株価
キュービーネットホールディングスとは

キュービーネットホールディングスは、低価格ヘアカット専門店「QBハウス」を中核に国内外で店舗展開を行う理美容サービス企業である。1995年12月に設立され、1996年に東京・神田で1号店を開業して以降、短時間・定額制という独自モデルで全国展開を進めてきた。現在は持株会社体制を採用しており、キュービーネットホールディングスが東京証券取引所プライム市場に上場している。
同社の主力事業であるQBハウスは、ヘアカットのみに特化し、施術時間を約10分程度に標準化することで、高回転・省スペース運営を可能としている。シャンプー、顔剃り、ブローといった工程を省略し、散髪後はエアウォッシャーを用いて髪の毛を除去するなど、設備と動線を徹底的に簡素化している点が特徴である。料金は創業当初の1,000円から段階的に改定され、2025年2月時点では1,400円となっている。
店舗運営面では、「システムユニット」と呼ばれる定型化された設備と作業プロセスを導入し、駅構内や商業施設、オフィスビル内の空きスペースなど、限られた立地でも出店可能なモデルを構築している。混雑状況を示す色灯を店外に設置するなど、待ち時間を可視化する仕組みも特徴の一つである。国内では直営とフランチャイズを組み合わせた形で出店を進めており、JR駅構内を中心としたFC店舗も多い。
海外事業にも注力しており、シンガポール、香港、台湾、アメリカ、カナダ、ベトナムなどで店舗を展開している。特に賃料の高い香港では、1席のみを設置した「シェル型店舗」を導入し、極小スペースでの出店を可能としている。海外展開にあたっては、カット理論や教育カリキュラムを標準化し、国や地域が異なっても均一なサービス品質を提供できる体制を構築してきた。
人材面では、自社によるスタイリスト育成を重視しており、模倣されやすい業態でありながらも、人材育成とオペレーションの内部化によって競争優位性を維持している。この取り組みは評価され、1998年のニュービジネス大賞、ASIAN INNOVATION AWARDS、2017年のポーター賞、2018年の日本サービス大賞JETRO理事長賞などを受賞している。
2024年6月期末時点では、国内563店舗、海外128店舗の合計691店舗を展開し、日本国内累計来店客数は2024年3月に3億人を突破している。派生ブランドとしては、予約制やスタイリングまで提供するQB PREMIUMなども展開しており、従来のQBハウスとは異なる付加価値型業態にも取り組んでいる。
このようにキュービーネットホールディングスは、ヘアカットに特化した高回転・低価格モデルを軸に、国内外で店舗網を拡大してきた企業であり、標準化されたオペレーションと人材育成を基盤に、理美容サービスのチェーン展開を行っている点が事業の中核となっている。
キュービーネットホールディングス 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 税前利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 23.6 | 22,746 | 2,138 | 1,990 | 1,444 | 111.1 | 20 |
| 24.6 | 24,757 | 2,115 | 1,964 | 1,301 | 99.4 | 27 |
| 25.6 | 25,543 | 1,685 | 1,478 | 1,022 | 77.8 | 35 |
| 26.6予 | 27,300 | 2,200 | 2,000 | 1,400 | 105.6 | 40 |
| 27.6予 | 29,000 | 2,400 | 2,200 | 1,540 | 116.2 | 40〜45 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023.6 | 4,694 | -484 | -3,597 |
| 2024.6 | 5,058 | -846 | -4,116 |
| 2025.6 | 4,299 | -1,306 | -2,263 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率(%) | ROE(%) | ROA(%) | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023.6 | 9.3 | 11.2 | 4.6 | – | – |
| 2024.6 | 8.5 | 9.1 | 4.0 | – | – |
| 2025.6 | 6.5 | 6.9 | 2.9 | 17.3(高値平均)/ 11.3(安値平均) | 1.25 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績の規模と推移を見ると、◇24.6は売上高247億、営業利益21億、経常利益19億、純利益13億。◇25.6は売上高255億、営業利益16億、経常利益14億、純利益10億。◇26.6予は売上高273億、営業利益22億、経常利益20億、純利益14億となっている。売上高は24.6から26.6予にかけて緩やかな増加が続いているが、25.6では営業利益・経常利益・純利益がいずれも減少しており、利益面は一時的に後退している。その後26.6予では再び増益に転じる想定となっているが、24.6の水準を大きく上回るほどの伸びではない。
収益性を見ると、営業利益率は2023年9.3%、2024年8.5%、2025年6.5%と年々低下している。ROEも11.2%から9.1%、6.9%へ、ROAも4.6%から4.0%、2.9%へと継続的に低下しており、売上は伸びている一方で、利益効率や資本効率は悪化傾向にあることが数値から読み取れる。
評価面では、2025年の実績PERは高値平均17.3倍、安値平均11.3倍であり、極端な割高感はない水準にある。実績PBRは1.2倍で、純資産に対してはおおむね等身大からやや上の評価にとどまっている。
以上の数値だけで整理すると、売上高は安定的に拡大しているものの、営業利益率、ROE、ROAはいずれも低下基調にあり、収益性と効率性は弱含んでいる。一方でPER・PBRは過度に高い水準ではなく、株価は成長性よりも安定事業としての評価に近づいていると読み取れる。業績は底堅いが、利益率の低下が続く限り、評価の切り上がりにはつながりにくい構造にある、という判断になる。
配当目的とかどうなの?
◇26.6、◇27.6ともに予想配当利回りは2.87%と、東証プライム上場企業の平均的な配当利回りに近い水準にある。高配当銘柄とまではいかないものの、配当収入を一定程度重視する投資スタイルには視野に入る利回り水準といえる。
これまでの業績推移を見ると、売上高は緩やかに増加している一方、営業利益率やROE、ROAは低下傾向にあり、利益成長力はやや鈍化している。その中で配当額は引き上げられており、利益成長よりも株主還元を重視する姿勢が数値上は表れている。ただし、利益水準自体が大きく伸びていないため、今後も同水準の配当を維持できるかは、収益性の下げ止まりが前提条件になる。
以上を踏まえると、キュービーネットホールディングスは超高配当を狙う銘柄ではないが、2%台後半の利回りを安定的に受け取りたい配当目的投資とは一定の相性がある。一方で、営業利益率や資本効率の低下が続く場合には、将来的な増配余地は限定的になりやすく、配当を主目的とする場合でも業績の安定性を継続的に確認する必要がある銘柄、という位置づけになる。
今後の値動き予想!!(5年間)
キュービーネットホールディングスの現在値1,389.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社は低価格ヘアカット専門店「QBハウス」を中核とする理美容サービス企業であり、国内の安定した店舗網に加え、香港・台湾・米国など海外展開も進めている。
業績は売上高こそ緩やかな増加基調にあるものの、23.6から25.6にかけて営業利益率、ROE、ROAはいずれも低下しており、収益性の鈍化が確認できる。一方で、26.6予では利益の回復が見込まれており、今後は利益率の下げ止まりと海外事業の寄与度合いが株価を左右しやすい局面にある。
良い場合は、国内既存店の来店客数が安定しつつ、値上げ効果が想定以上に定着し、人件費や賃料上昇を吸収できるシナリオである。海外事業も不採算を出さずに店舗数を積み上げ、全体の利益を底上げする。26.6予で示されている売上高273億円、営業利益22億円、純利益14億円規模がその後も拡大し、営業利益率は6%台後半で安定する。ROEは8〜9%程度まで回復し、安定消費サービス株としての評価が高まる。この場合、市場は安定収益と配当を評価し、PERは15〜17倍程度が許容されやすい。1株益110円前後×PER16倍を前提にすると、5年後の株価は1,700円〜1,900円程度まで緩やかに上昇する展開が想定される。
中間のケースでは、国内事業は堅調に推移するものの、人件費上昇やコスト増を完全には吸収できず、利益率は6%前後で横ばいとなる。海外事業は拡大するが、全体業績を大きく押し上げるほどのインパクトはない。純利益は13〜15億円規模で推移し、ROEは6〜7%台にとどまる。この場合、市場評価は落ち着き、PERは12〜14倍程度に収れんする。1株益100円前後×PER12〜14倍を前提にすると、5年後の株価は1,200円〜1,500円程度となり、現在値近辺での横ばいから緩やかな推移が想定される。
悪い場合は、人件費や賃料の上昇が続き、追加の値上げが難しい中で利益率の低下が止まらないシナリオである。海外展開も投資負担が先行し、全体の収益性がさらに悪化する。営業利益率は5%台前半まで低下し、ROEは5%前後、ROAも3%台にとどまる。この場合、市場は成長性を評価せず、成熟した生活関連サービス企業としての評価に切り替える可能性がある。PERは8〜10倍程度まで低下し、1株益90円前後×PER8〜10倍を前提にすると、5年後の株価は700円〜900円程度まで下落する展開が想定される。
総合すると、キュービーネットホールディングスの株価は現在値1,389.0円において、安定事業としての評価と収益性低下への警戒が拮抗している水準にある。配当利回りは約3%と一定の下支え要因になるものの、今後5年間の値動きは、利益率の下げ止まりと海外事業が収益にどこまで貢献できるかによって、上昇・横ばい・下落のいずれにも振れやすい銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年1月31日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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