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ユニオンツール(6278)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-01-16)
10,320.00
前日比 +100.00(+0.98%)

ユニオンツールとは

ユニオンツールは、PCB(プリント配線板)用ドリルで世界シェア3割超を握る首位メーカーであり、超精密切削工具分野におけるグローバル・ニッチトップ企業である。本社は東京都品川区に置き、切削工具、直線運動軸受、エンドミル、測定機器などを主力製品とし、金属加工機械の製造・販売も手がけている。財務面では有利子負債ゼロを維持しており、極めて健全な財務体質を持つ点も大きな特徴である。

同社の中核事業はPCBドリルおよびPCBルーターである。ユニオンツールのPCBドリルは、すべて自社開発の専用超精密工作機械によって製造されており、製造工程だけでなく、検査やパッキングに至るまで専用機を用いる徹底した一貫生産体制を構築している。この体制により、極小径かつ高精度が要求されるPCB加工分野において、品質と安定性で他社を圧倒し、国内外で高いシェアを確保してきた。

近年は電子機器の高密度化・小型化により、極小径加工の要求が急速に高まっているが、同社は早い段階からその潮流を捉え、画像処理による検査装置や極小径ドリル専用の再研磨機などを自社開発してきた。これにより市場変化への対応スピードを高めると同時に、外部設備に依存しないことで設備投資を最小限に抑え、低コストと高品質を両立している。このPCBドリル製造で培ったノウハウは、超精密微細穴加工用ドリルの開発にも応用され、用途の拡大につながっている。

PCB工具関連機器の分野では、切削工具を安全かつ高精度に取り扱うための総合的なドリルハンドリングシステムを展開している。PCBドリルの素材である超硬合金は非常に硬い一方で脆く、わずかな接触でも刃先が欠けてしまう性質を持つ。同社はこうした特性を前提に、チッピングを防ぎ、基板品質を劣化させないための周辺機器や管理技術を体系化し、工具そのものだけでなく使用環境まで含めた価値提供を行っている。

超硬エンドミル事業では、ユニマックスエンドミルシリーズを中心に、外径0.06mmから20mmまで幅広いラインナップを展開している。特にφ12mm以下の高精度領域に強みを持ち、自社開発の生産設備と測定機器によって高い寸法精度を実現している。独自の刃形状設計や材質別に最適化された各種コーティングにより、従来は困難とされていた超硬合金の直彫り加工を可能にするなど、高性能化を進めている。工場の拡張や温度管理を徹底した最新設備の導入により、量産体制と品質の両立も図られており、標準品だけでなく特殊品の短納期対応にも強みを持つ。

また、直線運動ローラー軸受事業も重要な柱である。PCBドリル製造の必要性から開発されたこの分野では、転動体にローラーを使用することで走行精度、剛性、寿命を大幅に向上させている。工作機械や半導体製造装置向けを中心に採用されており、ユニオンツールは直線運動ローラー軸受およびクロスドローラーガイドを国内で初めて商品化した企業でもある。特に転動面を鏡面に近い状態まで仕上げるSF級製品は、光学測定装置や医療機器など、極めて高い精度が求められる分野で多く使用されている。

さらに、デジタル測定器事業も同社の技術力を象徴する分野である。PCBドリルの直径は0.1〜0.3mmという極細で、許容公差は数ミクロンという厳しい条件が課されるが、創業当時はその精度を測定できる市販機器が存在しなかったため、測定器自体を社内で開発した。現在ではクロスドローラーガイドと精密ガラススケールを採用した高精度測定器を製品化し、測定機器としてもラインナップの一角を占めている。

全体としてユニオンツールは、PCBドリルを起点に、切削工具、直動軸受、測定機器へと技術を横展開し、すべてを自社開発・自社製造で完結させる極めて垂直統合度の高いビジネスモデルを築いている。有利子負債ゼロの堅実な財務と、他社が容易に追随できない超精密加工技術を武器に、電子機器の進化とともに長期的な競争力を維持している企業である。

ユニオンツール 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
2022/12 29,091 6,190 6,737 4,996 289.2 84
2023/12 25,338 3,778 4,073 3,077 178.2 84
2024/12 32,606 6,878 7,132 5,283 305.9 105
2025/12(予) 37,500 7,900 7,900 6,000 344.5 125
2026/12(予) 41,000 9,000 9,000 6,800 390.5 125〜130

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2022/12 6,707 -1,962 -1,550
2023/12 4,688 -5,011 -1,614
2024/12 7,283 -7,269 -1,678

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率(%) ROE(%) ROA(%) PER(倍) PBR(倍)
2023/12 14.9 4.5 4.3
2024/12 21.0 7.2 6.6 高値平均 19.9
安値平均 12.9
2.34
2025/12 21.0 8.2 7.6 34.02

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績の規模と流れを見ると、2023年12月期は売上高253億円、営業利益37億円、経常利益40億円、純利益30億円である。2024年12月期は売上高326億円、営業利益68億円、経常利益71億円、純利益52億円と、売上・利益ともに大きく伸びている。2025年12月期予想では売上高375億円、営業利益79億円、経常利益79億円、純利益60億円と、成長は続く見通しである。2026年12月期予想では売上高410億円、営業利益90億円、経常利益90億円、純利益68億円と、さらに一段の拡大が示されている。

利益率の水準は非常に高い。営業利益率は2023年14.9%、2024年21.0%、2025年も21.0%と、超精密工具メーカーとして際立った水準にある。売上拡大とともに利益率が急改善している点から、数量増と製品ミックス改善の両方が効いていることが読み取れる。

一方で資本効率は、利益率ほどの高さではない。ROEは4.5%から7.2%、8.2%へと改善しているが、まだ1桁後半にとどまる。ROAも4.3%から6.6%、7.6%へと上昇しており改善傾向ではあるものの、営業利益率20%超の企業としてはやや低めに見える。これは有利子負債ゼロで自己資本が厚い体質であることの裏返しでもあり、財務の安全性を優先してきた結果と考えられる。

バリュエーションを見ると、評価はかなり先行している。2024年実績PERは高値平均19.9倍、安値平均12.9倍で、すでに利益成長を織り込んだ水準にある。PBRは2.3倍と、製造業としては明確に高い部類に入る。さらに2025年予想PERは34.0倍と、将来の成長継続を強く前提とした評価になっている。

これらの数値を総合すると、ユニオンツールは業績面では非常に優秀で、利益率の高さは世界トップクラスの競争力を反映している。一方で、株価水準はすでに高収益・高成長を前提とした評価がかなり織り込まれており、数値上は割安感は乏しい。

結論として、ユニオンツールは「事業の質は極めて高いが、株価は成長期待を強く織り込んでいる銘柄」である。今後も売上・利益が予想通り拡大すれば評価は正当化されるが、成長が一服した場合にはPERの調整による株価の変動リスクも大きい。数値だけで判断するなら、安定型・割安株というよりも、成長の持続性を見極めながら投資すべき高品質だが高評価の銘柄という位置付けになる。

配当目的とかどうなの?

配当目的という観点で見ると、ユニオンツールは正直なところ「配当向きの銘柄」とは言いにくい。予想配当利回りは2025年12月期、2026年12月期ともに1.21%と低水準で、インカムゲインを主目的とする投資には明確に物足りない水準である。一般的に配当目的で安心感が出てくるのは3%前後、最低でも2.5%程度からであり、この水準には遠い。

配当額自体は増配基調にあり、業績拡大に応じて着実に引き上げられている点は評価できる。ただし、それ以上に株価水準が高く、結果として利回りが抑え込まれている構造になっている。つまり「配当を重視している企業」というより、「成長を優先し、その結果として配当も少しずつ増やしている企業」という性格が強い。

また、営業利益率が20%を超える高収益企業であるにもかかわらず、利回りが1%台にとどまっている点からも、会社側が株主還元よりも設備投資や将来成長への備えを重視している姿勢が読み取れる。財務が極めて健全で有利子負債がないため、無理に高配当にする必要がないという判断とも言える。

結論として、ユニオンツールは配当を目的に長期保有する銘柄ではない。インカム狙いであれば他にもっと適した銘柄が多数存在する。一方で、業績成長とともに配当も緩やかに増えていく「おまけ的な配当」を受け取りつつ、株価上昇を主に狙う投資スタンスであれば許容範囲、という位置付けになる。配当は評価ポイントではなく、あくまで補助的要素と考えるのが現実的だ。

今後の値動き予想!!(5年間)

ユニオンツールの現在値は10,320円である。この水準を起点に今後5年間の値動きを考えると、同社の株価はPCB(プリント配線板)や半導体関連の需要動向、電子機器の微細化・高密度化トレンド、そして同社が強みとする超精密切削工具の競争力がどこまで持続するかによって大きく左右されやすい。

ユニオンツールはPCBドリルで世界シェア3割超を握るニッチトップ企業であり、極小径加工という参入障壁の高い分野で高い利益率を維持してきた。一方で、需要先は電子機器・半導体関連に強く依存しており、市況の波を受けやすいという性格も併せ持つ。この構造を踏まえた上で、5年後を見据えたシナリオを整理する。

良い場合は、半導体・電子機器の中長期的な成長トレンドが継続し、AI、EV、通信インフラ向けなどで高密度基板需要が拡大するシナリオである。この場合、極小径PCBドリルや高付加価値エンドミルの需要が堅調に伸び、売上・利益ともに会社予想を上回る可能性がある。営業利益率は20%前後という非常に高い水準を維持し、ROEも着実に改善していく展開が想定される。市場はこうした高収益体質を評価し続け、PERは高水準のまま推移するか、成長期待が強まれば30倍前後まで許容される可能性もある。これが実現すれば、5年後の株価は15,000円〜18,000円、場合によってはそれ以上の水準まで上昇する余地がある。配当利回りは低いままだが、キャピタルゲインを主目的とする投資では大きな成果が期待できる展開となる。

中間のケースは、電子機器市場が成熟しつつも一定の更新需要が続き、業績は堅調だが爆発的な成長には至らないシナリオである。この場合、売上・利益は緩やかに伸び、営業利益率も18%〜20%程度で安定する可能性が高い。ただし、現在の株価水準にはすでに高い成長期待が織り込まれているため、市場評価は徐々に落ち着き、PERは20倍前後まで調整されることが考えられる。こうなると株価は大きく上昇も下落もせず、5年後の水準は9,000円〜12,000円程度のレンジで推移する可能性が高い。配当は増配が続いても利回りは低く、トータルリターンは「緩やかな値動き+少額の配当」という穏やかなものになる。

悪い場合は、半導体・電子機器の需要が想定以上に減速し、PCB市場そのものが縮小、あるいは競争激化によって価格や数量が圧迫されるシナリオである。この場合、売上の伸びは止まり、利益率も20%を割り込む可能性がある。高成長を前提とした株価評価が崩れると、PERは過去の低位水準である10倍〜15倍程度まで切り下げられるリスクがある。こうした評価調整が起きれば、5年後の株価は6,000円〜8,000円程度まで下落する可能性も否定できない。配当利回りは多少上昇するが、もともと配当水準が低いため、下落を補えるほどのインカムは期待しにくい。

総合すると、ユニオンツールは世界トップシェアと高い技術力を背景に、事業の質そのものは非常に高い企業である。一方で、現在値10,320円はすでに高利益率・成長継続を前提とした評価がかなり織り込まれており、今後5年間は「業績が良いか悪いか」以上に「成長がどこまで続くと市場が信じるか」が株価を左右する局面になる。良いシナリオでは大きな上値余地がある反面、成長鈍化時の調整リスクも大きく、明確にキャピタルゲイン志向の中上級者向け銘柄という位置付けになる。

この記事の最終更新日:2026年1月17日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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