株価
ホシザキとは

ホシザキ株式会社は、業務用厨房機器分野における国内トップクラスのメーカーであり、冷凍冷蔵庫、食器洗浄機、全自動製氷機を中核とする総合厨房機器メーカーである。特に全自動製氷機では国内シェア約70%、世界的にも単一ブランドとして首位級のポジションを確立しており、業務用冷蔵庫、食器洗浄機、ビールサーバーにおいても国内首位クラスのシェアを誇る。飲食店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホテル、病院、学校、食品加工場など、食品を扱うあらゆる業種を主要顧客とし、厨房機器の提供を通じて「食の安全・衛生・効率化」を支える社会インフラ的な企業と位置付けられる。
事業内容は、全自動製氷機、業務用冷凍冷蔵庫、業務用食器洗浄機、ビールディスペンサーをはじめとする各種フードサービス機器の研究開発、製造、販売およびアフターサービスで構成されている。加えて、電解水生成装置などの衛生関連機器も展開しており、農業、医療、福祉分野など、食以外の領域にも事業を広げている。単なる機器メーカーにとどまらず、厨房環境全体をトータルで支える総合ソリューション企業としての色合いが強い。
ホシザキの大きな特徴は、研究開発力と品質管理体制の強さにある。市場ニーズの収集から要素技術の開発、試作、設計、生産フォローまでを一貫して自社で行う体制を持ち、業務用という過酷な使用環境を前提とした高耐久設計を徹底している。高温・高湿の厨房環境を想定した試験室での厳格な耐久試験を通過した技術・部品のみを採用し、完成品についても1台ごとの最終検査を実施するなど、品質重視のモノづくりが徹底されている。この結果、同業他社と比べて故障頻度が低く、長期使用に耐える製品として高い評価を得ている。
環境・省エネ分野への取り組みも同社の重要な強みである。2005年には業務用冷蔵庫として業界で初めてインバータ制御を導入し、大幅な省エネルギー化を実現したことで、省エネルギーセンター会長賞を受賞している。その後も改良を重ね、省エネ率をさらに高めたモデルを展開してきた。全自動製氷機では、製氷能力を維持しながら消費水量や消費電力を大幅に削減し、食器洗浄機においても低消費水量・低洗剤使用量を実現するなど、ランニングコストの低減を重視した製品開発を継続している。
海外展開にも積極的で、アメリカ、ヨーロッパ、中国、アジア、南米など世界各地に販売・製造拠点を有している。2006年には米国の飲料ディスペンサーメーカーであるランサー社を買収するなど、M&Aを活用した事業拡大を進め、製氷機や厨房機器分野でのグローバル競争力を強化してきた。海外売上比率も年々高まり、国内市場に依存しすぎない事業構造を構築している点も特徴である。
また、ホシザキグループは販売・サービス体制の強さでも際立っている。国内には15の販売会社と約430カ所以上の営業所を展開し、地域密着型の営業と迅速なメンテナンス対応を可能としている。機器の販売だけでなく、設置、保守、修理までを一体で提供する体制により、顧客との長期的な関係構築を実現している。この強固な販売・サービス網は新規参入が難しく、同社の競争優位性の源泉となっている。
総合すると、ホシザキ株式会社は、業務用厨房機器というニッチだが不可欠な分野で圧倒的なシェアとブランド力を持ち、研究開発、品質、販売網、アフターサービスを一体化したビジネスモデルによって安定した収益基盤を築いている企業である。省エネ・環境対応、海外展開、M&Aを通じた成長余地も持ち合わせており、成熟産業でありながらも着実な進化を続ける総合厨房機器メーカーとして位置付けられる。
ホシザキ 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連22.12 | 321,338 | 27,915 | 37,763 | 24,345 | 168.1 | 70 |
| 連23.12 | 373,563 | 43,520 | 50,322 | 32,835 | 226.7 | 95 |
| 連24.12 | 445,495 | 51,479 | 57,823 | 37,170 | 258.5 | 105 |
| 連25.12予 | 470,000 | 55,000 | 57,400 | 39,300 | 277.5 | 105 |
| 連26.12予 | 510,000 | 59,700 | 62,100 | 42,500 | 300.1 | 105〜120 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2022 | 5,170 | 1,941 | -13,349 |
| 2023 | 37,698 | 3,286 | -10,355 |
| 2024 | 47,344 | -37,373 | -40,171 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率(%) | ROE(%) | ROA(%) | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 11.6 | 9.9 | 7.0 | – | – |
| 2024 | 11.5 | 10.2 | 6.8 | 18.9〜26.7 | 1.99 |
| 2025 | 11.7 | 10.7 | 7.2 | 19.21 | – |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績の大枠を見ると、売上高は2023年が3,735億円、2024年が4,454億円、2025年予想が4,700億円と着実に拡大しており、2026年予想では5,100億円とさらに一段の成長が見込まれている。営業利益は2023年435億円、2024年514億円、2025年予想550億円と増加基調で、純利益も2023年328億円から2024年371億円、2025年予想393億円へと右肩上がりが続いている。トップライン、利益水準ともに安定した拡大が続いている点は非常に評価しやすい。
収益性を見ると、営業利益率は2023年11.6%、2024年11.5%、2025年11.7%と11%台でほぼ横ばい推移であり、規模拡大と同時に収益性を維持できている。これは価格競争に巻き込まれにくい製品力と、保守・サービスを含めたビジネスモデルの強さを反映していると読み取れる。ROEは2023年9.9%、2024年10.2%、2025年10.7%と10%前後でじわりと改善しており、資本効率も安定水準にある。ROAも7.0%、6.8%、7.2%と高水準で、資産を効率よく利益に変換できている。
一方、バリュエーション面を見ると、2024年実績PERは高値平均26.7倍、安値平均18.9倍とやや幅があるものの、業務用厨房機器という成熟産業を考えると決して割安とは言いにくい水準にある。2025年予想PERは19.2倍で、利益成長を織り込んだ分だけやや落ち着くが、それでも市場平均と比べればプレミアム評価が残っている。PBRは1.99倍で、ROEが10%前後であることを考えると、理論的には妥当〜やや高めの評価といえる。
総合すると、ホシザキは売上・利益ともに安定成長が続き、営業利益率11%台、ROE10%前後という高品質な数字を長期に維持できている点が最大の強みである。一方で、PERやPBRを見る限り、すでに「優良企業であること」は株価にかなり織り込まれており、今後は急成長よりも、着実な利益拡大と安定配当を前提とした評価になりやすい。割安株としての妙味は大きくないが、業績のブレが小さく、中長期で安定したリターンを狙う投資対象としては妥当性が高い銘柄と判断できる。
配当目的とかどうなの?
ホシザキは純粋な高配当目的の銘柄ではないが、安定配当を前提に中長期で持つ分には十分選択肢になる、という位置づけになる。予想配当利回りは2025年、2026年ともに2.20%と、利回りそのものは高配当株の水準ではない。ただし、この利回りは業績の伸びと配当水準の安定性を前提にした「質の高い2%台」と見る方が実態に近い。実際、1株配当は段階的に引き上げられてきており、減配リスクは相対的に低い。
配当の原資となる利益面を見ると、純利益は2023年328億円、2024年371億円、2025年予想393億円と安定して増加しており、配当支払い余力は十分にある。営業利益率は11%台で安定し、ROEも10%前後を維持しているため、無理に配当を削らなければならない局面は想定しにくい。キャッシュフロー面でも営業CFは大きく、設備投資やM&Aを行いながらも配当を継続できる体力がある。
一方で、利回り重視の観点では注意点もある。株価水準はすでに業績の安定性を織り込んだ評価となっており、利回りは2%前後で頭打ちになりやすい。今後も増配は期待できるものの、急激な利回り上昇は株価が調整しない限り起こりにくい。そのため、配当を「今すぐたくさん欲しい」という目的には向かない。
総合すると、ホシザキは高配当株というより、業績の安定成長と緩やかな増配を積み重ねるタイプの銘柄であり、配当は株価下支えとトータルリターンの一部と考えるのが適切だ。値上がり益と配当をバランス良く取りたい中長期投資家にとっては相性が良いが、配当利回り最優先の投資家には物足りなさが残る、という評価になる。
今後の値動き予想!!(5年間)
ホシザキ株式会社の現在値5,210.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社は業務用厨房機器の国内最大手であり、全自動製氷機、業務用冷凍冷蔵庫、食器洗浄機といった主力製品で国内首位級、製氷機では世界トップクラスのシェアを持つ。
飲食店、ホテル、病院、給食施設、食品工場など幅広い顧客基盤を持ち、製品販売に加えて保守・メンテナンスまで一体で提供するビジネスモデルが安定収益を支えている。景気の影響は一定程度受けるものの、衛生・省人化・省エネ需要を背景に中長期では底堅い需要が見込まれる点が特徴である。
良い場合は、外食産業の回復やインバウンド需要の拡大、海外事業の成長とM&A効果が順調に進むシナリオである。売上高は年率で着実に拡大し、営業利益率は11%台後半で安定、ROEも10%台前半までじわりと改善する。純利益は400億円規模に近づき、EPSは300円前後で推移する。この場合、市場からは「世界展開する高収益・高品質メーカー」として評価されやすくなり、PERは過去の高値圏に近い22〜25倍程度が許容される可能性がある。EPS300円×PER25倍を前提にすると、5年後の株価は7,000円〜8,000円程度まで切り上がる展開が想定される。安定した増配も評価され、じり高基調が続く可能性が高い。
中間のケースでは、国内需要は堅調を維持するものの、海外展開やM&Aの成長スピードはやや落ち着き、全体としては安定成長にとどまるシナリオである。営業利益率は11%前後、ROEは10%前後で横ばいとなり、業績は緩やかな右肩上がりにとどまる。市場評価はPER18〜20倍程度に収まり、現在の株価水準との乖離は限定的になる。この場合、株価は5,500円〜6,500円程度のレンジでの推移が中心となり、値上がり益よりも配当と業績の安定性を重視した中長期保有向けの展開になりやすい。
悪い場合は、外食産業の投資抑制や原材料価格の上昇、海外事業の停滞が重なり、利益成長が鈍化するシナリオである。営業利益率は10%前後まで低下し、ROEも一桁後半にとどまる。純利益は300億円台前半に減少し、EPSは250円前後まで低下する。市場は成長期待を引き下げ、PERは15〜17倍程度まで切り下げられる可能性がある。この場合、株価は4,000円〜4,500円程度まで調整する展開も想定される。配当は維持される可能性が高いものの、株価の回復には時間を要する。
総合すると、ホシザキの株価は現在値5,210.0円において、安定成長と高い収益性をある程度織り込んだ水準にある。今後5年間は急成長で株価が跳ね上がるタイプというより、業務用厨房機器という生活インフラに近い分野での安定需要を背景に、利益の積み上げと緩やかな株価上昇を狙う銘柄といえる。配当を下支えにしつつ、業績の持続性と海外展開の進捗を確認しながら中長期で保有するスタンスに適した銘柄と位置付けられる。
この記事の最終更新日:2026年1月25日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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