株価
マクセルとは

マクセル株式会社は東京都港区に本社を置く電機メーカーで、電池・機能性材料・光学部品・理美容家電などを展開する部材系企業である。1960年に日立グループの電池・磁気テープ事業の受け皿として設立され、旧社名は日立マクセル。2014年の再上場を経て2017年に日立製作所の持分売却により独立企業となった。社名は乾電池ブランド「Maximum Capacity Dry Cell」に由来する。
かつてはカセットテープやCD・DVDなど記録メディアのメーカーとして知られていたが、デジタル化の進展により事業構造を転換し、現在は電子機器内部で使われる材料・部品の比率が高いBtoB型メーカーへ移行している。最終製品も扱うが利益の中心は部材分野にある。
事業は電池、産業用部材、光学部品、生活関連製品の4分野で構成される。電池分野ではコイン電池や小型電池を主力とし、自動車のスマートキー、各種メーター、バックアップ電源など長寿命用途に使われる組み込み電源が中心となる。アルカリ乾電池や酸化銀電池を日本で早期に製品化した歴史を持つ。民生用乾電池のブランド認知は高いが収益は産業用途の比率が高い。2023年には全固体電池の量産を開始し、次世代電池分野への展開を進めている。
産業用部材では粘着材料、磁性材料、機能性フィルムなどを展開し、半導体、電子機器、車載機器内部の固定・絶縁・保護用途として使われる。微粒子材料技術を基盤とした材料メーカーの性格が強く、最終製品の性能を支える部品として採用されるケースが多い。自動車の電装化や電子機器の小型化の影響を受ける領域である。
光学部品ではレンズユニットや光学材料を扱い、車載カメラ、監視カメラ、プロジェクターなどの組み込み用途が主体となる。電子機器の高機能化やセンサー搭載の増加に連動しやすい分野となる。
生活関連分野ではヘアドライヤーやシェーバーなどの理美容家電、健康機器、アクセサリー製品を扱うほか、記録メディアはブランド販売中心でOEM比率が高い。過去に主力だった磁気テープや光ディスクの自社生産からは撤退している。
全体として、記録メディア中心の民生メーカーから電子部品・材料メーカーへ構造転換した企業であり、半導体、自動車電子化、産業機器の動向の影響を受ける。最終製品メーカーというより電子機器内部の機能を支える部材メーカーとしての性格が強い企業である。
マクセル 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 139,055 | 3,806 | 3,846 | -9,373 | -189.5 | 0 |
| 連22.3 | 138,215 | 9,332 | 9,888 | -3,659 | -74.0 | 40 |
| 連23.3 | 132,776 | 5,638 | 6,727 | 5,193 | 109.3 | 40 |
| 連24.3 | 129,139 | 8,083 | 9,786 | 7,544 | 164.6 | 50 |
| 連25.3 | 129,806 | 9,318 | 9,770 | 4,090 | 93.1 | 50 |
| 連26.3予 | 136,500 | 10,000 | 10,000 | 7,000 | 189.9 | 50〜60 |
| 連27.3予 | 150,000 | 11,700 | 11,700 | 8,200 | 222.5 | 50〜70 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 4,001 | 1,713 | -13,985 |
| 2024 | 14,240 | -4,848 | -9,490 |
| 2025 | 9,836 | -8,025 | -7,749 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率(%) | ROE(%) | ROA(%) | 実績PER(倍) | 実績PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 4.2 | 6.2 | 3.0 | – | – |
| 2024 | 6.2 | 8.0 | 4.4 | – | – |
| 2025 | 7.1 | 4.4 | 2.4 | 16.1(高値平均) / 11.2(安値平均) | 0.96 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上高は1291億円から1298億円から1365億円予と横ばい圏から緩やかな増加に転じており、大きな成長というより事業規模を維持しながら拡大していく動きになっている。需要環境に応じて変動するが、急拡大するタイプではない安定型の推移に近い。
営業利益は80億円から93億円から100億円予と増加している一方、純利益は75億円から40億円から70億円予と振れ幅が大きく、経常利益は97億円から97億円から100億円予と横ばい圏にある。営業段階では改善しているが最終利益は変動しており、特別要因や評価損益の影響を受けやすい収益構造が読み取れる。利益の質は年ごとにばらつきがあり、直線的な増益企業というより循環的に上下するタイプに近い。
営業利益率は4.2%から6.2%から7.1%へ上昇しており、採算性の改善は続いている。ただしROEは6.2%から8.0%から4.4%、ROAは3.0%から4.4%から2.4%と低下しており、資本効率は安定していない。利益率は改善しているが資本に対する稼ぐ力は弱く、収益性と効率性が一致していない状態にある。
評価面ではPERは11.2倍から16.1倍のレンジ、PBR0.9倍台と純資産付近の評価に位置している。利益率が改善しても評価倍率が大きく拡大していないことから、市場は成長企業ではなく安定企業として扱っていると読み取れる。資本効率の水準に対して妥当な評価帯であり、過度な期待も悲観も織り込まれていない状態にある。
営業利益は増加傾向だが売上の伸びは限定的で、収益改善はコスト構造や製品構成の変化による比率改善の影響が大きいと考えられる。そのため業績は拡大局面というより改善局面の性格が強い。資本効率の変動が大きい点からも、利益水準の持続性はまだ固定化されていない段階にある。
総合すると、売上は安定推移、営業利益は改善傾向、最終利益と資本効率は変動が大きいという組み合わせになっている。現在の株価水準は成長期待による評価ではなく資産価値を基準とした評価帯にあり、株価は評価倍率の変化よりも利益水準の増減に応じてゆっくり修正される特性を持つと整理できる。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りは26.3期2.23%、27.3期2.23%であり、市場平均付近の水準に位置する。高配当株の水準ではなく、利回りを主目的に選好される価格帯ではない。純利益は75億円から40億円から70億円予と変動しており、配当の原資は年による振れがある構造になっている。営業利益は80億円から93億円から100億円予と増加傾向だが、最終利益の安定性はまだ高くないため、配当は利益に連動しやすい性格がある。
営業利益率は4.2%から6.2%から7.1%へ改善している一方、ROEは6.2%から8.0%から4.4%、ROAは3.0%から4.4%から2.4%と低下しており、資本効率は安定していない。高収益体質に基づく配当というより、業績水準に応じて維持される配当に近い構造と読み取れる。
営業CFは40億円から142億円から98億円と黒字で推移しており、現金創出力は確保されている。一方で投資CFは-48億円から-80億円と支出が続き、事業投資を継続している状態にある。財務CFも-139億円から-94億円から-77億円と資金流出となっており、余剰資金を蓄積するより配当や財務調整に回している動きが見える。
PBRは0.9倍台で純資産に近い評価にあるため、株価は配当利回りの影響を受けにくく、配当で買われる銘柄というより評価水準と利益変動で動く性格が強い。
整理すると、配当は維持されやすいが利回り目的で選好されるタイプではなく、安定収益型の高配当株とも成長配当株とも異なる位置にある。受取額は一定だが、投資判断の中心が配当になる銘柄ではないと整理できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は2,235円で、マクセルは売上1291億円から1298億円、1365億円予想へと横ばい圏から緩やかな増加に転じている。一方で営業利益は80億円から93億円、100億円予想と改善しているが、純利益は75億円から40億円へ減少した後、70億円予想と回復見込みとなっており、安定的な増益というより要因によって振れやすい推移になっている。
営業利益率は4.2%から6.2%、7.1%へ上昇しているが、ROEは6%台から8%台の後に4%台へ低下、ROAも低下しており、高収益企業の水準には届かず資本効率は安定していない。成長企業というより需要分野や評価損益の影響を受けやすい変動型の収益構造にある。
一方でPERは11.2倍から16.1倍、PBR0.9倍台と評価は低めに抑えられており、成長株としての評価は付いていない。純資産付近の価格帯で取引されているため、株価は材料で急騰するタイプではなく利益水準の変化に応じてゆっくり評価が修正されやすい性格が強い。
良い場合は、車載用途や産業部材の需要拡大により営業利益率が8%前後で安定し、純利益が80億円台まで拡大、ROEが7%前後まで回復するシナリオである。PBRが1.1倍から1.3倍程度まで見直されると評価修正が中心の上昇となり、5年後の株価は3000円から3800円程度まで上昇する可能性がある。急騰ではなく業績改善に沿って段階的に切り上がる推移になりやすく、長期では緩やかな上昇トレンドに近い値動きとなる。
中間の場合は、利益が景気や需要に応じて増減しながら横ばい圏で推移するシナリオである。営業利益率は6%から7%、ROE5%前後で安定し、評価はPBR0.8倍から1.0倍の範囲に収まる。この場合5年後の株価は2000円から2600円程度のレンジで推移しやすく、配当が意識されるボックス相場になりやすい。
悪い場合は、需要減速により利益率が5%台まで低下しROEも4%前後へ低下するシナリオである。評価がPBR0.6倍から0.8倍へ縮小すると、5年後の株価は1500円から2000円程度まで下落する可能性がある。赤字転落の可能性は高くないが、評価縮小による緩やかな下落になりやすい。
総合すると現在値2,235円は成長期待を織り込んだ価格ではなく資産評価帯に近い。上昇余地は利益率と資本効率の回復に依存し、大幅上昇よりレンジ推移になりやすい一方、純資産水準が下値の目安になりやすい。株価は短期材料より業績の変動に反応しやすく、長期では上下を繰り返しながら水準を変えていくタイプの値動きの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月9日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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