株価
デンヨーとは

デンヨー株式会社は、可搬形エンジン発電機およびエンジン溶接機を主力とする屋外用パワーソース専業メーカーであり、国内では同分野でトップクラスのシェアを持つ企業である。本社は東京都中央区に置き、東京証券取引所プライム市場に上場している。可搬形エンジン発電機では国内シェア約70%、エンジン溶接機では約55%と、工事現場やインフラ関連用途において圧倒的な存在感を持つ。
同社は屋外用パワーソースのパイオニアとして、建設・土木工事現場、夜間工事用の投光機、災害時の非常用電源、イベントやレジャー用途など、電源確保が難しい現場向けの製品を幅広く展開している。特に東日本大震災以降は、防災意識の高まりを背景に、非常用電源としての需要が拡大しており、官公庁や自治体、インフラ関連分野での採用が増加している点が特徴である。
事業内容は、可搬形発電機、非常用・予備発電機、電源車などの発電機事業を中心に、エンジン溶接機、エンジン・モータコンプレッサ、高所作業車、投光機、高圧洗浄機、負荷試験装置など多岐にわたる。自社ブランド製品の販売に加え、OEM供給も行っており、用途や顧客ニーズに応じた柔軟な製品展開を行っている。
生産体制は国内外に分散しており、国内では福井工場を中核拠点として一貫製造体制を構築している。海外ではアメリカ、インドネシア、ベトナムに生産拠点を持ち、北米やアジア市場向けには現地生産を行うことで、コスト競争力と供給安定性を確保している。海外展開は1970年代から進められており、インドネシア、シンガポール、アメリカを皮切りに、現在では欧州やベトナムにも拠点を構えるグローバル展開型の企業となっている。
沿革を見ると、1919年創業の電気溶接機メーカーを源流とし、1948年に日本電気熔接機材株式会社として法人化、1966年に現在のデンヨー株式会社へと社名変更している。その後、エンジン溶接機、エンジン発電機、コンプレッサへと事業領域を拡大し、建設・インフラ現場向け機器メーカーとして成長してきた。近年ではISO取得やサービス拠点の拡充、海外子会社の設立などを通じて、製品供給だけでなくアフターサービス体制の強化にも注力している。
総じてデンヨーは、災害対応やインフラ整備といった社会的に必要性の高い分野を主な事業領域とし、可搬形電源・溶接機分野で高いシェアと長年の実績を持つ、安定した事業基盤を有する産業機械メーカーである。
デンヨー 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(単位百万) | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 一株益(円) | 一株当り配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 55,006 | 5,332 | 5,645 | 3,860 | 185.1 | 47 |
| 連22.3 | 55,168 | 3,653 | 4,029 | 2,753 | 132.0 | 47 |
| 連23.3 | 64,311 | 4,874 | 5,180 | 3,633 | 175.6 | 50 |
| 連24.3 | 73,140 | 7,089 | 7,378 | 5,095 | 246.8 | 64 |
| 連25.3 | 70,753 | 7,393 | 8,002 | 5,647 | 274.0 | 75 |
| 連26.3予 | 72,000 | 6,900 | 7,300 | 4,700 | 229.9 | 100 |
| 連27.3予 | 75,000 | 7,500 | 7,900 | 5,100 | 249.4 | 100 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 連23.3 | 2,031 | -4,116 | 937 |
| 連24.3 | 4,176 | -1,835 | -819 |
| 連25.3 | 7,315 | -5,548 | -1,791 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 7.5% | 4.0% | 5.5% | – | – |
| 2024 | 9.6% | 5.0% | 6.9% | – | – |
| 2025 | 10.4% | 5.4% | 7.3% | 10.3倍(高値平均)/7.3倍(安値平均) | 0.95倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
連24.3から連25.3にかけての数値を見ると、売上高は731億円から707億円へ減少している。一方で営業利益は70億円から73億円、経常利益は73億円から80億円、純利益は50億円から56億円へと増加しており、売上が減少する局面でも利益は拡大している。売上規模がやや縮小する中で利益が伸びているため、コスト構造や採算面が改善していることが数値から読み取れる。
連26.3期予想では、売上高は720億円と再びやや回復する想定となっているが、営業利益は69億円、経常利益は73億円、純利益は47億円と、25.3期実績からは減少する前提になっている。直近のピークは25.3期であり、その後はいったん利益水準が落ち着く想定になっていることが分かる。
収益性を見ると、営業利益率は2023年が7.5%、2024年が9.6%、2025年が10.4%と、3年間で一貫して上昇している。売上の伸び以上に利益率が改善しており、利益の稼ぎ方そのものは年々効率化してきた推移になっている。10%を超える水準まで上がっている点から、直近では収益構造が安定してきた局面にあると読み取れる。
ROEは2023年5.5%、2024年6.9%、2025年7.3%と緩やかに上昇している。水準自体は高いとは言えないが、自己資本を使った利益創出効率は年々改善している。ROAも2023年4.0%、2024年5.0%、2025年5.4%と同様に上昇しており、資産全体から生み出される利益効率も改善傾向が続いている。
バリュエーション指標を見ると、2025年実績ベースのPERは高値平均で10.3倍、安値平均で7.3倍となっている。利益水準に対して株価は1桁後半から10倍前後で評価されてきたことになり、成長期待を強く織り込んだ水準ではない。PBRは0.9倍と1倍を下回っており、純資産に対して株価は割高な水準にはなっていない。
これらの数値を総合すると、売上は大きく伸びているわけではないが、営業利益率、ROE、ROAはいずれも3年間で改善しており、収益性と効率性は着実に上向いてきたことが確認できる。一方で、26.3期は減益予想となっており、成長が加速する局面というよりは、利益率改善が一巡し、横ばいから調整に入る可能性も示唆されている。
PERが7倍から10倍程度、PBRが1倍を下回る水準にあることから、数値上は高い成長を前提とした評価ではなく、現在の利益水準を基準にした比較的抑えた評価レンジに位置していると整理できる。全体としては、急成長企業というより、収益構造を改善させながら安定した利益水準を維持してきた企業、という数値の並びになっている。
配当目的とかどうなの?
配当水準を見ると、一株当たり配当は連24.3が64円、連25.3が75円、連26.3予と連27.3予はいずれも100円となっている。直近数年で配当額は段階的に引き上げられており、26.3期以降は高い水準を維持する前提になっている。
予想配当利回りは、連26.3、連27.3ともに2.77%とされている。この水準は高配当株と呼ばれる3.5~4%超のレンジには届かないが、無配・低配の企業と比べると一定のインカムは見込める水準にある。
利益との関係を見ると、連25.3の純利益は56億円、連26.3予では47億円と減益予想になっている一方で、配当は100円に引き上げられている。そのため、利益成長と完全に連動した配当というよりは、一定水準の配当を維持する姿勢が数値上は示されている。営業CFは23.3から25.3にかけて20億円、41億円、73億円と増加しており、直近のキャッシュ創出力は配当原資を賄える水準にある。
総合すると、配当利回りは中程度で、インカム狙い一本で魅力が際立つ水準ではない。ただし、配当額は増加傾向にあり、キャッシュフローも改善しているため、極端に不安定な配当ではないことは数値から読み取れる。配当を主目的にする場合は「高配当を取りに行く銘柄」というより、「業績と併せて一定の配当を受け取る位置づけ」の銘柄、という整理になる。
今後の値動き予想!!(5年間)
デンヨー株式会社の現在値3,605.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社は可搬形エンジン発電機・エンジン溶接機を主力とする屋外用パワーソース専業メーカーであり、建設・土木工事、防災・非常用電源、インフラ整備向け需要を中心に事業を展開している。足元では売上は横ばい圏にある一方、営業利益率は10%台まで改善しており、利益構造の底上げが進んだ段階にあることが特徴といえる。
良い場合は、防災関連投資やインフラ更新需要が安定的に続き、海外拠点の稼働率も改善することで、利益水準が25.3期近辺を維持・回復するシナリオである。営業利益率は10%前後で定着し、純利益は55億円〜60億円規模を安定的に確保、EPSは270円〜300円程度で推移する。この場合、市場からは「景気変動に左右されにくいインフラ関連メーカー」として再評価が進み、PERは過去のレンジ上限に近い11〜12倍が許容されやすい。EPS280円×PER12倍を前提にすると、5年後の株価は4,800円〜5,500円程度まで上昇する展開が想定される。
中間のケースでは、売上は700億円前後で横ばいが続き、営業利益率も10%前後で頭打ちとなる。純利益は45億円〜55億円程度で安定し、EPSは230円〜260円程度にとどまる。この場合、市場評価はPER8〜10倍程度に落ち着きやすく、株価は3,200円〜4,200円程度のレンジ内での推移が中心となる。値上がり益は限定的で、配当を受け取りながらの横ばい推移になりやすい。
悪い場合は、建設・インフラ関連需要が鈍化し、26.3期予想通りに減益となった後も回復が遅れるシナリオである。営業利益率は8%台まで低下し、純利益は40億円前後、EPSは200円前後にとどまる。この場合、市場は成長期待を引き下げ、PERは安値平均に近い6〜7倍まで低下する可能性がある。EPS200円×PER6.5倍を前提にすると、株価は2,500円〜3,000円程度まで調整する展開も想定される。
総合すると、デンヨーの株価は現在値3,605.0円において、利益率改善が一巡した後の「安定評価ゾーン」に位置している。今後5年間は急成長による大幅な株価上昇を狙う銘柄というより、インフラ・防災需要を背景にした安定収益と配当を受け取りつつ、業績が再び伸びる局面が来れば評価修正を期待する、というスタンスに適した銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年1月27日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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