株価
竹内製作所とは

竹内製作所は、長野県埴科郡坂城町に本社を置く建設機械メーカーで、ミニショベルを中心とした小型建設機械に特化する中堅メーカーである。主力製品はミニショベル(小型油圧ショベル)とクローラーローダーで、いずれも世界的に高い評価を受けており、特に欧州・北米市場ではシェア上位に位置している。売上の大半を海外が占める輸出型企業であり、国内需要よりも海外の建設投資動向の影響を強く受ける事業構造を持つ。
同社の最大の特徴は、ミニショベルという市場そのものを切り開いた開発力にある。1960年代後半から1970年代初頭にかけて、住宅基礎工事などを人力で行っていた現場の声をもとに、小型で扱いやすい油圧ショベルを開発し、世界で初めて「ミニショベル」を商品化した。この製品は、狭い現場でも作業が可能で、作業効率を飛躍的に高めたことから急速に普及し、建設現場の標準機械として定着した。以後、ミニショベルは同社の代名詞となり、現在でも主力製品であり続けている。
1970年代から1980年代にかけては、ヤンマーや神戸製鋼所などへのOEM供給を通じて生産技術と品質管理体制を磨き上げたが、1990年代に入るとOEM依存からの脱却を図り、自社ブランドによる海外展開を本格化させた。1992年以降、OEM比率を引き下げ、販売戦略を大きく転換したことが、現在のグローバルメーカーとしての基盤につながっている。
海外展開の進め方も同社の特徴である。商社を介した間接販売に依存せず、欧米の建機展示会や見本市に積極的に出展し、実機を用いて作業性や耐久性を直接アピールする手法を取ってきた。販売後の部品供給や修理体制についても、現地ディストリビューターと密接に連携し、アフターサービスを重視することで信頼を積み重ねている。特に米国市場では、日本国内よりも厳しい使用環境下での耐久性が高く評価され、プロユーザー向けの高品質ブランドとして定着した。
製品面では、ミニショベルに加え、クローラーローダーも重要な収益源となっている。クローラーローダーは、不整地や狭い場所での作業に強みを持ち、同社が世界で初めて開発した分野である。小型ながら高い作業能力を持つ点が評価され、欧米を中心に安定した需要を確保している。また近年は、排ガス規制や環境規制への対応、安全装備の高度化といった分野にも注力しており、欧州・北米の厳しい法規制に対応したモデルを継続的に投入している。
事業全体として見ると、竹内製作所は大型建機まで幅広く展開する総合メーカーとは異なり、小型建設機械に特化することで技術・品質・ブランドを磨き上げてきた企業である。製品ラインアップを絞り込むことで、開発効率と品質の一貫性を高め、結果として海外市場での高シェアにつながっている。一方で、欧米の建設投資や住宅市場の動向、為替変動の影響を受けやすいという側面も併せ持つ。
総じて竹内製作所は、ミニショベルというニッチだが世界規模の市場を切り開き、開発力と耐久性重視の製品思想を武器に、欧州・北米を中心とした海外市場で確固たる地位を築いてきた建設機械メーカーである。国内需要に依存しない事業構造と、特定分野に集中した専門性が、同社の最大の特徴といえる。
竹内製作所 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益 (円) |
一株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.2 | 112,254 | 13,207 | 13,298 | 9,765 | 204.8 | 53 |
| 連22.2 | 140,892 | 17,764 | 18,080 | 13,348 | 279.9 | 68 |
| 連23.2 | 178,966 | 21,221 | 21,379 | 15,979 | 335.2 | 98 |
| 連24.2 | 212,627 | 35,296 | 35,455 | 26,149 | 548.6 | 158 |
| 連25.2 | 213,230 | 37,142 | 35,608 | 26,113 | 552.5 | 200 |
| 連26.2予 | 223,000 | 38,000 | 37,300 | 26,400 | 571.5 | 210 |
| 連27.2予 | 235,000 | 39,000 | 38,300 | 27,100 | 586.7 | 210〜235 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 連23.2 | 8,537 | -8,863 | -3,320 |
| 連24.2 | 24,640 | -7,771 | -4,714 |
| 連25.2 | 8,283 | -2,348 | -14,583 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 11.8% | 13.1% | 10.0% | – | – |
| 2024 | 16.5% | 17.7% | 13.1% | – | – |
| 2025 | 17.4% | 15.6% | 11.9% |
高値平均 10.6倍 安値平均 6.0倍 |
1.69倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績規模は、売上高が2024年2月期で約2,126億円、2025年2月期で約2,132億円と高水準を維持し、2026年2月期予想では約2,230億円、2027年2月期予想では約2,350億円と、緩やかな拡大が見込まれている。売上規模はここ数年で明確に一段上がった状態にある。
利益面を見ると、営業利益は2024年2月期で約352億円、2025年2月期で約371億円、2026年2月期予想で約380億円、2027年2月期予想で約390億円と、売上の伸びに沿って高水準を維持している。経常利益、純利益も同様に300億円台後半から400億円弱の水準で安定しており、大きな落ち込みは想定されていない。
収益性では、営業利益率が2023年2月期の11.8%から2024年2月期16.5%、2025年2月期17.4%へと上昇しており、利益率が明確に改善した後、高水準で定着していることが分かる。建機メーカーとしてはかなり高い部類の営業利益率である。
資本効率を見ると、ROEは2023年2月期13.1%、2024年2月期17.7%、2025年2月期15.6%と2桁半ばを維持している。ROAも10.0%から13.1%、11.9%と高水準で、総資産を使った収益創出力は強い状態が続いている。
評価面では、2025年実績PERは高値平均で10.6倍、安値平均で6.0倍と、収益力の高さに対して市場評価は比較的低めに抑えられている。一方でPBRは1.69倍と、資本効率の高さを反映した水準にある。
以上を数値だけから整理すると、売上・利益は高水準で安定し、営業利益率・ROE・ROAはいずれも明確に高い。事業の収益性と効率性はすでに成熟した強い水準にあり、評価はPERでは割高感は出ていない一方、PBRでは一定の評価が付いている状態といえる。高成長初期というより、高収益体質が定着した段階にある企業の数値構造が示されている。
配当目的とかどうなの?
まず予想配当利回りは、2026年2月期・2027年2月期ともに3.23%と、機械セクターの中ではやや高めで安定した水準にある。極端な高配当ではないが、明確に「配当を意識した水準」であることは読み取れる。
業績との関係を見ると、純利益は2024年2月期で約261億円、2025年2月期で約261億円、2026年2月期予想で約264億円、2027年2月期予想で約271億円と、大きなブレなく高水準を維持している。営業利益率も15〜17%台、ROEは15%前後、ROAも10%超と、利益創出力は十分に高い。これらの水準から見る限り、配当原資に不安がある状態ではない。
一方で、配当利回りが3%台前半にとどまっている点から、利益をすべて配当に回すというスタンスではなく、内部留保や成長投資とのバランスを取った配当政策であることがうかがえる。実際、売上・利益は拡大基調にあり、設備投資や開発投資を継続する余地を残した配当水準といえる。
まとめると、竹内製作所は「高配当株」というより、「高収益企業が無理のない水準で安定配当を出している銘柄」という位置付けになる。配当目的だけで見ても、利回りはそこそこあり、かつ業績の裏付けが強いため、減配リスクを過度に警戒する必要は小さい。一方で、配当だけを最大化したい投資家向けというより、業績の安定性を前提に、配当を受け取りつつ保有するタイプの銘柄と整理できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
竹内製作所の現在値6,500.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社はミニショベルとクローラーローダーを主力とする建設機械メーカーであり、世界で初めてミニショベルを開発した企業として知られている。販売の大半を海外が占め、特に欧州・北米では小型建機分野で高いシェアを持つ。国内建設需要への依存度は低く、業績は海外の建設投資動向や為替環境の影響を強く受ける構造にある。
直近数年では、売上高・営業利益ともに拡大基調で推移しており、営業利益率は10%台後半まで上昇、ROE・ROAも2桁近い水準を維持している。建機メーカーの中では収益性が高く、過去の循環的な業績変動はあるものの、構造的には高付加価値・海外特化型のビジネスモデルが確立されている。株価水準はすでに一定の成長性を織り込んでおり、割安株というよりは「高収益だが景気循環の影響を受ける成長企業」として評価されている段階にある。
良い場合は、欧州・北米での住宅・インフラ関連需要が底堅く推移し、小型建機の更新需要が継続するシナリオである。為替も円安基調が続けば収益性はさらに押し上げられ、営業利益・純利益は緩やかな増加トレンドを維持できる。この場合、ROEは15%前後、営業利益率も15%超を安定的に確保し、市場からは「世界ニッチトップの高収益建機メーカー」として評価されやすい。PERが10倍台前半から中盤まで許容されれば、5年後の株価は8,000円〜10,000円程度まで切り上がる展開も想定できる。
中間のケースは、欧米の建設需要が減速と回復を繰り返し、業績が横ばいから緩やかな成長にとどまるシナリオである。売上・利益は大きく崩れないものの、増益ペースは鈍化し、ROE・ROAもやや低下する。この場合、市場評価は現状水準を大きく上回りにくく、PERは8〜10倍程度に収れんしやすい。株価は5年間を通じて5,500円〜7,000円程度のレンジで推移し、リターンの中心は配当と緩やかな値上がりに限定される可能性が高い。
悪い場合は、欧州・北米で建設投資が明確に減速し、小型建機の需要が落ち込むシナリオである。為替が円高方向に振れた場合、利益率は急速に低下し、営業利益・純利益ともに減少する可能性がある。この場合、ROE・ROAは1桁台まで低下し、市場評価も慎重化する。PERは6〜7倍程度まで切り下がり、5年後の株価は4,000円〜5,000円程度まで下振れするリスクを抱える。
総合すると、竹内製作所の株価は現在値6,500.0円において、すでに一定の高収益性と海外成長力を織り込んだ水準にあると考えられる。今後5年間は、欧州・北米の建設需要と為替環境が最大の評価軸となり、外部環境が良好であれば上方向、循環的な需要減速が強まれば調整局面に入りやすい。投資スタンスとしては、急激なキャピタルゲインを狙う銘柄というより、世界シェアと収益力を背景に、景気循環を見極めながら中長期で保有するタイプの建機メーカーと位置付けられる。
この記事の最終更新日:2026年1月24日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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