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アルバックとは

アルバック株式会社は神奈川県茅ヶ崎市に本社を置く真空技術メーカーで、半導体や有機ELを含むフラットパネルディスプレイ(FPD)向けを中心とした製造装置を手掛ける企業である。1952年に日本真空技術株式会社として設立され、当初は海外製真空装置の輸入販売を行っていたが、その後国産装置の開発・製造へ移行した。2001年に株式会社アルバックへ商号変更し、2004年に東京証券取引所へ上場した。創業時から産業界や学術界との関係が深く、大学や研究機関向け装置の供給も続いている。
同社の特徴は単なる装置メーカーではなく、真空環境下での薄膜形成プロセスそのものを提供する技術企業という点にある。スパッタリング、蒸着、エッチングなどの成膜工程に関するノウハウを持ち、顧客の量産ライン立ち上げまで含めて装置・材料・プロセス条件を組み合わせて提供するビジネスモデルを採用している。スパッタリング装置では有力メーカーの一角を占め、半導体・電子部品・ディスプレイ・電池分野など幅広い用途に使われる。
主力は半導体製造装置であり、ロジック半導体、メモリ、パワー半導体、センサーなどの成膜工程で使われる装置を供給している。特にパワー半導体や車載電子化の進展に伴う需要の影響を受けやすい。またスマートフォンや通信機器向け電子部品の製造装置も扱う。FPD分野では液晶や有機ELの大型基板対応装置を展開しており、ディスプレイ投資の拡大局面では売上構成比が上昇する傾向がある。
装置に加えてスパッタリングターゲットなどの材料事業も行い、装置稼働後の交換需要により継続収益が発生する構造を持つ。さらに真空ポンプ、計測機器、分析装置などのコンポーネント販売や保守サービス、改造、中古装置販売も行っており、設備投資の景気変動をある程度緩和する役割を担う。顧客の生産ラインの長期運用に関与するため、装置販売後も関係が継続する点が特徴となっている。
国内の生産拠点は茅ヶ崎本社工場、静岡県の富士裾野工場、千葉県の富里・山武工場、鹿児島工場などで、研究所は静岡・千葉・つくばに配置されている。グループ会社としてアルバック九州、アルバック東北、アルバックテクノ、アルバック機工、アルバック・ファイ、アルバック・クライオ、アルバック販売などがあり、製造・販売・保守・部品供給を分担している。海外にも拠点を持ち、アジアの半導体・ディスプレイメーカーとの取引比率が高い。
このようにアルバックは真空ポンプメーカーから発展した総合真空装置企業であり、半導体・電子部品・ディスプレイなどの成膜工程に関わる装置と材料を提供する企業である。半導体やディスプレイの設備投資動向の影響を受けやすい一方、材料や保守による継続収益も持つ装置産業型の事業構造を持っている。
アルバック 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.6 | 227,528 | 19,946 | 22,880 | 14,169 | 287.7 | 109 |
| 連24.6 | 261,115 | 29,771 | 29,785 | 20,233 | 410.7 | 144 |
| 連25.6 | 251,184 | 26,523 | 28,605 | 16,687 | 338.7 | 164 |
| 連26.6予 | 250,000 | 28,500 | 28,500 | 20,000 | 406.1 | 164 |
| 連27.6予 | 250,000 | 30,500 | 30,500 | 21,500 | 436.6 | 164 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 1,011 | -15,673 | -5,438 |
| 2024 | 17,162 | -19,524 | -2,784 |
| 2025 | 34,811 | -10,800 | -14,215 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 8.7% | 4.0% | 7.1% | – | – |
| 2024 | 11.4% | 5.2% | 9.1% | – | – |
| 2025 | 10.5% | 4.4% | 7.4% | 13.0~27.5倍 | 1.86倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上高は2024年約2611億円、2025年約2511億円、2026年予想約2500億円でほぼ横ばい圏に入っており、拡大局面というよりは高水準維持の段階にある。半導体装置企業としては成長株というより循環ピーク付近から横ばいに移行した形に近い推移になっている。
営業利益は2024年約297億円→2025年約265億円へ減少後、2026年予想約285億円と持ち直し見込みで、利益の振れが設備投資循環に連動していることが分かる。経常利益も297億円→286億円→285億円とほぼ同様の流れで、営業外の影響は小さく本業連動型の利益構造である。純利益は2024年約202億円→2025年約166億円と落ち込んだ後、2026年予想200億円と回復見込みで、業績は悪化というより調整局面に近い動きといえる。
営業利益率は8.7%→11.4%→10.5%で10%前後のレンジに収まり、装置メーカーとしては中程度の収益性で安定している。ROEは7.1%→9.1%→7.4%、ROAは4.0%→5.2%→4.4%といずれも一時改善後にやや低下しており、高収益企業というより景気循環型資本集約企業の数値になっている。資本効率は平均的で大きく高い水準ではない。
評価面ではPERは13.0倍〜27.5倍のレンジ、PBR1.8倍前後であり、成長株として高評価される水準でも割安株と断定できる水準でもない中間評価に位置する。利益が横ばい圏に入っていることを考えると、バリュエーションは業績循環の中間地点を織り込んだ価格帯に近い状態と読み取れる。
以上の数値のみから整理すると、業績は拡大局面ではなく循環調整から回復に向かう途中、収益性は中程度、資本効率は平均的、株価評価は割安でも割高でもない中立圏という位置づけになる。したがって強い成長期待で評価されるタイプではなく、半導体設備投資の回復局面では上振れ余地があり、減速局面では利益が再び鈍化する可能性を持つ景気敏感型の評価になりやすい状態と判断できる。
配当目的とかどうなの?
配当は164円水準が維持予想で、予想配当利回りは26,27年度ともに約1.9%前後となる。利回りだけを見ると高配当株の水準ではなく、配当目的銘柄として選ばれるレンジではない。利益との関係を見ると、2025年EPS約338円、2026年予想約406円に対して配当164円のため配当性向はおおよそ40〜50%程度となる。無理に配当を出している水準ではなく、業績連動型の標準的な株主還元方針と読み取れる。減配リスクが高い状態ではないが、配当を主役にしている企業でもない位置付けになる。
また営業利益率約10%、ROE7〜9%程度の収益性からはキャッシュ創出力は中程度で、装置産業特有の業績循環の影響を受けるため配当は安定債券的というより業績連動色が強いタイプになる。景気後退や半導体投資減速局面では増配余地が小さくなる可能性がある。
以上から、配当は維持型で安全性は中程度、ただし利回りは低めでインカム狙いの主目的銘柄にはなりにくい。配当をもらいながら景気回復局面の株価変動も取りに行くタイプの位置付けで、純粋な配当投資よりは値上がりと合わせて考える銘柄と整理できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
アルバックの現在値は8,241円である。売上は約2,500億円前後で横ばい圏に入り、営業利益は260億〜290億円程度で循環している。営業利益率は8.7%→11.4%→10.5%と10%前後のレンジに収まり、ROEも7〜9%台で推移しており、高収益企業というより設備投資サイクルに連動する標準的な装置メーカーの収益性に位置している。
成長株というより景気敏感株で、現在は減速から回復へ向かう中間局面にある。一方でPER13倍〜27倍、PBR1.8倍前後は割安圏でも過熱圏でもなく、株価は半導体市況の回復をある程度織り込んだ中立評価の価格帯にある。したがって今後は利益水準そのものより「半導体設備投資の方向性」が株価を左右しやすい状態にある。
良い場合は、パワー半導体・先端パッケージ・有機EL向け装置の投資拡大が続くシナリオである。受注増加により売上が再び成長トレンドへ入り、営業利益率は12%前後まで改善、ROEも10%台に近づく。装置株として成長回帰の評価が強まりPER22〜25倍程度が許容される可能性がある。この場合、利益拡大と評価上昇が同時に進み、5年後の株価は13,000円〜17,000円程度まで上昇する展開が想定される。上昇は直線的ではなく、市況回復期待と受注ニュースに反応して段階的に切り上がる推移になりやすい。
中間の場合は、半導体投資が回復と調整を繰り返すシナリオである。売上は2,400億〜2,600億円程度で横ばい、営業利益率は9〜11%前後に収まり、ROEも8%前後で安定する。市場評価はPER17〜20倍程度の中立圏に収れんし、5年後の株価は8,000円〜11,000円程度のレンジで推移しやすい。大きなトレンドは出にくく、半導体市況ニュースに応じて上下するボックス型の値動きになりやすい。
悪い場合は、半導体設備投資の停滞が長期化するシナリオである。受注減少により営業利益率が7%前後まで低下し、ROEも6%台へ低下する。景気敏感株としての評価が強まりPER12〜14倍程度まで縮小する可能性がある。その場合5年後の株価は4,500円〜7,000円程度まで下落する展開が考えられる。業績悪化というより評価縮小による下落の比重が大きくなりやすい。
総合すると、アルバックは現在値8,241円において割安株でも高成長株でもなく半導体市況の中間局面を織り込んだ銘柄であり、株価は利益額よりも設備投資サイクルの方向性に反応しやすい。市況拡大期には上昇、停滞期には横ばいまたは調整になりやすく、評価倍率の変動が値動きの大部分を占めるタイプの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月6日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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