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椿本チエイン(6371)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-01-23)
2,445.00
前日比 +3.00(+0.12%)

椿本チエインとは

椿本チエインは、1917年創業の老舗機械メーカーであり、産業用スチールチェーンおよび自動車エンジン用チェーンで世界首位の地位を持つ企業である。本社は大阪市北区中之島に置き、動力を「伝える」「運ぶ」「制御する」技術を核として、部品からユニット、システムまで幅広い事業を展開している。社名の「チエイン」は創業者・椿本説三の名字に由来し、業界内では「つばき」の通称で知られている。

事業はチェーン、モーションコントロール、モビリティ、マテハンの4分野で構成されている。祖業である産業用チェーンでは、動力伝動用や搬送用など多様な用途に対応し、世界シェア1位を維持している。耐久性や信頼性が重視される分野での実績が厚く、「動力ある所“つばき”あり」と言われるほど産業インフラの基盤を支えている。

モビリティ分野では、自動車エンジン用タイミングチェーンシステムで世界首位のシェアを持ち、トヨタ自動車、日産自動車、スズキなど国内メーカーに加え、北米・欧州・アジアの自動車メーカーへも供給している。国産車の約7割に同社製タイミングチェーンシステムが搭載されているとされ、内燃機関向けで圧倒的な存在感を持つ。一方で、電気自動車や次世代エコカー向けの部品開発にも取り組んでおり、モビリティの変化への対応を進めている。2026年初には大同工業を子会社化し、チェーン事業の規模・技術基盤を一段と拡充する方針を示している。

モーションコントロール分野では、減速機、直線作動機、カムクラッチ、制御機器などを手掛け、産業機械の複雑な動きや高精度な制御を支えている。工場の自動化・省人化ニーズの高まりを背景に、単体部品にとどまらず、用途別ユニットやシステムとしての提案力を強みとしている。

マテハン事業では、物流業界向けの自動仕分けシステムや、自動車工場向け搬送システムなどの自動化設備を提供している。EC拡大や人手不足を背景に物流自動化の需要が高まる中で、同社の重要な事業の一つとなっている。コロナ禍にはライフサイエンス分野の技術を応用し、PCR検査自動化装置を開発するなど、社会課題対応型の取り組みも行っている。

国内には京都府京田辺市、長岡京市、埼玉県飯能市、兵庫県加西市、岡山県津山市に主要工場を持ち、海外では北米、欧州、アジア・オセアニアを中心に、世界26の国と地域で79カ所の製造・販売拠点を展開している。グローバルでの供給体制が整っており、特定地域への依存度は比較的低い。

グループ会社には大同工業、椿本カスタムチエン、椿本スプロケット、椿本鋳工、椿本バルクシステム、椿本マシナリーなどがあり、チェーン関連からシステム分野まで事業領域を補完している。

技術面では、機械設計技術、高機能化技術、電動化技術をコアとし、パーツからユニット、モジュール、システムまで一貫して対応できる点を大きな強みとしている。これらの既存技術を融合させることで、次世代の自動化・省エネ・電動化といった社会課題への対応を進めており、単なるチェーンメーカーではなく、産業・物流・モビリティを支える総合機械要素・システム企業としての位置付けが明確になっている。

椿本チエイン 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
一株益
(円)
一株当り配当
(円)
連21.3* 193,399 8,896 11,026 8,706 78.4 25
連22.3* 215,879 17,842 20,045 14,543 131.0 40
連23.3* 251,574 18,985 20,958 13,742 123.7 43.3
連24.3* 266,812 21,262 23,450 18,551 170.6 53.3
連25.3* 279,193 22,854 25,332 22,122 212.7 80
連26.3予 298,000 20,000 22,000 19,000 182.6 80
連27.3予 345,000 22,000 24,000 20,700 199.0 80

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF
(百万円)
投資CF
(百万円)
財務CF
(百万円)
2023年 21,352 -9,279 -9,963
2024年 38,580 -9,161 -15,695
2025年 21,297 -11,834 -21,655

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROA ROE PER PBR
2023年 7.5% 3.9% 6.1%
2024年 7.9% 4.7% 7.1%
2025年 8.1% 5.9% 8.5% 7.1~10.0倍 0.93倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず利益水準を見ると、連24.3は営業利益212億、経常利益234億、純利益185億となっている。連25.3では営業利益228億、経常利益253億、純利益221億と、いずれも前期から増加しており、利益規模が一段階引き上がっていることが分かる。一方、連26.3予では営業利益200億、経常利益220億、純利益190億と、売上は増える前提ながら利益は25年実績を下回る計画になっており、利益面では一服を見込んだ数字になっている。

次に収益性を見ると、営業利益率は2023年7.5%、2024年7.9%、2025年8.1%と、3年間で着実に改善している。製造業としては安定感のある水準で、利益率がじわじわと底上げされてきた流れが読み取れる。ROEも6.1%から7.1%、8.5%へと上昇しており、自己資本を使った利益創出力は年々改善している。ただし水準自体はまだ1桁後半で、非常に高い資本効率というよりは、改善途上の段階といえる。ROAも3.9%、4.7%、5.9%と右肩上がりで、総資産に対する収益性も同様に改善基調にある。

株価指標を見ると、2025年の実績PERは高値平均で10.0倍、安値平均で7.1倍と低位にとどまっている。PBRは0.9倍で、純資産に対して株価はほぼ同水準、やや割り引かれた評価になっている。利益水準が拡大し、利益率やROEが改善してきた割には、株価評価は成長期待を強く織り込んだ水準ではないことが分かる。

これらを総合すると、椿本チエインは2023年から2025年にかけて利益規模と収益性を着実に改善させてきた企業であり、数字上は体質改善が進んでいる。一方で2026年は利益が一旦減少する前提が示されており、短期的には成長一辺倒という状況ではない。PER・PBRは低めで、成熟企業としての安定性は評価されているが、高成長企業としてのプレミアムは付いていない。上記数値だけで判断すると、急成長を狙う銘柄というより、収益性改善と評価水準の低さのバランスをどう見るかが投資判断のポイントになる内容といえる。

配当目的とかどうなの?

連26.3および連27.3の予想配当利回りはともに3.27%とされている。まず水準感として見ると、製造業の中ではやや高めだが、いわゆる高配当株と呼ばれる4〜5%台には届かず、中配当ゾーンに位置する利回りである。

これまでの実績を見ると、配当は25年に80円まで引き上げられており、26年・27年も同水準を維持する前提になっている。利益は25年にピークを付け、26年は営業利益・純利益ともに減少予想となっているが、それでも配当を据え置く計画になっている点から、会社としては一定の安定配当を意識した姿勢が読み取れる。少なくとも、業績が少し下振れしたからといって即座に減配するような保守的すぎる配当方針ではない。

一方で、ROEは25年時点で8.5%、PBRは0.9倍台と、資本効率が高いとは言い切れない水準にある。内部留保を急速に積み増して成長投資に振り切る企業というより、安定した事業基盤の上で、利益の一部を株主に還元するバランス型の企業といえる。そのため、配当も大幅に増やしていくタイプではなく、業績に応じて緩やかに増減する可能性が高い。

以上を踏まえると、椿本チエインは配当目的として「非常に魅力的」「高配当で積極的に狙う」タイプではないが、3%台前半の利回りを安定的に受け取りつつ、業績と配当の持続性を重視する投資には合う銘柄といえる。キャピタルゲインを強く狙うよりも、事業の安定性を前提に、そこそこの利回りを長期で受け取る目的でどう見るか、という位置付けになる。

今後の値動き予想!!(5年間)

椿本チエイン の現在値2,445.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社は、産業用スチールチェーンおよび自動車エンジン用タイミングチェーンで世界首位の地位を持つ機械要素メーカーであり、産業用チェーン、モーションコントロール、モビリティ、マテハンを主軸とする事業構成を持つ。

部品からユニット、システムまで一貫して提供できる点が特徴で、製造業や物流インフラを幅広く支えている。一方で、自動車向けでは内燃機関関連という成熟・縮小リスクを抱え、産業用・物流向けでは設備投資動向に業績が左右されやすい循環型の側面も併せ持つ。

良い場合は、内燃機関向けチェーン需要が想定以上に長期化し、産業用チェーンやモーションコントロール分野での設備投資が回復・拡大するシナリオである。物流自動化ニーズの高まりを背景にマテハン事業が安定的に伸び、大同工業の子会社化による製品ライン補完やコストシナジーが顕在化する。この場合、営業利益率は9%前後まで改善し、ROEも9〜10%程度に近づく。市場からは「成熟産業だが収益性が改善した企業」として再評価されやすく、PERが10倍前後で定着すれば、5年後の株価は3,200円〜3,600円程度まで切り上がる可能性がある。配当利回りは3%台前半を維持しつつ、緩やかなキャピタルゲインが上乗せされる展開となる。

中間のケースは、自動車向けチェーンは緩やかに縮小するものの、産業用・物流向け事業が下支えとなり、全体としては横ばいから緩やかな成長にとどまるシナリオである。営業利益率は8%前後、ROEは8%台で安定し、配当も80円水準を維持する。評価面ではPER8〜9倍、PBR1倍前後に収れんし、株価は現在値を中心としたレンジ推移になりやすい。この場合、5年後の株価水準は2,500円〜2,800円程度に落ち着く可能性が高い。

悪い場合は、EV化の進展が想定以上に早まり、自動車エンジン用チェーンの需要減少が加速するシナリオである。産業用・物流向けも設備投資抑制の影響を受け、マテハン事業の伸びが鈍化する。大同工業の統合コストが想定以上に重なり、営業利益率は7%台前半まで低下し、ROEも6%台にとどまる。この場合、市場評価は慎重化し、PERは7倍前後、PBRは0.7倍程度まで調整される可能性がある。5年後の株価は1,700円〜2,000円前後まで下振れし、配当利回りは一定の下支えになるものの、大きな株価押し上げ要因にはなりにくい。

総合すると、椿本チエインの株価は現在値2,445.0円において、急成長を前提とした評価ではなく、成熟事業の安定性と収益性改善の余地を織り込んだ水準にあると考えられる。今後5年間は、自動車向け需要の減少ペースと、産業用・物流向け事業でどこまで補完できるかが最大の評価軸となり、成長が明確になれば上方向、循環性が強く出れば横ばいから下振れという時間帯になりやすい銘柄と位置付けられる。

この記事の最終更新日:2026年1月23日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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