい側面も持つ。
投資判断としては、割安株として買う銘柄ではなく、高収益体質と中長期の成長を信じて保有するタイプの銘柄である。業績が計画どおりに伸び続ける限りは評価が維持されやすいが、半導体投資の鈍化などで成長が一服した場合には株価の振れが大きくなる可能性もあり、その点を理解したうえで向き合う必要がある銘柄だと考えられる。
配当目的とかどうなの?
まず予想配当利回りを見ると、2026年3月期、2027年3月期ともに1.77%である。この水準は日本株全体で見ても低めで、高配当銘柄と呼べるものではない。配当を主な目的として投資する人にとっては、物足りなさを感じやすい利回りだと言える。
一方で、会社の収益力自体は非常に高い。売上や利益は拡大基調で、営業利益率は20%前後、ROEやROAも2桁水準を維持している。その中で配当利回りが低いということは、会社が利益を配当に厚く回すよりも、成長投資や事業拡大を優先している姿勢を示している。実際、業績が伸びている割に利回りが高くならないのは、株価が成長期待を織り込んで高い水準にあることも大きい。
PERは20倍台後半から高いところでは30倍超、PBRも2倍台後半と、株価はすでに高収益・成長企業として評価されている。このような銘柄は、配当を目当てに買われるというより、将来の利益成長や株価上昇を期待して保有される傾向が強い。そのため、会社側も高配当政策を前面に出す必要性が低く、配当は安定的に出しつつも水準は控えめになりやすい。
この点から見ると、ジャパンマテリアルは配当を生活資金やインカム収入として重視する投資スタイルには向かない。配当はあくまで株価変動の下支えや、長期保有時の補助的なリターンという位置付けになる。一方で、業績拡大が続けば増配余地そのものはあり、時間をかけて配当額が少しずつ積み上がっていく可能性はある。
総合的に考えると、ジャパンマテリアルは配当目的で積極的に買う銘柄ではなく、成長を軸に保有し、配当は副次的に受け取るタイプの銘柄である。高い配当利回りを安定的に受け取りたい人よりも、事業成長と株価の中長期的な上昇を重視する人に向いた銘柄だと言える。
今後の値動き予想!!(5年間)
ジャパンマテリアルについて、現在値1,519.0円を起点に、今後5年間の値動きをより情報量を増やしてつらつら書く。まず前提として、ジャパンマテリアルは半導体・液晶工場向けの特殊ガス供給という、製造現場の根幹を支えるインフラ分野に強みを持つ企業である。設備投資の波を受けやすい業界に属しながらも、営業利益率は20%前後、ROE・ROAも2桁水準を維持しており、事業の質そのものは非常に高い。一方で、PERやPBRは高めで、市場はすでに一定の成長継続を前提に評価している。このため、株価は業績の「伸び」だけでなく、「成長が続くかどうか」に強く反応しやすい構造になっている。
良い場合は、半導体投資が中長期で安定的に拡大するシナリオである。先端ロジックやパワー半導体、車載・データセンター向けの設備投資が継続し、国内外で工場の新設や増設が進む。売上は年率5〜7%程度で増加し、営業利益率は20%前後を維持、純利益も着実に積み上がる。保守やサービス収益の比率も高まり、業績の安定感が増す。市場は同社を「半導体投資の波に乗るインフラ型高収益企業」として評価し、PERは25〜30倍程度で落ち着く。この場合、5年後の株価は2,300円〜2,800円程度が視野に入り、現在値から見れば中長期でしっかりとした上昇トレンドになる。
中間の場合は、半導体市況が好不調を繰り返しながらも、大きく崩れずに推移するケースである。設備投資は周期的に減速と回復を繰り返すが、同社の受注・保守ビジネスにより、業績は会社計画に近い水準で推移する。売上・利益は緩やかに増えるものの、成長率は落ち着き、営業利益率は18〜20%程度に収れんする。市場評価は現在と大きく変わらず、PERは20〜25倍、PBRも2倍台後半で推移する。この場合、5年後の株価は1,600円〜2,000円程度となり、配当を受け取りながら横ばいから緩やかに上昇するレンジ相場が想定される。
悪い場合は、半導体市況が想定以上に冷え込み、設備投資の回復が遅れるシナリオである。新規設備投資が抑制され、売上の伸びは鈍化し、利益率も低下する。営業利益率は15%前後まで落ち込み、成長企業としての評価が後退する。これによりPERは15〜18倍程度まで切り下がり、PBRも2倍を下回る水準が意識される。この場合、5年後の株価は1,000円〜1,300円程度まで調整する可能性があり、現在値からは下振れリスクが顕在化する。
総合すると、ジャパンマテリアルは短期的な急騰を狙う銘柄ではなく、高収益体質とインフラ性を背景に、中長期で評価されるタイプの銘柄である。最も現実的なのは中間シナリオで、5年間では大きな上下を繰り返しながらも、業績に沿ってじわじわと株価が動く展開になりやすい。半導体投資が順調に回復・拡大すれば上振れ余地はある一方、市況悪化時には評価調整が入りやすいという特徴を併せ持つため、成長期待とリスクの両方を理解したうえで保有する銘柄だと言える。
この記事の最終更新日:2026年1月12日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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