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日本CMKとは

日本CMK株式会社は東京都新宿区に本社を置くプリント配線板専業メーカーで、車載向けを主力とする国内最大級のプリント基板メーカーである。1959年にネームプレート製造から事業を開始し、1963年にプリント配線板の生産へ参入、1970年に専業化した。
その後は群馬工場の開設をはじめ、シンガポール、中国、タイ、米国など海外へ生産拠点を拡大し、グローバル供給体制を構築している。現在は東京証券取引所上場企業として世界の自動車・電子機器メーカーへ基板を供給している。
事業の中心はプリント配線板事業であり、売上の大半を車載用途が占める。自動車の「走る・曲がる・止まる」に関わる駆動系・制御系など高信頼性が必要な領域に強みを持ち、特に車載向けビルドアップ配線板(HDI)では世界トップクラスの実績を持つ。長年蓄積した解析技術と顧客対応力により大手自動車部品メーカーと開発段階からロードマップを共有し、長期供給を前提とした取引関係を築いている点が特徴となっている。
製品ラインアップは両面基板、多層基板、ビルドアップ配線板、リジッドフレックス基板、高放熱・大電流対応基板、環境配慮型基板など多様である。車載分野ではECU、統合ECU、電動パワーステアリング、ADAS、ミリ波レーダー、LEDヘッドライト、ABS、インバーター・コンバーターなどに使用される。自動車以外にもスマートフォン、通信機器、ゲーム機、カメラ、AV機器、PC、医療機器、住宅設備、航空機器など幅広い電子機器に採用されている。
車載電子化の進展に伴い、先進運転支援システムの普及や電動車拡大により基板の搭載点数が増加していることから、同社はタイ工場増設など生産能力の強化を進めている。高信頼性が求められる分野に特化した品質管理と量産技術を強みとし、長期供給と保証体制を重視するメーカーとして位置付けられている。60年以上にわたりプリント配線板を作り続けてきた実績を背景に、車載電子部品分野を中心に事業を展開する基板メーカーである。
日本CMK 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度(単位百万) | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 69,967 | -1,676 | -1,511 | -1,868 | -31.6 | 0 |
| 連22.3 | 81,486 | 3,021 | 3,305 | 2,785 | 47.1 | 14 |
| 連23.3 | 83,840 | 2,605 | 2,622 | 1,588 | 26.8 | 8.5 |
| 連24.3 | 90,568 | 3,529 | 4,795 | 3,855 | 64.2 | 19 |
| 連25.3 | 95,486 | 3,807 | 5,533 | 3,789 | 53.2 | 20 |
| 連26.3予 | 96,000 | 3,100 | 4,100 | 3,400 | 47.7 | 20 |
| 連27.3予 | 100,800 | 5,000 | 5,300 | 3,630 | 50.9 | 20〜21 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(単位百万) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023 | 6,245 | -6,598 | 6,906 |
| 2024 | 9,440 | -14,210 | 5,379 |
| 2025 | 9,058 | -18,750 | 4,704 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 3.1% | 1.3% | 2.7% | – | – |
| 2024 | 3.8% | 2.9% | 5.4% | – | – |
| 2025 | 3.9% | 2.5% | 4.7% | 9.7〜16.0倍 | 0.55倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず利益規模を見ると、2024年は営業利益35億、経常利益47億、純利益38億。2025年は営業利益38億、経常利益55億、純利益37億とほぼ横ばい圏で推移している。2026年予想は営業利益31億、経常利益41億、純利益34億となっており、売上は増加している一方で利益は減少見込みとなる配置になっている。つまり売上拡大型ではあるが利益が伸びる構造ではなく、採算は市況やコストに左右されやすい体質と読み取れる。
収益性を見ると営業利益率は3.1%から3.8%から3.9%とわずかに改善しているが依然として低水準に留まる。製造業の中でも薄利領域に位置し、付加価値で稼ぐというより量産型のビジネス構造に近い数値配置になっている。
資本効率はROE2.7%から5.4%から4.7%、ROA1.3%から2.9%から2.5%と低位で推移している。黒字は維持しているものの資本を大きく増やす収益力はなく、利益は出るが効率は高くない企業体質が表れている。
評価指標はPER9.7から16.0倍、PBR0.5倍。収益性の低さを反映して純資産に対して低い評価に抑えられており、市場は成長性ではなく資産価値を基準に評価している位置にある。高収益企業としてのプレミアムは付いていないが、その分評価の下限も資産に近づきやすいタイプの指標配置である。
まとめると、売上は拡大するが利益率は低く効率も高くない薄利型の収益構造で、評価は成長期待ではなく資産基準に依存している。数値から読み取れるのは、高収益成長株ではなく景気や需要に応じて利益が変動しやすい低収益安定型の企業という性格である。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りは26,27年度ともに約3.3%で、日本株全体の平均と比べるとやや高めの水準に入る。ただし利益構造を見ると営業利益は30億台、営業利益率は3%台、ROEも5%前後に留まっており、企業が強く稼いだ余剰資金を株主に還元しているというより、成熟企業として利益の一定割合を安定的に配分している配当構造に近い。つまり高収益企業の「増配期待型配当」ではなく、利益が大きく増えなくても維持されやすい「水準維持型配当」の性格になる。
PBRが0.5倍と純資産に対して低評価に留まっている点からも、市場は成長性より資産価値を基準に見ている状態にある。このタイプの銘柄は株価上昇余地よりも利回りが評価の中心になりやすく、株主層もインカム目的の比率が高くなりやすい。そのため企業側も急激な増配より配当額を維持する方針を取りやすく、実際の配当も20円前後で安定させる形になっている。
一方で収益余力は大きくないため、景気悪化やコスト上昇で利益が圧迫された場合は配当性向が上がりやすくなる。高収益企業のように利益が減っても配当を維持できる余裕は小さく、業績悪化局面では減配の可能性は一定程度残る配置になる。逆に業績が改善しても利益率が低いため大幅増配にはつながりにくく、配当は上下の振れ幅が小さい代わりに伸びも限定的になりやすい。
総合すると、この銘柄の配当はキャピタルゲインを伴う成長株の配当ではなく、資産株に近い利回りの取り方になる。大きな増配は期待しにくいが、業績が急変しない限り水準は保たれやすいタイプで、値動きよりインカムを目的に保有されやすい性格の配当と言える。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は601円で、日本CMKは売上699億円から954億円へと拡大し、今後も1,000億円規模へ緩やかな増収が見込まれている。一方で営業利益は35億円から38億円へ伸びた後、31億円予想と再び減少見込みとなっており、売上の増加ほど利益が伸びない構造になっている。営業利益率は3%台に留まり、ROEも5%前後、ROAも2%台と低水準で推移しており、高付加価値型というより量産型の収益体質である。車載向け比率が高いため、自動車生産や電子化需要の動向に左右されやすい景気連動型の収益構造になっている。
一方でPERは9.7倍から16.0倍、PBRは0.5倍前後と評価は低めに抑えられている。成長株としての評価は受けておらず、資産価値に近い水準で取引されやすい。収益性が高くないため材料で急騰するタイプではなく、利益水準の変化に応じてゆっくり評価が修正される性格が強い。
良い場合は、車載電装化やADAS関連の需要拡大により稼働率が上昇し、利益率が5%前後まで改善、ROEが7%台まで上昇するシナリオである。PBRが0.5倍から0.8倍程度まで見直されると評価修正中心の上昇となり、5年後の株価は750円から950円程度まで上昇する可能性がある。急騰ではなく業績改善に合わせて緩やかに切り上がる値動きになりやすい。
中間の場合は、自動車生産の増減に応じて利益が上下しながら横ばい圏で推移するシナリオである。営業利益率は3〜4%台、ROE4〜5%前後で安定し、評価はPBR0.45倍から0.6倍の範囲に収まる。この場合5年後の株価は500円から700円程度のレンジで推移しやすく、配当利回りが意識されるボックス相場になりやすい。
悪い場合は、車載需要の減速やコスト上昇で利益率が2%台まで低下しROE3%前後へ低下するシナリオである。評価がPBR0.35倍から0.45倍へ縮小すると、5年後の株価は350円から520円程度まで下落する可能性がある。赤字転落でなければ急落はしにくいが、評価縮小による緩やかな下落になりやすい。
総合すると現在値601円は成長期待を強く織り込んだ価格ではなく資産評価帯に近い。上昇余地は利益率改善による評価修正に依存し、大幅上昇よりレンジ推移になりやすい一方、純資産水準と配当によって下値も限定されやすい。株価は短期材料より自動車需要の循環に反応しやすく、長期では上下を繰り返しながら水準を変えるタイプの値動きの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月14日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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