株価
長野計器とは

野計器株式会社は、東京都大田区に本社を構える精密機器メーカーであり、圧力計や圧力センサなど各種センサ機器の開発・製造・販売を主力事業としている企業である。機械式圧力計ではグループとして世界シェア首位級の地位を持ち、産業機械向けを中心に安定した需要基盤を築いている。
また世界最大級の電子圧力センサー工場を保有するなど、アナログ計測機器だけでなく電子センサ分野でも存在感を高めている。燃料電池自動車(FCV)向け水素ステーション用の高性能圧力計や圧力センサの生産にも取り組んでおり、次世代エネルギー分野での需要取り込みも進めている。
創業は1896年5月、和田嘉衛が現在の東京都文京区小石川に和田計器製作所を設立したことに始まる。1902年には合名会社東京計器製作所を設立し、1917年に株式会社へ改組した。1930年には本社を東京都大田区蒲田へ移転し、戦後の1948年には企業再建整備法に基づき株式会社東京計器製造所と株式会社長野計器製作所に分離して長野県小諸市に設立された。その後1951年に長野県上田市へ本社を移転し、1976年には再び東京都大田区へ本社を移して現在に至っている。
資本市場では1998年に店頭公開を果たし、2005年に東京証券取引所第2部へ上場、2007年には第1部へ指定替えとなった。2006年には米国の圧力計メーカーAshcroft Inc.を子会社化し、グローバル展開を本格化させたほか、2008年には空圧機器メーカーのニューエラーを子会社化するなど事業領域の拡大を進めている。
2011年には東京計器、チノー、オーバルと業務提携を行い、計測分野での連携を強化した。2013年にはゼネラルモーターズと圧力センサ供給契約を締結し、自動車分野への展開も進めている。2019年には中村金型製作所を子会社化し、生産技術の強化にも取り組んだ。
主な製品は圧力計、圧力センサ、圧力スイッチ、温度計、流量計などであり、半導体装置、空調設備、建設機械、化学プラント、エネルギー関連設備など幅広い産業分野で使用されている。高い信頼性が求められる安全監視用途で採用されることが多く、長年培った技術力と品質管理体制が競争優位性の源泉となっている。
近年は電子化・デジタル化への対応を進め、IoTや自動化需要の高まりを背景にセンサシステム分野での成長も期待されている。こうした取り組みにより、長野計器は伝統的な圧力計メーカーから総合センサメーカーへと進化を続けている企業である。
直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 44,805 | 1,442 | 1,512 | 865 | 45.0 | 22 |
| 連22.3 | 54,952 | 3,552 | 4,312 | 2,514 | 132.1 | 29特 |
| 連23.3 | 60,543 | 4,725 | 4,954 | 3,410 | 179.1 | 36特 |
| 連24.3 | 67,935 | 7,150 | 7,390 | 5,409 | 283.6 | 40特 |
| 連25.3 | 69,544 | 7,653 | 7,575 | 6,054 | 316.9 | 48特 |
| 連26.3予 | 66,500 | 6,600 | 6,700 | 4,950 | 266.5 | 50〜52 |
| 連27.3予 | 69,000 | 7,400 | 7,500 | 5,250 | 282.7 | 50〜52 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 2,219 | -1,999 | -261 |
| 2024 | 6,240 | -2,035 | -3,417 |
| 2025 | 6,097 | -351 | -3,503 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 7.8% | 5.4% | 10.4% | – | – |
| 2024 | 10.5% | 7.4% | 13.6% | – | – |
| 2025 | 11.0% | 8.1% | 13.8% | 9.5(高値平均) 5.3(安値平均) |
1.14 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
長野計器は、提示された数値だけで見ると安定成長型で割安感のある中堅優良株と判断できます。売上規模は679億円から695億円へ拡大し、665億円予想と一時的な減収見込みはあるものの、600億円台後半の事業規模を安定して維持している点は評価できます。急成長企業ではありませんが、需要の底堅さが感じられる企業です。
利益面では営業利益が71億円から76億円へ増加した後に66億円予想、経常利益は73億円から75億円へ増加後に67億円予想、純利益は54億円から60億円へ増加後に49億円予想と、2025年までは増益基調ですが2026年は減益見込みとなっています。このことから業績は右肩上がりというより景気や設備投資動向の影響を受けながら上下する循環型の収益構造である可能性が高いです。
一方で収益性は明確に改善しています。営業利益率は7.8%から10.5%、さらに11.0%まで上昇しており、製造業としては中上位の採算性です。ROEも10.4%から13.6%、13.8%と上昇しており資本効率は良好です。ROAも5.4%から7.4%、8.1%まで改善しているため総資産ベースで見ても効率的に利益を生み出している企業と言えます。
バリュエーション面では2025年実績PERが高値平均9.5倍、安値平均5.3倍と低水準で推移しており、市場からは成長株というより景気敏感の割安株として評価されている可能性があります。PBRも1.1倍程度で資産価値に近い水準にとどまっている点からも過度な期待は織り込まれていない状態です。
総合的に見ると収益性は改善しており資本効率も高い一方で、利益は景気の影響を受けやすく直線的な成長企業ではありません。ただし評価は割安なため、長期では景気回復局面での利益拡大と株価上昇余地が期待できる銘柄です。短期的な成長株投資よりも、景気サイクルを意識しながら割安局面で拾う投資スタイルに向いている企業と判断できます。
配当目的とかどうなの?
長野計器は配当目的として見ると「可もなく不可もない中間的な銘柄」という評価になります。予想配当利回りは26,27年度ともに1.82%と、日本株全体で見ると低くはありませんが、高配当株と呼べる水準ではありません。インカムゲインを主目的にする投資ではやや物足りない水準です。
一方で利益水準を見ると純利益は54億円から60億円へ増加しており、2026年は49億円予想と減益見込みではあるものの、依然として十分な利益規模を維持しています。営業利益率も11%前後まで改善しており、ROEも13%台と資本効率は高い状態です。このように収益力自体は悪くないため、配当の継続性という点では比較的安心感があります。
また配当は22円から48円まで増配してきた実績があり、50円前後の配当予想も出ていることから、会社としては株主還元姿勢を徐々に強めている段階と考えられます。ただし現時点では配当性向が極端に高いわけではなく、あくまで業績連動型の配当政策と見られるため、景気が悪化して利益が落ちる局面では配当の伸びも鈍化する可能性があります。
総合的に見ると長野計器は「高配当株ではないが、成長とともに配当も増えていくタイプ」の銘柄です。純粋な配当目的で保有するなら他に利回りの高い銘柄は多くありますが、割安感のある株価水準で保有しながら配当を受け取り、景気回復時の株価上昇も狙うという中長期投資には向いている銘柄と判断できます。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価2,854円で売上は679億円から695億円へ拡大し、さらに665億円予想と一時的な減収見込みはあるものの、600億円台後半の事業規模を安定して維持している。圧力計や圧力センサーを主力とする産業機器メーカーとして設備投資や自動車・半導体関連需要の影響を受けるものの、世界シェアの高い分野を持つことから中長期では底堅い成長が期待できる企業である。
営業利益は71億円から76億円へ増加した後に66億円予想と減益見込みだが、営業利益率は7.8%から10.5%、さらに11.0%へ改善しており収益性はむしろ向上している。ROEも10.4%から13.6%、13.8%と上昇していることから、資本効率は製造業としては良好な水準にある。
良い場合は、設備投資需要の回復や水素・半導体関連分野の拡大により売上が750億円以上まで成長し、営業利益が90億円前後の水準まで拡大するケースである。利益率も12%台まで上昇し、ROEが15%前後まで改善すれば企業の収益力に対する評価が高まり、PERが10倍から12倍程度まで見直される可能性がある。その場合、株価は4,000円から4,800円程度まで上昇するシナリオが考えられる。
中間の場合は、売上が650億円から700億円前後で安定し、営業利益も60億円から75億円程度で推移するケースである。景気の波は受けるものの大きな成長も大きな悪化もなく、営業利益率は10%前後、ROEも13%前後の水準を維持すると考えられる。PERも現在と近い7倍から9倍程度で評価される可能性が高く、この場合の株価は2,800円から3,400円程度のレンジで比較的落ち着いた値動きになる可能性がある。
悪い場合は、設備投資の減速や産業需要の低迷により売上が600億円前後まで縮小し、営業利益も50億円程度まで低下するケースである。利益率も8%台まで低下し、ROEも10%前後まで悪化すれば市場評価も下がり、PERが5倍から6倍程度まで低下する可能性がある。このような状況では株価は1,900円から2,300円程度まで下落するリスクが考えられる。
まとめると、長野計器は圧力センサー分野で強みを持ちながら収益性と資本効率が改善している一方、景気敏感株として評価が低く抑えられている企業である。急成長株ではないが割安感はあり、5年間の株価イメージとしては良い場合4,000円から4,800円、中間の場合2,800円から3,400円、悪い場合1,900円から2,300円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。配当を受け取りながら景気回復局面での株価上昇も狙える中長期向きの銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月14日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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