株価
スギホールディングスとは

スギホールディングス株式会社は、持株会社体制のもと業界大手ドラッグストア「スギ薬局」を中核に事業を展開する企業である。東海地方を地盤としながら関東・関西へ店舗網を拡大し、医薬品販売と調剤を軸としたヘルスケア小売企業として成長してきた。2024年9月には関西を中心に阪神調剤薬局を展開するI&H株式会社を買収し、調剤事業の強化と関西圏での存在感向上を図っている。
中核子会社である株式会社スギ薬局は愛知県大府市に本社を置く薬局・ドラッグストアチェーンであり、医薬品だけでなく化粧品、日用品、食品、アルコール飲料など幅広い商品を取り扱っている。店舗ブランドは調剤併設型の「スギ薬局」、物販中心の「スギドラッグ」「ドラッグスギ」などに分かれ、地域の医療インフラとしての役割を担う。
薬剤師が常駐する店舗では第一類医薬品の販売にも対応し、処方箋調剤サービスの充実を進めている。社名の「スギ」は創業者の杉浦姓と杉の木に由来し、社是として親切・誠実・信頼を掲げている。
同社は1976年に愛知県西尾市で創業し、その後法人化を経て東海地区で店舗網を拡大した。2000年代以降は積極的なM&Aや業務提携を通じて事業規模を拡大し、ディスカウントストア「ジャパン」や飯塚薬品などの取得により業界上位の売上規模に成長した。
2008年には持株会社体制へ移行し、スギホールディングスとして経営管理機能を担う一方、事業会社であるスギ薬局が店舗運営を行う体制を構築した。近年は漢方専門薬局の取得や訪問看護事業の展開など、医療サービス領域の強化にも取り組んでいる。
事業内容はドラッグストア事業と調剤事業が中心であり、地域密着型の出店戦略と調剤併設型店舗の拡大によって安定した収益基盤を構築している。物流センターの整備やDXによる業務効率化、プライベートブランド商品の開発、決済サービス「スギPay」の導入など、小売と医療を融合した独自のビジネスモデルを推進している。また、海外展開や医療人材サービス、医院開業支援、訪問看護など周辺領域への事業拡張も進めている。
店舗は東海地区を中心に関東・関西・北陸へと拡大し、2024年3月末時点で約1700店舗超を展開している。24時間営業店舗や宅配対応店舗の拡充など利便性向上にも取り組み、生活インフラとしての存在感を高めている。
高齢化の進展に伴う医療需要拡大を背景に、調剤や在宅医療支援の重要性は今後さらに高まるとみられ、スギホールディングスはトータルヘルスケア企業として中長期的な成長を目指している。
直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.2* | 602,510 | 33,701 | 35,333 | 21,120 | 113.9 | 26.7 |
| 連22.2* | 625,477 | 32,137 | 33,082 | 19,389 | 104.6 | 26.7 |
| 連23.2* | 667,647 | 31,658 | 32,391 | 19,007 | 103.8 | 26.7 |
| 連24.2* | 744,477 | 36,622 | 38,039 | 21,979 | 121.5 | 26.7 |
| 連25.2 | 878,021 | 42,563 | 41,993 | 25,689 | 142.0 | 35 |
| 連26.2予 | 1,005,000 | 49,000 | 50,700 | 44,300 | 244.8 | 35 |
| 連27.2予 | 1,075,000 | 52,400 | 54,600 | 35,000 | 193.4 | 36〜40 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(単位:百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023 | 38,279 | -23,256 | -14,209 |
| 2024 | 39,041 | -30,976 | -5,284 |
| 2025 | 36,941 | -33,285 | 11,633 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 4.7% | 8.7% | 5.4% | – | – |
| 2024 | 4.9% | 9.4% | 5.6% | – | – |
| 2025 | 4.8% | 10.2% | 5.1% | 15.1〜20.6倍 | 2.19倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
スギホールディングスは売上規模が非常に大きく、2024年は売上7,444億円、営業利益366億円、純利益219億円、2025年は売上8,780億円、営業利益425億円、純利益256億円と着実に拡大している。
さらに2026年は売上1兆50億円、営業利益490億円、純利益443億円予想と初の売上1兆円台に乗る見込みであり、業界内でも成長力は比較的高い水準にある。2027年も売上1兆750億円、営業利益524億円予想と拡大基調は続く見通しである。
収益性を見ると営業利益率は2023年4.7%、2024年4.9%、2025年4.8%とほぼ横ばいで、ドラッグストア業界らしい薄利多売型の構造になっている。ただしROEは8.7%から9.4%、10.2%と着実に改善しており、資本効率は徐々に高まっている。ROAも5%前後で安定しており、資産規模の大きい小売企業としては標準以上の水準といえる。
バリュエーション面ではPERは15.1倍から20.6倍のレンジ、PBRは2.1倍台と割安感は強くないが、成長企業として一定の評価を受けている水準である。営業利益や純利益が拡大していることを考えると、今後も利益成長が続けば現在の評価は維持されやすい。
総合すると、スギホールディングスは高収益企業ではないものの売上成長力と規模拡大による利益増加が期待できる成長型ディフェンシブ銘柄といえる。利益率が大きく改善する余地は小さいが、出店拡大やM&Aによって業績が積み上がる構造であり、中長期では安定成長を前提とした投資対象としては比較的魅力がある。一方でPERはすでに中程度まで評価されているため、短期的には大きな割安感は感じにくく、利益成長の継続が株価上昇の前提になる銘柄といえる。
配当目的とかどうなの?
配当目的で見るとスギホールディングスはやや物足りない銘柄といえる。予想配当利回りは2026年2月期1.03%、2027年2月期1.05%と日本株平均の2%前後を下回っており、インカム狙いの高配当株としての魅力は小さい水準である。
一方で業績は売上・利益ともに拡大しており、営業利益は366億円→425億円→490億円予想と成長傾向にあるため、配当の安定性という点では比較的安心感はある。スギホールディングスはドラッグストア業界の中でも調剤併設型店舗の拡大を強みとしており、医薬品・日用品・食品といった生活必需品需要を取り込めるため、景気後退局面でも売上が大きく崩れにくいディフェンシブ性を持つ企業である。
またROEも8%台から10%台へ改善しており、収益力の底上げと資本効率の向上が進んでいる点は評価できる。ただし現時点では配当利回りよりも成長投資を優先している企業であり、新規出店・調剤強化・物流投資などに資金を振り向けることで企業規模を拡大している段階にある。
そのため配当収入を主目的とする投資には向きにくく、どちらかといえば株価上昇と緩やかな増配を同時に狙う中長期保有向きの銘柄といえる。ドラッグストア業界は競争が激しいものの、高齢化の進行やセルフメディケーション需要の拡大といった構造的な追い風もあり、売上基盤は比較的安定している。
総合するとスギホールディングスは高配当株ではないが、安定した業績拡大を背景に将来的な増配期待はある企業であり、配当単体での魅力は小さいものの、ディフェンシブ性と成長性のバランスを重視する投資スタイルには適した銘柄といえる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価3,398円で見ると、スギホールディングスは売上が7444億円から8780億円、さらに1兆50億円予想と大きく拡大しており、ドラッグストア事業と調剤事業の両輪で事業規模は着実に成長している。店舗数の拡大に加えて既存店の売上増加も進んでおり、生活必需品を扱う業態として安定した売上基盤を持つ企業である。
営業利益も366億円から425億円、490億円予想と増益基調が続いており、景気の影響を受けにくい内需ディフェンシブ銘柄として業績は比較的安定して推移しやすい。営業利益率は4.7%から4.9%、4.8%と大きな変動はなく、ROEも8%台から10%台へ改善していることから、急成長株というより安定成長型の企業といえる。
良い場合は、売上が1兆1500億円以上まで拡大し、営業利益が600億円前後の水準まで成長するケースである。調剤併設店舗の拡大やM&Aによる店舗網強化、PB商品の拡充などによって売上が伸び、規模拡大による物流効率の改善で利益率もやや上昇する可能性がある。営業利益率が5%台前半まで改善し、ROEも12%前後まで上昇すれば企業の収益力に対する評価が高まり、PERが22倍から25倍程度まで見直される可能性がある。その場合、株価は4,500円から5,400円程度まで上昇するシナリオが考えられる。
中間の場合は、売上が1兆800億円前後で安定し、営業利益も520億円前後の水準で推移するケースである。ドラッグストアという生活必需型のビジネスであるため業績は大きく崩れにくく、PERも現在と近い17倍から19倍程度で推移する可能性が高い。この場合、株価は大きく上昇することも大きく下落することもなく、3,200円から4,000円程度のレンジで比較的穏やかな値動きになる可能性がある。いわゆる安定株としての動きになりやすいパターンである。
悪い場合は、ドラッグストア業界の競争激化や人件費上昇、出店コスト増加などで利益が伸びず、営業利益が400億円前後まで低下するケースである。利益率も4%台前半まで低下し、ROEも8%前後まで下がる可能性がある。その場合は市場の評価も低くなり、PERが13倍から15倍程度まで低下する可能性がある。こうした状況では株価は2,700円から3,100円程度まで下落する可能性が考えられる。
まとめると、この会社はドラッグストアと調剤という安定需要の分野を背景に売上と利益が中長期で拡大している企業である。急成長株ではないが業績の安定性は高く、5年間の株価イメージとしては、良い場合4,500円から5,400円、中間の場合3,200円から4,000円、悪い場合2,700円から3,100円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。配当を受け取りながら比較的安定した値動きになりやすい銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月14日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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