株価
カヤバとは

カヤバ株式会社は、東京都港区に本社を置く油圧機器メーカーであり、自動車用ショックアブソーバを中心とした振動制御技術と油圧技術を中核とする企業です。自動車の衝撃緩衝器では世界3位、建設機械用油圧シリンダーでは世界首位クラスのシェアを持つ業界大手であり、芙蓉グループに属しています。東京証券取引所プライム市場に上場しており、近年は知多鋼業を子会社化するなど事業基盤の強化も進めています。
主力事業はオートモーティブコンポーネンツ事業で、自動車や二輪車向けのショックアブソーバやサスペンション製品を製造しています。ショックアブソーバは車両の乗り心地や安定性に直結する重要部品であり、日本国内では長年にわたり高いシェアを維持しています。世界でもトップクラスの生産規模を持ち、自動車メーカー向けにグローバルに供給しています。
もう一つの柱がハイドロリックコンポーネンツ事業で、建設機械向けの油圧シリンダやポンプ、バルブなどを展開しています。油圧ショベルなどに使用されるシリンダーでは世界最大規模の生産体制を持ち、インフラ整備や資源開発に関連する需要を取り込んでいます。
さらに、システム製品分野では免震・制振装置や舞台装置、環境・産業機械などを手がけています。東京駅、東京スカイツリー、関西国際空港、新宿センタービル、さいたまスーパーアリーナなどの大型建築物にも同社の技術が採用されており、建築・防災分野にも展開しています。また、コンクリートミキサ車などの特装車事業では国内最大シェアを持ち、物流・建設分野にも関与しています。
航空機分野では、従来ショックアブソーバや制御機器などを手がけていましたが、2022年に航空機器事業からの撤退を決定しています。一方で、環境、防災、福祉関連分野への取り組みを強化しており、事業の多角化を進めています。
生産体制は国内に加え、アジア、北米、欧州など世界各地に拠点を展開し、グローバルでの供給体制を構築しています。相模工場、熊谷工場、岐阜地区の各工場などを中心に研究開発・生産体制を整備し、基盤技術研究所や開発実験センターなどで技術開発を進めています。
全体としては、油圧技術を核に自動車用ショックアブソーバと建設機械用油圧機器で高いシェアを持ち、特装車や建築分野にも展開する総合油圧機器メーカーであり、自動車・建機・インフラ関連分野に幅広く関与する企業です。
カヤバ 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 税前利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ◇21.3 | 328,037 | 18,297 | 16,340 | 17,087 | 334.5 | 37.5 |
| ◇22.3 | 388,360 | 30,001 | 28,817 | 22,549 | 427.5 | 52.5 |
| ◇23.3 | 431,205 | 32,547 | 31,770 | 27,210 | 514.2 | 100 |
| ◇24.3 | 442,781 | 22,417 | 21,361 | 15,818 | 294.8 | 100 |
| ◇25.3 | 438,316 | 22,671 | 21,989 | 14,899 | 281.1 | 110記 |
| ◇26.3予 | 460,000 | 31,000 | 29,500 | 25,000 | 589.2 | 150 |
| ◇27.3予 | 480,000 | 26,000 | 25,000 | 17,500 | 412.4 | 150 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 23,914 | -13,517 | -20,180 |
| 2024 | 39,861 | -23,503 | -15,033 |
| 2025 | 43,847 | -34,133 | -9,099 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 7.5% | 14.8% | 6.0% | – | – |
| 2024 | 5.0% | 7.2% | 3.3% | – | – |
| 2025 | 5.1% | 6.6% | 3.2% | 5.6~8.0 | 0.98 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は4427億から4383億、4600億予想と横ばいからやや回復見込みとなっている。営業利益は224億→226億→310億予想と直近で大きく伸びる見込みで、経常利益も213億→219億→295億予想と同様に回復傾向にある。純利益は158億→148億と一度減少した後、250億予想と大きく増益見込みとなっており、足元は回復局面に入っている。
一方で収益性を見ると、営業利益率は7.5%から5.0%、5.1%と低下後に横ばいで、高収益企業というより中位水準に留まっている。ROEも14.8%から7.2%、6.6%と大きく低下しており、資本効率は明確に悪化している。ROAも6.0%から3.3%、3.2%と低下しており、全体として収益効率は落ちた状態が続いている。
評価面ではPERは5.6倍から8.0倍、PBRは0.9倍前後となっており、いずれも低めの水準にある。これは市場が成長性や収益安定性に対して慎重な評価をしていることを示している。
総合すると、利益は回復局面にあるが、収益性と資本効率は低下した状態にあり、完全な成長企業ではなく景気や需要に左右される循環型の性格が強い。評価は低水準に抑えられているため割安感はあるが、その背景には収益性の低下がある。現状は「回復途中の中収益企業」であり、今後は利益回復が継続できるかどうかが評価の分岐点になる構造と整理できる。
配当目的とかどうなの?
26,27年度の配当利回りは2.8%前後と、市場平均と同程度かやや上の水準にあり、一定のインカムは期待できるが、高配当株という位置付けではない。利益との関係を見ると、純利益は148億から250億予想と回復見込みで、配当余力は改善方向にある。ただし過去は158億→148億と減少しており、利益は景気や需要に左右されやすい構造になっている。営業利益や経常利益も横ばいから回復という流れで、安定して積み上がるタイプではない。
収益性は営業利益率5%前後、ROE6%台と中位水準に留まり、高収益企業のような余裕はない。このため配当は累進配当のように安定して増え続けるタイプではなく、業績に応じて維持・調整される性格が強い。
一方で、1株配当は100円→110円→150円予想と引き上げの動きも見られ、直近は株主還元を強めている局面にある。利益回復が続けば配当も維持または増配余地はあるが、逆に業績が悪化すれば減配リスクもある構造といえる。またPBRが0.9倍前後と1倍を下回っており、市場は資産価値に近い水準で評価している。これは成長期待が高くない一方で、下値は資産と配当である程度支えられやすいことを意味する。
総合すると、利回り2.8%は「悪くないが主役にはならない配当」であり、インカム狙い単独で選ぶ銘柄ではない。どちらかというと、業績回復による利益拡大を前提に、その過程で配当も受け取るタイプの銘柄で、配当はあくまで補助的な位置付けと整理できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は5,220円で、カヤバは売上が4400億円前後で横ばいから回復見込みとなっており、営業利益は220億前後から310億予想へと回復局面にある。純利益も148億から250億予想と大きく増益見込みで、足元は業績回復フェーズに入っている。一方で営業利益率は5%前後、ROEも6%台と以前より低下しており、高収益企業というより中位水準に落ち着いている。PBRは0.9倍前後、PERも5倍台から8倍台と低めで、評価はまだ抑えられている状態にある。
良い場合は、自動車向けショックアブソーバや建機向け油圧機器の需要が安定して拡大し、営業利益が300億円台後半まで伸び、営業利益率が6%〜7%台へ改善するシナリオである。ROEも8%〜10%台へ回復すれば評価の見直しが進み、PBRが1.2倍前後まで上昇することで、5年後の株価は6,500円から8,500円程度まで上昇する可能性がある。業績回復と評価修正が重なる形で、段階的に切り上がる展開になりやすい。
中間の場合は、売上が横ばい圏で推移し、営業利益も250億円〜300億円のレンジで上下するシナリオである。営業利益率は5%前後、ROEは6%〜8%程度に留まり、評価はPBR0.8倍から1.0倍の範囲に収まる。この場合5年後の株価は4,800円から6,000円程度のレンジで推移しやすく、配当を受け取りながらのボックス相場になりやすい。
悪い場合は、自動車や建設機械の需要減速やコスト増により利益が再び縮小し、営業利益が200億円前後まで低下、営業利益率も4%台へ悪化するシナリオである。ROEも5%前後まで低下し、評価がPBR0.6倍から0.8倍へ縮小すると、5年後の株価は3,500円から4,800円程度まで下落する可能性がある。配当も減配となれば下値圧力はさらに強まる。
総合すると現在値5,220円は成長株としての評価ではなく、回復期待と資産価値の中間に位置する水準にある。上昇余地は利益回復の継続と収益性改善に依存し、大きな成長ストーリーよりも業績に応じた評価修正型の値動きになりやすい。一方でPBR1倍割れ水準と配当が下値を一定程度支える構造にあり、株価は景気や自動車・建機需要に連動して上下する循環型の特徴が強い銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月26日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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