株価
ヨコオとは

ヨコオ株式会社は、金属細管加工技術と高周波設計技術を基盤に車載通信用アンテナ、半導体検査部品、医療用デバイスなどを開発製造する電子部品メーカーである。1922年に東京都墨田区で創業し、現在は東京都北区に本社を置く。完成品ブランドを持つメーカーではなく、自動車や電子機器、医療機器の内部に組み込まれる部品を供給するBtoB型企業で、無線通信技術を核に複数分野へ事業を展開している。
主力は車載通信アンテナ事業で、自動車に搭載されるGPS、AM/FM、地上デジタル放送、衛星通信、V2X通信など複数の通信方式に対応したアンテナを自動車メーカーへ供給している。小型複合化されたシャークフィンアンテナやコネクテッドカー向けの通信モジュールなどが中心で、ADASや自動運転で必要となる車車間通信・路車間通信に対応する製品群を持つ。自動車1台あたりの通信機能増加に伴い搭載部品が増える分野であり、採用されるとモデル期間中は継続供給となる長期供給型ビジネスの性格を持つ。ITS関連の社会インフラ向けにはアンテナやRFユニットに加えて信号処理やソフトウェアまで含めたシステム提供も行っている。
半導体関連では検査工程に使用されるプローブカード、接続端子のピン、ファインコネクタ、検査治具などを製造している。半導体の高集積化や高速化に伴い信号品質が要求される分野で、前工程から後工程までの検査に対応する部品を供給している。半導体設備投資の動向に影響を受けやすいが、高精度加工技術が必要な分野であるため参入障壁が比較的高い領域となる。また携帯端末向けの小型コネクタなど電子機器用接続部品も展開している。
医療分野では微細精密加工技術を応用しカテーテルなどの医療用デバイス部品を供給している。さらにLTCC技術を用いたRFモジュール基板やインターポーザ基板、LEDパッケージなどの先端デバイスにも展開しており、通信・半導体・医療といった異なる分野へ技術を横展開している点が特徴となる。
国内では本社のほか研究開発拠点や工場を持ち、海外にも生産拠点を配置して自動車メーカーや電子機器メーカーのグローバル生産に対応している。車載向けの長期採用型ビジネスと半導体市況に左右される変動型ビジネスを併せ持つため、事業ごとに異なる景気特性を持つ構造となっている。
つまりヨコオは、車載アンテナを中核に半導体検査部品や医療用デバイスへ技術を展開する電子部品メーカーであり、自動車の通信化、半導体設備投資、医療機器需要といった複数の産業動向に関係するグローバル部品サプライヤーという位置付けになる。
ヨコオ 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 59,976 | 5,179 | 5,320 | 3,818 | 184.6 | 36 |
| 連22.3 | 66,848 | 4,684 | 6,529 | 4,663 | 202.3 | 40 |
| 連23.3 | 77,962 | 4,739 | 5,675 | 3,147 | 135.0 | 50 |
| 連24.3 | 76,895 | 1,617 | 3,710 | 1,511 | 64.9 | 44 |
| 連25.3 | 82,884 | 4,226 | 3,926 | 2,227 | 95.6 | 48 |
| 連26.3予 | 87,500 | 4,000 | 3,650 | 3,000 | 128.7 | 50 |
| 連27.3予 | 90,000 | 4,200 | 4,200 | 3,000 | 128.7 | 50〜52 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度(単位:百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023 | 7,312 | -5,857 | 1,531 |
| 2024 | 4,823 | -5,125 | -260 |
| 2025 | 7,239 | -4,085 | -4,615 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 6.0% | 6.6% | 4.4% | – | – |
| 2024 | 2.1% | 3.0% | 1.9% | – | – |
| 2025 | 5.0% | 4.2% | 2.9% | 15.6〜24.9 | 1.05 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は2024年768億円から2025年828億円から2026年予想875億円と緩やかな増収が続いている。規模としては拡大傾向にあり、大きな変動はないが着実な積み上げ型の推移となっている。営業利益は16億円から42億円から40億円で回復後にやや横ばい、経常利益は37億円から39億円から36億円と安定圏、純利益は15億円から22億円から30億円と増加しているため、利益は大きな成長ではないが安定的に積み上がっている状態にある。
営業利益率は6.0%から2.1%から5.0%で一時的に低下後回復、ROEは6.6%から3.0%から4.2%、ROAは4.4%から1.9%から2.9%と収益性は中位水準で推移している。高収益企業ではないが安定収益企業に近い数値で、収益構造は景気循環より緩やかな変動型と読み取れる。評価指標はPER15.6倍から24.9倍、PBR1.0倍前後で資産価値付近に位置している。過度な成長評価は付いていないが、安定収益に対する標準的な評価帯にある。
数値のみから整理すると、急成長企業ではなく安定成長寄りの中収益企業であり、株価は利益の拡大より評価倍率の変動の影響を受けやすい水準にある。したがって現在の株価は割安でも割高でもない中立圏で、業績の安定継続に応じて緩やかに評価が変化する局面にあると判断できる。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りは2026年2.06%、2027年2.06%で水準としては平均的なレンジに位置する。配当は44円から48円から50円と緩やかな増配傾向にあるが、急増ではなく利益の伸びに合わせた段階的な引き上げとなっている。
利益面では純利益が15億円から22億円から30億円と増加している一方、営業利益は16億円から42億円から40億円で横ばい圏、営業利益率も6.0%から2.1%から5.0%、ROE4%台と高収益企業の水準ではないため、配当余力は大きいとは言いにくい。PBRも約1倍であり、高配当株として評価されている状態ではない。
キャッシュフロー面では営業CFが安定してプラスで投資CFも継続しているため、配当の継続性自体は比較的高いと考えられるが、利益水準が急拡大する構造ではないため配当の伸びも緩やかになりやすい。利回りは株価下落時にやや意識される程度で、配当が株価を押し上げるタイプではない。
したがって利回り2%台はインカム投資の主軸になる水準ではなく、安定収益に連動した標準的な配当の位置付けになる。減配リスクは比較的低いが、大きな増配を期待するタイプでもなく、配当目的単独というより業績の安定推移に伴う付随的なインカムに近い性格と整理できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は2,416円で、ヨコオは売上768億円から828億円、875億円予想へと緩やかな増収が続いている。一方で営業利益は16億円から42億円へ回復した後、40億円予想と横ばい見込みとなっており、直線的な成長ではなく需要分野ごとの影響を受けながら推移している。営業利益率は6.0%から2.1%へ低下後5.0%へ戻り、ROEも6%台から4%台へ推移しており、高収益企業の水準には届かず中位水準に留まる。
車載アンテナの長期採用型事業と半導体関連の市況連動型事業を併せ持つため、安定性と変動性が混在する収益構造にある。一方でPERは15.6倍から24.9倍、PBR1倍前後と評価は中立圏に位置しており、成長株としてのプレミアムは付いていない。資産価値付近で取引される傾向があり、株価は材料で急騰するより業績の積み上がりに応じてゆっくり評価が修正される性格が強い。
良い場合は、車載通信需要や半導体関連需要が安定し営業利益率が6〜7%台で定着、ROEが6〜8%台まで改善するシナリオである。PBRが1.2倍前後まで見直されると評価修正が中心の上昇となり、5年後の株価は3,200円から3,900円程度まで上昇する可能性がある。急騰ではなく業績改善に合わせて段階的に切り上がる推移になりやすく、長期では緩やかな上昇トレンドに近い値動きになる。
中間の場合は、利益が分野ごとの需要に応じて増減しながら横ばい圏で推移するシナリオである。営業利益率は4〜5%、ROE4〜5%前後で安定し、評価はPBR0.9倍から1.1倍の範囲に収まる。この場合5年後の株価は2,400円から2,900円程度のレンジで推移しやすく、配当利回りが意識されるボックス相場になりやすい。
悪い場合は、半導体市況の低迷や車載需要の減速で営業利益率が3%台まで低下しROEも3%前後へ低下するシナリオである。評価がPBR0.7倍から0.9倍へ縮小すると、5年後の株価は1,700円から2,300円程度まで下落する可能性がある。赤字転落の可能性は高くないが、評価縮小による緩やかな下落になりやすい。
総合すると現在値2,416円は成長期待を織り込んだ価格ではなく資産評価帯に近い。上昇余地は収益性改善による評価修正に依存し、大幅上昇よりレンジ推移になりやすい一方、事業の分散性により下値も限定されやすい。株価は短期材料より業績の積み上がりに反応しやすく、長期では上下を繰り返しながら水準を変えるタイプの値動きの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月8日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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