株価
白銅とは

白銅株式会社は、アルミニウム・伸銅・ステンレス・特殊鋼・プラスチックなどの材料を取り扱う独立系の金属専門商社であり、東京都千代田区に本社を置く企業である。金属材料の加工販売を主力事業とし、小口対応・短納期・加工対応力を強みとしている。
主な納入先は半導体製造装置メーカーや機械装置メーカーなどであり、高精度材料や加工部品の安定供給を通じて産業分野の発展を支えている。配当性向は45%を目安としており、株主還元にも積極的な企業として知られている。
同社の起源は1932年に東京市京橋区で白銅商店として創業したことに始まる。1949年に非鉄金属販売を目的として株式会社白銅商店を設立し、1967年に現在の白銅株式会社へと商号変更した。1968年には業界に先駆けてコンピューターシステムを導入し、業務効率化を進めている。
1970年代には神奈川県に工場拠点を開設し、翌日配達販売や切断販売を開始するなど、短納期供給体制を確立した。1980年代には大阪に営業拠点を開設し販売網を拡大、1990年代には滋賀工場を稼働させ生産体制を強化している。
2000年以降は海外展開を本格化させ、2003年に上海白銅精密材料有限公司を設立。2004年には東京証券取引所第二部へ上場し、2005年に第一部へ指定替えとなった。2006年には郡山工場、2008年には九州工場を稼働させ国内供給体制を拡充している。
2014年にはタイに販売拠点を設立し、2017年には埼玉工場を開設。2019年には非鉄金属商社である株式会社AQRを完全子会社化し、販売ネットワークと取扱商材の拡充を図った。2022年の市場再編では東証プライム市場へ移行し、同年には米国拠点Hakudo USA Inc.を設立。
2023年には米国のWest Coast Aluminum & Stainless社を子会社化するなど北米展開も進めている。さらに2024年に福岡工場、2026年には埼玉第二工場の操業開始を予定しており、供給能力の増強を進めている。
事業内容は、アルミニウムや銅、ステンレス、特殊鋼、樹脂などの板・棒・管といった材料の販売および加工サービスの提供である。独立系商社として国内外400社超のメーカーや加工業者から材料を調達し、年間約4万トンの材料を国内約1万3000社以上の顧客へ供給する販売力を持つ。材料の手配から仕様調整、納期調整、品質管理、在庫管理、不具合対応まで調達工程を一括して担うことで顧客の負担軽減と生産効率向上に貢献している。
具体的なサービスとしては圧延品の提案、押出型材の供給、機械加工品の受託、輸入金型や金型部品の提供などが挙げられる。半導体製造装置向けのスケッチ材やチャンバー材、空圧機器部品、自動車部品など幅広い用途に対応している。
また3Dプリンターによる受託造形サービスも展開しており、試作から量産まで対応するトータルソリューションを提供している。こうした加工技術と在庫販売モデルを組み合わせたビジネスにより、高機能・高品質・低コストの材料供給を実現している企業である。
直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 39,219 | 1,981 | 2,083 | 1,281 | 113.0 | 58 |
| 連22.3 | 55,441 | 4,256 | 4,373 | 2,964 | 261.3 | 115 |
| 連23.3 | 61,602 | 3,777 | 3,988 | 2,737 | 241.4 | 109 |
| 連24.3 | 57,253 | 2,523 | 2,847 | 1,916 | 169.0 | 80 |
| 連25.3 | 66,410 | 2,983 | 3,214 | 2,236 | 197.2 | 89 |
| 連26.3予 | 67,200 | 2,450 | 2,580 | 1,690 | 149.0 | 80 |
| 連27.3予 | 80,000 | 3,000 | 3,200 | 2,100 | 185.2 | 84 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 321 | -1,552 | -1,416 |
| 2024 | 2,527 | -1,612 | -1,328 |
| 2025 | 1,782 | -893 | -1,127 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 6.1% | 12.9% | 6.3% | – | – |
| 2024 | 4.4% | 8.5% | 4.5% | – | – |
| 2025 | 4.4% | 9.4% | 4.9% | 14.3倍〜10.8倍 | 1.18倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
白銅の業績推移を見ると、売上は572億円 → 664億円 → 672億円予想 → 800億円予想と中期的には拡大傾向にあり、事業規模は着実に成長している。一方で営業利益は25億円 → 29億円 → 24億円予想 → 30億円予想と上下しながらの推移となっており、安定した増益トレンドというよりは市況や需要動向の影響を受けやすい収益構造になっている。経常利益も28億円 → 32億円 → 25億円予想 → 32億円予想と同様の動きであり、利益の変動幅は比較的大きい。
収益性の面では営業利益率が6.1% → 4.4% → 4.4%と低下後に横ばいとなっており、過去より採算性はやや弱まっている。ROEも12.9% → 8.5% → 9.4%と低下した後に回復途中の水準にあり、資本効率は高収益企業と比べると中位程度といえる。ROAも6.3% → 4.5% → 4.9%と同様の動きで、総合的に見ると収益力はやや低下した後に持ち直しつつある段階と評価できる。
バリュエーション面ではPERが10.8倍〜14.3倍程度、PBR1.1倍前後と割安すぎる水準ではないが、成長株として評価されているわけでもない中間的な位置にある。利益成長の確実性が高くないため高PERが付きにくい一方、資産価値や配当期待などから極端な低評価にもなりにくい銘柄といえる。
総合すると、この会社は売上拡大余地はあるものの利益が市況の影響を受けやすい金属商社型の収益構造であり、成長株というよりは景気敏感な中位収益企業の位置付けになる。今後の評価は半導体設備投資や製造業の動向に左右されやすく、安定成長よりも循環的な業績推移を前提に投資判断する銘柄と考えられる。
配当目的とかどうなの?
配当目的で見ると、白銅は一定の魅力を持つ中配当銘柄といえる。予想配当利回りは2026年3月期3.14%、2027年3月期3.30%と、日本株の平均配当利回り2%前後を上回る水準にあり、インカム狙いとしては検討対象になりやすい水準である。
業績面を見ると、売上は拡大傾向にあるものの営業利益は景気や金属市況の影響を受けやすく、利益の安定性は高配当ディフェンシブ銘柄ほど強くはない。そのため配当も大きく成長するタイプではなく、業績に応じて増減する可能性がある点には注意が必要である。ただし同社は配当性向45%を目安としており、利益が一定水準を維持できれば配当も比較的安定しやすい特徴がある。
PERは10倍台前半〜中盤、PBRも1倍前後と極端な割高感はなく、株価の下値は配当利回りによってある程度支えられやすい構造になっている。いわゆる高成長株ではないが、配当を受け取りながら景気回復局面での株価上昇も狙えるタイプの銘柄といえる。
総合すると、白銅は高配当株とまではいえないものの、中配当で割安感もあるため配当+景気回復期待のバランス型銘柄としては検討余地がある。ただし金属市況や設備投資動向によって減益となった場合は配当も減る可能性があるため、完全な安定配当株としてではなく循環株型の配当銘柄として考えるのが適している。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価2,544円で見ると、白銅は金属商社という景気敏感型のビジネス構造を持ちながらも、加工・短納期対応や半導体製造装置向けなど付加価値の高い分野に強みがある企業である。
売上は6,641億円から6,720億円、さらに8,000億円予想と中期的には拡大が見込まれているが、営業利益は29億円から24億円予想と一時的な減益局面も想定されており、業績は直線的な成長ではなく循環色のある推移になりやすい。営業利益率は4%台で推移し、ROEも9%前後と中堅商社としては標準的な収益力である。
良い場合は、半導体設備投資の回復や製造業の設備更新需要が拡大し、売上が8,500億円前後まで伸び、営業利益も35億円前後まで回復するケースである。加工ビジネスの比率上昇や海外事業の成長により利益率が5%台まで改善し、ROEも12%近くまで上昇すれば市場の評価が見直されPERが15倍前後まで上昇する可能性がある。その場合、株価は3,200円から3,800円程度まで上昇するシナリオが考えられる。
中間の場合は、売上が7,500億円前後で安定し、営業利益も28億円前後の水準で推移するケースである。景気循環の影響を受けながらも大きな崩れはなく、PERも11倍から13倍程度のレンジに収まりやすい。この場合、株価は2,300円から2,900円程度の範囲で上下しながら推移する可能性が高く、配当利回りによって下値が支えられる典型的なバリュー株の動きになりやすい。
悪い場合は、半導体設備投資の減速や金属価格の下落により需要が弱まり、営業利益が20億円前後まで低下するケースである。利益率も3%台まで低下しROEも6%前後まで下がる可能性がある。この場合は市場評価も低下しPERが9倍前後まで縮小する可能性があり、株価は1,800円から2,100円程度まで下落するシナリオが考えられる。
まとめると、この会社は景気回復局面では上昇余地がある一方で、景気減速局面では株価も調整しやすい典型的な景気敏感バリュー株である。5年間の株価イメージとしては、良い場合3,200円から3,800円、中間の場合2,300円から2,900円、悪い場合1,800円から2,100円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。配当を受け取りながら景気サイクルを見て保有するスタンスが向きやすい銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月14日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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