株価
ミマキエンジニアリングとは

ミマキエンジニアリングは、長野県東御市に本社を置く産業用インクジェット(IJ)プリンタおよびカッティングプロッタの専業メーカーである。広告・看板向け大判IJプリンタを主力としつつ、工業製品・小物類、布地・衣料品向け分野の育成を進めており、近年はFA分野への展開も進めている。自社開発のプリンタ、インク、ソフトウェアを組み合わせたトータルソリューション提供を特徴とする開発型企業である。
同社は1975年8月に有限会社として設立され、創業当初は時計用水晶振動子の組立を行っていた。1981年5月に株式会社へ改組し、その後フラットペンプロッター「北斎」シリーズなどの大型プロッタを開発・販売したことを契機に、コンピュータ周辺機器メーカーとしての基盤を確立した。以降、インクジェット技術を中核に事業領域を拡大し、現在では産業用デジタルプリント分野に特化した事業展開を行っている。
事業は主に、サイングラフィックス、インダストリアルプロダクト、テキスタイル&アパレルの3部門で構成されている。サイングラフィックス分野では、屋外広告や看板、ポスター、車両ラッピングなどに用いられる大判インクジェットプリンタやカッティングプロッタを展開しており、同社の中核事業となっている。インダストリアルプロダクト分野では、大判フラットベッドUVインクジェットプリンタ、フラットベッドカッティングプロッタ、3D彫刻機などを手がけ、工業製品、パネル、部材、小物類への直接印刷や加工用途に対応している。テキスタイル&アパレル分野では、布地・衣料品向けインクジェットプリンタを展開し、アパレルやインテリア用途へのデジタルプリント需要の取り込みを進めている。
ミマキエンジニアリングの特徴として、プリンタ本体だけでなく、専用インク、制御ソフトウェア、運用ノウハウまでを自社開発し、一体で提供している点が挙げられる。ハードウェア、インク、ソフトを組み合わせた最適化により、用途別に差別化した製品提案を行っており、装置販売後のインクなど消耗品による継続収益も事業構造の一部となっている。
生産・開発拠点は長野県東御市を中心に展開しており、本社所在地は長野県東御市滋野乙2182番地3である。事業内容は、コンピュータ周辺機器およびソフトウェアの開発・製造・販売であり、研究開発から製造、販売、保守サービスまでを一貫して行う体制を構築している。
海外展開にも積極的で、1999年の米国子会社設立を皮切りに、欧州、南米、アジア、オセアニアなど世界各地に販売・サービス拠点を設置してきた。2007年にはジャスダック市場に上場し、2015年には東京証券取引所第一部へ市場変更している。その後も開発拠点やショールーム、ラボセンターの設置、関連企業の買収を通じて事業領域の拡充を進めている。
経営ビジョンとしては、独自技術を保有し自社ブランド製品を世界に供給する開発型企業を志向し、市場に新しさと違いを提供し続けることを掲げている。全体としてミマキエンジニアリングは、広告・看板向けを基盤にしながら、産業用途、テキスタイル分野、FA関連へと用途拡張を図る産業用デジタルプリントメーカーとして位置付けられている。
ミマキエンジニアリング 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
1株益 (円) |
1株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 48,722 | -509 | 366 | -301 | -10.2 | 7.5 |
| 連22.3 | 59,511 | 2,569 | 2,688 | 2,347 | 80.4 | 15 |
| 連23.3 | 70,607 | 4,241 | 3,789 | 2,807 | 97.6 | 17.5 |
| 連24.3 | 75,631 | 5,480 | 4,882 | 3,707 | 128.8 | 25 |
| 連25.3 | 83,963 | 9,111 | 8,441 | 6,156 | 213.4 | 52.5特 |
| 連26.3予 | 82,500 | 8,500 | 7,800 | 5,500 | 190.1 | 50 |
| 連27.3予 | 85,000 | 9,000 | 8,300 | 5,850 | 202.2 | 50〜55 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 連23.3 | 490 | -3,500 | 3,519 |
| 連24.3 | 9,563 | -2,596 | -1,440 |
| 連25.3 | 7,861 | -2,437 | -7,542 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 連23.3 | 6.0% | 4.0% | 12.7% | – | – |
| 連24.3 | 7.2% | 4.8% | 13.6% | – | – |
| 連25.3 | 10.8% | 8.0% | 19.1% | 4.9〜9.1倍 | 1.51倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績推移を見る。2024年3月期の売上高は756億円、営業利益は54億円、経常利益は48億円、純利益は37億円である。2025年3月期は売上高が839億円へ拡大し、営業利益は91億円、経常利益は84億円、純利益は61億円と、利益面が大きく伸びている。2026年3月期予想では、売上高は825億円とやや減少するものの、営業利益85億円、経常利益78億円、純利益55億円と、高水準の利益を維持する計画となっている。売上は横ばい圏に入るが、利益水準は一段高いレンジで定着している構図が読み取れる。
次に収益性を見る。営業利益率は2023年6.0%、2024年7.2%、2025年10.8%と、3年間で明確な改善が見られる。特に2025年は2桁台に達しており、事業の収益構造が強化されていることが数字から確認できる。
資本効率を見ると、ROEは2023年12.7%、2024年13.6%、2025年19.1%と上昇しており、自己資本を用いた利益創出力が高まっている。ROAも2023年4.0%、2024年4.8%、2025年8.0%と改善しており、資産効率の向上が進んでいる。
株価指標を見る。2025年実績PERは安値平均4.9倍、高値平均9.1倍と一桁台中心であり、利益水準の伸びに対して市場評価は抑制的である。実績PBRは1.5倍で、ROE19.1%という水準を踏まえると、過度な割高感は数値上は見られない。
以上を総合すると、売上高は緩やかな成長から横ばいへ移行しつつあるが、営業利益・経常利益・純利益はいずれも大幅に拡大し、営業利益率、ROE、ROAは明確な改善トレンドにある。PERは一桁台、PBRは1倍台にとどまっており、収益性・資本効率の改善度合いと比較すると、市場評価はまだ抑えられた水準にある。
数値だけで判断すると、ミマキエンジニアリングは利益体質への転換が進んだ局面にあり、収益性と資本効率の改善が株価評価に十分織り込まれていない可能性がある銘柄と整理できる。一方で、売上成長は限定的であるため、今後は高い利益水準をどこまで持続できるかが評価の分かれ目になる。
配当目的とかどうなの?
配当目的としては「補助的には成立するが、主目的にするほど高水準ではない」という位置付けになる。ミマキエンジニアリングの予想配当利回りは、連26.3、連27.3ともに2.74%とされている。この水準は、日本株全体の平均的な配当利回りと比べるとやや高めであり、無配・低配銘柄と比べれば明確な差はある。ただし、高配当株として一般に意識されやすい3.5〜4%超には届いていない。
一方で、提示されている数値を見ると、営業利益率は10%超まで改善し、ROEは19%台、ROAも8%台と収益性・資本効率はいずれも高水準にある。営業キャッシュフローも直近で大きく改善しており、配当の原資となる収益力や資金創出力は弱くない。配当額も25円水準から50円前後へ引き上げられており、業績回復を背景とした配当水準であることが読み取れる。
以上を踏まえると、本銘柄は高配当を狙って保有する銘柄ではないが、業績改善とともに安定配当を受け取りつつ、中長期での事業・利益動向を見る投資とは相性が良い。配当利回り単体での魅力は中程度だが、利益水準が維持される限り、配当の継続性という点では極端に弱い状態ではない、という整理になる。
今後の値動き予想!!(5年間)
ミマキエンジニアリングの現在値1,823.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社は広告・看板向け産業用インクジェットプリンタを主力としつつ、工業製品・小物類、布地・衣料品向け分野の育成を進め、近年はFA分野への展開も進めている。直近では売上高は緩やかな拡大から横ばい圏に入りつつある一方で、営業利益率、ROE、ROAが大きく改善しており、利益体質への転換が進んでいる点が現在の株価水準を考える前提条件となる。
良い場合は、広告・サイン向けの安定需要に加え、工業用途やテキスタイル分野が計画どおり拡大し、高付加価値製品の比率が高まるシナリオである。営業利益率は10%前後を維持し、ROEも15〜20%水準で定着する。市場評価は収益性改善を素直に織り込み、PERは8〜10倍程度で推移すると仮定すると、5年後の株価は2,800円〜3,400円程度まで上昇する展開が想定される。
中間の場合は、主力の広告・看板向けは底堅く推移するものの、新分野の成長は緩やかにとどまるシナリオである。売上高は横ばい圏、営業利益は現在水準近辺を維持し、営業利益率は8〜10%程度で安定する。市場評価は現状並みのPER5〜7倍程度に落ち着き、この場合、5年後の株価は1,700円〜2,200円程度となり、現在値近辺を中心とした推移が想定される。
悪い場合は、設備投資需要の鈍化や競争激化により、プリンタ本体の販売が伸び悩み、利益率が低下するシナリオである。売上高は横ばいから減少に転じ、営業利益率も一桁台前半まで低下する。市場は慎重姿勢を強め、PERが3〜4倍程度まで切り下がると仮定すると、5年後の株価は900円〜1,300円程度まで下落する展開も想定される。
総合すると、ミマキエンジニアリングの株価は現在値1,823.0円において、業績回復と利益体質改善を一定程度織り込んだ水準にある。今後5年間の値動きは、改善した利益率と資本効率をどこまで持続できるか、そして工業用途・テキスタイル・FA分野の育成がどの程度進むかが最大の分岐点となり、安定が続けば上振れ余地を残す一方、環境悪化時には調整余地も併せ持つ銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月3日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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