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新明和工業とは

新明和工業株式会社は、兵庫県宝塚市に本社を置く輸送機器および産業機器メーカーであり、ダンプカーやごみ収集車などの特装車分野で国内首位クラスのシェアを持つ企業である。ダンプ等の特装車を主力としつつ、航空機分野では防衛省向けの救難飛行艇や航空機部品の供給を行い、さらに機械式駐車場設備などインフラ関連事業も展開している。
同社の前身は川西財閥系の航空機メーカーである川西航空機であり、戦前は飛行艇や戦闘機の開発・製造を手掛けていた。戦後は航空機製造が禁止されたことから民需転換を進め、明和興業を経て新明和工業として再出発した。その後、航空機産業の再開とともに飛行艇開発へ復帰し、現在では海上自衛隊向け救難飛行艇US-2を製造するなど、日本で数少ない飛行艇メーカーとしての地位を確立している。
主力の特装車事業では、天突きダンプや塵芥車(ごみ収集車)、ミキサ車、タンクローリ、トレーラなど多様な車両を製造しており、建設・物流・環境分野向けに幅広く供給している。特装車は同社の収益の柱となっており、国内市場で高いシェアを持つ。
航空機事業では、救難飛行艇US-2の製造に加え、ボーイングやエアバス向けの航空機部品の開発・製造、自衛隊機の改修や整備などを行っている。防衛と民間の両分野に関わる高付加価値事業であり、技術力の高さが特徴となっている。
産機・環境分野では、自動電線処理機や真空成膜装置、環境システム、水中ポンプなどを展開しており、製造業やインフラ分野向けの機器を提供している。また、パーキングシステム事業では機械式駐車設備や航空旅客搭乗橋(ボーディングブリッジ)を手掛け、国内外の空港や都市インフラに導入されている。
このように同社は、特装車、航空機、産機・環境、パーキングシステムといった複数の事業を持つ複合メーカーであり、建設・物流・防衛・航空・インフラと幅広い分野に製品を供給している点が特徴である。収益の中心は特装車事業であるが、航空機事業やインフラ関連事業も含めた多角的な事業構造を持っている。
新明和工業 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 209,226 | 10,479 | 11,182 | 5,487 | 83.5 | 38 |
| 連22.3 | 216,823 | 10,569 | 11,821 | 6,907 | 105.0 | 42 |
| 連23.3 | 225,175 | 9,293 | 9,902 | 7,313 | 111.0 | 45 |
| 連24.3 | 257,060 | 11,765 | 12,106 | 7,279 | 110.4 | 47 |
| 連25.3 | 266,441 | 13,970 | 13,536 | 8,957 | 135.6 | 52 |
| 連26.3予 | 290,000 | 15,000 | 13,200 | 9,200 | 139.1 | 54 |
| 連27.3予 | 320,000 | 18,000 | 17,000 | 11,200 | 169.3 | 56 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(単位:百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023 | 6,404 | -7,164 | -4,108 |
| 2024 | 14,065 | -8,217 | -5,884 |
| 2025 | 20,499 | -10,806 | -5,115 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 4.1% | 7.4% | 3.2% | – | – |
| 2024 | 4.5% | 6.8% | 2.7% | – | – |
| 2025 | 5.2% | 7.9% | 3.3% | 8.7〜11.9倍 | 1.47倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は2570億→2664億→2900億予想と緩やかに増加しており、特装車や航空関連を含めた事業全体で安定的に需要を取り込んでいる構造になっている。営業利益は117億→139億→150億予想と増益基調で、経常利益も121億→135億→132億予想と大きなブレはなく、純利益は72億→89億→92億予想と着実に積み上がっている。爆発的な成長ではないが、景気の波を受けながらも安定的に利益を出せる体質に近づいている。
営業利益率は4.1%→4.5%→5.2%と徐々に改善しており、コスト管理や採算性の改善が進んでいることが読み取れる。ただし水準としてはまだ中位で、高収益企業というよりは「安定採算型」に近い。ROEは7.4%→6.8%→7.9%、ROAは3.2%→2.7%→3.3%と安定しており、資本効率は一定水準を維持しているが、投資資金を強く引き付けるほどの高さではない。
PERは8.7〜11.9倍、PBR1.4倍と評価は中間水準にあり、成長期待が強く織り込まれている状態ではない。一方で、業績の安定性やインフラ・防衛関連を含む事業特性を考えると、極端に割安とまでは言えないが、下値は比較的限定されやすい評価帯とも言える。
全体としては、急成長株ではなく、安定した受注やインフラ需要、防衛関連需要などを背景に、緩やかに利益を積み上げていくタイプの企業であり、評価もそれに見合った「中庸なバリュエーション」に収まっている。大きな株価の伸びを期待する銘柄というより、業績の安定と緩やかな改善を前提に評価される性格が強い。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは2.06%(26年度)→2.13%(27年度)と、市場平均並みで推移しており、高配当株という位置付けではない。インカムゲインを主目的にした場合の効率はやや低めで、利回りだけで選ぶ銘柄ではない水準になる。
一方で利益面は、純利益72億→89億→92億予想と安定して増加しており、配当原資は着実に積み上がっている。EPSも110円→135円→139円と伸びており、配当52円→54円という水準は無理のない範囲に収まっている。配当性向もおおよそ35〜40%前後と推測され、極端に高くないため、今後も増配余地は一定程度残されている。
営業利益率は4.1%→4.5%→5.2%と改善傾向にあり、収益性はじわじわと上向いている。ROEも7%前後で安定しており、高収益企業ではないものの資本効率は維持されている。ROAも3%前後で推移しており、資産を使った収益創出も極端に弱いわけではない。
キャッシュフローを見ると、営業CFは64億→140億→204億と大きく増加しており、稼ぐ力はむしろ強まっている。一方で投資CFは継続的にマイナスで設備投資が続いており、成長や維持投資に資金を使っている状態。財務CFもマイナスで推移しているため、借入に頼らず内部資金で投資と株主還元を回している構造になっている。
評価面では、PERは8.7倍〜11.9倍レンジ、PBR1.47倍と割安感はそれほど強くないが、過度な割高でもない中間的な水準。成長性を強く織り込む銘柄ではなく、「安定収益+適度な評価」で推移しやすいタイプといえる。
総合すると、配当目的だけで見ると利回りは物足りないが、業績は安定成長、キャッシュフローも強く、減配リスクは低い。高配当狙いではなく、「安定配当+緩やかな増配+業績の安定性」を重視する中長期向けのバランス型銘柄という位置付けになる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価2,620円を基準に今後5年間の値動きを考える。この会社は売上2,570億円→2,664億円→2,900億円予想と緩やかに拡大しており、営業利益も117億→139億→150億予想と安定的に増益している。特に営業利益率は4.1%→4.5%→5.2%と改善しており、低収益体質から徐々に脱却しつつある段階にある。
一方でROEは7%前後、ROAも3%前後と資本効率は中位水準に留まっており、高収益企業というよりは「安定型製造業」という位置付けになる。PERは8.7倍〜11.9倍レンジ、PBR1.47倍と評価は割安寄り〜適正水準で、成長期待はそこまで強く織り込まれていない。
良い場合は、特装車事業の国内需要や更新需要の拡大に加え、航空・防衛関連(US-2や部品供給)の受注増が追い風となり、営業利益率が6%台まで上昇するシナリオ。利益水準が一段上がり、ROEも8〜9%台に改善すると、安定成長株として評価が見直されPER12〜14倍程度まで水準訂正される可能性がある。この場合、株価は3,200円〜3,800円程度のレンジまで上昇余地が出てくる。
中間の場合は、現在の延長線で売上が年数%ずつ伸び、営業利益率は5%前後で安定、ROEも7%前後で横ばい推移となるシナリオ。大きな成長ストーリーは出にくいが減益リスクも限定的で、評価はPER9〜11倍程度に収まりやすい。この場合、株価は2,400円〜3,000円のレンジでのボックス推移になりやすい。
悪い場合は、建設・物流関連需要の減速や原材料・人件費の上昇により営業利益率が4%前後に低下し、利益成長が止まるシナリオ。ROEも6%以下に低下し、評価がPER8倍前後まで切り下がる可能性がある。この場合、株価は1,900円〜2,300円程度まで下落余地がある。
全体としては、高成長で株価が跳ねるタイプではなく、「利益率改善と安定成長でじわじわ評価が変わる銘柄」。大きな上昇には利益率のもう一段の引き上げが必要だが、下値は業績の安定性と資産価値に支えられやすい構造になっている。
この記事の最終更新日:2026年2月24日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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