株価
HIOKIとは

HIOKIは長野県上田市に本社を置く電気計測器専業メーカーで、1935年にメーター製作から始まった企業である。戦時中に長野県坂城町へ移転し、その後1990年に現在の上田市本社工場へ集約された。電気を測るための測定器を自社ブランドで開発・生産・販売する研究開発型企業で、製造業の品質管理や安全管理に不可欠な計測分野を担っている。
事業の中心は電気計測器で、電子測定器と現場測定器の2領域を軸に展開している。電子測定器ではLCRメータ、インピーダンス測定器、電力計、耐圧試験器など主に研究開発や製品評価工程で使われる高精度機器を扱う。現場測定器ではクランプメータ、テスタ、絶縁抵抗計など設備保守や電気設備点検に使われる携帯型測定器を展開する。
さらに基板検査装置などの自動試験装置、波形記録を行うデータロガーやメモリハイコーダといった記録装置も持ち、開発段階から量産検査、保守点検まで幅広い工程に対応するラインアップを構成している。
特徴はニッチ分野ごとに上位シェアを狙う製品戦略にあり、汎用品の大量販売ではなく精度・信頼性・再現性を重視した高付加価値機器を中心としている。社員の3分の1以上が開発・技術職で、開発から生産、修理、校正までを同一拠点で一貫して行う体制を持つ。測定器は校正精度やトレーサビリティが重要なため、アフターサービスや校正能力そのものが競争力となる構造になっている。
用途は電子部品や半導体、電源機器、自動車、電池、エネルギー設備など多岐にわたる。特に近年は電動車や蓄電池の普及に伴い、バッテリーの内部抵抗測定や充放電評価など電池関連測定の需要が拡大している。また再生可能エネルギーや電力インフラの保守点検用途の需要もあり、生産設備向け検査装置と保守点検向け携帯測定器の両方を持つことで、設備投資とメンテナンス需要の双方に支えられる事業構造を持つ。
海外展開は1998年以降本格化し、アメリカ、中国、シンガポール、韓国、インド、台湾、ドイツ、UAE、インドネシア、タイなどに拠点を持つ。従来は国内売上比率が高かったが、アジアを中心に海外販売を拡大しておりグローバル展開を進めている。研究開発型の中堅計測機器メーカーとして、電気の見える化を通じて製造品質や安全性向上に貢献する位置付けの企業である。
HIOKI 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連22.12 | 34,371 | 7,070 | 7,287 | 5,330 | 390.5 | 160 |
| 連23.12 | 39,154 | 7,955 | 8,236 | 6,329 | 463.5 | 180 |
| 連24.12 | 39,270 | 7,525 | 7,990 | 6,187 | 454.8 | 200 |
| 連25.12予 | 40,500 | 7,200 | 7,250 | 5,550 | 409.9 | 200 |
| 連26.12予 | 43,500 | 8,300 | 8,400 | 6,450 | 476.4 | 200 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 8,438 | -3,353 | -2,320 |
| 2024 | 8,874 | -3,746 | -3,602 |
| 2025 | 7,521 | -4,726 | -2,706 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率(%) | ROE(%) | ROA(%) | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 20.3 | 17.0 | 13.9 | – | – |
| 2024 | 19.1 | 15.5 | 12.8 | – | – |
| 2025 | 16.7 | 12.4 | 10.5 | 13.6〜21.1 | 2.14 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は391億から392億、405億、435億と緩やかな増収推移で大きな成長ではなく安定拡大型の伸び方になっている。一方で営業利益は79億から75億、72億と減少後、83億へ回復予想で、利益は拡大一辺倒ではなく需要に応じて上下する構造になっている。経常利益も82億から79億、72億と一旦弱含み、84億へ戻る見込みで同様の傾向である。純利益は63億から61億、55億と減少し、その後64億へ回復予想となっており、収益水準は維持されているが伸び続ける局面ではない。
営業利益率は20.3%から19.1%、16.7%と低下しており、高収益体質ではあるがピークアウト後の調整局面にある。ROEは17.0%から15.5%、12.4%へ低下、ROAも13.9%から12.8%、10.5%へ低下しており、資本効率は依然高水準ながら徐々に平常化している状態である。つまり企業体質は強いが収益性は改善局面ではなく巡航速度へ向かっている段階といえる。
評価面ではPERは13.6倍から21.1倍のレンジ、PBRは2.1倍で、成長株というより高収益安定企業として評価されている水準になる。収益率に対して極端な割安でも割高でもなく、利益水準に応じて評価が動く価格帯に位置している。
総合すると、この銘柄は急成長企業ではなく高収益だが成熟度が上がりつつある企業の状態にある。利益率低下により評価拡大余地は小さく、株価は成長期待で上昇するよりも利益回復局面で評価が戻るタイプになりやすい。業績が伸び続ける限り大きな下落は起きにくいが、評価倍率が拡大して大幅上昇する性格でもなく、業績循環に沿って上下する値動きになりやすいと判断できる。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りは26年度で2.8%台という数字だけを見ると悪くはないが、この銘柄の性格を考えると「高配当株」とは言いにくい位置になる。配当は安定しており減配リスクは小さいタイプだが、利回りで買う銘柄というより利益水準に連動して受け取るインカムの性格が強い。
営業利益率は16〜20%台、ROEも12%台と企業体質は強く、利益が急減するタイプではないため配当の継続性は高い。一方で利益は拡大局面ではなく横ばい循環に入りつつあり、配当が大きく増えていく段階でもない。つまり配当は守られやすいが伸びにくい位置にある。
PERは13.6〜21.1倍、PBR2.1倍と資産株でも高配当株でもない評価帯にあり、市場はインカム株としては見ていない。配当利回り3%弱は下値の支えにはなるが、配当狙いの資金が集まって株価が上がるタイプではない。
結論としては、配当目的の主役銘柄にはなりにくいが、長期保有の補助的インカムとしては向く性格になる。配当を取りながら業績循環で株価も動く「準インカム株」であり、配当そのものを主目的に買う銘柄ではなく、安定性の副次的リターンとして捉える位置付けになる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在株価6,960円を基準に5年間の値動きを考える。この会社は営業利益率16〜20%台、ROE12%台と計測機器メーカーとしては高収益体質に属するが、直近は利益率・資本効率ともに低下方向にあり拡大期から安定期へ移行している段階にある。売上は391億から405億、435億と緩やかな増収だが、営業利益は79億から75億、72億と一旦低下しており、需要の波に応じて利益が動く装置系メーカーの典型的な循環構造を持つ。
PERは13〜21倍レンジ、PBR2倍前後で評価はすでに高収益企業として織り込まれており、成長株のような評価拡大余地は大きくない。株価はテーマで急騰するよりも、利益水準の変化に応じて段階的にレンジが変わるタイプになりやすい。
良い場合は、電池・電源・電動車関連の測定需要が拡大し、研究開発用途と量産検査用途の双方が増えるシナリオである。営業利益率が18〜20%台へ戻りROE14〜16%台へ改善すると、成長再加速として評価が見直されPER18〜24倍程度まで切り上がる可能性がある。この場合は利益増加と評価修正が同時に起こり、株価は数年かけて高値を更新する上昇トレンドに近づく。5年後の株価は9,000円〜12,000円程度まで上昇する可能性がある。上昇は急騰ではなく決算ごとに水準を変える階段型の動きになりやすい。
中間の場合は、設備投資循環の影響を受けながら横ばい圏の成長が続くシナリオである。営業利益率16〜18%、ROE12〜13%前後で安定し、評価倍率もPER14〜18倍に収まる。この場合株価は配当と利益成長分だけ緩やかに切り上がり、上下を繰り返しながらレンジを広げる。5年後の株価は6,500円〜8,500円程度で推移しやすく、長期保有のトータルリターン型の値動きになる。大きく上がらない代わりに大きく崩れにくい性格が続く。
悪い場合は、電池・電子部品・設備投資が弱含みとなり利益率が14〜15%台へ低下、ROEが10%台まで低下するシナリオである。評価がPER12〜14倍へ縮小すると株価は調整主体となる。5年後の株価は4,800円〜6,500円程度まで下落する可能性がある。ただし高収益体質は維持されるため赤字転落の可能性は低く、配当と収益力により長期的な下値は限定されやすい。
総合すると現在値6,960円は割安でも過熱でもない巡航評価帯に位置する。株価は短期材料より利益率と設備投資サイクルに反応しやすく、右肩上がりの成長株というより上下を繰り返しながら水準を変える業績連動型の銘柄になる。配当は下値の支えにはなるが上昇の主因にはなりにくく、株価の方向は利益率の回復か低下かによって決まりやすい。長期ではトレンドというより段階的なレンジシフトを繰り返すタイプの値動きと整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月11日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

コメントを残す