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東芝テック(6588)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-02-03)
2,674.00
前日比 +17.00(+0.64%)

東芝テックとは

東芝テック株式会社は、東京都品川区に本社を置く電機メーカーであり、東芝グループにおいて社会インフラ事業領域のうちリテール&プリンティングソリューション分野を担っている企業である。東芝グループの中で現在唯一、東京証券取引所プライム市場に上場している企業でもある。

同社は流通・小売業向けのPOSシステムを中核事業としており、国内のPOSなど流通システム分野では約5割という高いシェアを持つ。コンビニエンスストア、スーパーマーケット、量販店、飲食店など、幅広い業態で導入実績があり、POS端末に加えて自動釣銭機、セルフレジ、オーダーエントリーシステム、スマートレシートなどを組み合わせた店舗運営全体のソリューションを提供している点が特徴である。機器販売だけでなく、システム構築、保守・運用、データ活用まで含めた一体型のビジネスモデルを構築している。

事業セグメントは大きくリテールソリューション事業とプリンティングソリューション事業に分かれている。リテールソリューション事業は国内が中心で、POSシステム、自動釣銭機、バーコードやRFIDなどの自動認識装置を通じて、省人化や業務効率化、キャッシュレス対応を支援している。一方、プリンティングソリューション事業は主に海外市場を中心に展開しており、複合機やプリンターを軸としたオフィス向けソリューションを提供している。この分野では競争が激しいことから、2024年にリコーと複合機の生産・開発機能を統合し、コスト競争力や開発効率の向上を図っている。

会社名の「テック」は、国内リテール事業で長年使用してきたブランド「TEC」に由来しており、これは旧社名である東京電気の略称でもある。かつては東芝ブランドの照明や掃除機などの小型家電の製造も手がけていたが、現在はその事業は東芝ライフスタイルへ分社化されており、東芝テック自身は業務用・産業向け機器に特化した事業構成となっている。

製品面では、POSシステムや自動釣銭機「VITESE」、デジタル複合機、レジスター、自動認識装置、インクジェットプリンターヘッドなどを展開しており、流通・オフィス・製造現場といった業務現場の効率化を支えている。国内外に事業拠点や生産拠点を持ち、海外リテール事業はグループ会社を通じて北米・欧州・アジアなどへ展開している。

全体として東芝テックは、国内では高いシェアを持つ流通システムを基盤に安定した収益を確保しつつ、海外では複合機やリテール事業の構造改革を進めている企業であり、ハードウェアとサービスを組み合わせたストック型収益モデルの強化を進めている点が事業の特徴といえる。

東芝テック 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
連21.3 405,694 8,263 7,193 7,126 129.6 20
連22.3 445,317 11,566 10,197 5,381 97.7 40
連23.3 510,767 16,078 13,149 -13,745 -248.4 40
連24.3 548,135 15,854 11,004 -6,707 -123.9 45
連25.3 577,023 20,251 18,344 29,937 565.4 45
連26.3予 550,000 12,000 8,000 0 0.0 20
連27.3予 570,000 18,000 14,000 7,400 139.7 20〜45

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 15,106 -12,117 -8,103
2024 19,411 -16,135 -3,624
2025 24,886 -9,987 -5,739

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

営業利益率(%) ROA(%) ROE(%) PER(倍) PBR(倍)
2023 3.1 -4.5 -14.3
2024 2.8 -2.0 -7.7
2025 3.5 8.6 27.6 1.39

出典元:四季報オンライン

投資判断

売上高は24.3期に5,481億、25.3期に5,770億と増加しており、この2年間では事業規模は拡大している。一方で26.3期予想では5,500億と減収見通しになっており、成長が一服する前提が置かれている。営業利益は24.3期が158億、25.3期が202億と改善しているが、26.3期予想では120億と大きく減少する想定になっている。経常利益も同様に、24.3期110億から25.3期183億へ増加した後、26.3期予想では80億まで低下する見込みとなっている。

純利益は24.3期が-67億と赤字で、25.3期は299億の黒字に転じているが、26.3期予想では0億とされており、利益の水準が安定していないことが分かる。一株益も25.3期に565.4円と大きく跳ね上がっている一方で、24.3期はマイナス、26.3期予想では0.0円となっており、単年度ごとの振れが非常に大きい。配当は24.3期と25.3期が45円、26.3期予想は20円と減配前提になっている。

営業利益率は2023年3.1%、2024年2.8%、2025年3.5%と、3%前後の低い水準で推移している。25年はやや改善しているが、大きな収益性の向上とまでは言えない。ROEは2023年-14.3%、2024年-7.7%とマイナスが続いた後、2025年に27.6%まで急上昇している。ROAも同様に2023年-4.5%、2024年-2.0%から2025年は8.6%へと大きく改善している。ただし、これらの改善は25.3期の純利益が急増したことによる影響が大きく、26.3期予想で利益がゼロ水準になる前提では、再び低下する可能性が高いと読み取れる。

2025年の実績PBRは1.3倍で、資産価値に対してやや上回る評価にとどまっている。PERについては、赤字期や利益ゼロ見通しの年が含まれるため、安定して算出できる状態にはなく、利益の継続性が確認しにくい。

これらの数値だけから判断すると、25.3期は一時的に業績と資本効率が大きく改善した年である一方、26.3期予想では減収・減益となり、利益水準の安定性はまだ低い段階にあると整理できる。営業利益率は低位で推移し、ROEやROAも年ごとの変動が大きいことから、現時点では安定した収益力や資本効率が定着した状態とは言い切れない、というのが事実ベースで読み取れる評価になる。

配当目的とかどうなの?

予想配当利回りは26.3期、27.3期ともに0.77%と1%を下回る水準にとどまっている。配当額も25.3期の45円から26.3期は20円へ減配予想となっており、配当水準は安定していない。純利益は25.3期に299億の黒字を計上しているものの、26.3期予想では0億とされており、利益の裏付けという面でも配当の継続性は強いとは言えない。

営業利益率は3%前後と低水準で、ROE・ROAも25.3期に一時的に大きく改善した後、26.3期以降は再び低下する可能性が高い前提になっている。こうした状況では、配当を安定的に増やしていく余地は数値上は限定的に見える。

これらを踏まえると、現時点の数値から読み取れるのは、配当利回りが低く、減配予想も出ており、利益の安定性もまだ確認できないため、インカム目的で保有する銘柄とは言いにくい、という整理になる。配当は出ているものの、配当水準や利回りを重視する投資スタイルに対しては、優先度は高くない状態といえる。

今後の値動き予想!!(5年間)

東芝テックの現在値2,596円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社は国内POS・流通システムで約5割の高いシェアを持つ一方、海外では複合機事業を展開してきた企業である。国内事業はストック性があり比較的安定しているが、全体の利益率は低く、直近では利益の振れが大きい点が株価の前提条件となる。2024〜2025年にかけては一時的に大きな利益回復が見られたが、2026年予想では再び減益・利益ゼロ前提となっており、業績の持続性が問われる局面にある。

良い場合は、国内のPOS・流通システム事業が引き続き堅調に推移し、更新需要や省人化投資を背景に安定した収益を確保できるシナリオである。海外では、複合機の生産・開発をリコーと統合した効果が徐々に顕在化し、固定費削減と収益構造の改善が進む。営業利益率は3%台後半から4%程度まで改善し、純利益も年100〜150億円規模で安定的に黒字を確保できる状態になる。この場合、ROEは8〜10%程度で定着し、市場評価はPBR1.5倍前後まで切り上がる可能性がある。5年後の株価は3,300円〜3,800円程度まで上昇する展開が想定される。

中間のケースでは、国内POS事業は安定しているものの成長は限定的で、売上高は横ばいから微増にとどまる。海外事業の構造改革効果は一部出るが、競争環境の厳しさから利益率の大幅な改善には至らない。営業利益率は3%前後で推移し、純利益は黒字と赤字を行き来する不安定な状態が続く。この場合、市場評価はPBR1.2〜1.4倍程度に収まり、株価は現在値を中心としたレンジ推移になりやすい。5年後の株価水準は2,400円〜2,900円程度が一つの目安となる。

悪い場合は、国内流通システム事業で価格競争が激化し、更新需要も想定以上に鈍化する。海外の複合機事業では統合効果が十分に出ず、収益改善が進まない。営業利益は再び低水準にとどまり、純利益は赤字基調が定着する。この場合、ROE・ROAは低迷し、市場からは構造的に収益力の弱い企業と見なされ、PBRは1倍前後まで低下する可能性がある。株価は長期的に下押し圧力を受け、5年後には1,700円〜2,100円程度まで下落する展開も想定される。

総合すると、東芝テックの株価は現在値2,596円において、国内事業の安定性と海外事業の不確実性が同時に織り込まれている水準といえる。今後5年間の値動きは、リコーとの統合による収益改善がどこまで定着するか、そして低い利益率を中長期的に引き上げられるかによって大きく分かれやすく、安定銘柄というよりは構造改革の進捗を見極める局面にある銘柄と整理できる。

この記事の最終更新日:2026年2月1日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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