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IBJとは

IBJは、東京都新宿区に本社を置く、日本最大級の婚活サービス企業であり、東京証券取引所プライム市場に上場している。結婚相談所ネットワーク事業を中核に、直営結婚相談所、婚活パーティー、婚活アプリ、さらには結婚後を見据えたライフデザイン関連サービスまで、多角的に婚活市場をカバーしている点が特徴である。
同社の最大の強みは、結婚相談所プラットフォーム事業にある。全国の結婚相談所を加盟店としてネットワーク化し、共通の会員データベースとマッチングシステムを提供することで、業界最大級の会員数と成婚実績を誇っている。加盟相談所はIBJのシステムを利用することで、自社単独では難しい規模のマッチングが可能となり、その対価として月額利用料や成婚料の一部をIBJが受け取る仕組みになっている。このモデルはストック型収益の色合いが強く、景気変動の影響を受けにくい安定した収益基盤となっている。
一方で、成長ドライバーとして位置付けられているのが直営結婚相談所事業である。「IBJメンバーズ」などのブランドで都市部を中心に店舗展開し、専任カウンセラーによる手厚いサポートを提供している。入会金、月会費、成婚料を直接収益として得られるため、プラットフォーム事業に比べて利益率が高い傾向にあり、ブランド力と成婚実績の向上が、ネットワーク全体の価値向上にもつながっている。
さらに、婚活パーティーや街コンといったイベント事業を通じて、結婚相談所ほど重くないライト層の需要も取り込んでいる。リアルな場での出会いを提供することで、オンライン中心の婚活に抵抗感を持つ層や、まずは気軽に参加したい層を囲い込み、その後に結婚相談所やアプリへ誘導する役割も果たしている。
婚活アプリ事業では、スマートフォンを活用したマッチングサービスを展開し、若年層やデジタルネイティブ層への接点を強化している。アプリ単体での収益だけでなく、IBJの他サービスとの連携により、ユーザーのライフステージに応じたサービス提供が可能となっている点が特徴である。
加えて、ライフデザイン事業として、結婚後の生活設計やライフプランに関わるサービスにも領域を広げており、単なる「出会いの提供」にとどまらず、結婚を軸とした人生設計全体をサポートする企業へと進化しつつある。少子化や未婚率上昇という社会課題を背景に、結婚を希望する層への支援ニーズは根強く、IBJはその受け皿として独自のポジションを築いている。
総じてIBJは、プラットフォームによる安定収益と、直営事業・イベント・アプリによる成長性を併せ持つビジネスモデルを構築しており、婚活市場におけるインフラ的存在として、長期的な視点で事業を拡大している企業と言える。
IBJ 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連22.12 | 14,716 | 1,993 | 2,051 | 1,493 | 37.2 | 6 |
| 連23.12 | 17,649 | 2,230 | 2,292 | 1,629 | 40.8 | 6 |
| 連24.12 | 17,739 | 2,579 | 2,561 | 1,523 | 40.2 | 8 |
| 連25.12予 | 20,000 | 3,600 | 3,500 | 1,560 | 41.2 | 10 |
| 連26.12予 | 22,000 | 3,800 | 3,700 | 1,650 | 43.6 | 10〜12 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2022 | 2,140 | -1,935 | -731 |
| 2023 | 3,517 | -4,165 | 1,608 |
| 2024 | 1,309 | -357 | -1,385 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 12.6% | 21.8% | 8.9% | – | – |
| 2024 | 14.5% | 18.1% | 8.2% | 24.4倍(高) / 14.3倍(安) | 3.05倍 |
| 2025 | 18.0% | 18.6% | 8.4% | 21.75倍(予) | – |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は2023年が176億、2024年が177億とほぼ横ばいだが、2025年予想では200億、2026年予想では220億と、はっきりとした成長局面に入っている。急成長ではないものの、安定的で視認性の高い増収計画であり、事業基盤の強さがうかがえる。
営業利益は2023年22億、2024年25億、2025年予想36億、2026年予想38億と大きく伸びており、売上以上に利益が成長している点が特徴的である。営業利益率も2023年12.6%、2024年14.5%、2025年18.0%と着実に改善しており、コスト構造が強化され、収益性が明確に高まっている。
経常利益も2023年22億、2024年25億、2025年予想35億、2026年予想37億と安定的に拡大しており、本業中心で利益を積み上げられている。純利益は2023年16億から2024年15億と一時的に低下しているが、2025年予想では15億、2026年予想では16億と回復基調にあり、大きな懸念材料とは言えない。
資本効率を見ると、ROEは2023年21.8%、2024年18.1%、2025年18.6%と高水準を維持しており、自己資本を使ってしっかり利益を生み出せている。ROAも8%台で安定しており、資産効率も良好である。利益率改善と高い資本効率が同時に成り立っている点は評価が高い。
バリュエーション面では、2024年実績PERは高値平均24.4倍、安値平均14.3倍と幅があるが、2025年予想PERは21.7倍で、利益成長を考慮すれば極端な割高感はない。PBRは3.0倍と高めだが、ROEが18%前後あることを踏まえると、理論的には許容される水準である。
総合すると、売上は緩やかな成長だが、利益率の改善によって利益が大きく伸びるフェーズに入っている企業であり、高ROE・高営業利益率を維持できている点は強みである。一方で、すでにPBRは高く、今後の株価上昇は業績の着実な成長が前提となる。割安株というよりは、収益性の高い成長企業として、業績連動で評価されるタイプの銘柄と判断できる。
配当目的とかどうなの?
配当目的で見ると、IBJは配当向きの銘柄とは言いにくい。予想配当利回りは2025年、2026年ともに1.23%と低水準で、インカム収入を重視する投資スタイルには明確に物足りない水準である。一般的に配当目的で選ばれる銘柄は利回り3%前後以上が一つの目安となるため、それと比べると配当面の魅力は小さい。
一方で、IBJは営業利益率が年々改善しており、ROEも18%前後と高い水準を維持している。企業としての稼ぐ力は強いが、その利益を配当として積極的に株主へ還元する方針ではなく、成長投資を優先していることが数値から読み取れる。生み出した利益は、直営結婚相談所の拡大やプラットフォーム強化、人材投資などに回されていると考えられる。
配当利回りが低いため、株価が下落した局面でも配当が下値を支える力は弱い。高配当銘柄のように、配当収入を得ながら安心して長期保有するタイプではなく、株価は業績の伸びや成長期待によって大きく左右されやすい。
そのため、安定した配当収入を目的にIBJを保有する投資スタイルには向かない。一方で、配当はあくまでおまけと割り切り、利益成長や企業価値の拡大による株価上昇を重視する投資家にとっては検討余地がある。総合すると、IBJは配当目的の銘柄ではなく、収益性や成長性を評価して保有するタイプの企業であり、配当は補助的な位置付けにとどまる。インカム狙いよりもキャピタルゲイン狙い向けの銘柄という評価になる。
今後の値動き予想!!(5年間)
IBJは、結婚相談所ネットワーク事業を中核に、直営結婚相談所、婚活パーティー、婚活アプリなどを展開する、婚活市場における最大手企業である。全国の結婚相談所をネットワーク化したプラットフォームを基盤としており、会員数・加盟相談所数ともに業界トップクラスを誇る。売上規模は200億円前後と中堅規模だが、ストック型収益を多く含むビジネスモデルのため、業績は景気変動の影響を受けにくく、比較的安定して推移している。
一方で、IBJの特徴は安定性だけでなく収益性の高さにある。営業利益率は12%台から15%台、直近では18%近辺まで改善しており、ROEも18%前後と高水準を維持している。人材サービスや店舗ビジネスを含む事業構造でありながら、ここまでの利益率を確保できている点は、プラットフォーム型モデルと直営事業のバランスがうまく機能していることを示している。高付加価値型のサービス企業として、単なる労働集約型ビジネスとは一線を画している。今後の値動きについて、現在値は807.0円である。この水準を起点に、今後5年間の値動きを考える。
良い場合は、結婚相談所ネットワークの会員数が堅調に増加し、直営結婚相談所の成婚実績やブランド力がさらに高まるシナリオである。婚活アプリやイベント事業も補完的に成長し、既存会員の囲い込みと新規層の獲得が進む。営業利益率は18%前後を維持、ROEも18%から20%近辺で推移し、市場からは「安定収益を持つ成長企業」として評価される。PERは20〜25倍程度、PBRは3倍前後で落ち着き、この場合、5年後の株価は1,100円〜1,400円程度が視野に入る。
中間の場合は、婚活市場全体は堅調だが大きな拡大 leading to moderate growth. 会員数や売上は緩やかに増加し、利益率も15%前後で安定する。ROEは15%から18%程度にとどまり、市場評価も現在水準を大きく上回らない。PERは15〜20倍、PBRは3倍前後で推移し、この場合、5年後の株価は850円〜1,000円程度となり、現在値807円近辺を中心とした緩やかな上昇か横ばいのレンジ相場が想定される。
悪い場合は、婚活アプリ間の競争激化や若年層の結婚意欲低下などにより、会員数の伸びが鈍化するシナリオである。直営相談所の稼働率が低下し、営業利益率は10%台前半まで下落、ROEも10%台前半に低下する。配当利回りが低いため下値の支えは弱く、市場評価は慎重になる。PERは10〜14倍、PBRは2倍台まで切り下がり、この場合、5年後の株価は600円〜750円程度まで調整するリスクがある。
総合すると、IBJは急成長を狙う銘柄ではないが、業界トップのプラットフォームを基盤に、安定した収益と高い利益率を両立している企業である。5年間では中間シナリオが最も現実的で、緩やかな成長を前提に株価が推移する可能性が高い。一方で、利益率とROEが高いため、成長が続けば上振れ余地もあり、逆に競争環境が厳しくなれば配当の低さから下振れしやすい側面もある。安定性と成長性の中間に位置する、やや評価の振れやすい成長型サービス銘柄と言える。
この記事の最終更新日:2026年1月12日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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