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浜松ホトニクスとは

浜松ホトニクス株式会社は、静岡県浜松市に本社を置く光関連デバイスおよび装置の開発・製造企業で、1953年に浜松テレビ株式会社として創業した。テレビ用真空管の製造から出発し、その後「光」を扱う技術へ研究領域を広げ、現在は光の発生・検出・増幅・解析を中心とする光電子技術メーカーとして位置付けられている。企業理念は「人類未知未踏」であり、まだ誰も扱ったことのない領域の計測や観測を可能にする装置を作るという研究志向の強い企業文化を持つ。
主力分野は光電子増倍管、フォトダイオード、イメージセンサ、半導体レーザー、X線管、分光器、分析光源などの光デバイスである。単体部品の供給だけでなく、それらを組み合わせた計測装置や医療機器、検査装置として提供するケースも多い。
製品の多くは研究用途や医療用途、半導体検査用途などの特殊用途向けで、汎用品ではなく特注・準特注が多い点が特徴となっている。そのため量産型電子部品メーカーとは異なり、顧客は大学、研究機関、医療機関、半導体メーカー、宇宙開発機関など専門分野が中心となる。
光電子増倍管では世界シェア約90%とされ、微弱な光を電気信号へ変換する検出技術で極めて強い競争力を持つ。この技術は宇宙観測、粒子物理学、医療診断など高精度計測分野に不可欠であり、カミオカンデおよびスーパーカミオカンデのニュートリノ観測に採用されノーベル物理学賞研究に貢献した。
CERNのヒッグス粒子検出装置、小惑星探査機はやぶさ、すばる望遠鏡の観測装置などにも同社のセンサーが用いられている。こうした基礎科学分野の装置に組み込まれることで、研究成果の一部として同社製品が使われる例が多い。
医療分野ではPET検査装置用のセンサーや創薬スクリーニング装置、瞳孔反応測定装置などに応用されており、生命科学研究や診断分野の需要を取り込んでいる。半導体分野では故障解析装置や材料評価装置、レーザー関連機器などを提供し、製造工程の解析用途で利用される。つまり最終製品向け部品メーカーというより、計測・観測・分析という上流工程の技術を担う企業に近い構造になっている。
拠点は浜松地区に複数の工場と研究所を集中させ、筑波などにも研究拠点を持つ。大学や研究機関との共同研究が多く、基礎研究への投資が大きい点も特徴である。製品の多くが研究開発成果を直接反映したもので、需要は景気より研究投資や医療設備投資の動向に左右されやすい。大量消費型電子部品とは異なり、市場規模は小さいが参入障壁が高い分野に集中している企業といえる。
浜松ホトニクス 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.9* | 169,026 | 34,318 | 34,648 | 25,053 | 80.9 | 24 |
| 連22.9* | 208,803 | 56,983 | 58,879 | 41,295 | 133.4 | 36 |
| 連23.9* | 221,445 | 56,676 | 59,415 | 42,825 | 138.3 | 38 |
| 連24.9* | 203,961 | 32,118 | 34,512 | 25,145 | 81.2 | 38 |
| 連25.9 | 212,051 | 16,163 | 18,802 | 14,203 | 47.3 | 38 |
| 連26.9予 | 222,000 | 17,200 | 20,200 | 14,300 | 48.3 | 38 |
| 連27.9予 | 240,000 | 19,000 | 22,000 | 15,400 | 52.0 | 38 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 34,253 | -32,897 | -11,913 |
| 2024 | 38,051 | -73,699 | 12,558 |
| 2025 | 37,784 | -42,166 | -2,843 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 25.5% | 13.4% | 10.6% | – | – |
| 2024 | 15.7% | 7.5% | 5.7% | – | – |
| 2025 | 7.6% | 4.4% | 3.1% | 22.0〜37.2倍 | 1.56倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず利益規模の推移を見る。2024年は営業利益321億、経常利益345億、純利益251億。2025年は営業利益161億、経常利益188億、純利益142億と大きく減少している。2026年予想は営業利益172億、経常利益202億、純利益143億で小幅回復に留まる配置になっている。つまり高水準の年から急減益が入り、その後は戻り切らない形で推移しており、安定成長ではなく需要変動の影響を受けやすい利益構造と読み取れる。
収益性を見ると営業利益率は25.5%から15.7%から7.6%と大きく低下している。高付加価値型の年の反動で採算が急速に縮小しており、収益力は強い年と弱い年の差が大きいタイプである。製造業としての利益率は高水準から中位水準へ低下しており、固定的な高収益体質ではない数値配置になっている。
資本効率はROE13.4%から7.5%から4.4%、ROA10.6%から5.7%から3.1%と低下傾向。利益規模の縮小に連動して効率も低下しており、資本効率が安定して高い企業ではなく業績水準に応じて大きく変動するタイプといえる。
評価指標はPER22.0から37.2倍、PBR1.56倍。収益性の低下に対して評価倍率はまだ一定水準を維持しており、資産株的な低評価ではないが、安定高収益企業としての明確なプレミアムとも言い難い中間帯の評価に位置している。
まとめると、利益は高水準から縮小し収益性と効率がともに低下している配置で、業績変動に対して指標評価がやや先行している状態である。数値から読み取れる性格は、安定成長型でも低収益安定型でもなく、需要環境に応じて収益水準が大きく上下する変動型の企業という整理になる。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは予想で26,27年度ともに2.24%前後。日本株全体の中では平均的な水準で、高配当株と呼べる領域ではない。利益水準を見ると、営業利益321億→161億→172億予想と大きく変動しており、安定して積み上がるタイプではない。営業利益率も25.5%→15.7%→7.6%と低下しており、稼ぐ力そのものが年によって大きく変わる構造になっている。ROEも13.4%→7.5%→4.4%と低下しており、株主還元を増やしていけるだけの余力が拡大している局面ではない配置である。
このタイプの企業は、配当が利益連動になりやすく、業績が弱い年に増配を続ける性格にはなりにくい。実際に利回りも3〜5%の配当株のような水準ではなく、インカム収入を主目的に保有する銘柄とは位置付けが異なる。
まとめると、配当は出るが「配当をもらい続ける銘柄」というより業績サイクルに合わせて受け取る副次的なリターンの性格が強い。配当目的の主力にするタイプではなく、あくまで業績変動を前提にした銘柄の中での付随的な利回りという位置付けになる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は1,695.5円で、浜松ホトニクスは売上2,039億円から2,120億円、2,220億円予想へと拡大している一方、営業利益は321億円から161億円へ大きく減少し、その後172億円予想と回復は限定的に留まっている。直線的な成長ではなく、需要サイクルに応じて利益が大きく変動する構造になっている。
営業利益率は25.5%から15.7%から7.6%へ低下しており、高収益期から通常水準へ戻る流れが明確に出ている。研究開発型企業として高い収益力を持つ局面もあるが、設備投資や研究用途の需要に強く連動するため、収益性は安定して高止まりするタイプではない。
資本効率はROE13.4%から7.5%から4.4%、ROA10.6%から5.7%から3.1%へ低下している。利益水準の変化に応じて効率が大きく動く配置であり、安定成長型というより好況期に高効率化し、その反動で低下する循環型の数値になっている。
良い場合は、半導体・医療・研究用途の需要が拡大し利益率が10%台へ回復、ROEも8%前後まで持ち直すシナリオである。評価が再び成長企業寄りに見直されると5年後の株価は2,400円から3,200円程度まで上昇する可能性がある。急騰よりも業績回復に合わせた段階的な上昇になりやすい。
中間の場合は、利益が回復と減速を繰り返し営業利益率7%から9%、ROE5%前後で推移するシナリオである。評価は平均的なレンジに収まり、5年後の株価は1,600円から2,300円程度の範囲で上下するボックス型の動きになりやすい。
悪い場合は、設備投資や研究需要の低迷で利益率が5%前後まで低下し効率も縮小するシナリオである。評価が圧縮されると5年後の株価は1,100円から1,600円程度まで下落する可能性がある。急落というより時間をかけて水準が切り下がる動きになりやすい。
総合すると現在値1,695円は高成長期待を織り込んだ水準ではなく、業績変動を前提とした評価帯に近い。株価は材料で急騰するより、研究・半導体需要の周期に合わせて評価が上下する性格が強く、長期では業績サイクルに応じてレンジを変えながら動くタイプの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月14日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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