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前田工繊(7821)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-03-18)
2,082.00
前日比 +31.00(+1.51%)

前田工繊とは

前田工繊株式会社は、福井県坂井市に本社を置く防災・インフラ関連資材メーカーであり、河川や道路補強などに用いられる土木・建築資材分野で国内大手の一角を占める企業である。

盛土補強材や法面保護材、排水材などの高機能不織布製品を中心に事業を展開しており、公共インフラ整備や防災・減災需要の拡大を背景に安定した収益基盤を築いている。産業資材分野や自動車用ホイール事業も柱として成長しており、近年はM&Aを積極的に進めることで事業領域の拡大と収益力強化を図っている。

創業は1919年の前田機業場にさかのぼり、1972年に前田工繊株式会社として設立された。2004年にはゼオン環境資材から事業譲受を行い事業基盤を拡大、2007年に東京証券取引所第2部へ上場した。その後も太田工業や日本不織布の吸収合併、マグネやサングリーンの子会社化などを進め、2012年には東証1部へ指定替えとなった。

2013年にはワシ興産やワシマイヤーを子会社化し、自動車ホイールブランドBBSを展開するBBSジャパンをグループに取り込んだことは大きな転機となった。さらに農業関連や建設資材分野への展開を進め、2020年代に入っても防水材メーカーのセブンケミカル、遊具メーカーの犀工房などを子会社化し事業領域を広げている。

2022年には設立50周年を迎え、東京証券取引所プライム市場へ移行した。2025年には三井化学産資を子会社化し前田工繊産資へ商号変更するなど、合成樹脂製品や配管資材分野の強化も進めている。

事業の中核となるソーシャルインフラ分野では、土木・建築・配管資材や合成樹脂製品の製造販売を行い、公共工事や民間建設工事向けに幅広く製品を供給している。盛土補強材や地盤改良材、防水材、衝撃緩衝材などは災害対策や安全性向上に不可欠な資材であり、社会インフラの維持更新需要を取り込む成長分野となっている。

また農業分野では未来のアグリを通じて電気柵や牧場施設、園芸用ハウスなどの製造販売を手掛け、獣害対策や農業効率化の需要を取り込んでいる。未来テクノでは防災用テントやオイルフェンスなど特殊資材を展開し、沖縄コーセンは地域密着型の土木資材販売・レンタルを担う。さらにセブンケミカルは外壁用防水材、犀工房は幼稚園・保育園向け遊具の企画製造など、周辺分野へも事業を拡大している。

生産拠点は福井本社工場を中心に北海道南幌、滋賀能登川、兵庫西宮など全国に分散配置されており、供給体制の強化とリスク分散を図っている。このように前田工繊は高機能繊維技術と樹脂加工技術を基盤に、防災・インフラ・農業・産業資材・自動車関連と多角的に事業を展開する素材メーカーであり、公共投資や防災需要に支えられた安定性とM&Aによる成長性を併せ持つ企業である。

前田工繊 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
連23.6* 50,204 8,493 8,690 5,258 84.7 14
連24.6* 55,833 10,736 11,236 7,979 127.3 21
連25.6 64,108 12,026 12,259 9,489 139.9 26
連26.6予 67,500 11,000 11,000 7,600 113.1 28
連27.6予 70,000 12,000 12,000 8,000 119.1 28〜30

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

年度 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 8,131 -4,375 -2,308
2024 12,024 -423 -5,196
2025 13,408 -7,829 -4,711

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROA ROE PER(倍) PBR(倍)
2023 16.9% 7.0% 12.1%
2024 19.2% 9.9% 12.7%
2025 18.7% 10.9% 13.8% 12.3〜17.0 1.85

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず利益規模の推移を見ると、営業利益は107億→120億→110億予想と高水準を維持しているものの、直近はやや減益見込みとなっている。経常利益も112億→122億→110億予想と同様に一旦ピークアウトする形であり、利益成長はやや鈍化局面に入る可能性がある。ただし純利益は79億→94億→76億予想と依然として高水準で、安定した利益創出力を持つ企業である点は評価できる。

収益性の観点では営業利益率は16.9%→19.2%→18.7%と非常に高い水準で推移しており、素材・土木資材系企業としてはトップクラスの収益力と言える。ROEも12.1%→12.7%→13.8%と着実に改善しており資本効率は良好である。ROAも7.0%→9.9%→10.9%まで上昇していることから、総資産を使った利益創出力も強く、事業の質は高いと判断できる。

バリュエーション面では実績PERは12.3倍〜17.0倍のレンジで推移しており、収益性の高さを考えると割安感はやや薄いものの過度な割高感もない水準である。PBR1.8倍は資本効率が高い企業としては妥当な評価レンジであり、成長性が維持されればプレミアム評価も可能な水準と言える。

総合的に見ると、この企業は高収益体質と安定した利益規模を持つ優良企業タイプであり、急成長株というよりは質の高いインフラ関連成長株に近い位置付けになる。ただし直近は利益が一旦減速する見込みとなっているため、株価は短期的には横ばい〜調整局面になる可能性もある。一方で中長期では防災・インフラ需要やM&Aによる事業拡大が続けば再び利益成長局面に入る可能性があり、安定成長株としての投資妙味は十分あると判断できる。

配当目的とかどうなの?

配当面だけで見ると、この企業は配当目的投資としてはやや弱い位置にあると言える。まず予想配当利回りは26、27年度ともに1.36%と低水準であり、日本株の配当投資の基準である3%前後と比較するとインカム妙味はかなり小さい。高配当株として評価される水準ではなく、配当だけを目的に保有する銘柄ではない。

一方で利益水準自体は高く、純利益は94億から76億予想と減益見込みながらも依然として大きな利益を維持しているため、配当の安全性という意味では問題は少ない。営業利益率18.7%、ROE13.8%、ROA10.9%と収益性が非常に高く、配当原資となるキャッシュ創出力は強い企業である。このため減配リスクは比較的低く、配当は安定型と考えられる。

また配当額は21円→26円→28円予想と増配傾向にあり、配当成長株としての性格は持っている。ただし増配余地はあるものの、企業はM&Aや設備投資など成長投資を優先している可能性が高く、配当性向を急激に引き上げる戦略にはなりにくいと考えられる。

総合すると、この銘柄は配当利回り目的で買う銘柄ではなく、高収益体質とインフラ需要を背景にした中長期の利益成長を取りに行くタイプの投資対象になる。配当はあくまで安定したおまけのインカムと捉えるのが適切であり、値上がり益を主軸にしながら緩やかな増配を期待する投資スタイルが向いている銘柄と判断できる。

今後の値動き予想!!(5年間)

現在の株価2,051円で売上は558億円から641億円、さらに675億円予想と着実な増収が続いており、防災・インフラ関連資材を主力とする素材メーカーとして事業規模は安定して拡大している。営業利益も107億円から120億円へ伸びた後、110億円予想と一時的に減益見込みではあるものの、依然として高水準の利益を維持している。

土木・建設分野向けの補強材や防災資材は公共投資や災害対策需要の影響を受けやすい一方で、長期的には社会インフラ維持更新の需要に支えられやすく、業績は比較的安定しやすい企業といえる。営業利益率は16.9%から19.2%、18.7%と非常に高い水準で推移しており、ROEも12%台から13%台へと着実に改善していることから、収益性の高い成長型インフラ関連企業という位置付けになる。

良い場合は、防災需要の拡大やM&Aによる事業領域拡大が進み、売上が750億円以上まで成長し、営業利益が130億円前後の水準まで拡大するケースである。高付加価値製品の販売比率上昇や規模拡大による固定費吸収が進めば営業利益率が20%近くまで上昇し、ROEも15%前後まで改善する可能性がある。この場合、市場から高収益成長企業として評価されPERが18倍前後まで見直される可能性があり、株価は3,000円から3,500円程度まで上昇するシナリオが考えられる。

中間の場合は、売上が700億円前後で安定し、営業利益も110億円から120億円程度で横ばい推移となるケースである。インフラ関連需要は堅調ながら急激な成長には至らず、営業利益率も18%前後で安定し、ROEも13%前後の現状水準を維持する形になる。この場合PERは13倍から15倍程度で推移しやすく、株価は1,900円から2,400円程度のレンジで比較的落ち着いた値動きになる可能性がある。安定した収益力を背景に配当を受け取りながら中期的に緩やかな推移となるパターンである。

悪い場合は、公共投資の減速やM&A後の統合コスト増加、原材料価格上昇などにより利益が100億円前後まで低下するケースである。営業利益率も15%台まで低下し、ROEが10%前後まで悪化すると市場評価は低下し、PERが10倍から12倍程度まで縮小する可能性がある。この場合株価は1,300円から1,700円程度まで下落する可能性が考えられる。中長期的な回復余地はあるものの、株価は一定期間調整局面に入りやすいシナリオとなる。

まとめると、この企業は防災・インフラ関連という安定需要分野を背景に高収益体質を維持している企業であり、急激な株価上昇よりも利益成長と評価見直しに伴う段階的な上昇が期待されるタイプの銘柄である。5年間の株価イメージとしては、良い場合3,000円から3,500円、中間の場合1,900円から2,400円、悪い場合1,300円から1,700円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。値上がり益を主軸にしつつ安定配当を受け取る投資スタイルに向いた銘柄といえる。

この記事の最終更新日:2026年3月17日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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