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リズムとは

リズムは埼玉県さいたま市大宮区に本社を置く精密機器メーカーで、時計などの生活用品事業と精密金型や接続端子などの精密品事業を柱とする企業である。1950年にリズム時計工業株式会社として設立され、家庭用クロック分野では国内有力メーカーの一つとして長年のブランド力を持つ。2020年10月には東北リズムおよびリズム協伸を吸収合併し、商号をリズム株式会社へ変更するなど組織再編を進め、経営効率化と収益体質の強化を図っている。
同社はシチズン時計から出資を受けるなど資本関係を持ち、商標の相互使用契約を締結するなど密接な関係にある。日本国内向けクロックの一部には現在も「CITIZEN」ブランドが使用されており、時計分野では長年にわたり協力関係を築いてきた。かつてはクロック生産量で世界首位となるなど量産技術にも強みを持ち、現在も同社製品は世界90か国以上で販売されている。
主力の生活用品事業では掛時計、置時計、目覚まし時計など家庭用クロックの製造販売を中心に展開している。電波時計や温湿度表示付きクロック、防滴仕様の屋外時計、からくり時計など機能性とデザイン性を兼ね備えた製品を開発しており、一般家庭だけでなく学校や公共施設、商業施設向けの設備時計など幅広い用途に対応している。近年は時計だけでなく加湿器やUSBファンなどの小型家電や生活雑貨の開発販売にも注力しており、生活関連メーカーとしての色合いを強めている。
精密品事業では精密金型や成形部品、接続端子部品、電子部品などの製造販売を行っている。自動車向け車載機器や家電・産業機器向け部品など幅広い分野に供給しており、BtoB分野の収益基盤として重要な役割を担っている。
海外では中国やベトナムなどに生産拠点を持ち、コスト競争力の強化とグローバル展開を進めている点も特徴である。また関連会社では塗装・印刷事業や卸売事業、修理・物流事業なども手掛け、グループとしての機能強化を図っている。
沿革としては戦後間もない1946年に前身である農村時計製作所が設立され、その後1950年に現在の事業を継承する形でリズム時計工業が設立された。国産初のプラスチック枠時計の発売や水晶ムーブメントの開発など技術革新にも積極的で、品質管理の分野ではデミング賞を受賞するなど製造技術力の高さでも知られる。2000年以降は海外展開や事業多角化を進める一方、子会社整理や統合など構造改革を実施し、収益性改善に取り組んできた。
このようにリズムは時計メーカーとしての伝統的なブランド力と、精密部品メーカーとしての技術力を併せ持つ企業であり、生活用品の安定需要と車載・電子部品など景気感応度の高い事業の両面を持つ点が特徴である。現在は時計依存からの脱却と精密品事業の成長を進めながら、収益の安定化と企業価値向上を目指している企業である。
リズム 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 27,304 | 318 | 588 | -1,262 | -152.9 | 30 |
| 連22.3 | 29,999 | 892 | 1,286 | 1,031 | 124.9 | 37.5 |
| 連23.3 | 31,231 | 886 | 1,246 | 794 | 96.2 | 48.5 |
| 連24.3 | 32,602 | 730 | 1,259 | 477 | 57.9 | 48.5 |
| 連25.3 | 32,666 | 817 | 1,160 | 758 | 91.9 | 73 |
| 連26.3予 | 33,500 | 1,550 | 1,800 | 2,000 | 251.2 | 151.75 |
| 連27.3予 | 33,800 | 1,600 | 1,850 | 1,200 | 150.7 | 151.75 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 1,185 | -1,070 | -467 |
| 2024 | 2,459 | -2,143 | 150 |
| 2025 | 2,441 | -1,458 | 1,323 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 2.8% | 1.9% | 2.7% | – | – |
| 2024 | 2.2% | 1.0% | 1.5% | – | – |
| 2025 | 2.5% | 1.6% | 2.4% | 23.5〜48.2 | 0.94 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず売上は326億円から326億円、さらに335億円予想から338億円予想と小幅な増収にとどまっており、事業規模は大きく拡大しているとは言いにくい。成熟企業に近い売上推移であり、急成長ストーリーは見えにくい水準である。
営業利益は7.3億円から8.1億円、さらに15.5億円予想から16.0億円予想と改善傾向は見られるが、利益規模自体はまだ小さい。利益回復局面にはあるものの、過去の利益体質の弱さを考えると安定的に高収益を維持できるかはまだ不透明といえる。
経常利益は12.5億円から11.6億円、さらに18.0億円予想から18.5億円予想とやや変動しながらも回復見込みである。純利益は4.7億円から7.5億円、さらに20.0億円予想から12.0億円予想と振れが大きく、最終利益の安定性には注意が必要な水準である。
収益性を見ると営業利益率は2.8%から2.2%、さらに2.5%と低位で推移しており、製造業としても収益力は弱い部類に入る。ROEは2.7%から1.5%、さらに2.4%と非常に低く、資本効率は投資対象としては物足りない水準である。ROAも1.9%から1.0%、さらに1.6%と低水準で、資産を活用した利益創出力は限定的である。
バリュエーション面では2025年実績PERは23.5倍から48.2倍のレンジと高水準で推移しており、利益規模の小ささを考えると割安感は出にくい。一方でPBRは0.9倍と純資産近辺で評価されており、市場は成長期待より資産価値を中心に評価している可能性が高い。
総合的に見ると、リズムは売上が横ばい圏で収益性と資本効率が低く、現状は成長株としても高配当株としても評価しにくい企業である。今後の利益改善が継続すれば見直し余地はあるが、現時点では高PERと低ROEの組み合わせとなっており、投資判断としては積極的に買うより業績回復の確度を確認しながら慎重に見る段階の銘柄といえる。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは26年3月期予想・27年3月期予想ともに3.8%台となっており、日本株の中ではやや高めの水準に入る。インカム目的として一定の魅力はある水準であり、利回りだけを見れば中配当株の中では比較的目立つ存在といえる。
ただし業績面を見ると純利益は4.7億円から7.5億円、さらに20.0億円予想から12.0億円予想と振れが大きく、最終利益の安定性はまだ弱い。営業利益率も2%台と低水準で、景気や受注環境の影響を受けると利益が圧縮されやすい体質になっている。ROEも2%台前後と資本効率はかなり低く、株主還元を継続的に強化できる企業体質とは言いにくい点は注意が必要である。
また売上は326億円前後から338億円程度と緩やかな伸びにとどまっており、大幅な増益トレンドが確立しているわけではない。このため今後の配当も増配余地は限定的で、どちらかと言えば業績改善が続くことを前提に現行配当が維持されるかどうかを見る段階の企業といえる。
さらにPBRは0.9倍前後と資産価値近辺で評価されていることから、市場は成長期待よりも解散価値や資産面を意識した評価をしている可能性がある。こうした企業は一時的に高配当感が出やすい一方で、利益が崩れると減配や株価下落の両方が起こりやすいという特徴もある。
総合的に見ると、リズムは配当利回りだけで見れば魅力はあるものの、収益力・資本効率・成長性の面では強みが限定的であり、配当目的の主力銘柄としてはややリスクがある。利回りを補完的に取りにいく中配当バリュー株という位置付けなら検討余地はあるが、長期安定配当株として安心して持ち続けるタイプの銘柄とは評価しにくいという投資判断になる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価3,920円前後で見ると、リズムは売上が326億円 → 335億円 → 338億円予想と小幅な増収が続く見通しであり、急成長企業ではないものの事業規模は緩やかに拡大している。精密部品や時計などの生活用品を柱とした事業構造であり、景気の影響を受けやすいものの一定の需要基盤はある企業である。
また配当は大幅増配が予定されており利回り面での注目度は高まっているが、利益の変動が大きく業績の安定性はまだ発展途上といえる。業績改善は続いているが資本効率は低く、市場評価は資産価値中心のバリュー株的な位置付けになりやすい。
良い場合は、精密部品事業の受注増加や小型家電・海外販売の拡大などで売上が380億円前後まで伸び、営業利益も20億円前後の水準まで改善するケースである。利益率が4%前後まで上昇しROEも5%台まで改善すれば、低収益企業という評価が見直されPERが20倍前後まで上昇する可能性がある。この場合、株価は5,500円から6,500円程度まで上昇するシナリオが考えられる。配当利回りも維持されれば配当株としての人気が高まり株価の下支え要因になる。
中間の場合は、売上が350億円前後で安定し営業利益も15億円前後で推移するケースである。収益力は改善するものの大きな成長ストーリーは描きにくく、PERも現在と近い15倍前後で評価される可能性が高い。この場合、株価は3,500円から4,500円程度のレンジで推移しやすく、高配当バリュー株として比較的穏やかな値動きになる可能性がある。
悪い場合は、精密部品需要の減少や為替・原材料コストの影響で利益が再び縮小し営業利益が8億円前後まで低下するケースである。利益率も2%台にとどまりROEも2%台から改善しなければ市場評価はさらに低下し、PERが10倍前後まで低下する可能性がある。その場合、株価は2,500円から3,200円程度まで下落するシナリオも考えられる。増配が続かない場合は配当期待剥落による下げも起こりやすい。
まとめると、この会社は大きな成長株ではないが増配期待と資産価値を背景に一定の人気を得やすい銘柄である。5年間の株価イメージとしては、良い場合5,500円から6,500円、中間の場合3,500円から4,500円、悪い場合2,500円から3,200円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。配当を受け取りながら値幅も狙えるが、業績の安定性がまだ弱いため景気局面によって振れやすいタイプの銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月16日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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