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タチエス(7239)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-02-26)
2,321.00
前日比 +6.00(+0.26%)

タチエスとは

株式会社タチエスは、東京都青梅市に本社を置く独立系の自動車シートメーカーであり、ホンダ向けが約4割、日産向けが3割弱を占めるなど、特定メーカーに偏りすぎない取引構造を持つ企業です。かつては日産グループの一員でしたが現在は独立系として、多様な自動車メーカーに製品を供給しています。日産やホンダに加え、日野自動車など商用車メーカーとも取引があり、乗用車からトラック・バスまで幅広い分野に対応しています。

主力事業は自動車用シートおよび座席部品の製造・販売であり、安全性と快適性を重視した製品開発を行っています。完成シートだけでなく、骨格となるシートフレーム、クッション、表皮(トリムカバー)などを一貫して手がける体制を持っており、総合的なシートメーカーとしての競争力を持っています。機構部品はTF-METAL、表皮はNui Tec Corporationなどグループ会社を通じて供給されており、垂直統合型の構造になっています。

自動車シート事業では、自社開発のフロントシートフレーム「TTKフレーム」を展開しており、高級車やスポーツカー、軽自動車、商用車まで幅広い車種に対応しています。また、衝突安全性能や軽量化、コスト競争力の向上にも取り組んでおり、各メーカーの要求に応じた設計・製造を行っています。

近年は次世代車両に向けた技術開発にも注力しています。自動運転時代を見据えた「スマートシェル」は、車室内をパーソナライズされた空間として捉え、五感に働きかけることで移動時間の価値向上を目指すコンセプトです。また「ハプティクスシート」は、シートに内蔵した振動デバイスを用いて触覚で情報を伝達する技術であり、ナビゲーションや警告を視覚・聴覚に頼らず伝えることを可能にする取り組みです。

さらに「移動マイルーム」は、車内を生活空間として活用することを前提に、シートの伸縮や空間設計によって居住性を高める構想であり、「スマートスイッチ」は自然な操作性を重視したインターフェース開発、「シート回転機構」は乗員同士のコミュニケーションやプライベート空間の切り替えを可能にする技術として開発が進められています。

これらの技術は、自動車の電動化や自動運転化によって車内の役割が変化する中で、単なる座る装置から「体験を提供するデバイス」へとシートの価値を拡張することを目的としています。また、自動車以外の分野として、TACHI-S H&Pを通じて医療機器や特殊車両向け部品なども手がけており、事業の多角化も進めています。

生産体制としては、日本国内に加えて中国、タイ、インドネシア、メキシコ、ブラジルなどに拠点を展開し、グローバルでの供給体制を構築しています。近年は生産拠点の集約を進め、効率化を図った上で、今後は成長に向けた攻めの戦略へ移行している段階にあります。全体としては、独立系ならではの幅広い顧客基盤と、シートを中心とした統合技術、そして自動運転時代を見据えた次世代シート開発を軸に事業を展開している企業です。

タチエス 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 1株益(円) 1株配当(円)
連21.3 198,500 -7,753 -7,270 -13,701 -400.5 6.5
連22.3 206,441 -4,203 -3,536 -2,059 -60.2 63.6
連23.3 243,436 1,367 1,973 5,823 170.1 73.6
連24.3 292,947 7,205 8,755 5,422 158.3 92.8
連25.3 285,394 9,625 10,768 11,310 329.9 103.8
連26.3予 264,000 9,000 11,000 8,000 233.1 103.8
連27.3予 267,000 9,800 11,800 8,600 250.6 103.8〜110

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

年度 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 3,740 6,666 -10,005
2024 18,447 -2,083 -13,370
2025 9,764 3,962 -9,294

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(倍) PBR(倍)
2023 0.5% 7.2% 3.4%
2024 2.4% 6.0% 2.9%
2025 3.3% 11.7% 6.5% 7.2~13.1 0.81

出典元:四季報オンライン

投資判断

売上は2929億円から2853億円、2640億円予想と減収傾向に入っている。自動車業界全体の生産調整や需要変動の影響を受けている可能性があり、トップラインは拡大局面ではない。一方で営業利益は72億円から96億円へ増加し、90億円予想と高水準を維持しているため、収益改善が進んでいることが読み取れる。

経常利益も87億円から107億円、110億円予想と安定して増加しており、本業以外も含めた収益力は強化されている。純利益は54億円から113億円へ大きく増加し、80億円予想とやや減益見込みではあるが、2024年以前と比較すると高水準にある。

営業利益率は0.5%から2.4%、3.3%へと段階的に改善しており、低収益体質からの回復が進んでいる。ただし3.3%という水準は依然として高収益企業と比べると低く、構造的に薄利である点は変わっていない。ROEは7.2%から6.0%、11.7%と変動しつつも最終的には2桁台に乗っており、資本効率は改善している。ROAも3.4%から2.9%、6.5%と上昇しており、総資産に対する収益性も回復している。

バリュエーション面ではPERは7.2倍から13.1倍のレンジで推移しており、現在の利益水準に対して極端な割高感はない水準にある。PBRは0.8倍と1倍を下回っており、資産価値に対しては低めの評価に留まっている。

これらの数値だけで整理すると、売上は減少しているが利益は改善しているため、コスト改善や構造改革によって収益性を引き上げている局面にある。ROEやROAの改善もそれを裏付けている。一方で営業利益率はまだ低く、事業としての収益力は中位以下に留まる。

総合すると、成長株ではなく回復・改善局面にある銘柄であり、評価は割安寄りだが、低収益体質が残るため大きな成長を前提とした評価はされにくい構造にある。株価は業績改善に応じて見直される余地はあるが、売上成長が伴わない限りは大きな上昇トレンドにはなりにくく、レンジ内での推移になりやすい性格と整理できる。

配当目的とかどうなの?

配当利回りは4.4%と高水準で、数値だけ見るとインカム目的としては魅力がある水準にある。日本株全体の平均が2%前後であることを考えると、明確に高配当帯に入っている。利益との関係を見ると、純利益は113億円から80億円予想へ減少見込みではあるが、過去の54億円水準と比べれば依然として高い水準にあり、現時点では配当維持の余力はあると読み取れる。実際に配当も103円前後で維持されており、急激な減配傾向は見られていない。

一方で注意点として、営業利益率は3.3%と低く、事業としての収益力は高いとは言えない。売上も減少傾向にあるため、今後の配当は「成長して増配」というより「利益水準に依存して維持される」性格が強い。つまり業績が崩れれば減配に直結しやすい構造でもある。

またPBRが0.8倍と低いことは、資産面では割安だが市場が成長性や安定性に対して慎重な評価をしているとも読み取れる。この場合、高配当は「評価の低さの裏返し」であるケースも多く、安定高配当株というよりは景気や業績に左右される高配当株に近い位置付けになる。

まとめると、利回り4.4%は十分に魅力があり、短中期で配当を取りに行く目的には適している。一方で、低収益体質と売上減少傾向を考えると、長期で安定的に配当を受け取り続けるタイプというよりは、業績次第で配当が変動する前提で持つ銘柄と整理できる。

今後の値動き予想!!(5年間)

現在の株価は2,321円で、タチエスは売上2,929億円から2,853億円、2,640億円予想へと減収傾向に入っている。一方で営業利益は72億円から96億円へ増加し、90億円予想と高水準を維持しており、売上は縮小しながらも収益性は改善している局面にある。経常利益も87億円から107億円、110億円予想と安定して増加しており、純利益は54億円から113億円へ大きく伸びた後、80億円予想とやや減益見込みだが水準としては過去より高い。

一方でPERは7.2倍から13.1倍のレンジ、PBRは0.8倍前後と評価は低めに抑えられており、成長株としての評価は受けていない。資産価値に近い水準で取引されているため、株価は材料で急騰するタイプではなく、利益水準と配当を軸に緩やかに評価が修正される性格が強い。また配当利回りは4.4%前後と高く、株価の下支え要因として機能しやすい。

良い場合は、利益改善が継続し営業利益90億円前後を維持しながら営業利益率が4%近くまで上昇、ROEが10%前後で安定するシナリオである。評価が見直されPBRが1.0倍から1.2倍程度まで上昇すると、5年後の株価は2,800円から3,600円程度まで上昇する可能性がある。急騰というよりは配当を伴いながらじわじわと切り上がる展開になりやすい。

中間の場合は、売上減少と利益維持の状態が続くシナリオである。営業利益率は3%前後、ROEは6%から10%の範囲で推移し、評価はPBR0.7倍から0.9倍のレンジに収まる。この場合5年後の株価は2,000円から2,600円程度でのボックス推移となり、高配当による下支えと成長性の弱さによる上値の重さが共存する形になる。

悪い場合は、自動車生産の減速や受注減により利益水準が低下し、営業利益が70億円前後まで落ち込み営業利益率が2%台に低下するシナリオである。ROEも5%前後まで低下し、評価がPBR0.6倍から0.8倍へ縮小すると、5年後の株価は1,500円から2,000円程度まで下落する可能性がある。配当も減配となれば下値はさらに弱くなる。

総合すると現在値2,321円は成長期待を織り込んだ水準ではなく、資産価値と配当利回りに支えられた評価帯にある。上昇余地は利益率改善と評価修正に依存し、大きな上昇よりはレンジ内での推移になりやすい一方、高配当によって下値も限定されやすい。株価は短期材料よりも業績改善の持続性に反応しやすく、長期では上下を繰り返しながら水準を変えていくタイプの銘柄と整理できる。

この記事の最終更新日:2026年2月26日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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