株価
SANKYOとは

SANKYOは、東京都渋谷区に本社を置く日本有数のパチンコ機メーカーであり、パチンコ機業界では最大手の一角を占める企業である。主力はパチンコ機の企画・開発・製造・販売で、「フィーバー」ブランドを軸に長年にわたり業界を牽引してきた。円谷フィールズホールディングスと親密な関係にあり、人気IPの活用や映像・演出面での開発力に定評がある。また、財務体質が良好である点も同社の大きな特徴である。
同社の源流は、1966年4月に毒島邦雄が名古屋で設立した中央製作所にさかのぼる。1981年に群馬県桐生市へ本社を移転し、その後2008年に現在の東京都渋谷区へ本社を構えた。1995年に東京証券取引所第2部へ上場し、1997年には第1部へ指定替えされ、上場企業としての基盤を確立している。
SANKYOは、パチンコ機のエレクトロニクス化や演出の高度化を早くから進めてきたメーカーであり、特に「フィーバー」シリーズは同社の代名詞的存在となっている。大当たり時に「フィーバー」と演出される仕組みは三共独自のものであり、多くの機種名にも「フィーバー」の名称が冠されている。2004年には新基準機第1号となる「CRフィーバー大ヤマト2」を発売し、連荘性を強めたゲーム性で長期間にわたり高稼働を記録した。
2000年代後半には一時的に演出面で他社に後れを取る局面もあったが、「CRフィーバー倖田來未」などのヒット機種で業績を回復。その後も「CRフィーバー戦姫絶唱シンフォギア」が規制環境下において異例の高稼働を記録し、内規緩和の流れを生むきっかけとなるなど、業界全体に影響を与える存在となっている。アニメや音楽などの版権コンテンツを活用した機種展開も多く、IP戦略は同社の重要な強みである。
事業内容はパチンコ機が中心だが、グループを通じてパチスロ機事業にも関わっている。パチスロでは4号機・5号機時代から複数の機種を投入してきたが、同社の主戦場はあくまでパチンコ機であり、ヒット機種の有無が業績に大きく影響する循環型の事業構造を持つ。
総じてSANKYOは、フィーバーブランドを核とした高い開発力と知名度、人気IPを活用した商品力、そして好財務体質を併せ持つパチンコ機メーカーである。一方で、業績は新台のヒット状況や規制環境に左右されやすく、安定成長企業というよりは、ヒットの波に乗った際に大きな収益を生む特徴を持つ企業と位置付けられる。
SANKYO 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益 (円) |
一株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 58,129 | 6,587 | 7,488 | 5,749 | 18.8 | 30 |
| 連22.3 | 84,857 | 21,357 | 22,257 | 18,466 | 61.0 | 20 |
| 連23.3 | 157,296 | 58,532 | 59,341 | 46,893 | 161.5 | 30 |
| 連24.3 | 199,099 | 72,495 | 73,182 | 53,791 | 203.8 | 80 |
| 連25.3 | 191,821 | 73,605 | 74,587 | 53,992 | 245.9 | 100 |
| 連26.3予 | 195,000 | 68,000 | 69,000 | 47,000 | 237.8 | 90 |
| 連27.3予 | 200,000 | 71,000 | 72,000 | 49,000 | 247.9 | 90〜95 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 連23.3 | 35,103 | 6,655 | -7,163 |
| 連24.3 | 47,589 | 15,118 | -109,875 |
| 連25.3 | 58,036 | -3,580 | -19,846 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 37.2% | 15.2% | 12.8% | – | – |
| 2024 | 36.4% | 21.5% | 18.4% | – | – |
| 2025 | 38.3% | 19.0% | 16.0% | 5.0〜8.7倍 | 1.97倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上高は2024年3月期が約1,990億円、2025年3月期が約1,918億円、2026年3月期予想が約1,950億円であり、高水準を維持しつつ横ばい圏で推移している。営業利益は2024年約724億円、2025年約736億円、2026年予想約680億円で、売上に対して極めて高い水準にある。経常利益も2024年約731億円、2025年約745億円、2026年予想約690億円と同様に高水準で推移している。純利益は2024年約537億円、2025年約539億円、2026年予想約470億円で、2026年はやや減少予想となっている。
収益性を見ると、営業利益率は2023年37.2%、2024年36.4%、2025年38.3%と、製造業としては異例に高い水準が継続している。ROEは2023年15.2%、2024年21.5%、2025年19.0%で、資本効率は非常に高い。ROAも2023年12.8%、2024年18.4%、2025年16.0%と、総資産に対する利益水準が高く、事業の収益力が数値に明確に表れている。
一方、株価指標では2025年実績PERが5.0倍〜8.7倍と低水準にあり、PBRは1.97倍となっている。高い収益性とROE水準を踏まえると、PERは利益水準の高さを反映して抑えられている形であり、成長期待よりも業績ピークや循環性を織り込んだ評価と読み取れる。
これらを総合すると、SANKYOは売上・利益ともに非常に高い水準を維持し、営業利益率・ROE・ROAはいずれも突出して高い。一方で、2026年は利益がやや減少する予想となっており、株価指標も低PERにとどまっていることから、市場は現在の高収益が長期的に継続する前提では評価していない状況にある。
投資判断としては、収益力そのものは極めて強いが、業績がヒット機種や市場環境に左右されやすい循環型である点が評価を抑えている。高収益・高効率を享受できる局面ではあるものの、成長株としての評価ではなく、収益ピークを意識した水準で取引されやすい銘柄と位置付けられる。
配当目的とかどうなの?
SANKYOを配当目的で見ると、「高収益を背景にした実用的な高配当だが、安定配当株というより循環型の高配当」という整理になる。まず利回り水準は、連26.3・連27.3ともに予想配当利回り3.64%で、全体相場の中では十分に配当目的として成立する水準にある。突出した超高配当ではないが、インカム狙いで選択肢に入る数字である。
配当の裏付けとなる利益水準を見ると、営業利益率は36〜38%と極めて高く、ROEも15〜21%と資本効率は非常に良好である。営業CFも大きく、現金創出力は強い。したがって、現行配当水準は無理に捻出しているものではなく、利益とキャッシュフローの両面から十分に支えられている。
一方で注意点も明確である。SANKYOの業績はヒット機種の有無に強く左右される循環型であり、2026年予想では営業利益・純利益ともに減少が見込まれている。市場がPER5〜8倍という低水準で評価している点からも、現在の高収益が長期にわたって安定継続する前提では見られていないことが分かる。つまり、配当も「毎年着実に増えていく安定配当」という性格ではなく、業績に応じて上下しうる配当である。
これらを踏まえると、SANKYOは「高収益期の果実として配当を受け取る銘柄」であり、配当成長や連続増配を主目的とする投資にはやや不向きである。一方、業績サイクルを理解した上で、利益水準が高い局面でインカムを取りにいくというスタンスには合っている。結論として、配当目的での投資は成立するが、位置付けとしては安定配当株ではなく、循環型・業績連動型の高配当銘柄であり、業績ピークアウト時の減配リスクを許容できる投資家向けと言える。
今後の値動き予想!!(5年間)
SANKYOの現在値2,470.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社は国内パチンコ・パチスロ機メーカーの最大手であり、「フィーバー」ブランドを中心とした高い商品力と、人気IPを活用した企画力に強みを持つ。円谷フィールズホールディングスとの関係を背景に、アニメ・特撮などの版権活用に優位性があり、ヒット機種が出た際の収益インパクトが大きい点が特徴である。
事業構造としては新台販売に依存する比率が高く、規制環境やホールの設備投資動向に業績が左右されやすい一方、直近数年は高い営業利益率と潤沢なキャッシュフローを維持しており、財務体質は非常に良好である。株価水準も成長期待を過度に織り込んだ段階ではなく、高収益・高配当を前提とした評価にとどまっている局面にある。
良い場合は、パチンコ・パチスロ市場が想定以上に底堅く推移し、主力IPを活用した新機種が継続的にヒットするシナリオである。高稼働機種が増えることで販売台数と単価が安定し、営業利益率は35%前後の高水準を維持、ROEも15〜20%台で推移する可能性がある。市場からは「成熟市場でも高収益を維持できるエンタメ機器メーカー」として評価され、PERが現在よりやや切り上がり、PBRも2倍前後で定着すれば、5年後の株価は3,000円〜3,800円程度まで上昇する展開も考えられる。配当も高水準を維持し、インカムとキャピタルゲインの両立が意識される局面となる。
中間のケースは、市場規模は緩やかに縮小するものの、同社のブランド力と商品力によりシェアは維持され、業績は高水準ながら横ばいで推移するシナリオである。売上・利益は年度ごとに多少の振れはあるが、大きな崩れはなく、営業利益率は30%台前半を確保する。この場合、市場評価も大きく変化せず、PERは低位安定、PBRも1.5〜2.0倍程度にとどまりやすい。株価は現在値を中心としたレンジ推移となり、5年後の水準は2,200円〜2,800円程度に収れんしやすい。リターンの中心は引き続き配当となる。
悪い場合は、規制強化やホール数減少が進み、パチンコ・パチスロ市場の縮小が想定以上に加速するシナリオである。ヒット機種が出にくくなり、新台販売台数が落ち込むことで、売上・利益はピークアウトする。営業利益率は低下するものの黒字は維持する可能性が高いが、ROE・ROAは低下し、市場の評価は慎重になる。この場合、PERは一段と低位にとどまり、PBRも1倍前後まで調整する可能性がある。5年後の株価は1,700円〜2,100円程度まで下振れし、配当は維持されるものの、キャピタルゲインは期待しにくい局面となる。
総合すると、SANKYOの株価は現在値2,470.0円において、高成長期待を織り込む段階ではなく、高収益体質と安定した配当を前提とした評価にあると考えられる。今後5年間は、ヒット機種の有無と業界環境が最大の評価軸となり、商品力が発揮されれば上方向、成熟市場としての制約が強まれば横ばいから緩やかな下振れという時間帯になりやすい。投資スタンスとしては、急成長を狙う銘柄というよりも、高収益と配当を享受しつつ業績の持続性を見極める中長期目線の銘柄と位置付けられる。
この記事の最終更新日:2026年1月24日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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