株価
東海理化とは

東海理化は愛知県丹羽郡大口町に本社を置くトヨタグループの大手自動車部品メーカーで、スイッチ・キーロック・シートベルトを主力とする。売上の8割弱がトヨタ関連で、車内の操作・認証・安全に関わる部品を中心に事業を展開している企業である。
1948年に愛知県西枇杷島町で設立され、トヨタ向け電装部品メーカーとして発展した。1961年に東証・名証へ上場し、以降は北米・アジア・欧州へ進出してグローバル生産体制を構築している。1980年に本社を現在の大口町へ移転。1990年代以降はタイ・フィリピン・インド・中国・チェコ・ブラジルなどへ進出し、自動車メーカーの現地生産に合わせた供給体制を整備してきた。近年は東北拠点の強化として秋田県横手工場を稼働させ、2023年にはゲーミングギアブランドZENAIMを立ち上げるなど自動車外分野への展開も開始している。
事業の中心は「運転席に座って手が届く範囲」の機能部品で、ウインカー・ワイパーのコラムスイッチ、パワーウインドウスイッチ、ステアリングスイッチ、ATシフトレバー、シフトノブなどの操作系部品が主力となる。加えてワイヤレスキー、スマートエントリー、イモビライザー、ステアリングロックといった車両認証・盗難防止装置を手掛け、電子キー分野ではトヨタ向けを中心に高い採用実績を持つ。
安全分野ではシートベルトやバックルなどの乗員保護部品を製造しており、安全規制強化に伴う需要に対応している。さらに電動ドアミラーやステアリングホイール、制御コンピュータ、遠隔操作デバイスなど電子化対応製品も拡大している。
国内では愛知県の本社・豊田・音羽・萩工場を中心に、岐阜・秋田などの関連会社と合わせた生産体制を持つ。海外では北米・中国・インド・東南アジア・欧州に拠点を展開し、トヨタをはじめ各地域の完成車メーカーへ供給している。自動車の電子化・スマートキー化・電動化・安全機能高度化の流れの中で、操作・認証・安全を統合した車室内機能部品メーカーとして事業領域を拡張している点が特徴となっている。
東海理化 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 440,061 | 14,045 | 19,011 | 12,026 | 131.8 | 50 |
| 連22.3 | 487,303 | 9,211 | 15,557 | 3,569 | 39.1 | 60 |
| 連23.3 | 553,124 | 16,656 | 24,063 | 10,900 | 119.4 | 64 |
| 連24.3 | 623,558 | 28,822 | 39,592 | 24,850 | 276.8 | 75記 |
| 連25.3 | 617,660 | 35,439 | 34,479 | 27,808 | 328.3 | 95 |
| 連26.3予 | 625,000 | 31,000 | 36,000 | 27,000 | 317.2 | 105 |
| 連27.3予 | 640,000 | 34,000 | 36,500 | 27,400 | 321.9 | 105〜110 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 26,755 | -8,695 | -6,078 |
| 2024 | 53,266 | -31,446 | -22,574 |
| 2025 | 39,312 | -26,172 | -7,980 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年 | 営業利益率(%) | ROA(%) | ROE(%) | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 3.0 | 2.3 | 3.9 | – | – |
| 2024 | 4.6 | 4.7 | 7.8 | – | – |
| 2025 | 5.7 | 5.4 | 8.7 | 10.6(高値平均) / 7.2(安値平均) | 0.81 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず利益規模の推移を見ると、2024年は営業利益288億、経常利益395億、純利益248億、2025年は営業利益354億、経常利益344億、純利益278億となり増益、2026年予想は営業利益310億、経常利益360億、純利益270億でやや減益見込みだが高水準維持の計画になっている。つまり業績は急成長ではないが回復→安定の段階に入っており、利益水準自体は一段上に切り上がった状態にある。
収益性を見ると営業利益率は2023年3.0%から2024年4.6%、2025年5.7%まで改善しており、売上増よりも体質改善による利益成長の色が強い。ROEも3.9%→7.8%→8.7%、ROAも2.3%→4.7%→5.4%と同時に上昇しており、資産効率と資本効率が正常化している途中の段階にあると読み取れる。まだ高収益企業とは言えないが、低収益企業から中収益企業へ移行している局面といえる。
評価面では2025年の実績PERは7.2倍〜10.6倍レンジ、PBRは0.81倍。ROE8.7%に対してPBR1倍割れのため、市場は構造成長企業ではなく景気敏感の自動車部品株として評価している価格帯になっている。つまり利益は改善しているが、将来の成長は織り込まれていない状態であり、株価は業績連動型の評価に留まっている。
総合すると、業績は回復し利益率も改善しているが、評価は依然として低倍率のままという典型的な循環株の形になっている。今後の株価は売上成長よりも利益率5%台を維持できるかどうかが焦点になり、改善が続けば評価修正、止まればレンジ推移になりやすい位置と判断できる。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは26年3月期、27年3月期ともに3.17%水準となっており、日本株全体の平均と比べるとやや高めだが、高配当株と呼べるほどの水準ではなく中位の利回り帯に位置している。利益との関係を見ると、純利益は2024年248億→2025年278億→2026年予270億と大きな減益ではなく横ばい圏で推移しており、配当95円→105円→105円付近と増配後に維持型の計画になっている。つまり業績連動で増配した後、利益水準に合わせて固定化される典型的な自動車部品株の配当方針で、安定配当型というより業績連動型配当の性格が強い。
収益性は営業利益率5.7%、ROE8.7%、ROA5.4%と改善途中であり、景気次第で利益が動く構造であるため、配当も景気に連動して上下する前提になる。PBR0.81倍という低評価も、安定配当銘柄ではなく循環株として見られていることを示している。
総合すると、3%前後の配当は継続可能な水準ではあるが、インフラ株のような安定収入目的というより「景気が悪化すると減配もあり得る普通配当」の位置付けになる。したがって配当単独で保有するタイプではなく、業績回復局面のインカム付き景気敏感株としての性格が強いと判断できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は3,310円で、東海理化は売上6,235億円から6,176億円、6,250億円予想へと横ばい圏で推移しており大きな成長企業というより自動車生産台数に連動する安定型の売上構造となっている。一方で営業利益は288億円から354億円へ回復した後、310億円予想とやや減益見込みで、直線的な拡大ではなく景気や原価に応じて上下する循環的な推移になっている。
営業利益率は3.0%から5.7%まで改善、ROEも3.9%から8.7%へ上昇しているが、いずれも高収益企業の水準ではなく中位水準に位置する。体質は改善しているが成長企業というより回復局面にある自動車部品株の性格が強い。
良い場合は、自動車生産の回復と電動化・電子化部品の採用増により営業利益率が6%前後で定着し、ROEが10%近くまで改善するシナリオである。PBRが1.1倍から1.3倍程度まで見直されると評価修正が中心の上昇となり、5年後の株価は4,500円から6,000円程度まで上昇する可能性がある。急騰というより業績改善に合わせて段階的に切り上がる上昇トレンドに近い値動きになりやすい。
中間の場合は、利益が300億円前後で横ばい推移するシナリオである。営業利益率は5%前後、ROEは7〜9%程度で安定し、評価はPBR0.8倍から1.0倍の範囲に収まる。この場合5年後の株価は2,800円から3,800円程度のレンジで推移しやすく、配当利回りが意識されるボックス相場になりやすい。
悪い場合は、自動車販売減速やコスト上昇で利益率が再び3%台へ低下しROEも5%前後へ低下するシナリオである。評価がPBR0.6倍から0.8倍へ縮小すると、5年後の株価は2,000円から2,700円程度まで下落する可能性がある。赤字転落の可能性は高くないが、評価縮小による緩やかな下落になりやすい。
総合すると現在値3,310円は成長期待を織り込んだ価格ではなく景気循環株の評価帯に近い。上昇余地は利益率改善による評価修正に依存し、大幅上昇よりレンジ推移になりやすい一方、純資産水準と配当により下値も限定されやすい。株価は短期材料より自動車生産と収益率の変化に反応しやすく、長期では上下を繰り返しながら水準を切り替えるタイプの値動きの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月14日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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