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三桜工業(6584)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-02-03)
841.00
前日比 +7.00(+0.84%)

三桜工業とは

三桜工業は、自動車用チューブや集合配管などを主力とする独立系の自動車部品メーカーであり、国内では自動車用配管分野で約4割のシェアを持つ企業である。本店所在地は茨城県古河市鴻巣にあり、日本を起点に北米、欧州、中国、アジアなど世界各地に製造拠点を展開するグローバルものづくり企業として事業を行っている。車両配管分野では世界第2位のシェアを有しており、自動車産業における重要なサプライヤーの一角を占めている。

自動車部品事業は三桜工業の中核であり、1960年代に二重巻鋼管を用いたブレーキ配管の製造からスタートした。その後、一重巻鋼管や樹脂チューブを使用した燃料配管、冷却配管、各種集合配管へと製品領域を拡大し、現在では自動車の「走る・曲がる・止まる」を支える重要保安部品を幅広く手掛けている。配管製品で培った加工技術を活かし、シートベルト関連製品など安全性が強く求められる部品の製造も行っており、高い品質管理体制が求められる分野で事業を展開している。

近年は、自動車の電動化を背景にサーマル・ソリューション事業を拡大している。長年にわたり自動車用の冷媒配管や熱交換器を開発・生産してきた実績を基盤に、モーター、バッテリー、インバーター、PCUなど電気自動車コンポーネント向けの高性能冷却分野に注力している。配管から熱交換器までを一貫して設計・生産できる点が強みであり、データセンターや通信機器向けの冷却分野など、自動車以外の成長市場への展開も進めている。

また、生産ソリューション事業として、自社で蓄積してきた加工設備の開発・設計・製作ノウハウを外部向けに提供している。製造現場の課題を把握したうえで、設備の提案から製作、設置、アフターサービスまでを一貫して対応する体制を構築しており、単なる設備メーカーとは異なり、自社製品を熟知した立場から高生産性・高品質を実現する設備を提供できる点が特徴である。

新規分野としては、AGVやAMR、ロボット向けの超薄型・小型バッテリーパック事業にも取り組んでいる。車載向けリチウムイオン電池セルを用い、独自開発のBMUによる安全管理や通信機能を備えた国産バッテリーパックの開発を進めており、ロボット分野での実用化を視野に入れている。さらに、GaN、AlN、SiCといった次世代半導体材料の受託基板加工事業も展開し、省エネルギー半導体デバイスの普及に貢献することを目指している。

このほか、古河市とともに発展してきた企業として、地域創生事業にも取り組んでおり、テクノロジーを活用した地域課題解決型ビジネスの創出を進めている。三桜工業は、自動車用配管という基幹事業を軸にしながら、電動化、冷却技術、生産技術、新素材、地域連携といった分野へ事業領域を広げ、グローバルに展開する複合型ものづくり企業として事業を展開している。

三桜工業 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 1株益(円) 1株配当(円)
連21.3 113,657 3,486 3,766 3,630 100.2 15
連22.3 115,940 2,183 2,584 1,009 27.9 25
連23.3 137,692 1,321 1,490 -907 -25.1 25
連24.3 156,814 8,053 7,296 4,216 117.4 26.5
連25.3 159,538 4,860 4,600 737 20.6 28
連26.3予 154,000 5,500 5,000 3,000 83.8 28
連27.3予 158,000 5,700 5,700 3,600 100.5 28

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(百万円) 営業CF 投資CF 財務CF
2023.3 5,680 -4,446 -2,907
2024.3 10,139 -7,141 743
2025.3 8,484 -8,118 4,093

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率(%) ROA(%) ROE(%) PER(倍) PBR(倍)
2023.3 0.9 -1.0 -2.5
2024.3 5.1 3.7 9.4
2025.3 3.0 0.6 1.6 34.6(高値平均)/ 17.8(安値平均) 0.65

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績の規模と推移を見ると、連24.3は売上高1,568億、営業利益80億、経常利益72億、純利益42億である。連25.3は売上高1,595億、営業利益48億、経常利益46億、純利益7億となり、売上高は横ばいで推移した一方、営業利益・純利益は大きく減少している。連26.3予では売上高1,540億、営業利益55億、経常利益50億、純利益30億が見込まれており、25.3からは利益水準の回復が想定されているが、24.3の水準にはまだ及ばない。

収益性の推移を見ると、営業利益率は2023年0.9%、2024年5.1%、2025年3.0%と大きく変動している。24年に一時的に大きく改善した後、25年には再び低下しており、安定した収益力が確立しているとは言いにくい。ROEは2023年-2.5%、2024年9.4%、2025年1.6%、ROAは2023年-1.0%、2024年3.7%、2025年0.6%となっており、24年に一度大きく改善したものの、25年には再び低水準に戻っている。資本効率・総資産効率はいずれも振れが大きく、持続的な改善トレンドとは整理しにくい。

評価面を見ると、2025年の実績PERは高値平均34.6倍、安値平均17.8倍とレンジが広く、利益変動の大きさを反映した評価になっている。実績PBRは0.6倍と1倍を下回っており、純資産に対しては低い評価水準にとどまっている。

以上の数値だけで判断すると、売上高は1,500億円規模で安定しているものの、営業利益・純利益は年ごとの振れが大きく、営業利益率、ROE、ROAも安定性に欠ける。一方でPBRは0.6倍と低水準であり、資産価値に対して株価は抑えられている状態にある。現状は、業績の回復力はあるが収益性の安定度が低く、評価面では割安さと業績不安定さが同時に存在している局面と整理できる。

配当目的とかどうなの?

連26.3、連27.3ともに予想配当利回りは3.28%と、東証プライム全体の平均と比べるとやや高めの水準に位置する。数値上は、配当を一定の目的として保有することが検討対象に入る利回りである。

一方で、これまでの業績推移を見ると、営業利益や純利益は年ごとの振れが大きく、営業利益率、ROE、ROAも安定した水準で推移しているとは言いにくい。24.3に大きく改善した後、25.3では再び低下しており、利益水準がまだ安定局面に入っているとは整理しにくい状況である。こうした中で配当利回りが3%台に維持されている点は、配当水準が業績変動に対してやや先行している印象も受ける。

評価面ではPBRが0.6倍台と低水準にあり、株価自体が抑えられていることが利回りを押し上げている側面も大きい。高い配当成長を前提とする銘柄というより、株価水準の低さが利回りを形成している構造と読み取れる。

以上の数値だけで判断すると、三桜工業は高配当銘柄とまでは言えないものの、3%台の配当利回りによって一定のインカム収入は期待できる水準にある。ただし、業績の振れが大きいため、配当の安定性を最重視する投資スタイルとの相性は必ずしも高くなく、配当は下支え要因の一つとして捉える位置づけになる、という整理になる。

今後の値動き予想!!(5年間)

三桜工業の現在値852.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社は自動車用配管を主力とする独立系部品メーカーであり、売上規模は1,500億円前後と大きい一方、利益水準と資本効率の振れが大きい点が株価形成の前提となる。PBRは0.6倍台と低く、評価面では割安感がある一方、収益性の安定度が今後の株価の方向性を左右しやすい局面にある。

良い場合は、自動車生産の回復や電動化向け配管・サーマルソリューション事業が順調に拡大し、26.3予以降も利益回復が定着するシナリオである。営業利益は50億円台後半から60億円規模で安定し、営業利益率は4%前後まで改善する。ROEも5%前後、ROAは2%台まで回復し、収益性が底上げされる。この場合、市場は業績の安定化を評価し、PERは15〜18倍程度が許容されやすい。1株益100円前後×PER15〜18倍を前提にすると、5年後の株価は1,500円〜1,800円程度まで上昇する展開が想定される。

中間のケースでは、売上高は1,500億円前後で横ばい推移し、利益も26.3予水準をおおむね維持するが、大きな成長には至らないシナリオである。営業利益率は3%前後、ROEは2%前後にとどまり、収益性の改善は限定的となる。この場合、市場評価は現状水準に近いPER10〜12倍程度に収れんしやすい。1株益80〜90円前後×PER10〜12倍を前提にすると、5年後の株価は800円〜1,100円程度となり、現在値近辺での横ばいから緩やかなレンジ推移が想定される。

悪い場合は、自動車需要の減速や原材料コストの影響を吸収できず、利益が再び大きく変動するシナリオである。営業利益は30億円台に低下し、営業利益率は2%を下回る。ROE・ROAも1%前後にとどまり、収益性改善が進まない。この場合、市場は低収益体質を強く意識し、PERは8倍前後まで低下する可能性がある。1株益50円前後×PER8倍を前提にすると、5年後の株価は400円〜500円程度まで下落する展開も想定される。

総合すると、三桜工業の株価は現在値852.0円において、PBRの低さによる下値余地の限定性と、利益の振れやすさによる上値の重さが同時に存在している。今後5年間は、利益水準を安定的に維持できるかどうかによって、株価が大きく上振れする可能性もあれば、横ばいから下落に向かう可能性もある銘柄と整理できる。

この記事の最終更新日:2026年1月31日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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