株価
Gunosyとは

Gunosyは、スマートフォン向け情報配信という分野でいち早く存在感を示した、情報キュレーション型メディア企業である。インターネット上に散在するニュースや話題性のあるコンテンツを独自のアルゴリズムで収集・評価し、ユーザー一人ひとりの興味関心に合わせて届ける仕組みを強みとして成長してきた。東京都渋谷区に本社を置き、KDDIが大株主として資本・事業の両面で関係を持っている点も、同社の特徴のひとつである。
祖業である「グノシー」は、ニュースアプリでありながら、純粋な報道メディアというよりも、エンターテインメント性の高い情報を幅広く扱う“暇つぶし型”の情報サービスとして位置付けられてきた。政治・経済・社会ニュースに加え、芸能、スポーツ、ネット話題、生活情報などを混在させ、ユーザーが自然とアプリを開き続ける設計になっている。ユーザーの閲覧履歴や行動データを蓄積し、それをもとに配信内容と広告を最適化する仕組みが中核にあり、広告主にとっては効率的なターゲティングが可能なプラットフォームとなっている。
一方、「ニュースパス」は、グノシーとはやや性格の異なるサービスで、社会性の高いニュースを重視するユーザーを主な対象としている。300媒体以上のニュースソースを基に、独自の解析・配信技術で記事を自動選定し、よりニュース志向の強いタイムラインを提供している。技術基盤や配信ロジックはグノシーと共通化されており、新規サービスでありながら開発コストを抑えられる構造になっている。KDDIがプロモーションを担ってきた経緯もあり、通信事業者との連携モデルを象徴するサービスといえる。
こうした情報キュレーション事業で成長してきたGunosyだが、近年は収益構造が大きく変化している。広告市場の競争激化やプラットフォーム環境の変化を背景に、ニュースアプリ単体での収益成長には限界が見え始めた。その中で、グループの収益の柱として存在感を高めているのが、連結子会社のゲームエイトである。
ゲームエイトは、スマートフォンゲームや家庭用ゲームの攻略情報に特化した専門メディアを運営しており、特定ジャンルに深く刺さるコンテンツを大量に蓄積している点が特徴である。一般的なニュースアプリと異なり、ゲーム攻略という目的意識の強いユーザーが訪れるため、滞在時間が長く、広告効率も高い。結果として、グループ全体の中で安定した収益源となっており、現在のGunosyは「情報キュレーション企業」から「複数のデジタルメディアを束ねる企業」へと性格を変えつつある。
さらに、Gunosy Capitalを通じたスタートアップ投資や、新規事業の探索も行っており、単一サービス依存からの脱却を意識した経営が進められている。情報配信で培ったデータ分析や広告運用のノウハウを、別分野に横展開しようとする動きも見られる。
総合すると、Gunosyはニュースキュレーションという分野で先行者として成長した企業だが、現在はその枠にとどまらず、収益性の高い専門メディアや投資事業を組み合わせたグループ経営へとシフトしている。ニュースアプリの成長性には限界がある一方で、ゲーム攻略メディアのような特化型コンテンツには強みを持っており、今後は「広く浅くの情報配信」から「狭く深い分野で稼ぐ」方向への転換が、同社の中長期的なテーマになっている企業だと言える。
Gunosy 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益 (円) |
一株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 23.5 | 8,052 | -268 | -1,705 | -1,150 | -48.0 | 0 |
| 24.5 | 7,344 | 70 | -829 | -1,186 | -49.3 | 0 |
| 25.5 | 6,098 | 575 | 325 | 78 | 3.3 | 18.3 |
| 26.5予 | 7,900 | 780 | 770 | 430 | 18.0 | 18.3 |
| 27.5予 | 8,100 | 800 | 790 | 440 | 18.4 | 18.3〜20 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 23.5 | -433 | 604 | 0 |
| 24.5 | -206 | 271 | -103 |
| 25.5 | -26 | -1,142 | 55 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 23.5 | -3.4% | -9.4% | -10.7% | – | – |
| 24.5 | 0.9% | -10.5% | -12.0% | – | – |
| 25.5 | 9.4% | 0.5% | 0.6% | 149.5〜293.0倍 | 1.24倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
24.5期は売上高73.4億円、営業利益0.7億円、経常利益-8.2億円、純利益-11.8億円で、赤字基調が続いていた。25.5期は売上高60.9億円、営業利益5.7億円、経常利益3.2億円、純利益0.7億円と、売上は減少したものの黒字転換を果たしている。26.5期予想では売上高79.0億円、営業利益7.8億円、経常利益7.7億円、純利益4.3億円と、売上・利益ともに回復が進む前提になっている。全体として、売上規模は中小型だが、足元は明確な回復局面に入っている。
収益性を見ると、営業利益率は23.5期-3.4%、24.5期0.9%と低迷した後、25.5期には9.4%まで急改善している。これはコスト構造の見直しや、収益性の高い事業への集中が進んだ結果と読み取れる。ただし、9%台は一時的な改善の可能性もあり、安定水準と断定するにはまだ時間が必要な段階である。
資本効率では、ROEが23.5期-10.7%、24.5期-12.0%と大きなマイナスだったのに対し、25.5期は0.6%まで回復している。ROAも同様に-9.4%、-10.5%から0.5%へ改善しているが、いずれも水準としては極めて低い。赤字からの脱却直後であるため、効率性はまだほとんど評価できない段階といえる。
市場評価を見ると、25.5期の実績PERは149.5倍から293.0倍と極端に高い。これは利益額が非常に小さい回復初期特有の数字であり、割高・割安を論じる以前に、指標としての信頼性が低い水準である。一方、PBRは1.2倍で、こちらは過度な割高感はないが、資本効率が低い現状を考えると、積極的に割安とも言いにくい。
これらを総合すると、Gunosyは長期低迷を経て、ようやく業績回復の入口に立った企業である。営業利益率は改善しているが、ROE・ROAはほぼゼロ水準で、企業体質が完全に立ち直ったとは言えない。一方で、26.5期予想では利益拡大が続く前提となっており、回復シナリオ自体は描ける状況にある。
この数値だけで判断するなら、Gunosyはすでに安定成長企業として評価できる段階ではなく、回復初期のリスクと期待が同居する局面にある銘柄という位置づけになる。PERは参考にならないほど高く、割安狙いには向かないが、業績回復が続けば評価の正常化余地はある。一方で、回復が一巡すれば再び失速するリスクも大きく、安定志向の投資よりも、業績改善を見込んだ高リスク・高変動の投資対象といえる。
配当目的とかどうなの?
Gunosyを配当目的で見ると、結論から言えば「配当利回りの数字だけを見ると魅力はあるが、配当の安定性という点ではまだ不安が残る銘柄」という評価になる。まず予想配当利回りは、26.5期・27.5期ともに3.32%と、表面的には配当目的として十分に目を引く水準にある。3%を超える利回りは、市場平均と比べても高く、数字だけを見れば高配当株の部類に入りそうに見える。
ただし、この配当をどう評価するかは、直近の業績推移をどう捉えるかで大きく変わる。ROEやROAも長らくマイナスで推移し、25.5期時点でもほぼゼロ水準にとどまっている。つまり、企業体質としては「配当を安定的に出し続けられる段階」に完全に戻ったとは言い切れない。
営業利益率は25.5期に9.4%まで改善しており、26.5期予想でも増益が見込まれている点は評価できる。ただし、これは回復初期特有の反発局面であり、この水準が中長期で定着するかどうかはまだ不透明である。仮に業績が再び鈍化すれば、配当は真っ先に調整対象になる可能性が高い。
また、PERは回復初期のため150倍超と極端に高く、評価指標としてはほぼ参考にならない状態である。PBRは1.2倍程度で落ち着いているものの、資本効率が低い現状では、配当が株価の下値を強く支えるとは考えにくい。
これらを踏まえると、Gunosyは配当利回りそのものは高いが、配当の持続性や減配耐性を重視する「王道の配当投資」には向かないという位置づけになる。むしろ、業績回復が続く前提で株価の評価正常化と配当の両方を狙う、回復局面向けの銘柄と考える方が自然である。安定配当を長期で受け取りたい人にとっては、まだ様子見が妥当であり、配当はあくまで「業績回復が順調に進んだ場合のボーナス」として捉えるのが現実的だと言える。
今後の値動き予想!!(5年間)
Gunosyは、ニュースや各種情報を独自アルゴリズムで配信する情報キュレーションアプリ「グノシー」を祖業とするインターネット企業である。スマートフォン向け広告市場の拡大とともに成長してきたが、近年はニュースアプリ単体の成長鈍化や広告単価の低下を背景に、事業構造の転換期にある。現在の売上規模は70億円前後と中小型で、かつての高成長企業というよりは、再構築フェーズに入った企業という位置付けになる。一方で、連結子会社のゲームエイトが安定的な収益源となっており、グループ全体としては赤字局面を脱しつつある。
直近では、営業利益率がマイナスから9%台まで改善し、純利益も黒字転換している。ただし、ROEやROAは0%台と低水準にとどまり、資本効率が本格的に回復したとは言い難い。利益水準がまだ小さいため、PERは150倍超と極端に高く、成長期待先行の評価になっている点も特徴である。高付加価値で安定的に稼ぐ企業というよりは、業績回復がどこまで続くかを見極める段階の企業と言える。今後の値動きについて、現在値は551.0円である。この水準を起点に、今後5年間の値動きを考える。
良い場合は、ニュース配信事業が下げ止まり、ゲームエイトを中心とした専門メディアの収益が安定的に拡大するシナリオである。広告収益が回復基調に乗り、営業利益率は10%前後で定着、ROE・ROAも徐々に改善する。市場はGunosyを「業績回復が定着した中小型メディア株」として再評価し、PERは30〜40倍程度まで正常化する。この場合、5年後の株価は900円〜1,200円程度が視野に入る。
中間の場合は、業績は回復基調を維持するものの、成長力は限定的で、売上・利益ともに緩やかな増加にとどまるケースである。営業利益率は5〜8%程度、ROE・ROAも低位で推移し、市場評価は落ち着いた水準に収れんする。配当利回りが下値を支える一方で、上値を追う材料にも乏しく、PERは20〜30倍前後で推移する。この場合、5年後の株価は650円〜800円程度となり、現在値近辺から緩やかなレンジ相場が想定される。
悪い場合は、広告市場の競争激化やニュースアプリの利用低迷が続き、業績回復が一時的に終わるシナリオである。営業利益率は再び低下し、ROE・ROAも伸び悩む。回復期待が剥落すると評価は急速に切り下がり、PERは15〜20倍程度、PBRも1倍割れ近くまで低下する可能性がある。この場合、5年後の株価は400円〜550円程度まで調整するリスクが考えられる。
総合すると、Gunosyはネツレンのような薄利安定・高配当型の企業とは性格が異なり、業績回復の成否によって評価が大きく変わる銘柄である。5年間では中間シナリオが最も現実的で、配当を受け取りつつ、業績回復が本物かどうかを見極めながら保有する投資スタイルに向く。一方で、回復が定着すれば上振れ余地もあるが、失速すれば再び低迷する可能性もあり、安定性よりも不確実性を内包した、やや癖のある回復途上銘柄だと言える。
この記事の最終更新日:2026年1月12日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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