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アルゴグラフィックスとは

アルゴグラフィックスは、自動車・電機・半導体など製造業向けにエンジニアリングITソリューションを提供する情報サービス企業である。本社は東京都中央区日本橋箱崎町のアルゴ日本橋ビルに所在し、CADやPLM、HPC、ITインフラなどの分野で製造業の設計開発や生産プロセスの高度化を支援している。1985年に設立され、IBM製CADシステムやエンジニアリングワークステーションの販売を起点として事業を拡大してきた。
主力事業はPLMソリューションであり、フランスのダッソー・システムズ製3次元CAD「CATIA」などの設計開発ソフトウェアを自動車業界を中心に提供している。製品設計だけでなく、製品ライフサイクル全体の情報管理やシミュレーション、バーチャル開発環境の構築まで含めた総合支援を行う点が特徴である。また半導体分野ではIBM製の製造工程管理システムなどを販売し、製造現場の効率化や品質向上に貢献している。
HPCソリューションでは科学技術計算向けの高速処理システムやPCクラスタの設計・構築を行い、並列処理技術や最適化技術によって解析業務の効率化を支援している。さらにITソリューション分野ではクラウド基盤構築や仮想化、AI・ビッグデータ解析に対応したインフラ構築などを提供し、企業のDX推進需要を取り込んでいる。コンサルティングからシステム導入、教育、運用支援までを一体で提供するワンストップ型のサービス体制が強みとなっている。
グループ会社には解析受託やCAE関連業務を担うAIS北海道、IT運用支援を行うアルゴビジネスサービス、科学技術ソフト販売のヒューリンクス、システム開発のシステムプラネット、高速計算システムを扱うHPCソリューションズ、CAD開発のCAD SOLUTIONS、解析ソリューションのアドバンストテクノロジーなどがあり、技術領域ごとに専門企業を配置している。海外でもタイやベトナム、中国などに拠点を持ち、現地の日系製造業を中心にIT基盤構築やPLM支援サービスを展開している。
近年は子会社化や業務提携を通じて事業領域を拡張しており、2022年にはシステムプラネットやアドバンストテクノロジーを子会社化、2023年にはテックスイートジャパン、2024年にはワイドソフトデザインを完全子会社化するなどM&Aによる成長を進めている。2024年には東京テクニカルセンターも開設し、技術開発体制の強化を図っている。
このようにアルゴグラフィックスは、製造業向けエンジニアリングIT分野に特化し、ソフトウェア販売と技術サービスを組み合わせた総合ソリューションを提供する企業である。設計開発から生産プロセス、ITインフラまで幅広い領域をカバーし、製造業のデジタル化や高度化を支援するテクニカルソリューションプロバイダーとして成長を続けている。
アルゴグラフィックス 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3* | 43,416 | 5,639 | 5,997 | 3,961 | 46.4 | 15 |
| 連22.3* | 46,188 | 6,601 | 6,944 | 4,517 | 52.8 | 15.8 |
| 連23.3* | 53,347 | 7,774 | 8,200 | 5,420 | 63.5 | 18.3 |
| 連24.3* | 59,511 | 9,173 | 9,686 | 6,520 | 76.5 | 22.5 |
| 連25.3* | 69,541 | 10,199 | 10,919 | 7,447 | 87.4 | 27.5 |
| 連26.3*予 | 74,000 | 10,800 | 11,400 | 18,800 | 272.4 | 40 |
| 連27.3予 | 77,500 | 11,100 | 11,700 | 7,800 | 113.0 | 40〜45 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 3,365 | -1,949 | -1,846 |
| 2024 | 9,676 | -935 | -1,871 |
| 2025 | 6,458 | -176 | -2,256 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 14.5% | 12.9% | 8.2% | – | – |
| 2024 | 15.4% | 13.0% | 8.6% | – | – |
| 2025 | 14.6% | 13.0% | 8.6% | 10.7〜15.4 | 2.32 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は595億から695億から740億予想と安定した増収が続いており、製造業向けIT投資やDX需要の拡大を背景に事業規模は着実に拡大している。成長率は極端に高いわけではないが継続性があり、景気敏感な製造業向けビジネスでありながら安定したトップライン成長が続いている点は評価できる。
営業利益は91億から101億から108億予想と増益基調を維持している。営業利益率は14.5%から15.4%から14.6%と高水準で安定しており、ITソリューション企業としては非常に収益性の高い企業といえる。利益率のブレが小さいことから、ソフト販売と保守・技術サービスを組み合わせた収益モデルの強さが数値に表れている。
経常利益は96億から109億から114億予想、純利益は65億から74億から188億予想となっており、最終利益は大きく伸びる見込みとなっている。一株益も76円から87円から272円予想と急伸しており、株主価値の向上期待は強い。ROEは12.9%から13.0%から13.0%と高水準を維持し、ROAも8.2%から8.6%から8.6%と非常に優秀な資産効率を示している。資本効率と収益性が同時に高い点は大きな強みである。
評価面ではPERが10.7倍から15.4倍レンジ、PBRは2.3倍と極端な割安ではないが、利益水準と成長性を考えると妥当からやや割安寄りの評価ともいえる。特にROEが安定して高いため、業績が計画通り伸び続ければ市場評価がもう一段切り上がる余地もある。
キャッシュフロー面でも営業CFは安定して黒字を確保しており、投資CFの負担も比較的小さいことから財務体質は良好と考えられる。大型設備投資に依存しないビジネスモデルであるため、利益が株主還元や成長投資に回りやすい構造になっている。
総合的に見ると、アルゴグラフィックスは高利益率・高ROE・安定成長を兼ね備えた質の高いITサービス企業であり、中小型成長株の中では比較的安心して保有しやすいタイプの銘柄といえる。急騰型のテーマ株ではないが、着実な業績拡大に伴う株価上昇を期待する中長期投資向きの銘柄と考えられる。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは連26.3予想で5.12%と非常に高水準だが、連27.3予想では2.56%まで低下する見込みとなっている。この数値から見ると、一時的な特別要因による増配の可能性が高く、安定した高配当銘柄とは性格が異なると考えられる。
利益面では純利益が65億から74億から188億予想と大きく伸びる見込みになっており、それに伴って配当も大きく増える形となっている。ただし翌期は通常水準に戻る想定となっているため、配当利回りは平均的なIT企業水準に落ち着く見通しである。つまり継続的に5%前後の利回りを期待できる企業ではなく、業績連動型の配当政策とみるのが自然である。
営業利益率は14%台と高く、ROEも13%前後と優秀な企業であるため、配当余力自体は十分にあると考えられる。キャッシュフローも安定して黒字であり、財務面の不安は小さい。したがって中長期的には緩やかな増配余地はあるが、配当利回り重視で投資するタイプの銘柄ではない。
評価面ではPER10倍台から15倍台、PBR2.3倍と成長株としては標準的な水準にあり、投資の主軸は配当よりも利益成長に伴う株価上昇期待になる。総合するとアルゴグラフィックスは配当目的単独で買う銘柄ではなく、成長投資の中で配当も受け取れるバランス型の銘柄といえる。短期的に高利回りが出る局面はあっても、基本的には値上がり益を中心に考える投資スタイル向きの企業である。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価1,560円で、アルゴグラフィックスは売上が595億円から695億円、さらに740億円予想と安定した増収が続いており、製造業向けITソリューション企業として事業規模は着実に拡大している。
営業利益も91億円から101億円、108億円予想と増益基調が続いており、CAD・PLM・HPCなど設計開発分野のIT需要を背景に業績は比較的安定して推移しやすい企業である。営業利益率は14.5%から15.4%、14.6%と非常に高水準で安定しており、ROEも13%前後を維持していることから、ITサービス企業の中でも収益力の高い成長企業といえる。
良い場合は、製造業のDX投資拡大や海外展開の進展により売上が900億円以上まで拡大し、営業利益が140億円前後の水準まで成長するケースである。高付加価値サービスの比率上昇やストック収益の拡大により営業利益率が16%前後まで上昇し、ROEも15%近くまで改善すれば企業の収益力に対する評価が高まり、PERが18倍から20倍程度まで見直される可能性がある。その場合、株価は2,300円から2,800円程度まで上昇するシナリオが考えられる。
中間の場合は、売上が800億円前後で安定し、営業利益も120億円前後の水準で推移するケースである。IT投資は継続するものの急拡大には至らず、営業利益率も14%台で安定する可能性が高い。この場合、PERも現在と近い13倍から15倍程度で推移しやすく、株価は1,500円から1,900円程度のレンジで比較的穏やかな値動きになる可能性がある。いわゆる安定成長株としての動きになりやすいパターンである。
悪い場合は、製造業の設備投資減速やIT投資先送りの影響で売上成長が鈍化し、営業利益が100億円前後まで低下するケースである。利益率も13%台まで低下し、ROEも10%前後まで弱まる可能性がある。その場合は市場評価も低くなり、PERが10倍から11倍程度まで低下する可能性がある。こうした状況では株価は1,100円から1,300円程度まで下落する可能性が考えられる。
まとめると、この会社は製造業向けITソリューションという成長分野を背景に売上と利益が着実に拡大している企業である。急騰型のテーマ株ではないが収益力は高く、5年間の株価イメージとしては、良い場合2,300円から2,800円、中間の場合1,500円から1,900円、悪い場合1,100円から1,300円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。業績成長に伴う株価上昇と配当をバランスよく狙う投資スタイルに向いた銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月11日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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