株ウォッチング

すべての株の情報を表示し管理人のアドバイスも一言


酉島製作所(6363)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

,

株価

最新(2026-01-22)
2,174.00
前日比 +28.00(+1.30%)

酉島製作所とは

株式会社酉島製作所は、大阪府高槻市に本社を置く老舗のポンプ専業メーカーであり、日本を代表するポンプ国内大手3社の一角を占める企業である。1919年に大阪市此花区酉島町で創設されたポンプ工場を起源とし、「酉島」という社名はこの創業地に由来する。1928年に株式会社として設立され、1941年に本社および工場を現在の高槻市へ移転した。発電用高効率ポンプでは国内首位の実績を持ち、とくに中東地域の海水淡水化設備向けポンプに強みを持つ点が特徴である。旧大和銀行を中心とする企業グループ「大輪会」の会員企業でもあり、金融・産業界との結びつきも長い。

事業の中核は公共用・産業用ポンプを中心としたハイテクポンプ事業である。発電所、海水淡水化プラント、化学プラント、上水道・下水道設備など、社会インフラや基幹産業を支える用途向けに高性能・高信頼性のポンプを提供しており、日本国内のみならず海外の大型プラントにも多数の納入実績を持つ。近年は高効率化・省エネルギー化を重視した製品開発に注力しており、「ポンプ de エコ」をキーワードに、低炭素社会への貢献を掲げた省エネポンプの開発・普及を進めている。

プロジェクト事業では、単なる機器供給にとどまらず、ポンプ設備全体を対象とした設計・調達・建設までを一貫して担うEPCコントラクターとしての役割を果たしている。上下水道設備やかんがい設備などの社会インフラ分野を中心に、必要機器の選定からシステム設計、建設までを総合的にコーディネートし、国内外でインフラ整備・拡充に関わるプロジェクトを数多く手掛けている点が特徴である。

サービス事業では、ポンプ設備のライフサイクル全体を支えるアフターマーケットサービスを展開している。据付・試運転、メンテナンス、管理・運営の三つを軸とし、国内外へエンジニアを派遣して据付工事や試運転のスーパーバイズを行うほか、定期的な保守点検による状態診断や性能回復対応を実施している。さらに、ポンプ場設備全体の運営を請け負うオペレーションサービスも提供しており、安全性、効率性、経済性を重視した設備運営を長期的に支援している。

新エネルギー・環境事業では、環境負荷低減とエネルギー有効活用をテーマに事業展開を行っている。代表的な取り組みが小水力発電システムであり、水道設備やダムの維持放流などで未利用となっている水のエネルギーを活用する「ポンプ逆転水車」を用いた発電システムを提供している。一般的な水車に比べて低コストかつメンテナンス性に優れ、発電時にCO2を排出せず、発電量の変動が小さい安定した再生可能エネルギーとして評価されている。システム設計から工事・据付、運用・保守までを一貫してサポートできる点は、ポンプメーカーとしての技術的蓄積を活かした強みといえる。

このように酉島製作所は、ポンプという基幹技術を軸に、製品供給、プロジェクト遂行、長期保守サービス、新エネルギー分野までをカバーする事業構造を持ち、インフラ・エネルギー分野を中心に国内外で安定した存在感を示している企業である。

酉島製作所 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益 EPS(円) 一株当り配当(円)
連21.3 50,787 3,591 4,612 3,353 126.5 21
連22.3 52,240 4,445 5,163 3,626 137.9 42
連23.3 64,659 5,927 5,693 4,404 166.5 52
連24.3 81,103 6,822 6,297 6,225 234.8 58
連25.3 86,501 5,449 4,540 4,068 153.0 60
連26.3予 89,000 5,800 5,100 3,600 136.8 62
連27.3予 92,000 7,400 6,800 5,000 190.0 62〜64

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
連23.3 1,246 -1,277 -2,190
連24.3 2,857 424 -3,314
連25.3 -668 -1,557 5,848

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER(高値平均〜安値平均) PBR(実績)
2023 9.1% 9.7% 4.8%
2024 8.4% 11.9% 6.1%
2025 6.2% 7.2% 3.5% 15.0倍〜8.6倍 1.04倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績の規模感を見ると、連24.3は売上高811億円、営業利益68億円、経常利益62億円、純利益62億円となっている。連25.3は売上高865億円と増収だが、営業利益は54億円、経常利益は45億円、純利益は40億円と利益面は明確に減少している。連26.3予では売上高890億円まで拡大する一方、営業利益58億円、経常利益51億円、純利益36億円と、純利益はさらに縮小する見通しになっている。売上は伸びているが、利益はピークアウト後の調整局面に入っている流れが読み取れる。

収益性を見ると、営業利益率は2023年9.1%、2024年8.4%、2025年6.2%と年々低下している。ROEは9.7%から11.9%へ一度上昇した後、2025年には7.2%まで低下している。ROAも4.8%、6.1%、3.5%と同様に2024年をピークに悪化している。これらの指標からは、直近では売上拡大に対して利益が追いつかず、資本効率・資産効率ともに弱含んでいる状況が分かる。

評価面では、2025年の実績PERは高値平均15.0倍、安値平均8.6倍とレンジが広い。業績が良い局面ではそれなりの評価が付く一方、利益が落ち込む局面では一気に評価が切り下がる性格があるといえる。実績PBRは1.0倍程度であり、資産価値とほぼ同水準の評価にとどまっている。

これらの数値だけから判断すると、現時点の酉島製作所は売上規模は拡大しているものの、利益率とROE・ROAが低下しており、収益力は後退局面にある。PBR1倍前後という水準から見て極端な割高感はないが、PERは業績回復が前提となるレンジでもあり、利益がさらに弱含めば評価が下振れする余地もある。したがって、積極的に成長を取りにいく局面というよりは、利益率やROEがどこで下げ止まるのか、回復に転じる兆しが出るかを確認しながら判断する局面にある銘柄と整理できる。

配当目的とかどうなの?

株式会社酉島製作所を配当目的で見ると、数字上は「可もなく不可もなく」という位置づけになる。予想配当利回りは、連26.3・連27.3ともに2.85%とされている。水準としては、いわゆる高配当株と呼べる3.5〜4.0%以上には届かず、インカム重視の投資家にとって強い魅力がある数字ではない。一方で、製造業の中では極端に低いわけでもなく、安定企業の平均的な配当利回りの範囲には収まっている。

これを業績との関係で見ると、売上高は拡大基調にあるものの、営業利益率は9.1%→8.4%→6.2%と低下しており、純利益も24.3の62億円から26.3予では36億円へ減少する見通しになっている。ROEも2025年は7.2%まで下がっており、利益成長を伴って配当を増やしていくフェーズではないことが数字から読み取れる。

それでも26.3・27.3で配当水準を維持している点からは、会社として「大きく増配はしないが、急減配もしない」というスタンスがうかがえる。PBRは1.0倍前後であり、資産に対して無理な配当を出している水準ではなく、配当の持続性という点では一定の安心感はある。

以上を踏まえると、酉島製作所は配当利回りの高さを狙う銘柄ではなく、値上がり益よりも安定した事業基盤を背景に、2%台後半の配当を淡々と受け取るタイプの銘柄といえる。インカム重視で高利回りを求める投資家には物足りない一方、業績の大崩れを前提とせず、補助的な配当収入を期待する位置づけであれば検討余地がある、という評価になる。

今後の値動き予想!!(5年間)

株式会社酉島製作所の現在値2,174.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社はポンプ専業メーカーとして、発電、上下水道、海水淡水化、産業プラント向けなど社会インフラ分野を中心に事業を展開している企業である。

公共インフラ向け需要や海外大型案件に強みを持つ一方、プロジェクト案件の進捗や採算に業績が左右されやすく、成長株というよりは景気循環・投資サイクルの影響を受ける性格が強い。直近では売上高は拡大しているものの、営業利益率やROEが低下しており、株価は高成長期待よりも資産価値と配当水準を軸に評価されている局面にある。

良い場合は、国内外でインフラ更新需要が再び活発化し、発電・上下水道・海水淡水化向けの大型案件が順調に積み上がるシナリオである。高効率ポンプの受注増加により採算が改善し、営業利益率が再び8〜9%台へ回復、ROEも10%前後まで戻る展開が想定される。この場合、市場の見方は「利益率低下局面からの回復」に転じやすく、PBRは1.0倍前後から1.2〜1.3倍程度まで切り上がる可能性がある。PERも10〜12倍水準が許容されれば、5年後の株価は2,900円〜3,600円程度まで上昇する余地がある。配当を受け取りながら、緩やかな株価上昇が重なる展開となる。

中間のケースは、インフラ需要は底堅いものの、大型案件の増加には至らず、業績は現状水準で安定するシナリオである。売上高は900億円前後で横ばい、営業利益率は6〜7%程度、ROEは7%前後に落ち着く。この場合、市場評価も大きく変化せず、PBRは0.9〜1.1倍、PERは8〜10倍程度に収れんしやすい。株価は配当利回り2%台後半に支えられつつも上値は限定的で、5年後の水準は2,100円〜2,600円程度と、現在値近辺を中心としたレンジ相場になる可能性が高い。

悪い場合は、海外プロジェクトの停滞やインフラ投資の抑制により、採算の低い案件が続くシナリオである。売上高は維持できても利益率がさらに低下し、営業利益率は5%台、ROE・ROAも低水準にとどまる。この場合、利益回復への期待は後退し、株価は配当利回りだけでは支えきれなくなる可能性がある。PBRは0.8倍前後まで低下し、PERも7〜8倍水準で評価されると、5年後の株価は1,600円〜2,000円程度まで下振れするリスクがある。配当は維持されても、増配期待は乏しく、株価の戻りは鈍い展開が想定される。

総合すると、酉島製作所の株価は現在値2,174円において、利益率低下やROE悪化をある程度織り込んだ水準にあると考えられる。今後5年間は急成長を期待する局面ではなく、インフラ更新需要を背景に利益率がどこまで回復できるかが評価の分かれ目となる。投資スタンスとしては、高配当を狙う銘柄ではないが、比較的安定した配当を受け取りながら業績回復を待つ中長期向けの銘柄であり、大きな値上がりを狙う場合は、営業利益率やROEの改善が明確になる局面を見極める必要がある。

この記事の最終更新日:2026年1月22日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP