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ライフネット生命保険とは

ライフネット生命保険株式会社は、インターネットを主な販売チャネルとする独立系の生命保険会社であり、保険外交員を持たずオンライン直販を基本とするビジネスモデルを採用している。2006年に設立され、2008年に生命保険業を開始、2012年に上場した。
日本では戦後初めて既存保険会社の系列に属さず設立された独立系生保で、シンプルでわかりやすい保障内容と低価格を特徴としている。従来の対面営業中心の保険会社と異なり、申込みから契約管理までをスマートフォンやパソコン上で完結できる仕組みを提供している。
主な事業は個人向け生命保険の提供であり、死亡保険、医療保険、がん保険、就業不能保険などの保障商品を展開している。営業職員の人件費や代理店手数料を抑えることで保険料を低く設定しており、商品の比較や見積もりをオンライン上で行える設計になっている。
また生命保険の手数料部分である付加保険料と原価部分である純保険料の比率を業界で初めて全面開示するなど、価格透明性を重視した運営を行っている。モバイル申込サービスやオンライン契約管理の導入などデジタル化を積極的に進めてきた。
収益構造は保険料収入と運用収益から成るストック型ビジネスで、新規契約を獲得すると長期間にわたり保険料収入が積み上がる。一方で契約獲得には広告宣伝費が必要となるため短期的には費用が先行しやすい。保険金支払リスクは再保険で分散し、資産運用は主に債券中心の保守的な方針を採用している。契約件数の増加が収益成長の前提となるビジネスであり、加入者基盤の拡大が重要な経営課題となる。
2015年にはKDDIと資本業務提携を行い同社が筆頭株主となり、通信サービスと連携した顧客基盤の拡大を進めた。2023年には三井住友フィナンシャルグループとも資本業務提携を締結し、金融グループとの連携による販売チャネル拡大を図っている。韓国での合弁会社設立、代理店チャネルの追加、対面販売の導入などネット専業を基盤としつつ販売手法の多様化も進めてきた。
一方で新契約件数の伸び悩みが課題となった時期もあり、マーケティング改善、相談サービスの充実、商品改訂などを進めている。低コスト運営と透明性を重視した商品設計を維持しながら、契約件数の積み上げによって収益を拡大していくモデルのデジタル型生命保険会社である。
ライフネット生命保険 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 経常収益(百万円) | 保険料等(百万円) | 税前利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 単21.3 | 20,789 | 20,282 | -3,089 | -3,114 | -53.9 | 0 |
| 単22.3 | 26,167 | 25,420 | -3,245 | -3,319 | -50.7 | 0 |
| 単23.3 | 30,268 | 29,207 | -4,949 | -5,164 | -74.1 | 0 |
| ◇24.3 | – | 24,698 | 8,251 | 5,734 | 76.0 | 0 |
| ◇25.3 | – | 30,081 | 9,179 | 5,993 | 74.6 | 0 |
| ◇26.3予 | – | 33,000 | 10,200 | 6,900 | 85.9 | 0 |
| ◇27.3予 | – | 34,000 | 10,300 | 7,000 | 87.1 | 0 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 2,705 | -245 | -2 |
| 2024 | 6,016 | -3,443 | 9,681 |
| 2025 | 7,279 | -14,295 | -164 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | – | -7.6% | -33.2% | – | – |
| 2024 | – | 5.1% | 6.3% | – | – |
| 2025 | – | 5.1% | 6.5% | 14.1〜24.5 | 1.70 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず利益規模の推移を見る。2024年は税前利益82億、純利益57億。2025年は税前利益91億、純利益59億と小幅な増益になっており、2026年予想は税前利益102億、純利益69億と緩やかな拡大が続く見込みとなっている。赤字期から黒字へ転換した後に徐々に利益が積み上がる形で、急拡大ではなく契約増加に伴う段階的な収益化の流れになっている。
収益性では営業利益率は開示されていないが、ROEは-33.2%から6.3%、6.5%へ回復、ROAも-7.6%から5.1%、5.1%へ改善している。資本効率は正常化した段階にあり高収益企業の水準ではない。保険会社特有の契約積み上げ型ビジネスで、初期は赤字、その後に徐々に利益が出る構造が数値に表れている状態と読み取れる。
評価面ではPER14.1〜24.5倍、PBR1.7倍。ROE6%台の企業としては高めの評価帯にあり、現在の利益水準ではなく将来の契約増加による利益拡大を織り込んだ価格形成と考えられる。利益規模に対して評価倍率が先行しているため、実績評価というより成長前提の評価に近い。
総合すると、利益は回復基調で拡大中だが収益性はまだ高くなく、評価は将来の拡大余地を前提として付いている段階にある。したがってこの数値から読み取れるのは、成熟企業ではなく収益化の途中段階にあるストック型ビジネスの成長期待銘柄という位置付けになる。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りは2026年0.0%、2027年0.0%で配当は出ない前提になっている。純利益は57億→59億→69億予想と増加しているものの、利益はまだ積み上げ段階にあり株主還元より事業拡大を優先している状態と読み取れる。保険会社は契約件数の増加に伴って責任準備金や資本規制への対応が必要になるため、黒字化直後は配当を出さず内部留保を厚くする傾向があるが、今回の数値もその典型的な段階にある。
ROEは6.5%前後、ROAは5.1%前後と安定企業としてはまだ低めの水準で、資本効率が高まる前の成長投資フェーズに位置している。PER14.1〜24.5倍、PBR1.7倍と評価は将来の拡大を織り込んだ水準になっており、インカム収入ではなく将来の利益拡大を期待する価格形成と整理できる。
したがってこの銘柄は配当目的には適さず、現時点ではインカムゲインは得られない。利益を株主に分配する段階ではなく、契約増加と規模拡大に伴う内部成長を優先する成長型保険会社の位置付けになり、投資性格は配当株ではなく将来収益拡大型の銘柄になる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は2,072円で、ライフネット生命保険は契約件数の積み上げによって収益化が進むストック型の生命保険会社である。直近では純利益57億から59億、69億予想と緩やかな増益が続いており、急拡大ではなく契約増加に伴って段階的に収益が改善する推移になっている。ROEは-33.2%から6%台へ回復、ROAも-7.6%から5%台へ改善しており、赤字期から通常の保険会社の水準へ戻りつつある段階にある。高収益企業というより、規模拡大に伴い収益性が徐々に整っていく成長初期の構造といえる。
一方でPERは14.1倍から24.5倍、PBR1.7倍と利益規模に対して評価は先行しており、現在の収益力ではなく将来の契約増加を織り込んだ価格帯になっている。成熟企業の評価というより成長期待型の評価で、業績の伸び率に応じて評価が変化しやすい性格を持つ。株価は短期の利益変動より加入者増加ペースに影響されやすい。
良い場合は、契約件数の増加が継続し保険料収入が積み上がり利益が100億規模まで拡大するシナリオである。ROEが10%前後まで改善すると評価は成長株寄りとなり、5年後の株価は3,000円から4,500円程度まで上昇する可能性がある。上昇は急騰ではなく、契約増加に合わせて徐々に切り上がる推移になりやすい。
中間の場合は、契約増加は続くが伸びが緩やかになり利益が70億から100億程度で推移するシナリオである。評価は現在と近い水準に収まり、5年後の株価は1,800円から2,700円程度のレンジ推移になりやすく、成長期待と現実の収益力の間で上下するボックス相場になりやすい。
悪い場合は、契約獲得コストの増加や成長鈍化により利益が50億前後に留まるシナリオである。成長期待が縮小すると評価が低下し、5年後の株価は1,200円から1,800円程度まで下落する可能性がある。赤字転落の可能性は低いが、成長率低下に伴う評価修正による緩やかな下落になりやすい。
総合すると現在値2,072円は安定収益を評価した価格ではなく成長期待を前提とした水準に近い。株価の方向性は利益額より契約増加ペースに依存しやすく、短期材料より加入者の伸び率に反応するタイプで、長期では成長速度に応じて水準を変える値動きの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月18日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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