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日本マイクロニクスとは

日本マイクロニクス株式会社は東京都武蔵野市に本社を置く半導体検査関連機器メーカーで、半導体ウエハの電気特性を測定するプローブカードを主力製品とする企業である。プローブカード分野では世界3位、メモリー半導体向けでは世界1位のシェアを持ち、近年はロジック半導体向け分野の拡大を進めている。半導体の製造工程の中でも検査工程に特化した企業であり、半導体が完成する前のウエハ段階で品質確認を行う重要な役割を担う。
主力事業は半導体事業で、ウエハ検査時に使用されるプローブカードのほか、試験装置テスタ、パッケージ組立後の特性検査に用いられるテストソケット、研究開発や解析用途で使用されるウェーハプローバなどを提供している。プローブカードは半導体チップに直接接触して測定を行う消耗部材であり、微細化・高集積化が進むほど高精度化が求められるため技術力の影響が大きい製品である。
顧客の製造プロセスごとに個別設計が必要になることから参入障壁が比較的高く、半導体世代の更新に応じて製品も作り替えが必要になる特徴を持つ。ウェーハプローバは検査位置を高精度に合わせる装置、テスタは最終的な良否判定を行う装置で、ハードとソフトを組み合わせた検査ソリューションとして提供される。これらにより開発段階の評価から量産まで一貫して検査工程を支える構造となっている。
FPD事業では液晶や有機ELなどフラットパネルディスプレイの電気特性検査に用いられるプローブユニットを提供しており、ディスプレイの高精細化・多用途化に対応した検査工程を支えている。半導体とディスプレイの双方で検査工程に特化した製品群を持つ点が特徴となる。
拠点は国内では青森県と大分県に製造拠点を持ち、海外は米国、韓国、中国、台湾、シンガポール、ドイツに展開し、アジアの半導体生産地域への依存度が高い。1970年設立、1975年に現社名へ変更。半導体設備投資の増減に連動して受注が上下するサイクル型の収益特性を持ち、メモリー市況や半導体投資の回復局面では収益が伸びやすく、調整局面では業績が落ち込みやすい構造にある。検査工程の必須部材を扱うことで半導体の生産量と世代更新の双方に需要が連動するビジネスモデルを持つ企業である。
日本マイクロニクス 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 22.12 | 44,321 | 9,225 | 10,423 | 7,530 | 195.7 | 59 |
| 23.12 | 38,292 | 5,312 | 5,675 | 4,127 | 107.0 | 33 |
| 24.12 | 55,643 | 12,572 | 12,250 | 8,811 | 228.4 | 70 |
| 25.12予 | 70,000 | 14,500 | 14,500 | 10,400 | 268.3 | 72〜86 |
| 26.12予 | 80,000 | 20,000 | 20,000 | 14,000 | 361.2 | 108〜110 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度(単位:百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 22.12 | 8,395 | -2,267 | -2,477 |
| 23.12 | 4,837 | -7,497 | -2,175 |
| 24.12 | 15,095 | -7,834 | -1,436 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 23.12 | 13.8% | 10.0% | 7.3% | – | – |
| 24.12 | 22.5% | 17.7% | 11.0% | 10.7〜28.6倍 | 7.15倍 |
| 25.12予 | 20.7% | 20.9% | 13.0% | 40.60倍 | – |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず利益規模の推移を見る。2023年は営業利益53億、経常利益56億、純利益41億。2024年は営業利益125億、経常利益122億、純利益88億まで大きく増加している。2025年予想は営業利益145億、純利益104億、2026年予想は営業利益200億、純利益140億と拡大が続く見込みになっており、利益水準は明確に成長局面に入っている。売上も382億から556億、700億、800億へと増加しており、需要回復ではなく構造的な成長段階にある数字になっている。
収益性を見ると営業利益率は13.8%→22.5%→20.7%で高水準に急上昇している。ROEは10.0%→17.7%→20.9%、ROAは7.3%→11.0%→13.0%と資本効率も大きく改善しており、単なる市況回復ではなく利益体質が変化している局面と読める。収益性の上昇と利益拡大が同時に起きているため、企業の評価段階が一段上へ移行している過程にある。
次に株価評価を考える。PERは過去10.7倍〜28.6倍のレンジから、2025年予想40.6倍まで上昇している。PBRは7.1倍と高水準で、資産価値ではなく成長性を前提とした価格付けになっている。収益性の急改善により評価倍率が引き上げられている状態で、株価は利益の現在値ではなく将来成長を織り込む段階に入っている。
ここから読み取れる株価特性は、利益が増えるほど評価倍率が付く典型的な成長株型の値動きになるという点である。業績が伸びる限り株価も上昇しやすい一方、成長が止まると評価縮小の影響が大きく出やすい。安定株ではなく業績感応度の高いタイプであり、株価は利益変化より成長率の変化に強く反応する状態にある。
数値のみからの結論として、この銘柄は割安株ではなく成長株の評価ゾーンに入りつつあり、投資判断は成長継続を前提にするかどうかで分かれる位置にある。増益が続けば評価維持または拡大、増益率が鈍化すれば評価修正が起きやすい価格帯と判断できる。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りは25.12期0.68%、26.12期1.02%で1%前後の水準にとどまる。日本株の配当投資として見るとかなり低く、高配当株とは性格が大きく異なる。利益との関係を見ると、純利益は41億から88億から104億から140億と大きく伸びる予想になっている一方、配当は33円から70円から72〜86円から108〜110円と増配はしているが利益の伸びに対して控えめで、配当性向は低い水準に抑えられている。つまり利益は株主還元より成長投資へ回されている構造になっている。
このため保有しても配当収入はほぼリターンの中心にならず、株価上昇が主目的の銘柄になる。配当はあくまで利益拡大に伴う結果として増えているだけで、安定収入を得るための配当政策とは性格が異なる。
結論として、この銘柄は配当目的には向かず、キャピタルゲイン主体の成長株として位置付けられる。業績が伸びる間は増配も続きやすいが、収益投資より成長投資が優先されるためインカム投資対象としては魅力は小さい水準と判断できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は10,550円で、日本マイクロニクスは売上382億円から556億円、700億円予想、さらに800億円予想へと拡大が続いている。営業利益も53億円から125億円へ大きく増加し、145億円、200億円予想と伸びが続く見込みとなっており、需要回復ではなく半導体投資拡大に伴う成長局面の数値になっている。
営業利益率は13.8%から22.5%へ上昇後20.7%予想と高水準を維持し、ROEも10.0%から17.7%、20.9%へと大きく改善している。収益性と利益規模が同時に拡大しており、循環株の回復局面というより成長段階へ移行している状態にある。
良い場合は、半導体投資の拡大が継続しメモリーに加えてロジック向けが本格寄与するシナリオである。利益率20%前後を維持しながら利益が拡大すると高評価が維持され、評価倍率の維持を伴う上昇となる。5年後の株価は16,000円から25,000円程度まで上昇する可能性があり、上下を伴いながらも長期では上昇トレンドに近い動きになりやすい。
中間の場合は、利益は増えるが成長率が鈍化し評価倍率が徐々に低下するシナリオである。業績拡大を株価が追いかける形となり、株価は8,500円から13,000円程度のレンジで推移しやすく、5年後も10,000円から14,000円付近に収まりやすい。上昇と調整を繰り返すボックス寄りの値動きになりやすい。
悪い場合は、半導体市況の調整で増益が止まり評価が縮小するシナリオである。成長株評価が低下すると株価は利益水準より倍率低下の影響を受けやすく、5年後の株価は7,000円から9,500円程度まで下落する可能性がある。赤字よりも評価修正による下落が中心の動きになりやすい。
総合すると現在値10,550円は資産価値ではなく成長期待を織り込んだ価格帯にある。上昇余地は利益成長の継続に依存し、大きな上昇余地を持つ一方で成長鈍化時の下落幅も大きくなりやすい。株価は短期材料より半導体投資サイクルと成長率の変化に反応しやすく、長期では大きな波を伴いながら水準を変えていくタイプの値動きの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月12日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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