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ヤマシンフィルタ(6240)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-01-16)
623.00
前日比 +11.00(+1.80%)

ヤマシンフィルタとは

ヤマシンフィルタは、建設機械の油圧回路に用いられるオイルフィルターで世界首位のシェアを持つ、フィルタ専業メーカーである。建設機械向け油圧フィルタという極めてニッチだが参入障壁の高い分野に経営資源を集中させ、世界市場で圧倒的な地位を築いてきた点が最大の特徴である。本社は神奈川県横浜市中区に所在する。

同社は1956年に山信工業として創業し、当初は醤油や味噌の製造に使われる濾布を手掛けていた。その後、自動車産業向け下請け事業を経て、価格競争に陥りやすい下請け構造から脱却するため、世界的に市場拡大が見込め、かつ技術力が競争力になる建設機械向けフィルタに事業を集約した。この戦略転換が、現在の世界首位シェアにつながっている。2005年に社名をヤマシンフィルタへ変更し、2014年に東証二部、2016年に東証一部、2022年にはプライム市場へと移行している。

事業の中核は建設機械用フィルタであり、油圧フィルタを中心に、過酷な使用環境でも高い捕集性能と耐久性を求められる製品を提供している。建設機械向けフィルタは、新車向けに組み込まれるライン品と、稼働後のメンテナンス時に交換される補給品に分かれており、特に補給品は機械の稼働台数が増えるほど需要が積み上がるストック性の高いビジネスとなっている。このアフターマーケット比率の高さが、業績の安定性を支える重要な要素である。

近年は建設機械分野にとどまらず、産業機械、工作機械、農業機械向けフィルタや、半導体工場、化学プラント、食品加工工程などで使われるプロセス用フィルタへと用途を拡大している。2017年にはナノファイバー技術を用いた高性能フィルタを開発し、微細粒子の高効率捕集や圧力損失の低減といった付加価値を武器に差別化を進めている。

2019年には大阪のエアフィルタメーカーであるアクシーを子会社化し、2020年以降はエアフィルタ事業が加わった。これにより、建機用フィルタ単一だった事業構成は、エアフィルタを含む複数事業体制へと変化している。新型コロナ流行時にはナノファイバー技術を応用したマスクの製造・販売も行うなど、技術応用の幅も広げてきた。

地域別では、日本、米国、欧州、アジア、中国と幅広く売上を分散しており、特定地域への依存度が過度に高くない点も特徴である。生産拠点は佐賀県の佐賀事業所を中核に、フィリピン、ベトナムにも工場を持ち、エアフィルタは大阪のアクシー工場で生産している。研究開発は横須賀イノベーションセンタで行われ、濾材技術を軸とした高付加価値製品の開発を継続している。

総合すると、ヤマシンフィルタは建設機械用油圧フィルタという世界首位のニッチ分野を基盤に、補給品によるストック型収益と、独自濾材技術による高い参入障壁を併せ持つ企業である。市況の影響は受けるものの、単なる景気敏感株ではなく、稼働台数の積み上がりによって中長期で収益を安定させやすい事業構造を持っている点が、この企業の本質的な強みだと言える。

ヤマシンフィルタ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
一株益(EPS)
(円)
一株配当(DPS)
(円)
連21.3 14,587 -145 -135 750 10.7 6
連22.3 18,821 1,344 1,317 47 0.7 6
連23.3 18,605 1,235 915 645 9.0 6
連24.3 18,024 1,411 1,415 786 11.0 6
連25.3 20,104 2,630 2,669 1,723 24.3 12
連26.3予 21,200 2,920 2,910 1,990 28.6 18
連27.3予 22,300 3,210 3,240 2,200 31.6 18〜19

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF
(百万円)
投資CF
(百万円)
財務CF
(百万円)
連23.3 2,407 -1,170 -718
連24.3 2,632 -541 -1,465
連25.3 2,762 -529 -1,298

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER PBR
連23.3 6.6% 3.0% 2.5%
連24.3 7.8% 3.6% 3.0%
連25.3 13.0% 7.6% 6.4% 45.8倍
~24.0倍
1.94倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

ヤマシンフィルタの直近業績を見ると、2024年3月期の売上は180億円、営業利益は14億円、経常利益は14億円、純利益は7億円であった。2025年3月期には売上が201億円まで伸び、営業利益は26億円、経常利益は26億円、純利益は17億円と、利益水準が一気に跳ね上がっている。2026年3月期予想では売上212億円、営業利益29億円、経常利益29億円、純利益19億円と、増収増益が継続する見通しとなっている。

収益性の面では、営業利益率が2023年の6.6%から2024年に7.8%、2025年には13.0%まで大きく改善しており、ここ数年で事業の収益構造が明確に変わったことが分かる。単なる売上増ではなく、利益率を伴った成長になっている点は、この会社を見る上で最も評価できるポイントである。

一方で資本効率を見ると、ROEは3.0%から3.6%、7.6%、ROAは2.5%から3.0%、6.4%と改善してはいるものの、依然として高水準とは言えない。2025年にかけて大きく良くなってはいるが、まだ効率よく稼ぐ企業という段階には達しておらず、回復途上の水準にある。

株価評価の面では、2025年の実績PERが安値平均24.0倍、高値平均45.8倍と非常に高く、業績改善をかなり強気に織り込んだ評価になっている。PBRも1.9倍と、収益性やROEの水準を考えると割安感はなく、利益率が改善した直後のタイミングで期待先行の評価が付いている状態だと考えられる。

これらの数値だけで判断すると、ヤマシンフィルタは営業利益率が大きく改善し、業績は明確な回復局面にある一方で、ROE・ROAはまだ低く、構造的な高収益企業とは言い切れない。PER・PBRはかなり高く、すでに将来の成長を織り込んだ水準であるため、割安感を狙う投資というよりは、今後も利益率が維持・上昇するかを慎重に見極めながら付き合う必要のある局面だと感じる。

配当目的とかどうなの?

ヤマシンフィルタを配当目的で見ると、立ち位置ははっきりしていて「高配当株ではなく、増配余地を含んだ中配当株」という評価になる。連26.3、連27.3ともに予想配当利回りは2.88%と、数字だけを見ると市場平均と同程度で、配当利回りそのものを主目的に買う水準ではない。

ただし、配当の裏付けとなる業績とキャッシュフローは着実に良くなっている。営業利益は2024年の14億円から2025年に26億円、2026年予想で29億円と大きく伸びており、営業CFも安定してプラスを維持している。無理に借入に頼らず、内部資金から配当を支払える体質に移行しつつある点は、配当目的で見る場合の安心材料になる。

一方で、ROE・ROAは改善しているとはいえまだ高水準ではなく、企業全体として配当を最優先する段階にはない。利益率が改善した今後数年は、配当よりも事業基盤の強化や投資に資金を回す可能性も高く、配当性向が急に高まることは想定しにくい。

配当目的としての弱点を挙げるなら、株価水準が高く評価されているため、利回りが3%を超えにくい点である。業績が順調でも株価が上がれば利回りは低下しやすく、高配当を狙う投資家にとっては物足りなさが残る。

総合すると、ヤマシンフィルタは配当だけで安定収入を得るための銘柄ではなく、業績回復と利益率改善を背景に、配当がじわじわ増えていく過程を楽しむタイプの銘柄である。値上がり益と配当をバランスよく狙う投資には向くが、配当利回りを最優先する高配当戦略の中核に据える銘柄ではない、というのがこの数値から導かれる結論になる。

今後の値動き予想!!(5年間)

ヤマシンフィルタの現在値は623円である。この水準を起点に今後5年間の値動きを考えると、最大の焦点は営業利益率が直近で大きく改善した状態を維持できるかどうかにある。建設機械向け油圧フィルタという世界首位のニッチ分野を持つ一方で、足元の株価はすでに回復期待をある程度織り込んでおり、業績の伸びと評価のバランスが重要になる。

良い場合は、建設機械市場が底堅く推移し、補給品需要の積み上がりによって利益率13%前後が定着するケースである。この場合、営業利益は30億円規模で安定し、一株益も30円台前半まで伸びる可能性がある。市場からは「高付加価値ニッチメーカー」として評価されやすくなり、PERは25倍前後が許容される。この水準が維持されれば、5年後の株価は750円から850円程度まで上昇する余地がある。配当を受け取りながら、緩やかな値上がりを期待できる展開となる。

中間のケースは、業績は堅調だが、利益率が10%前後までやや低下し、成長スピードも落ち着くシナリオである。補給品需要は安定するものの、市場全体の成長期待は強まらない。この場合、PERは18倍から22倍程度に収まりやすく、5年後の株価は600円から700円前後で推移する可能性が高い。現在値近辺を中心に上下しながら、配当込みでのリターンが主な収益源になる。

悪い場合は、建設機械市況の悪化や価格競争の再燃により、営業利益率が再び1桁台に低下するケースである。この場合、利益成長への期待が後退し、市場評価は大きく切り下がる。PERは15倍前後まで低下し、一株益が20円前後にとどまれば、株価は400円から500円近辺まで下落する可能性がある。配当は維持される可能性が高いものの、株価下落による評価損が目立つ展開になる。

総合すると、ヤマシンフィルタは上振れ余地よりも下振れリスクとのバランスを意識した銘柄であり、現在値623円は中間シナリオに近い位置にあると感じる。業績が本物かどうかを見極める段階であり、短期の値幅狙いよりも、利益率の推移を確認しながら中長期で付き合う姿勢が求められる銘柄だと言える。

この記事の最終更新日:2026年1月17日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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