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三井ハイテックとは

三井ハイテック株式会社は福岡県北九州市八幡西区に本社を置く精密加工メーカーで、HV・EV用車載モーターコアと半導体リードフレームを主力とする企業である。東京証券取引所プライム市場および福岡証券取引所に上場し、JPX日経インデックス400の構成銘柄にも採用されている。社名の三井は創業者の三井孝昭の名字に由来し三井グループとは無関係で、超精密加工を核とする開発志向の製造業である。
1949年に三井工作所として創業し、精密金型技術を基盤にIC部品、モーター部品へと展開してきた。創業者の思想として加工の基礎を重視する文化があり、新入社員にやすりがけ訓練を行うことで水平・垂直精度の重要性を体感させる教育が続けられている。金型メーカーからスタートした企業だが現在は金型単体ではなく量産部品供給まで含めた一貫製造型企業へ変化している。
事業は主にモーターコアと半導体リードフレームの二本柱で構成される。リードフレームは半導体チップと基板を電気的・機械的に接続する部材であり、スタンピング加工とエッチング加工の両方を持つことで用途に応じた供給が可能になっている。QFNやQFPなど各種パッケージに対応し、車載半導体向けの高信頼用途にも使用される。自社開発設備による量産体制と表面処理技術を組み合わせることで安定供給を行う。
モーターコア事業は電動化の進展と強く結びついており、ローターやステータの鉄心部品を金型設計から打ち抜き加工まで一体で提供する。車載用モーターコアでは世界トップシェアを持ち、ハイブリッド車や電気自動車の駆動モーター用途が中心となる。かつてはトヨタのハイブリッドモーター向けでほぼ独占的な受注を行っていた実績を持ち、現在も自動車メーカーや部品メーカーとの長期的な開発連携が特徴となっている。自動車以外にも家電、産業機器、ロボットなど電動化が進む分野へ供給が広がる。
金型技術を基礎に自社用として開発した工作機械の技術も蓄積されており、加工精度と耐久性を重視した設備開発を行う。遠隔メンテナンスなど生産支援サービスも展開しており、単なる部品供給だけでなく製造技術の体系を持つ企業である。モーターコアとリードフレームはいずれも車載比率が高く、電動車とパワー半導体の普及に連動した需要構造を持つ。超精密金型技術を核に設計から量産までを一体化した垂直統合型の製造体制を持ち、量産性と精度の両立を強みとする電子部品メーカーである。
三井ハイテック 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.1* | 97,351 | 3,790 | 3,907 | 2,592 | 14.2 | 4.2 |
| 連22.1* | 139,429 | 14,959 | 15,672 | 11,778 | 64.4 | 12.8 |
| 連23.1* | 174,615 | 22,586 | 22,669 | 17,581 | 96.2 | 13 |
| 連24.1* | 195,881 | 18,119 | 21,733 | 15,545 | 85.1 | 14.4 |
| 連25.1* | 214,890 | 16,017 | 16,943 | 12,219 | 66.9 | 17.6 |
| 連26.1予 | 216,000 | 11,000 | 10,000 | 7,000 | 38.3 | 18 |
| 連27.1予 | 240,000 | 14,000 | 14,000 | 9,800 | 53.6 | 18〜20 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 項目(単位:百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023 | 22,082 | -19,593 | -665 |
| 2024 | 31,676 | -36,394 | 8,833 |
| 2025 | 24,368 | -26,512 | 11,073 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 12.9% | 11.0% | 21.8% | – | – |
| 2024 | 9.2% | 7.9% | 16.0% | – | – |
| 2025 | 7.4% | 5.4% | 11.1% | 12.6〜26.9倍 | 1.30倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず利益規模を見ると、2024年は営業利益181億、経常利益217億、純利益155億。2025年は営業利益160億、経常利益169億、純利益122億へ減少している。2026年予想は営業利益110億、経常利益100億、純利益70億とさらに縮小し、2027年予想でも営業利益140億、経常利益140億、純利益98億と回復はするもののピークには戻らない配置になっている。
売上は1958億から2148億、2160億、2400億予想と拡大しているため、数量は増えているが利益は落ちている構造、つまり採算悪化型の減益局面に入っていると読み取れる。収益性を見ると営業利益率は12.9%から9.2%から7.4%と明確な低下トレンドにある。売上が伸びても利益率が下がる状態であり、価格競争やコスト増、製品ミックス悪化の影響を受けやすい局面の数値配置である。製造業としては平均付近からやや低めの水準へ移行しており、好況期の高収益状態から通常水準へ戻っている流れといえる。
資本効率はROE21.8%から16.0%から11.1%、ROA11.0%から7.9%から5.4%と大きく低下している。高収益企業水準から一般的な製造業水準へ落ちてきており、企業体質が悪化したというより利益縮小に伴う循環的な低下の動きになっている。利益率低下がそのまま効率低下に直結している配置で、稼働率や市況の影響を強く受けるタイプの指標である。
評価指標はPER12.6〜26.9倍、PBR1.3倍。収益性の低下に対して評価は極端に割安にはなっておらず、将来の回復を一定程度織り込んだ中間レンジに位置している。資産株として放置されているわけでもなく、成長株としてプレミアムが付いているわけでもない、業績回復期待前提の平均的な評価帯と読み取れる。
まとめると、売上拡大に対して利益が減少しており収益性と効率が低下する減益局面の指標配置である。好調期の反動で数値が落ちている循環型の動きで、評価も回復を前提としたレンジ内に収まりやすい。数値から読み取れるのは、安定成長株ではなく市況に応じて収益力が変動し評価が上下する業績連動型の性格を持つ企業という点である。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りは予想で26,27年度ともに2.21%前後に留まる水準であり、配当株としての位置付けは中立に近い。高配当銘柄に多い4〜5%台の利回りとは距離があり、配当そのものを主目的に保有するタイプではない数値である。
利益推移を見ると営業利益は181億から160億から110億へ低下見込みとなっており、配当の原資となる利益は拡大局面ではなく縮小局面にある。売上は増えているが利益率が低下しているため、配当余力は業績に強く連動する構造になっていると読み取れる。安定増配型というより業績に応じて配当が維持されるタイプの配置である。
またROEは21.8%から16.0%から11.1%へ低下、営業利益率も12.9%から9.2%から7.4%へ低下しており、収益力は弱まっている局面にある。この状況では配当利回りが大きく上昇するより、配当は維持寄りになりやすく、配当でリターンを積み上げる性格の銘柄とは言いにくい。
まとめると、利回りは平均的、利益は循環的、収益力は低下中という組み合わせであり、配当狙いの中心銘柄というより業績回復に連動して評価が変わるタイプである。配当は補助的な位置付けで、主役になる性格ではないと整理できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在値814円を前提に、三井ハイテックの今後5年間の株価の値動きを考える。同社はモーターコアとリードフレームという車載・半導体向け部品の量産メーカーであり、需要動向に連動して利益率が変動しやすい構造にある。直近は営業利益率とROEが低下しており、高成長期から調整局面へ移行している数値配置になっている。そのため株価も一方向に伸びるより、業績回復の強弱に応じて評価が変動する展開になりやすい。
良い場合は、車載電動化向けモーターコア需要が再加速し、利益率が10%前後まで回復するシナリオである。ROEも15%近辺へ戻り、成長期待が再び織り込まれると評価倍率の回復が中心となる。この場合5年後の株価は1,200円から1,700円程度まで上昇する可能性がある。上昇は短期急騰というより、受注回復に合わせて段階的に切り上がる形になりやすい。
中間の場合は、EV関連需要は増えるが競争やコスト増の影響で利益率は7%前後に留まるシナリオである。評価は平均的なレンジに収まり、株価は業績に連動した往復を繰り返す。この場合5年後の株価は700円から1,100円程度のボックス圏に収まりやすく、上下を繰り返しながら水準を保つ推移になりやすい。
悪い場合は、半導体・自動車の需要調整が長期化し、利益率が5%前後まで低下するシナリオである。ROEも10%未満に留まり、成長評価が後退すると評価倍率が縮小する。この場合5年後の株価は450円から700円程度まで下落する可能性がある。赤字化より評価低下による緩やかな下げになりやすい。
総合すると現在値814円は成長期待が大きく織り込まれた価格ではなく、業績回復を待つ中立的な位置にある。株価は材料で急騰するタイプではなく、車載・半導体需要の回復局面で上昇し、停滞局面で横ばいになる業績連動型の値動きになりやすい銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月14日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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