株価
三十三フィナンシャルグループとは

三十三フィナンシャルグループは、三重銀行と第三銀行の経営統合によって設立された三重県地盤の金融持株会社であり、本社は三重県四日市市、本店は三重県松阪市に置かれている。三重県内では2位の地銀グループで、地元三重に加えて愛知県にも強い営業基盤を持つのが特徴となっている。
2018年4月に共同株式移転により設立され、2021年5月には第三銀行が三重銀行を吸収合併し「三十三銀行」として再編されることで、グループの中核銀行が一本化されている。社名の「三十三」は、三重銀行と第三銀行の「三」と「三」を組み合わせたもので、両行の統合を象徴する名称となっている。中核となる三十三銀行は地域密着型の営業を強みとしており、個人向け住宅ローンや企業向け融資、事業承継支援などを中心に、地元企業や個人顧客への金融サービスを提供している。
事業の中核は銀行業であり、預金、貸出、為替といった基本的な金融サービスに加えて、資産運用提案、保険販売、法人向けコンサルティングなど非金利収益の拡大にも取り組んでいる。地方銀行としては伝統的な貸出中心の収益構造を持ちながらも、手数料ビジネスやソリューション営業の強化を進めている点が特徴となっている。
また、持株会社体制を採用していることで、グループ全体の経営戦略や資本政策を統括し、効率的な経営資源の配分を行っている。銀行以外にもリース、信用保証、クレジットカード、ITサービスなどの関連会社を抱えており、金融サービスの多角化を進めている。具体的には三十三リースや三重リースによる設備投資支援、三十三信用保証による融資保証、カード会社による決済サービス、コンピュータサービス会社によるシステム支援など、地域経済を支える総合金融機能を提供している。
営業基盤は三重県が中心であるが、自動車関連産業が集積する愛知県にも強く、製造業向け融資やサプライチェーン企業への金融支援にも力を入れている。地域密着型でありながら、比較的広域に顧客基盤を持つ点は特徴の一つである。
一方で、地方銀行業界全体と同様に、人口減少や低金利環境の影響を受けやすい構造にあり、貸出金利の低下や競争激化が収益面の課題となっている。このため、コスト削減やデジタル化の推進、店舗再編などによる効率化を進めるとともに、法人向けコンサルティングや個人向け資産運用ビジネスの強化など、収益源の多様化が重要な戦略となっている。
総合すると、三十三フィナンシャルグループは地域密着型の安定した基盤を持つ一方で、地方銀行特有の構造課題にも直面しており、統合効果の発揮と非金利収益の拡大が今後の成長の鍵となる金融グループと位置付けられる。
三十三フィナンシャルグループ 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 経常収益(百万円) | 業務純益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連22.3 | 70,479 | – | 4,884 | 4,905 | 175.0 | 72 |
| 連23.3 | 65,901 | – | 8,737 | 6,332 | 238.4 | 72 |
| 連24.3 | 67,848 | – | 9,755 | 6,904 | 265.5 | 80 |
| 連25.3 | 74,913 | – | 11,751 | 8,653 | 332.5 | 100 |
| 連26.3予 | 86,000 | – | 15,700 | 11,100 | 426.6 | 128 |
| 連27.3予 | 87,500 | – | 19,500 | 13,500 | 518.9 | 156 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(単位:百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023 | -382,466 | -143,937 | -32,287 |
| 2024 | 67,093 | 23,385 | -2,287 |
| 2025 | 9,742 | -11,667 | -2,123 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率(%) | ROA(%) | ROE(%) | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | – | 0.1 | 3.2 | – | – |
| 2024 | – | 0.1 | 3.2 | – | – |
| 2025 | – | 0.1 | 4.2 | 5.4〜7.8 | 0.69 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
経常収益は678億→749億→860億予想と増収が続いており、経常利益も97億→117億→157億としっかり拡大、純利益も69億→86億→111億と右肩上がりで推移している。地方銀行としては珍しく、利益成長が継続している点は評価できる。
一方で収益性を見ると、ROEは3.2%→3.2%→4.2%とやや改善しているものの依然として低水準にあり、ROAも0.1%と極めて低い。銀行業は構造的にROAが低くなりやすいとはいえ、資本効率の観点では魅力は強くない。利益は伸びているが「効率よく稼げている企業ではない」という点は重要になる。
評価面ではPERは5.4倍〜7.8倍と低く、PBRも0.6倍台と明確な割安水準にある。これは市場が地銀特有の低成長・低収益構造を織り込んでいるためであり、典型的なバリュー株の位置にある。逆に言えば、よほどの収益性改善がない限り、PBR1倍を大きく超えて評価される可能性は高くない。
また、利益が増加している背景には金利環境の変化や貸出利ざやの改善など外部要因の影響も含まれるため、これが一巡した場合は成長が鈍化する可能性もある。地方銀行は景気や金利環境に依存する側面が強く、安定しているように見えても外部環境の影響を受けやすい点には注意が必要になる。
総合すると、低収益・低ROEという構造は変わらないが、足元では利益成長が出ており、その割にPER・PBRは低いためバリュー株としての魅力はある。ただし成長株ではなく、あくまで「低評価の中で利益成長を拾う銘柄」であり、大きな上昇よりも安定的なリターンを狙うタイプの投資対象と整理できる。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは2.08%→2.66%(26年度から27年度)とやや上昇見込みではあるものの、地銀としてはやや控えめ〜中間水準に留まる。高配当株として強く評価される水準ではなく、インカム目的だけで積極的に選ばれるタイプではない。
一方で利益は69億→86億→111億と増加しており、1株配当も80円→100円→128円と段階的に引き上げられている。利益成長に応じた増配が行われている点は評価でき、減配リスクは相対的に低い安定型の配当政策といえる。
加えてPBR0.6倍台という低評価にあるため、株価が大きく上がらなくても配当を受け取りながら評価修正を待つという投資スタイルとは相性が良い。いわゆる「バリュー+インカム」の組み合わせで保有するタイプの銘柄になる。
ただしROEは3〜4%台と低く、資本効率が高くないため、今後も大幅な増配や高い配当利回りに成長していく可能性は限定的である。銀行業特有の構造として、利益が拡大しても配当の伸びは緩やかになりやすい点は意識しておく必要がある。
総合すると、高配当株ではないが、減配リスクが低く緩やかな増配が期待できる安定配当銘柄であり、割安なPBR水準と組み合わせて中長期でじっくり持つタイプの銘柄と整理できる。配当単体では弱いが、バリュー株としての側面と合わせて評価するのが前提になる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は6,150円で、三十三フィナンシャルグループは地銀らしく緩やかな増益基調にあり、経常利益は97億から117億、157億予想へと拡大している。純利益も69億から86億、111億予想と着実に伸びており、急成長ではないものの安定的な利益積み上げ型の企業である。一方でROEは3〜4%台、ROAも0.1%台と資本効率は低く、高収益企業とは言えない。銀行業特有の低収益構造の中で、規模拡大と金利環境に左右される安定型の収益体質となっている。
バリュエーション面ではPER5〜8倍、PBR0.6倍台と低水準にあり、市場からは成長性よりも資産価値ベースで評価されている。大きな成長期待は織り込まれておらず、株価は業績の急拡大よりも、金利動向や地銀再編、資本効率改善などの外部要因に影響されやすい性格が強い。
良い場合は、金利上昇による利ざや改善や貸出拡大で利益が想定以上に伸び、ROEが5%前後まで改善するシナリオである。PBRが0.8倍から1.0倍近くまで見直されると評価修正が起き、5年後の株価は7,500円から9,500円程度まで上昇する可能性がある。地銀再編や株主還元強化が加われば上振れ余地も出てくる。
中間の場合は、現状の低成長・低収益体質が続き、利益は緩やかに増減しながら横ばい圏で推移するシナリオである。ROEは3〜4%台、PBRも0.6倍から0.8倍程度に留まり、この場合5年後の株価は5,500円から7,000円程度のレンジで推移しやすい。配当を受け取りながらのボックス相場になりやすい。
悪い場合は、金利低下や地域経済の停滞により貸出が伸びず、利益が減少するシナリオである。ROEが3%未満に低下し、PBRが0.5倍近くまで縮小すると、5年後の株価は4,000円から5,200円程度まで下落する可能性がある。大きな赤字リスクは低いものの、評価縮小によるじわじわした下落になりやすい。
総合すると現在値6,150円は成長期待ではなく割安な資産評価が中心の価格帯であり、大きな上昇には資本効率改善や外部環境の好転が必要となる。一方で下値も資産価値と配当によってある程度支えられやすく、長期では大きく跳ねる銘柄というより、安定したレンジ内で推移しやすい地銀株らしい値動きの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年3月2日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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