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レオン自動機とは

レオン自動機は、練り技術とレオロジー理論を基礎とした食品加工機械メーカーであり、包あん成形機や製パン機を主力とする企業である。本社は栃木県宇都宮市に置き、和菓子、洋菓子、パン、中華食品、惣菜など幅広い食品分野向けに、成形・分割・包あん工程を自動化する機械を展開している。食品の風味や食感を損なわず、職人の手作業を機械で再現する技術力に強みを持つ。
同社の中核技術は、粘性や弾性を持つ半流体を低圧で扱う独自の「練り」と「包み」の技術にある。社名の由来でもあるレオロジー(流動学)を食品加工に応用し、あんや具材、生地といったデリケートな素材を壊さず均一に成形する点が最大の特徴である。この技術を基盤として開発された包あん機は、まんじゅうや大福などの和菓子だけでなく、中華まん、惣菜、洋菓子などにも対応し、国内では高いシェアを有している。また、クロワッサン製造器など製パン機分野でも存在感を持ち、食品工場の省人化・大量生産ニーズを支えている。
レオン自動機の創業は、和菓子職人であった林虎彦の人生と密接に結びついている。林虎彦は戦後の混乱期に職を転々としながらも和菓子職人としての道を選び、「菓匠 虎彦」を立ち上げて菓子作りに没頭した。しかし、職人の手作業による大量生産の限界を痛感し、人に代わって単純作業を担う機械を作りたいという発想に至る。資金難や倒産を経験しながらも、鬼怒川温泉に拠点を移し、菓子製造と研究を並行して続けた。
林虎彦は、国会図書館に通い詰めて機械工学や流動学を独学で学び、半流体を無理なく包む理論を追究した。その成果として完成したのが「半流体無加圧整形理論」であり、これが後の包あん機開発の基礎となる。この理論は国に認められ、補助金を受ける形で実用化への道が開かれた。熟練した鉄砲鍛冶職人との協業を経て、長年の研究の末に自動包あん機が完成し、1963年にレオン自動機株式会社が設立された。
現在のレオン自動機は、この創業期の思想を引き継ぎ、単なる機械メーカーではなく、食品の品質と作り手の創造性を守るための装置を提供する企業として事業を展開している。機械単体の販売にとどまらず、食品工場全体のライン構築提案、アフターサービス、メンテナンスまで含めたトータルサポートを行い、長期的な顧客関係を築いている。
また近年では、米国を中心に製パン分野での事業展開を強化し、自社でパンの製造・販売事業も育成している。これは単なる設備供給にとどまらず、実際の食品製造現場で得られる知見を機械開発へフィードバックする狙いがあり、製品競争力の強化につながっている。海外売上比率も高まりつつあり、食品機械分野におけるグローバルニッチ企業としての位置付けを強めている。
全体としてレオン自動機は、創業者の職人精神とレオロジー理論を基盤に、食品加工の中でも高度な成形・包あんという分野で独自の地位を築いてきた企業である。景気変動の影響を受けにくい食品業界を主戦場とし、技術力と品質重視の姿勢によって、長期的に安定した成長を志向する食品機械メーカーと言える。
レオン自動機 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益 EPS(円) | 一株当たり配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 21.3 | 22,280 | 1,404 | 1,622 | 1,608 | 60.0 | 17 |
| 22.3 | 26,585 | 1,099 | 1,468 | 1,486 | 55.5 | 16 |
| 23.3 | 35,269 | 3,007 | 3,209 | 2,737 | 102.1 | 31 |
| 24.3 | 37,703 | 4,883 | 4,987 | 3,675 | 137.0 | 42 |
| 25.3 | 39,214 | 5,298 | 5,415 | 3,889 | 144.7 | 44 |
| 26.3予 | 40,500 | 5,230 | 5,320 | 3,600 | 133.3 | 54 |
| 27.3予 | 41,500 | 5,400 | 5,500 | 3,700 | 137.0 | 54〜60 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023年 | 3,091 | -1,113 | -677 |
| 2024年 | 4,591 | -1,456 | -1,372 |
| 2025年 | 5,754 | -1,999 | -1,369 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年 | 8.5% | 8.7% | 6.8% | – | – |
| 2024年 | 12.9% | 10.2% | 8.2% | – | – |
| 2025年 | 13.5% | 10.0% | 7.8% |
高値平均 12.5倍 安値平均 9.0倍 |
1.02倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績水準を整理すると、2024年3月期は売上高377億円、営業利益48億円、経常利益49億円、純利益36億円である。2025年3月期は売上高392億円、営業利益52億円、経常利益54億円、純利益38億円と増収増益を続けている。2026年3月期予想では売上高405億円、営業利益52億円、経常利益53億円、純利益36億円と、売上は伸びるものの利益はやや横ばいから微減の見通しとなっている。
利益率の推移を見ると、この会社の質の高さがよく分かる。営業利益率は2023年の8.5%から2024年に12.9%、2025年には13.5%まで上昇しており、食品機械メーカーとしてはかなり高い水準に達している。単なる売上拡大ではなく、製品ミックスの改善や付加価値の高い機械販売が進んでいることがうかがえる。
資本効率も安定している。ROEは8.7%、10.2%、10.0%と10%前後で推移しており、過度に高くはないが、安定した利益創出力を示している。ROAは6.8%、8.2%、7.8%と高めで、総資産を効率よく使えている点は評価しやすい。大型設備投資を必要としないビジネスモデルらしく、堅実な数字である。
バリュエーションを見ると、2025年の実績PERは高値平均12.5倍、安値平均9.0倍と低めの水準にある。PBRも1.0倍程度で、利益率やROEの水準を考えると、過度に割高な評価は付いていない。むしろ、事業の安定性と収益性を考えれば、かなり落ち着いた評価と言える。
一方で、成長性という観点では急拡大フェーズではない。2026年予想では利益がやや踊り場に入る形となっており、今後も毎年大きく利益が伸び続けるタイプの企業ではないことが数字からも分かる。あくまで食品業界向けの設備需要を背景に、緩やかに積み上がる企業である。
総合すると、レオン自動機は高い営業利益率と安定したROE、ROAを持つ、質の良い中堅メーカーである。一方で、成長株として大きな株価上昇を狙うタイプではなく、評価もすでに落ち着いている。数値だけで判断するなら、割高感はなく、安定収益型の銘柄として妥当な水準にある。
結論として、この銘柄は「派手さはないが、数字の質が良く、下値リスクが比較的限定的な堅実株」という位置付けになる。急成長を期待する投資には向かないが、安定した利益体質と妥当な評価を重視する投資スタンスには合いやすい銘柄である。
配当目的とかどうなの?
結論から言うと、レオン自動機は配当目的として「十分に検討対象になる」銘柄である。まず、予想配当利回りが2026年3月期、2027年3月期ともに3.54%という水準は、東証プライムの機械メーカーの中でははっきりと魅力的な部類に入る。高配当とまでは言わないものの、安定配当を狙う投資家にとってはちょうど良い水準であり、インカム目的として一定の満足感が得られる利回りである。
次に、配当の裏付けとなる収益力を見ると不安は小さい。営業利益率は13%台まで上昇し、ROEは10%前後、ROAも7%台と、いずれも安定した利益創出力を示している。食品機械という景気変動の影響を受けにくい分野を主戦場としていることもあり、業績が急落して配当が維持できなくなるリスクは相対的に低い。
配当性向の水準を見ても無理は感じにくい。EPSは130円前後を確保しており、配当は50円台であることから、配当性向は40%前後と推測される。内部留保と株主還元のバランスが取れており、過度に攻めた配当政策ではない。今後も大幅な増配は期待しにくいものの、減配リスクは低い構造といえる。
また、株価評価との関係でも配当目的には相性が良い。PERは9〜12倍程度、PBRは1倍前後と割高感がなく、株価が大きく下落しにくい水準にある。仮に業績が一時的に停滞しても、配当利回りが株価の下支えになりやすい。
総合すると、レオン自動機は「高成長で値上がりを狙う銘柄」ではないが、「安定した配当を中長期で受け取りたい投資家」にとっては相性の良い銘柄である。配当は主役として十分成立しており、株価の値動きに大きな期待をしなくても、インカムを積み上げていく投資スタイルに向いた企業といえる。
今後の値動き予想!!(5年間)
レオン自動機の現在値は1,524円である。この水準を起点に今後5年間の値動きを考えると、同社の株価は景気循環よりも、食品業界向け設備投資の安定性と収益性の高さ、そして配当水準をどう評価されるかに左右されやすい銘柄である。食品機械という事業特性上、半導体や資源関連のような激しい業績サイクルはなく、比較的穏やかな値動きをしやすい一方で、大きく跳ねる場面も限定的になりやすい。
良い場合は、国内外の食品メーカーで省人化投資が継続し、包あん機や製パン機といった主力製品の需要が底堅く推移するシナリオである。この場合、売上は緩やかに拡大し、営業利益率は13%前後の高水準を維持する。ROEも10%前後で安定し、配当は50円台後半から60円程度まで段階的に増加する可能性がある。市場では「安定高収益・安定配当株」として評価され、PERは12倍前後まで切り上がる余地がある。これが続けば、5年後の株価は1,900円〜2,200円程度まで上昇する可能性がある。値上がり益と配当を合わせたトータルリターンが着実に積み上がる展開となる。
中間のケースは、食品業界向け設備投資が大きくは伸びないものの、更新需要を中心に安定して推移するシナリオである。この場合、売上・利益はほぼ横ばいから微増にとどまり、営業利益率は12%前後、ROEは10%前後で安定する。配当も現在水準を維持し、利回りは3%台半ばを保つ。市場評価はPER10倍前後、PBR1倍前後で落ち着き、株価は大きな上昇も下落もなく、1,400円〜1,700円程度のレンジで推移する可能性が高い。値上がり益は限定的だが、配当を受け取りながら長期保有する投資スタンスが中心となる。
悪い場合は、国内外で食品設備投資が一時的に鈍化し、受注が想定以上に落ち込むシナリオである。この場合、売上は横ばいから微減、利益もやや低下し、営業利益率は10%前後まで低下する可能性がある。成長期待が後退すると市場評価は引き締まり、PERは8倍前後まで低下することも考えられる。これが起きると、5年後の株価は1,100円〜1,300円程度まで下落するリスクがある。ただし、事業の安定性が高いため業績の急崩れは起こりにくく、配当が株価の下支えとなる点は救いである。
総合すると、レオン自動機は高成長で大きなキャピタルゲインを狙う銘柄ではなく、安定した利益体質と配当を背景に、比較的穏やかな値動きを想定すべき銘柄である。現在値1,524円は中間シナリオのほぼ中心に位置しており、良い場合でも上値は緩やか、悪い場合でも下値は比較的限定的という、リスクとリターンのバランスが取りやすい株といえる。配当を重視しつつ、中長期でじっくり保有する投資に向いた銘柄である。
この記事の最終更新日:2026年1月17日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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