株価
古野電気とは

古野電気株式会社は兵庫県西宮市に本社を置く船舶用電子機器メーカーで、魚群探知機やレーダーを中心としたマリンエレクトロニクス分野の専業企業である。1938年に長崎で電気修理業として創業し、1948年に世界で初めて魚群探知機の実用化に成功したことで事業の基礎を築いた。現在は漁業向け電子機器で世界シェア約49%、商船向け船舶用レーダーで約43%のシェアを持つ世界大手の舶用電子機器メーカーとなっている。
主力は船舶の安全航行と操業効率を支える航海計器であり、魚群探知機、ソナー、レーダー、電子海図表示装置、オートパイロット、船速計、無線通信装置などを展開する。漁船では魚群の位置や海底地形を把握する探知機器、商船では航海レーダーや統合航海システムが中心となり、国際海事規制に対応した安全装備として採用される。これらは一度搭載されると長期間使用されるが、規制変更や安全基準更新に伴う交換需要が継続するため、更新・保守需要の比率が高い事業構造となっている。
技術の核は超音波探知、電波レーダー、無線通信、位置測位であり、GPSやGNSSモジュールなどの測位機器も展開している。船舶用途で培ったセンシング技術は陸上分野へも応用され、ETC車載器、気象観測装置、地盤変位観測システム、沿岸監視システムなどの社会インフラ関連機器に広がっている。また医療分野では生化学自動分析装置や超音波骨密度測定装置などの医療機器も扱っており、測定・解析技術の横展開が行われている。
売上は海外比率が高く、世界の造船市場、海運市況、漁業環境の影響を受けやすい一方、新造船だけでなく既存船の更新やメンテナンス収入が継続するため、完全な景気敏感型よりは中間的な循環構造を持つ。船舶安全規制の強化や航海支援装置の高度化に伴い装備点数が増える傾向があり、電子機器の搭載密度の上昇が需要の背景となる。
企業の性格としては総合電機ではなく海洋電子機器に特化した専業メーカーであり、無線・測位・センシング技術を核として船舶から社会インフラ・医療分野へ事業を展開する技術志向型企業である。海洋分野を基盤としたニッチ領域の世界シェア企業という位置付けになる。
古野電気 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.2 | 82,255 | 3,740 | 4,779 | 3,946 | 125.2 | 40 |
| 連22.2 | 84,783 | 2,532 | 3,717 | 2,814 | 89.2 | 40 |
| 連23.2 | 91,325 | 1,523 | 2,593 | 1,348 | 42.7 | 25 |
| 連24.2 | 114,850 | 6,519 | 8,169 | 6,238 | 197.6 | 60 |
| 連25.2 | 126,953 | 13,181 | 14,158 | 11,457 | 362.6 | 110 |
| 連26.2予 | 140,000 | 16,300 | 17,800 | 15,700 | 496.7 | 150 |
| 連27.2予 | 145,000 | 17,000 | 18,500 | 14,800 | 468.2 | 150 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | -6,492 | -3,027 | 8,263 |
| 2024 | 2,713 | -3,589 | -3,557 |
| 2025 | 10,820 | -4,588 | -2,696 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率(%) | ROE(%) | ROA(%) | 実績PER(倍) | 実績PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 1.6 | 2.5 | 1.2 | – | – |
| 2024 | 5.6 | 10.2 | 5.4 | – | – |
| 2025 | 10.3 | 15.8 | 9.2 | 15.9(高値平均) / 9.8(安値平均) | 2.67 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上高は1148億円から1269億円、1400億円予、1450億円予へと拡大しており、単なる景気回復ではなく事業規模そのものが切り上がっている推移になっている。売上の増加に対して利益の伸びが大きく、数量増加だけでなく採算構造の変化が起きている形になっている。
営業利益は65億円から131億円、163億円予、170億円予とほぼ倍増に近いペースで増加している。経常利益も81億円から141億円、178億円予、185億円予と同様の傾向で、営業段階だけでなく企業全体の収益力が改善している状態にある。純利益は62億円から114億円、157億円予、148億円予で一部減少予想はあるものの、水準自体は過去より高い位置に定着している。
営業利益率は1.6%から5.6%、10.3%へ上昇しており、低収益状態から標準的な製造業の収益水準を上回る段階まで改善している。ROEは2.5%から10.2%、15.8%、ROAは1.2%から5.4%、9.2%へ上昇しており、資本効率の改善幅が大きい。売上拡大だけでなく利益率と資産回転の両面で改善が起きており、収益体質が変化している数値になっている。
評価面ではPERは9.8倍から15.9倍の範囲、PBR2.6倍台と純資産を大きく上回る評価が付いている。これは資産価値ではなく収益力を基準に価格が形成されている状態を示しており、従来の安定株ではなく収益成長前提の評価帯に移行していることを意味する。利益率が維持される限り評価は保たれやすいが、利益率の低下は評価縮小に直結しやすい位置にある。
売上、利益、効率性が同時に改善しているため、数値上は回復局面ではなく収益構造の段階上昇に近い状態にある。一方でPBRが既に高水準であるため、株価は割安修正ではなく成長継続を前提として動く領域に入っている。したがって株価の変動要因は売上の増減より利益率の維持と資本効率の推移に強く依存する状態と整理できる。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りは26.2期2.16%、27.2期2.16%であり、水準としては市場平均付近にとどまり高配当株の領域には入らない。配当を主目的に保有するタイプではなく、あくまで業績に連動して受け取る水準の配当となる。
一株配当は25円から60円、110円、150円予へと大きく引き上げられており、配当額そのものは増配基調にある。純利益も62億円から114億円、157億円予、148億円予と拡大しているため、配当の増加は還元方針の変化というより利益水準の上昇に伴う結果として発生している形になる。株価も同時に上昇しているため利回りは上がらず、利回り目的の銘柄にはなっていない。
営業利益率は1.6%から5.6%から10.3%へ改善、ROEは2.5%から10.2%から15.8%へ上昇しており、収益性の上昇に合わせて配当額が増えている。PBRは2.6倍台と高く、株価は配当水準ではなく収益力を基準に評価されている状態にある。このため株価の変動は配当利回りの上下より利益率や成長性の変化に影響されやすい。
配当の安定性という観点では、利益が増えている局面では増配が続きやすいが、逆に利益が低下すると配当の伸びも止まりやすい構造となる。高配当株のように配当を維持すること自体が目的の銘柄ではなく、業績の結果として配当が変動するタイプに近い。
まとめると、配当額は拡大しているが利回りは低めで、配当収入を狙う銘柄というより成長に伴って配当が増える銘柄の位置付けになる。株価は配当利回りで下支えされる性格ではなく、利益率と資本効率の変化に応じて評価が動くタイプと整理できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は6,940円で、古野電気は売上1148億円から1269億円、1400億円予、1450億円予へと増収が続いており、事業規模が段階的に拡大している。営業利益は65億円から131億円、163億円予、170億円予と大きく増加し、単なる回復ではなく収益水準そのものが切り上がっている。営業利益率も1.6%から5.6%、10.3%へ上昇しており、低採算状態から通常の製造業を上回る水準まで改善している。ROEも2%台から10%台、15%台へ上昇し資本効率も大きく改善しているため、収益体質が変化した局面にある。
一方でPERは9.8倍から15.9倍、PBR2.6倍台と評価はすでに高く、資産株ではなく収益成長株として扱われている。株価は回復期待ではなく収益性の維持を前提に形成されており、利益率の変化が評価に直結しやすい状態にある。上昇余地はあるが評価修正よりも利益の持続性に依存する性格が強い。
良い場合は、船舶装備更新需要や規制対応需要が継続し利益率が10%台で安定、ROEが16%前後を維持するシナリオである。評価がPBR2.7倍から3.2倍程度で維持されると、5年後の株価は10000円から12000円程度まで上昇する可能性がある。業績拡大に沿った段階的上昇になりやすく、長期では緩やかな上昇トレンドに近い値動きになる。
中間の場合は、売上は増加するが利益率が8%前後へ落ち着き、ROEが12%前後で安定するシナリオである。評価はPBR2.0倍から2.6倍の範囲に収まり、この場合5年後の株価は6000円から8500円程度のレンジで推移しやすく、増益と評価調整を繰り返すボックス相場になりやすい。
悪い場合は、需要調整で利益率が7%前後まで低下しROEも10%前後へ低下するシナリオである。評価がPBR1.4倍から1.8倍へ縮小すると、5年後の株価は4000円から6000円程度まで下落する可能性がある。赤字化の可能性は低いが評価縮小による緩やかな下落になりやすい。
総合すると現在値6,940円は回復株の水準を超え、成長前提の評価帯に入っている。上昇余地は利益率維持に依存し、大幅上昇より利益変動に応じたレンジ変化になりやすい一方、収益水準が保たれれば下値も限定されやすい。株価は短期材料より収益性の持続性に反応しやすく、長期では利益水準に合わせて段階的に水準を変えるタイプの値動きの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月9日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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