株価
日本トリムとは

日本トリム株式会社は大阪市北区に本社を置く整水器メーカーで、電解水素水を生成する家庭用アルカリイオン整水器を主力とする水関連ヘルスケア企業である。1982年創業、2000年にJASDAQ上場、2003年東証二部、2004年東証一部へ上場し、整水器分野では国内首位級のシェアを持つ。販売の中心は訪問・職域販売で、企業単位で導入する健康経営需要を取り込みながら普及を進めてきた点が特徴である。
中核となるウォーターヘルスケア事業では、水道水を電気分解して水素を含む電解水素水を生成する整水器と専用カートリッジを販売する。機器販売によるフロー収益に加え、定期的なカートリッジ交換やメンテナンス収入が発生するストック型ビジネスを構築しており、家庭向けと法人向けの両方で継続収益を積み上げるモデルとなっている。大学や研究機関との共同研究を多数実施し、飲用水としての健康機能の検証を進めながらブランド形成を行っている。
医療関連事業では電解水透析システムを展開し、透析用水に水素水を用いることで慢性炎症や酸化ストレスを抑制する研究成果が発表され、臨床現場への導入が進められている。単なる整水器メーカーから医療機器分野へ領域を広げることで、医療費削減やQOL改善への貢献を掲げメディカルカンパニー化を志向している。透析分野は導入後の継続使用が前提となるため、装置販売に加え保守・消耗品収入が積み上がる構造となる。
再生医療分野では上場子会社ステムセル研究所を中核に臍帯血バンク事業を展開している。出産時に採取した臍帯血を保管し、将来の再生医療や細胞治療に備えるサービスで、医療周辺分野としての成長領域と位置付けられている。水関連機器メーカーから医療・再生医療へ事業軸を広げる長期戦略の一環となっている。
農業分野では電解水を利用した作物栽培の研究や還元野菜プロジェクトを推進し、収量増加や品質向上を狙った整水器の応用を進めている。自治体や大学、農協と連携した実証事業も行われており、水処理技術の用途拡大を図っている。工業用途への応用も模索され、水の電気分解技術を核に複数分野へ展開する方針を取る。
製造は高知県の子会社トリムエレクトリックマシナリーが担い、中国・台湾・インドネシアなど海外にも関連会社を持つ。家庭用機器の販売によるフロー収益、カートリッジなどのストック収益、医療機器と再生医療の成長分野を組み合わせた事業構成を持ち、水と健康を軸に事業領域を拡張している企業である。
日本トリム 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 14,911 | 2,187 | 2,357 | 1,523 | 195.5 | 60 |
| 連22.3 | 16,276 | 1,998 | 2,091 | 1,940 | 250.6 | 60 |
| 連23.3 | 17,951 | 2,378 | 2,515 | 1,646 | 214.8 | 120 |
| 連24.3 | 20,414 | 3,080 | 3,227 | 2,150 | 280.5 | 85 |
| 連25.3 | 22,463 | 3,285 | 3,535 | 2,241 | 292.4 | 130 |
| 連26.3予 | 25,000 | 3,540 | 3,700 | 2,300 | 308.2 | 130〜135 |
| 連27.3予 | 27,500 | 4,000 | 4,150 | 2,450 | 328.3 | 130〜140 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 1,937 | -551 | -500 |
| 2024 | 2,973 | -882 | -998 |
| 2025 | 2,675 | -1,887 | 552 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 13.2% | 7.8% | 5.6% | – | – |
| 2024 | 15.0% | 9.6% | 6.8% | – | – |
| 2025 | 14.6% | 9.3% | 6.3% | 9.9~14.4倍 | 1.63倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は204億円から224億円、250億円予想と増収が続いており、事業規模は着実に拡大している。営業利益は30億円から32億円、35億円予想、純利益は21億円から22億円、23億円予想と増益基調で推移しており、大きな跳ねはないが継続的に利益を積み上げるタイプの企業である。
営業利益率は13.2%から15.0%、14.6%と高水準を維持しており、収益力自体は中小型株の中では比較的良好な部類に入る。一方でROEは7.8%から9.6%、9.3%、ROAは5.6%から6.8%、6.3%にとどまり、資本効率は改善しているものの高収益企業と呼べる水準までは達していない。収益性は高めだが資産回転型の企業ではなく、設備・販売基盤を使いながら安定利益を確保する構造の企業といえる。
評価面ではPERは9.9倍から14.4倍のレンジ、PBR1.6倍であり、割安株のような低評価ではないが成長株としてのプレミアムも付いていない中間帯の評価に位置する。市場は成長性ではなく安定収益力を基準に評価しており、期待先行の価格形成にはなっていない。
したがって株価はテーマや材料で急騰するタイプではなく、利益の増減と評価レンジの往復に合わせて動く傾向が強い。業績が拡大すれば緩やかに水準を切り上げ、停滞すれば横ばいになりやすく、評価倍率主導の大きな上昇は起こりにくい性格を持つ銘柄と整理できる。
総合すると、増収増益で収益率は高めだが資本効率は中位水準にとどまり、評価倍率も中庸であるため、株価は長期的に安定成長に連動して徐々に動くタイプになりやすい。急騰期待よりも業績推移をなぞる値動きが基本となる企業と判断できる。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りは連26.3が2.57%、連27.3も2.57%で変化がなく、配当政策は増配志向というより安定維持を重視している状態にある。極端に高配当ではないが、無配や低配当でもない中間帯で、企業側が利益の一部を継続的に株主へ還元する設計になっている。
売上と利益は緩やかな増加基調にあり、営業利益率も14%前後を維持しているため、配当の原資となる収益力は一定水準で安定している。ROEは9%前後と突出して高収益企業の領域ではなく、内部投資と株主還元のバランスを取る資本配分型であることが読み取れる。このため大幅増配は起こりにくいが、急減配の可能性も相対的に小さい。
評価面ではPER9.9倍から14.4倍、PBR1.6倍前後と極端な割安株でも高成長株でもない中間評価帯に位置しており、配当利回りだけを目的に資金が集中するタイプではない。株価は配当よりも業績の変化に反応しやすく、利益拡大局面では評価がじわりと修正され、逆に業績停滞時は配当が下値の緩衝材として機能する構造になりやすい。
総合すると、この銘柄は高配当銘柄のように配当を主役にして保有する性格ではなく、業績成長に伴う株価推移を前提にしつつ、その間のリターンを配当で補う「準インカム型」の位置づけになる。長期保有では配当が心理的な下支えとして働くが、投資判断の中心はあくまで収益成長の持続性になるタイプの銘柄と整理できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在値5,040円を基準に日本トリムの今後5年間の株価を考える。売上は204億円から224億円、250億円予想へと増加しており、営業利益も30億円から32億円、35億円予想へと緩やかな拡大が続いている。営業利益率は13%台から14%台を維持しており、急成長企業ではないが安定した収益構造を持つヘルスケア関連企業の性格が強い。ROEは9%前後で中程度の資本効率に留まり、PERは9.9倍から14.4倍のレンジで評価される傾向があるため、株価は成長株のような高い評価を受けにくく、業績に連動した穏やかな値動きになりやすい前提となる。
良い場合は、電解水透析や再生医療関連の拡大により利益成長が続き、営業利益率が15%前後へ上昇、ROEも10%台へ改善するシナリオである。評価がPER14倍から18倍程度まで見直されると、利益成長と評価修正が同時に進み、5年後の株価は6,500円から8,200円程度まで上昇する可能性がある。値動きは急騰型ではなく、業績発表ごとに段階的に切り上がる右肩上がりの推移になりやすい。
中間の場合は、整水器事業が安定成長を続ける一方で新規事業の寄与が限定的となり、営業利益率14%前後、ROE9%前後で横ばいとなるシナリオである。評価はPER11倍から14倍に収まり、5年後の株価は4,700円から6,000円程度のレンジで推移しやすい。配当が下支えとなり大きく崩れにくいが、上昇も緩やかなボックス圏の値動きになりやすい。
悪い場合は、整水器需要の伸び鈍化や医療分野の成長遅延により利益率が12%前後へ低下しROEも8%台へ下がるシナリオである。評価がPER9倍から11倍へ縮小すると、5年後の株価は3,500円から4,800円程度まで下落する可能性がある。急落というより評価低下による緩やかな下げが続くタイプの動きになりやすい。
総合すると現在値5,040円は高成長期待を強く織り込んだ価格ではなく、安定成長企業としての評価帯にある。株価は材料で大きく跳ねる性格ではなく、利益水準の変化に応じてゆっくり修正される傾向が強く、長期では緩やかな上昇か横ばいを挟みながら水準を変えていくタイプの値動きになりやすい。
この記事の最終更新日:2026年2月8日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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