株価
日本エム・ディ・エムとは

日本エム・ディ・エムは、骨接合材料や人工関節など整形外科分野の医療機器を中心に製造販売を行う医療機器メーカー兼専門商社である。東京都新宿区市谷台町に本社を置き、整形外科用インプラント製品に特化した事業を展開している。事業の特徴として、製品の約8割を米国で製造している点があり、為替が円高に振れた場合は調達コスト低下による利益改善効果が期待できる円高メリット銘柄としても知られている。
同社は1973年5月に株式会社ホスピタルサービスとして設立され、整形外科医療機器の輸入販売を中心に事業を開始した。その後1981年に現在の株式会社日本エム・ディ・エムへ商号変更し、整形外科分野に特化した医療機器企業として成長してきた。
1994年には米国の整形外科機器メーカーであるOrtho Development Corporationを買収し、商社機能に加えて製造・開発機能を獲得したことで、メーカーとしての性格も強めている。現在は人工股関節や人工膝関節などの人工関節分野、骨折治療に用いる骨接合材料、脊椎固定器具など幅広い整形外科用インプラント製品を取り扱っている。
販売体制は医療機関への直接販売を中心としており、製品供給だけでなく手術支援や技術サポートなども行うことで医師との関係性を構築している点が強みである。また海外子会社を通じた製品開発力を背景に、自社ブランド製品の販売比率を高める戦略を進めており、利益率向上を目指している。整形外科医療機器市場は高齢化の進展により人工関節手術や骨折治療の需要が増加する構造にあり、中長期的な市場成長が期待できる分野である。
資本面では、かつて伊藤忠商事と資本・業務提携を結び持分法適用関連会社となっていたが、2016年に伊藤忠商事が保有株式を日本特殊陶業へ売却したことに伴い提携関係を解消し、新たに日本特殊陶業と資本・業務提携を締結している。これにより同社は日本特殊陶業の持分法適用関連会社となり、技術面や事業面での連携強化を進めている。
株式市場では1998年に店頭登録、2000年に東京証券取引所市場第二部へ上場し、2001年には第一部へ指定替えしている。現在は整形外科分野に特化した専門性と米国製造拠点を活用した製品開発力を背景に、国内外で事業拡大を図っている。医療機器業界は品質管理や規制対応が重要な分野であるが、同社は長年の販売実績と製造機能を併せ持つ点を強みに、整形外科インプラント市場において存在感を持つ企業として成長を続けている。
日本エム・ディ・エム 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(単位:百万円) | 営業利益(単位:百万円) | 経常利益(単位:百万円) | 純利益(単位:百万円) | 一株益(単位:円) | 一株配当(単位:円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 16,738 | 2,168 | 2,125 | 1,664 | 63.1 | 11 |
| 連22.3 | 19,193 | 2,661 | 2,591 | 2,135 | 81.0 | 12 |
| 連23.3 | 21,307 | 2,024 | 2,043 | 1,423 | 54.0 | 13 |
| 連24.3 | 23,177 | 1,746 | 1,842 | 1,271 | 48.3 | 14 |
| 連25.3 | 25,114 | 1,555 | 1,488 | -461 | -17.5 | 15 |
| 連26.3予 | 24,800 | 700 | 550 | 300 | 11.4 | 17 |
| 連27.3予 | 26,700 | 1,200 | 1,000 | 650 | 24.7 | 17〜18 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(単位:百万円) | 投資CF(単位:百万円) | 財務CF(単位:百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 2,186 | -1,481 | -514 |
| 2024 | 2,104 | -1,804 | -840 |
| 2025 | 1,046 | -1,666 | 1,490 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 9.4% | 4.8% | 6.1% | – | – |
| 2024 | 7.5% | 4.0% | 4.9% | – | – |
| 2025 | 6.1% | -1.4% | -1.9% | 28.0倍(高値平均) 14.2倍(安値平均) |
0.60倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
日本エム・ディ・エムは売上が231億円→251億円→248億円予想と拡大後にやや減収見込みとなっており、事業規模は中期的には緩やかな成長だが足元は踊り場に入っている状況です。医療機器企業としては一定の市場成長余地はあるものの、直近ではトップラインの勢いは弱まっています。
利益面を見ると営業利益は17.4億円→15.5億円→7.0億円予想と大きく減益方向にあり、収益力は明確に低下しています。営業利益率も9.4%→7.5%→6.1%と低下トレンドが続いており、採算性の悪化が見られます。医療機器企業としては利益率が比較的高かった会社ですが、直近ではその強みが弱まっています。
純利益は12.7億円から-4.6億円へ赤字転落し、さらに3.0億円予想と小幅黒字回復見込みではあるものの、利益の安定性は大きく低下しています。ROEも6.1%→4.9%→-1.9%と資本効率は悪化し、ROAも4.8%→4.0%→-1.4%と同様に低下しており、企業の収益体質は弱含みと判断されます。
バリュエーション面では2025年の実績PERは高値平均28.0倍、安値平均14.2倍と振れ幅が大きく、利益の不安定さを反映した評価になっています。一方でPBRは0.6倍と資産価値を下回る水準で推移しており、市場は成長性よりも収益悪化リスクを強く織り込んでいる状況です。
総合すると、この会社は整形外科分野という成長市場に属しながらも、直近では収益力低下と赤字転落により評価が難しくなっている局面の企業です。割安感はあるものの業績回復が確認できるまでは株価は上値が重くなりやすく、現時点では弱気寄りの中立評価が妥当と考えられます。短期的には回復期待の思惑で動く可能性はありますが、中長期投資では業績の立て直し確認が重要な銘柄です。
配当目的とかどうなの?
配当目的で見ると、日本エム・ディ・エムは「やや弱い中配当株」という評価になります。まず利回り水準は26,27年度ともに予想で2.9%前後と、日本株平均の2%前後よりはやや高く、最低限のインカム魅力はあります。ただし高配当株と呼べる水準ではなく、純粋な配当狙いとしては強い魅力はありません。
利益面を見ると、純利益は12.7億円から-4.6億円へ赤字転落し、その後3.0億円予想と小幅黒字回復見込みにとどまっています。営業利益も17.4億円から7.0億円予想まで低下しており、配当の原資となる利益の安定性は弱い状況です。この状態で配当を維持する場合、配当性向が高まりやすく、将来的な減配リスクは一定程度あると考えられます。
一方で医療機器業界は中長期的に需要が伸びやすく、業績が回復すれば配当も安定する可能性があります。またPBRが0.6倍と低く資産面の割安感はあるため、株価下値は一定程度支えられやすい点は配当投資としてプラス材料です。
総合すると、日本エム・ディ・エムは「利回りは平均よりやや高いが、業績不安定なため配当安定性は弱い銘柄」です。純粋な配当目的なら電力・通信・食品などの安定配当株の方が適しており、この銘柄は配当を受け取りながら業績回復による株価上昇も狙うタイプの投資向きといえます。現時点では配当目的としては中立〜やや弱気評価が妥当です。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価580円で見ると、日本エム・ディ・エムは売上が231億円から251億円へ拡大した後、248億円予想とやや減収見込みとなっており、事業規模は中期的には緩やかな成長だが足元では一服感が出ている。整形外科医療機器という高齢化社会で需要が伸びやすい分野に属しているため市場環境自体は追い風であるものの、直近は収益面の弱さが目立つ状況である。
営業利益は17億円から15億円へ減少し、さらに7億円予想と大きく落ち込む見通しであり、収益力は明確に低下している。営業利益率も9.4%から7.5%、6.1%と低下トレンドが続いており、医療機器企業としては利益水準の調整局面にあるといえる。ROEも6%台から4%台、さらにマイナス水準まで低下しており、資本効率も弱含んでいる。
良い場合は、売上が270億円以上まで拡大し営業利益が15億円前後まで回復するケースである。人工関節や骨接合材料などの需要増加に加え、自社製品比率の上昇や円高による調達コスト低下などが寄与すれば利益率が改善する可能性がある。営業利益率が7%台まで戻り、ROEも8%前後まで回復すれば企業の収益力への評価が見直され、PBRも現在の0.6倍前後から1倍近くまで上昇する余地がある。その場合株価は800円から1,000円程度まで上昇するシナリオが考えられる。
中間の場合は、売上が250億円前後で安定し営業利益も10億円前後の水準で推移するケースである。整形外科分野の需要は堅調に推移するものの競争やコスト増の影響で利益率は6%前後にとどまり、大きな収益改善には至らないパターンである。市場評価もPBR0.6倍から0.8倍程度に収まり、株価は大きな上昇も下落も起きにくく、550円から700円程度のレンジで推移する可能性がある。業績回復期待はあるが、はっきりした成長ストーリーが見えにくい局面といえる。
悪い場合は、利益回復が遅れ営業利益が5億円前後まで低下するケースである。収益性が低い状態が続けばROEも低迷し、市場は割安評価をさらに強めPBRが0.5倍前後まで低下する可能性がある。このような状況では株価は下落または長期停滞となり、350円から500円程度まで下振れするシナリオも想定される。
まとめると、日本エム・ディ・エムは整形外科医療機器という成長市場に属しながらも、直近は収益低下局面にある企業である。急成長株ではなく業績回復期待型の銘柄であり、5年間の株価イメージとしては良い場合800円から1,000円、中間の場合550円から700円、悪い場合350円から500円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。配当を受け取りながら業績回復を待つタイプの中小型株といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月12日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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