株価
KOAとは

KOAは長野県上伊那郡箕輪町に本社を置く電子部品メーカーで、固定抵抗器を主力とする世界首位級の抵抗器メーカーである。1940年に興亜工業社として創業し、興亜電工、コーアを経て現在のKOA株式会社となり東京証券取引所プライム市場に上場している。創業当初から長野県に生産拠点を構築しており、現在も国内生産比率が70%を超える高い水準を維持している点が特徴である。環境との共生を経営理念に掲げ、企業の利害関係者に地球を含めるという考え方を打ち出している。
主力事業は抵抗器を中心とした電子部品事業で、チップ抵抗器、金属皮膜抵抗器、巻線抵抗器、電力抵抗器、低抵抗シャント抵抗器など幅広い製品を展開する。抵抗器は電流制御や電圧分割など回路の基本機能を担う基礎部品であり、あらゆる電子機器に使われるが、同社は特に自動車向けに強みを持つ。
電動化の進展に伴い電流検出用途の低抵抗器や高耐熱・高信頼性抵抗器の需要が拡大しており、車載分野が重要市場となっている。加えて温度センサ、インダクタ、ヒューズ、バリスタ、サージアブソーバ、回路基板など電源回路周辺部品も扱い、単一部品ではなく回路機能単位での提案を行っている。
技術面では材料配合、加工、評価までの一貫体制を持ち、スクリーン印刷、スパッタリング、CVD、電解・無電解めっきといった成膜技術を用いて抵抗被膜や電極を形成している。これにより高精度・耐サージ・耐硫化・高耐熱など用途別特性を持つ製品を提供している。
小型表面実装抵抗器から電力用途の大型抵抗器までラインナップが広く、車載・産業用途の高付加価値製品の比率拡大を進めている。長年続けているKPSと呼ばれる改善活動を基盤に、蓄積した材料技術と加工技術を活かした新しい用途提案型のビジネスモデル構築にも取り組んでいる。
国内では長野県を中心にグループ会社と分業生産体制を構築し、品質と供給安定性を重視した生産を行う。海外にも販売・生産拠点を持ちグローバルに供給しているが、国内生産を重視する体制により信頼性を重視する分野に強みを持つ。電子機器需要の変動の影響を受けやすい基礎部品メーカーの性格を持ちながら、車載や産業用途など信頼性重視市場を中心に事業を展開することで安定性を高めている企業である。
KOA 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 50,378 | 2,317 | 2,939 | 2,034 | 55.1 | 13.5 |
| 連22.3 | 64,955 | 5,721 | 6,859 | 4,771 | 129.1 | 36 |
| 連23.3 | 75,072 | 10,222 | 10,538 | 7,367 | 198.8 | 50 |
| 連24.3 | 64,835 | 3,313 | 4,485 | 2,769 | 74.7 | 50 |
| 連25.3 | 64,120 | 1,176 | 1,243 | 260 | 7.0 | 40 |
| 連26.3予 | 70,500 | 3,300 | 3,600 | 2,450 | 66.0 | 30 |
| 連27.3予 | 75,000 | 5,000 | 5,300 | 3,600 | 96.9 | 30 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 8,688 | -12,926 | 8,046 |
| 2024 | 7,089 | -17,399 | 12,292 |
| 2025 | 8,101 | -23,939 | 11,252 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率(%) | ROE(%) | ROA(%) | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 13.6 | 9.9 | 6.5 | – | – |
| 2024 | 5.1 | 3.5 | 2.1 | – | – |
| 2025 | 1.8 | 0.3 | 0.1 | 52.0〜90.7 | 0.71 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は648億から641億から705億予と横ばい後に回復見込みの水準にある。営業利益は33億から11億から33億予、経常利益は44億から12億から36億予となっており、一度大きく落ち込んだあと回復前提の計画になっている。純利益は27億から2.6億から24億予と利益の振れ幅が大きく、安定した収益段階ではない状態にある。
営業利益率は13.6%から5.1%から1.8%と急低下しており収益力は明確に悪化している。ROEは9.9%から3.5%から0.3%、ROAは6.5%から2.1%から0.1%と資本効率はほぼゼロ近辺まで低下している。黒字ではあるが利益規模が小さく、事業規模に対して収益性が極端に弱い状態になっている。
評価面ではPER52.0倍から90.7倍、PBR0.7倍となる。PBRは1倍を下回り資産面では割安圏だが、PERが極端に高いのは利益が小さいためであり成長株として評価されている状態ではない。市場は成長期待ではなく業績回復待ちとして評価している段階にある。
以上の数値だけで整理すると、高収益企業から一時的に低収益企業へ移行した局面にあり、現在は回復途中の位置付けとなる。株価は利益水準の回復に依存しやすく、安定成長株ではなく業績変動に連動する循環型の性格が強い。したがって投資判断は回復期待型で、安定投資向きではなく収益改善の確認が前提となる銘柄と整理できる。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りは26年3月期1.84%、27年3月期1.84%で2%未満の水準に留まる。一般的に配当狙いで意識されやすい3〜4%台には届かず、利回りだけで保有する銘柄にはなりにくい水準になる。
利益との関係を見ると、純利益は27億から2.6億へ急減し、その後24億予と回復前提の状態にある。営業利益率も13.6%から5.1%から1.8%まで低下しており、収益余力は大きく縮小している段階にある。つまり配当は余裕を持って支払われているというより、利益回復を前提に維持されている性格が強い。増配を積極的に期待できる局面ではなく、業績が崩れれば減配の検討余地も残る水準になる。
PBR0.7倍という評価からも市場は高配当株としてではなく業績回復待ち銘柄として見ている状態で、株価は配当利回りよりも利益水準の変化に影響を受けやすい。配当は株価を下支えする要素にはなるが、株価上昇の主因にはなりにくい位置付けになる。低PBR銘柄に見られる典型的な構造で、評価は資産と収益回復期待のバランスで決まる。
したがって配当目的の長期保有というより、業績回復時の評価修正を狙う銘柄に低めの配当が付く形と考えるのが妥当である。インカム投資の中心銘柄には向かず、あくまで回復期待のキャピタル寄り銘柄の補助的な配当と整理できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は1,629円で、KOAは売上648億から641億へ横ばいのあと705億予へ回復見込みとなっており、規模としては大きく伸びる段階ではなく市況に応じて増減する推移になっている。一方で営業利益は33億から11億へ急減し、その後33億予と回復前提ではあるが安定成長には戻っていない。
営業利益率は13.6%から5.1%から1.8%へ低下し、ROEも9.9%から3.5%から0.3%まで落ち込んでおり、高収益企業の水準から低収益局面へ移行した状態にある。自動車向けに強みを持つものの、電子部品市況の影響を受けやすい循環型の収益構造が表れている。
良い場合は、自動車向け需要の回復と高付加価値抵抗器の比率上昇により利益率が8%から10%程度まで戻り、ROEが8%前後へ改善するシナリオである。PBRが0.9倍から1.1倍程度まで見直されると評価修正中心の上昇となり、5年後の株価は2,200円から3,000円程度まで上昇する可能性がある。急騰ではなく業績改善に合わせて徐々に切り上がる推移になりやすく、長期では緩やかな上昇トレンドに近い値動きになる。
中間の場合は、利益が市況に応じて増減しながら横ばい圏で推移するシナリオである。営業利益率は4%から6%、ROE4%前後で安定し、評価はPBR0.7倍から0.9倍の範囲に収まる。この場合5年後の株価は1,400円から2,000円程度のレンジで推移しやすく、配当利回りが意識されるボックス相場になりやすい。
悪い場合は、需要減速で利益率が2%前後に低下しROEも1%から3%へ低迷するシナリオである。評価がPBR0.5倍から0.7倍へ縮小すると、5年後の株価は900円から1,400円程度まで下落する可能性がある。赤字転落の可能性は低いが評価縮小による緩やかな下落になりやすい。
総合すると現在値1,629円は成長期待を織り込んだ価格ではなく資産評価帯に近い。上昇余地は利益率回復による評価修正に依存し、大幅上昇よりレンジ推移になりやすい一方、純資産水準が下値を支えやすい。株価は短期材料より業績循環に反応しやすく、長期では上下を繰り返しながら水準を変えるタイプの値動きの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月14日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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