株価
IDOMとは

IDOMは、中古車の買取・販売を主力事業とする流通企業であり、中古車買取首位の企業として全国に「ガリバー」ブランドを展開している。配当方針は配当性向30%を目安としており、株主還元にも一定の姿勢を示している。
東京都千代田区に本社を置き、旧社名はガリバーインターナショナルである。中古車の販売と買取を軸に全国約460店舗を出店し、近年は小売り販売の強化に加えてサブスクリプションサービスや個人間カーシェアなど付帯サービスの拡充を進めている総合モビリティ企業である。
創業は1994年で、羽鳥兼市が福島県郡山市に東京マイカー販売株式会社を設立し、同年にガリバー1号店を出店したことから事業がスタートした。その後フランチャイズ展開を進め、1998年に株式上場、2003年には東京証券取引所第一部へ指定替えするなど急速に事業規模を拡大した。
2016年には社名を現在のIDOMへ変更し、ブランドとしてはガリバーを継続使用している。中古車業界においては、明確な査定基準を設定し全国統一価格で買取を行う仕組みや、オークション出品を活用した「買取専門モデル」を構築した点が特徴であり、業界の慣習を変革した企業として知られている。また、画像販売システムの導入や女性スタッフ中心の店舗など、新しい販売手法を積極的に取り入れてきた。
主力事業は中古車の買取・販売であり、買い取った車両を自社店舗で小売り販売するほか、業者向けオークションへの出品によって収益を確保している。近年は大型展示場型店舗「WOW!TOWN」や高級車専門店「LIBERALA」、SUV専門店「Brat」など専門業態を拡充し、小売り比率を高める戦略を進めている。また軽自動車専門店やミニバン専門店など、車種特化型の販売形態も展開しており、多様な顧客ニーズへの対応力を高めている。
さらにサービス領域の拡大にも取り組んでおり、2016年には車のサブスクリプションサービス「NOREL」を開始、2019年には個人間カーシェアサービス「GO2GO」を提供開始するなど、CaaS(Car as a Service)分野への進出を進めている。
AI査定アプリの導入やオンライン販売の強化などDX投資も進めており、データ活用による査定精度向上や業務効率化を図っている。子会社のIDOM CaaS Technologyはこうした新サービスの中核を担っている。
海外展開も特徴の一つで、米国やオセアニア地域を中心に中古車販売ネットワークを構築してきた。豪州では新車ディーラー事業から撤退するなど事業再編を進めつつ、中古車事業の強化に注力している。また過去には同業のビッグモーターがIDOM株式を保有していたが資本提携関係はなく、2024年には保有株はすべて売却されている。
社会貢献活動にも積極的で、ユニセフ支援ギフトプロジェクトや被災地への車両提供、医療従事者への無償貸与など、モビリティ企業としての社会的役割を重視した取り組みを行っている。中古車市場は景気や新車供給の影響を受けやすいものの、保有台数の多い日本では一定の需要が存在し続ける分野であり、IDOMはブランド力、店舗網、データ活用力を背景に中古車流通の大手企業として事業拡大を続けている。
IDOM 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(単位:百万円) | 営業利益(単位:百万円) | 経常利益(単位:百万円) | 純利益(単位:百万円) | 一株益(単位:円) | 一株配当(単位:円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.2 | 380,564 | 10,571 | 9,642 | 1,484 | 14.8 | 10.6 |
| 連22.2 | 459,532 | 18,485 | 17,561 | 10,794 | 107.5 | 4.6 |
| 連23.2 | 416,514 | 18,684 | 18,146 | 14,205 | 141.5 | 42.5 |
| 連24.2 | 419,852 | 16,117 | 15,826 | 11,442 | 114.0 | 34.19 |
| 連25.2 | 496,678 | 19,890 | 19,115 | 13,447 | 133.9 | 40.18 |
| 連26.2予 | 546,800 | 20,100 | 18,900 | 12,500 | 124.5 | 37.35 |
| 連27.2予 | 600,000 | 22,800 | 21,600 | 14,200 | 141.4 | 42.42 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(単位:百万円) | 投資CF(単位:百万円) | 財務CF(単位:百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 2,275 | -166 | -10,634 |
| 2024 | 9,648 | -8,367 | -8,230 |
| 2025 | -20,036 | -8,762 | 13,634 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 4.4% | 8.1% | 22.8% | – | – |
| 2024 | 3.8% | 6.2% | 16.5% | – | – |
| 2025 | 4.0% | 6.1% | 16.9% | 8.8倍(高値平均) 5.5倍(安値平均) |
1.55倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
IDOMは売上が4198億円→4966億円→5468億円予想→6000億円予想と大きく拡大しており、事業規模は明確な成長トレンドにあります。中古車市場の活況や小売比率上昇が背景にあり、トップラインの伸びは評価できる内容です。
一方で利益面を見ると、営業利益は161億円→198億円→201億円予想→228億円予想と増益基調ではあるものの、売上の伸びに比べると利益の伸びは緩やかであり、収益力はまだ高い企業とは言えません。営業利益率も4.4%→3.8%→4.0%と低水準で横ばいに近く、流通業としてもやや物足りない採算性です。価格競争や在庫リスクを抱える中古車ビジネスの構造が影響していると考えられます。
純利益は114億円→134億円→125億円予想→142億円予想と増減を伴いながらの推移であり、利益の安定性は中程度です。ただしROEは22.8%→16.5%→16.9%と依然として高水準で、資本効率は非常に優秀な企業です。ROAも8.1%→6.2%→6.1%と低下傾向ではあるものの依然として悪くない水準にあり、総資産の活用力も一定の評価ができます。
バリュエーション面では2025年の実績PERは高値平均8.8倍、安値平均5.5倍とかなり割安レンジで推移しており、PBRも1.5倍程度と極端な成長評価は受けていません。高ROE企業としては評価が低めであり、市場は中古車業界特有の景気敏感性や利益変動リスクを織り込んでいると考えられます。
総合的に見ると、IDOMは売上成長力と資本効率の高さは魅力的な一方、営業利益率の低さと利益の変動性が評価の上値を抑えている典型的な「成長型だが低収益率の流通株」です。PER水準の低さから大きな割高感はなく、中長期では業績拡大に伴う株価上昇余地はありますが、高収益企業のような強いバリュエーション上昇は期待しにくい銘柄です。成長期待と景気敏感リスクのバランス型銘柄として、やや強気寄りの中立評価が妥当と考えられます。
配当目的とかどうなの?
配当目的で見ると、IDOMは「中間的な配当株」という評価になります。まず利回り水準は予想で2.8%→3.2%と上昇見込みで、日本株全体平均の2%前後よりはやや高く、最低限のインカム魅力はあります。高配当株というほどではありませんが、成長株としては悪くない水準です。
利益水準を見ると、純利益は114億円→134億円→125億円予想→142億円予想と増減はあるものの中期的には拡大方向で、配当の原資は確保されています。また配当性向30%目安という方針もあり、利益が増えれば配当も緩やかに増える可能性があります。この点は配当投資としてプラス材料です。
一方で営業利益率は4%前後と低く、景気や中古車市況の影響を受けやすいビジネスモデルのため、利益の安定性は高配当株としてはやや弱い部類になります。実際に純利益は年によって上下しており、配当も完全な安定型とは言えません。ディフェンシブな電力・通信・食品株などと比べると配当の安心感は劣ります。
ROEは16〜22%と非常に高く、資本効率の高さから企業としての収益力は一定評価できますが、その分成長投資も必要な業種であり、将来的に配当より投資を優先する局面もあり得ます。
総合すると、IDOMは「高配当株ではないが、成長しながらそこそこの配当を出すタイプの銘柄」です。純粋な配当目的なら利回り3%台は物足りないものの、株価上昇余地と配当の両取りを狙う中配当グロース株としては選択肢になります。配当安定性重視ならやや弱い、トータルリターン重視なら悪くないという位置付けです。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価1,315円で見ると、IDOMは売上が4198億円から4966億円、さらに5468億円予想、6000億円予想と拡大が続いており、中古車買取販売最大手として事業規模は明確な成長トレンドにある。中古車小売り比率の上昇や店舗網拡大によりトップラインは伸びやすい構造であり、市場環境が悪化しない限り売上は中期的に増加しやすい企業といえる。
一方で営業利益は161億円から198億円、201億円予想、228億円予想と増益基調ではあるものの、営業利益率は4.4%から3.8%、4.0%と低水準で横ばいに近く、収益性は高い企業とは言えない。ROEは22.8%から16.5%、16.9%と高水準を維持しており資本効率は優秀だが、ROAは8.1%から6.2%、6.1%とやや低下しており、資産回転型ビジネス特有の収益構造が見える。
良い場合は、売上が6500億円規模まで拡大し営業利益が260億円前後まで成長するケースである。小売販売比率の上昇やDX投資による在庫回転率改善、海外展開の進展などにより収益性がやや改善し、営業利益率が4.5%前後まで上昇する可能性がある。ROEも18%前後を維持できれば企業の成長性と資本効率の高さが評価され、PERが現在の割安水準から12倍〜14倍程度まで見直される可能性がある。その場合株価は1,900円から2,300円程度まで上昇するシナリオが考えられる。
中間の場合は、売上が6000億円前後で推移し営業利益も220億円前後の水準で安定するケースである。中古車需要は一定水準で継続するものの利益率は4%前後で横ばいとなり、大きな収益改善は起きないパターンである。PERも8倍から10倍程度のレンジに収まり、市場からは成長株と景気敏感株の中間的な評価を受けやすい。この場合株価は大きな上昇も下落も起きにくく、1,200円から1,600円程度のレンジで推移する比較的ボラティリティのある横ばい相場になる可能性がある。
悪い場合は、中古車価格の下落や在庫評価損、出店投資負担の増加などにより営業利益が180億円前後まで低下するケースである。利益率も3%台前半まで悪化しROEも14%前後まで低下すると、市場評価はさらに慎重になりPERが6倍から7倍程度まで低下する可能性がある。このような状況では株価は下落または長期停滞となり、800円から1,100円程度まで下振れするシナリオも想定される。
まとめると、IDOMは売上成長力と資本効率の高さは魅力である一方、営業利益率の低さと景気敏感性により株価は業績連動型の値動きになりやすい企業である。急成長株というよりは成長しながら上下を繰り返すタイプの銘柄であり、5年間の株価イメージとしては良い場合1,900円から2,300円、中間の場合1,200円から1,600円、悪い場合800円から1,100円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。配当利回り3%前後と株価成長の両方を狙うトータルリターン型銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月12日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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