株価
フタバ産業とは

フタバ産業株式会社は、愛知県岡崎市に本社を置く自動車部品メーカーであり、トヨタ自動車が約31%を出資するトヨタグループの主要企業の一つです。自動車骨格プレス部品の大手であり、プレス加工や溶接技術を中核とした製造技術を強みとしています。売上の7割強をトヨタグループ向けが占めるなど、トヨタとの結びつきが非常に強い点が特徴です。
事業の中心は自動車部品事業で、マフラーやエキゾーストマニホールドなどの排気系部品と、車体骨格部品の製造を主力としています。特にマフラー分野では国内トップシェアを持ち、トヨタ、日産、ホンダ、スズキ、ダイハツなど複数の完成車メーカーに製品を供給しています。愛知県額田郡幸田町にある幸田工場は最大規模の生産拠点であり、自動車用マフラーを中心に量産体制を構築しています。
車体骨格部品では、車の安全性や剛性に直結する重要部品を扱っており、高張力鋼板のプレス加工や溶接技術を活用した軽量かつ高強度な部品の開発・製造を行っています。これにより自動車の軽量化や燃費向上、衝突安全性能の向上に貢献しています。排気系部品については環境規制への対応が求められる中で、高効率な排気システムの開発を進めていますが、電動化の進展により長期的には需要構造の変化が見込まれています。
また、自動車部品以外にも、富士フイルムビジネスイノベーション向けにコピー機のフレームなどの製造も手がけており、プレス・溶接技術を応用した非自動車分野にも一部展開しています。ただし売上の9割以上は自動車関連であり、自動車産業への依存度は高い構造となっています。
生産体制は国内を中心に、中国、北米、欧州、アジアなど海外にも拠点を展開し、トヨタのグローバル生産体制に対応した供給網を構築しています。現地生産・現地供給を進めることでコスト競争力を高め、各地域の需要に対応しています。
全体としては、プレス・溶接技術を核とした自動車骨格部品と排気系部品を主力とし、特にマフラーで国内トップシェアを持つ企業であり、トヨタグループ向けを中心に安定した受注基盤を持ちながら、自動車業界の電動化や軽量化の流れに対応した製品開発を進めている企業です。
フタバ産業 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 466,809 | 7,780 | 7,962 | 4,095 | 45.7 | 10 |
| 連22.3 | 572,118 | 6,115 | 7,807 | 3,307 | 36.9 | 10 |
| 連23.3 | 708,072 | 7,681 | 7,768 | 10,576 | 118.3 | 15 |
| 連24.3 | 795,802 | 19,213 | 18,489 | 12,831 | 143.4 | 35 |
| 連25.3 | 707,104 | 15,178 | 13,281 | 6,208 | 69.4 | 38記 |
| 連26.3予 | 690,000 | 16,500 | 16,500 | 12,300 | 137.4 | 40〜45 |
| 連27.3予 | 715,000 | 17,500 | 17,500 | 13,100 | 146.3 | 45〜50 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 47,743 | -22,307 | -22,009 |
| 2024 | 57,370 | -16,208 | -27,746 |
| 2025 | 24,785 | -23,190 | -10,360 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 1.0% | 11.2% | 3.3% | – | – |
| 2024 | 2.4% | 10.3% | 3.8% | – | – |
| 2025 | 2.1% | 5.2% | 1.9% | 5.5~12.7 | 0.78 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は7958億円から7071億円、6900億円予想と減収傾向にあり、事業規模は縮小方向に入っている。自動車生産の影響を受けやすい構造がそのまま表れている形になっている。一方で営業利益は192億円から151億円へ減少した後、165億円予想とやや回復見込みであり、利益は上下しながら推移している。経常利益も184億円から132億円へ減少した後、165億円予想と持ち直しが見込まれている。
純利益は128億円から62億円へ大きく減少しており、123億円予想と回復見込みではあるが、直近は変動が大きい。利益水準は安定成長ではなく、景気や生産動向に連動して上下する循環型の構造が強い。
営業利益率は1.0%から2.4%、2.1%と低水準で推移しており、収益力は全体として低い。改善した後に再び低下していることから、構造的に高収益化しているわけではなく、環境によって変動する体質である。ROEは11.2%から10.3%、5.2%と低下傾向にあり、資本効率も悪化している。ROAも3.3%から3.8%、1.9%と低下しており、総資産に対する収益性も弱まっている。
バリュエーションはPERが5.5倍から12.7倍のレンジ、PBRは0.7倍と1倍を下回っており、評価は低めに抑えられている。これは成長性の低さと収益の不安定さが織り込まれている状態と読み取れる。
これらの数値だけで整理すると、売上減少と利益の変動、低い営業利益率から、安定成長型ではなく典型的な景気敏感型の企業である。利益が回復する局面では評価が戻る余地はあるが、ROEやROAの低下から見ると、資本効率は改善途上というより悪化局面に入っている。
総合すると、現在は割安水準にあるが、それは低評価に見合う収益構造によるものであり、明確な成長や高収益化が確認できない限り評価の大きな切り上げは起きにくい。業績の回復局面では見直される余地はあるものの、基本的には景気や自動車生産に連動して評価が上下する循環型の銘柄と整理できる。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは4.4%〜4.7%と高水準で、数値だけ見ればインカム目的としては十分魅力がある水準にある。市場平均を明確に上回っており、高配当銘柄のレンジに入っている。利益との関係を見ると、純利益は128億円から62億円へ大きく減少した後、123億円予想と回復見込みになっており、利益の変動が大きい。
営業利益や経常利益も上下していることから、配当の原資となる利益は安定しているとは言いにくい。一方で配当は10円→15円→35円→38円と引き上げられており、現時点では還元姿勢は強い。
ただし営業利益率は2.1%前後と低く、収益力は高くない。ROEも5.2%まで低下しており、資本効率の観点でも余裕がある状態ではない。このため配当は「安定して増配するタイプ」ではなく、「業績に応じて変動するタイプ」と整理できる。
またPBRが0.7倍台と低いことは、資産面では割安だが市場が成長性や収益性に対して慎重な評価をしていることを示している。この場合、高配当は評価の低さの裏返しであるケースも多く、安定高配当株というより景気敏感な高配当株の性格が強い。
まとめると、利回り4.4%〜4.7%は魅力があり、短中期で配当を取りに行く目的には適している。一方で利益の変動が大きく収益力も低いため、長期で安定して配当を受け取り続ける銘柄というよりは、業績サイクルを前提に保有するタイプの高配当株と整理できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は1,149円で、フタバ産業は売上が7958億円から7071億円、6900億円予想と減収傾向にあり、利益も上下しながら推移する典型的な景気敏感型の構造にある。営業利益率は2%前後と低く、ROEも5%台まで低下しているため、収益力は高いとは言えない。一方でPBRは0.7倍台と低く、配当利回りも4%台後半と高いため、下値は一定程度意識されやすい状態にある。
良い場合は、自動車生産の回復や受注増により売上が再び拡大し、営業利益が160億円以上で安定、営業利益率が2.5%前後まで改善するシナリオである。ROEも8%前後まで回復すれば評価の見直しが入りやすく、PBRが1.0倍近くまで上昇すると、5年後の株価は1,500円から2,000円程度まで上昇する可能性がある。業績回復に連動して段階的に切り上がる展開になりやすい。
中間の場合は、売上が横ばいから緩やかな減少で推移し、営業利益も150億円前後で上下するシナリオである。営業利益率は2%前後、ROEは5%〜7%程度で推移し、評価はPBR0.6倍から0.8倍の範囲に収まる。この場合5年後の株価は1,000円から1,300円程度のレンジで推移しやすく、高配当による下支えと低成長による上値の重さが共存するボックス相場になりやすい。
悪い場合は、自動車需要の減速やコスト増により利益が縮小し、営業利益が100億円台前半まで低下、営業利益率も1%台へ悪化するシナリオである。ROEも5%を下回る水準まで低下し、評価がPBR0.5倍前後まで縮小すると、5年後の株価は700円から1,000円程度まで下落する可能性がある。配当も減配となれば下値圧力はさらに強くなる。
総合すると現在値1,149円は成長期待ではなく、資産価値と高配当に支えられた水準にある。上昇余地は業績回復による評価修正に依存し、大きな上昇トレンドは描きにくい一方で、高配当によって下値はある程度限定されやすい。株価は景気や自動車生産に連動して上下する傾向が強く、長期ではレンジ内での推移を繰り返すタイプの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月26日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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